バーテンダーや常連客のプロフィール



スタン
 在日米人。少年の頃、音楽家である父親の仕事の関係で、長野県の松本市に数年間在住。その後、一度アメリカに帰るが、ベトナム戦争が激しくなった60年代後半、徴兵を嫌って上智大学国際学部に留学。そのまま日本に居つく。
 大学時代、仙台坂下のアパートに住んでいた関係で、アヴァンティに通うようになり、学生の頃から店でアルバイト。前バーテンダーのジェイクから、カクテルのイロハの手ほどきを受ける。
 卒業後は世界を放浪するが、81年から87年までの7年間、日本に戻って、ジェイクと共にアヴァンティのカウンターに立つ。
 その後、15年間の放浪をはさんで、2002年5月、乞われて三たびアヴァンティに。これまでに就いた職業は、数知れず。日本航空の社員、TOKYOジャーナル(在日外国人向け雑誌)の編集、幼稚園の保父さん、建設作業員、作詞家(志穂美悦子主演の映画の主題歌の歌詞を書いたとの噂あり)、そしてもちろんバーテンダー。
 21世紀を迎えて、放浪のボヘミアンもようやく腰を落ち着けた模様で、現在の最大の生き甲斐は、葉山の先の秋谷海岸に手に入れたボロ家を、自らの手で改修することだと言う。


定内 伸次

 東京のイタリアンのパイオニアとして知られる吉川敏明氏の『カピトリーノ』で修行した後、1993年よりAVANTIの5代目シェフに就任。その脂の乗り切った腕前は、料理界ではつとに有名だが、本人がマスコミ嫌いのため、TVの料理番組や雑誌には一度も顔を出したことがない。趣味は磯釣りで、休日に三宅島で自分の釣った魚をAVANTIの常連に振る舞うこともしばしば。



紳士
 東京生まれ。慶応大卒。元麻布にある江戸時代からの老舗和菓子屋「壇屋」の次男。家業は兄が継いでいる。文京区目白にある某女子大文学部仏文学教授。子供の頃、映画「三銃士」(ジーン・ケリー版)の再映を観て以来、原作者である大デュマのファンに。それが高じて、仏文学での専門は、大デュマ。フランス留学中に、パリの画学生と大恋愛。セーヌ川のほとりで愛を語りあう。
 帰国後、母校でフランス語の講師に。インテリア・デザイナーと結婚するが、まもなく離婚。今でも、第一線で活躍している彼女の良き理解者。
 女子大の助教授になった30歳過ぎ、世話焼きの叔母の紹介で、赤坂の高級料亭の末娘と見合い結婚。長男長女を」もうけ、実家にほどちかいマンションに住む。
 演劇、映画、小説と、あらゆるエンターテインメントに一言を持つ。
 人生とは「マンジャーレ」「カンターレ」「アモーレ」と信じている。
 ゼミ生他、女子学生からの人気は高い。本人は教え子と関係するのを望んでいるが、信望厚いがゆえに、うまくいったためしはない。
 はじめて『アヴァンティ』に来たのは成人式の日で、開店以来の常連である父親に連れられてやってきた。現バーテンダーのスタンとも、20年前来のつき合い。「アコヤ貝よりも口の堅い」スタンには、絶大な信頼を寄せている。


南 由布子
 東京生まれ。東京女子大卒。大手商社に勤める父親に連れられて二十歳の時、はじめてAVANTIにやって来る。前バーテンダーのジェイクの豊富な話題に魅せられ、女子大生時代は店に通いつめる。
 あるとき、ジェイクが中世ヨーロッパの肖像画について話したことがきっかけで、絵に興味を持つようになる。女子大卒業後、絵の勉強のために、東欧に留学。数年後、帰国し、AVANTIで偶然会った画商の女性と気が合って、彼女の画廊に勤務することになる。
 身長は165cm、バスト89cm、ウェスト57cm、ヒップ85cm。靴のサイズ23.5cmのナイスバディ。アヴァンティの常連の間でも、その大人の色気ゆえにファンは多く、彼女が店に入って来るだけで、男の上気した熱気で店内の温度が3度上がると言われている。
 2001年、麻布警察署の刑事、野上と電撃結婚したが、生活のすれ違いのため、1年と持たずに離婚。そして2006年、紆余曲折の末にAVANTIの常連仲間、取手豪州(※下記参照)と再婚。それでも常連仲間から以前通りに「南さん」と旧姓で呼ばれているのは、取手に対するやっかみも含まれているものと思われる。


取手 豪州
 栃木生まれ。「サンシャイン取手」他、多数の会社を経営。自称「七つの企画を持つ男」。
 貿易会社を営んでいた父親に連れられ、幼少の頃、ブラジル、オーストラリア、ノルウェーなど世界各地を転々とする。満州生まれで豪放磊落な性格だった父親の影響を受け、自由奔放に育つ。
 小学校を終える頃、東京に住む母親に呼び戻され、父親と離ればなれになる。母親の家系は、栃木に選挙地盤がある有名な政治家一族で、豪州は唯一の跡継ぎであることから、期待を一身に受ける。衆議院議員である祖父の秘書をしていたが、政治家は性が合わないと辞職。イベント会社をはじめる。
 いくつも会社を作り、いくつも会社をつぶしたが、いまだ母親の実家に泣きついたことはない。
 父親の遺伝か、無類の女好き。とにかく、ありとあらゆることをやって女を口説こうとするが、いつも悲惨な結果に終わる。
 彼によれば「世の中で話題になったことの三分の一は、自分と関わりがあり」「三分の一は、昔よく面倒を見たヤツが関わりがあり」「残り三分の一は、知り合いが関わりがある」そうである。
 AVANTIに来たのが、いつの頃かは不明。いくら邪魔扱いされても、懲りない男である。そんな「AVANTI一の嫌われ者」が、2006年に常連客のマドンナ、南由布子を射止め結婚。なぜこのようなカップルが生まれたのかは、常連客の間で「AVANTI最大の謎」と言われている。