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読書の秋 2007年10月13日放送分 |
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猛暑が厳しかった夏から一転、急に涼しくなってきた今日この頃ですが、皆様はどんな「秋」を楽しんでいらっしゃいますでしょうか?
秋と言えば「読書の秋」。当店でも読書家のお客さまが「あの本は良かった」なんてお話に興じているのをお見かけします。そこで本日は、そんなお客さまのお話を、ここで少しだけご紹介させていただきましょう |
| ■ | 目黒考二さん(書評家)の
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去年の本屋大賞にも選ばれた『一瞬の風になれ』は陸上の400mリレーを描いた小説。佐藤多佳子さんは当たり外れのない人だけど、この作品では「走る喜び」を実に上手く描いている。リレーだからバトンを受け取って、次の人に渡さなければいけない。その息が合って、気持ちよく走れれば勝つ。その表現が素晴らしい。 佐藤多佳子さんに限らず、最近は児童文学出身の女性作家が大活躍している。たとえば森絵都さんの『DIVE!!』もその1つ。こちらは高飛び込みをテーマにした小説で、これも読み始めたらやめられない。経営の危ういスイミング・スクールを救うべく、五輪を目指す少年たちの物語。 大人を主人公にしたスポーツ小説なら近藤史恵さんの『サクリファイス』が最近の傑作。社会人の自転車ロードレースを描いているんだけど、このスポーツは「チームのエースを勝たせる」という競技。だからチームのメンバーはそのためのサクリファイス(犠牲)になる。 そして普通の自転車ロードレース小説としても十分に面白いのに、途中からミステリーとしての要素も盛り込まれ、全てが伏線になって最後にドカン!という作品。今年の「このミス」などでも上位を争うはず。
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| ■ | 西山繭子さん(女優/作家)の
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もともと私は書くことに対して特に興味はなかった。若い頃に「アイドル・エッセイ」的な文章を書いた程度。でも「雑誌で短い短編を書いてみませんか?」と言われて書くことになり、その短編をまとめたのが『色鉛筆専門店』。
一番好きな作家は長嶋有さん。劇的な話を書く人ではないけれど、文体がすごく気持ちいい。代表作は芥川賞を取った『猛スピードで母は』で、映画化された『サイドカーに犬』もこの人の作品。主人公は「うだつの上がらない人」が多く、人生の一コマを切り取ったような作品が多い。 とはいえ、こんな風に本を読むようになったのは、本当にここ2〜3年。モノを書くようになって「取材を受けた時に何も知らないのはマズイ」と勉強するようになった。大学時代なんて文学部なのに4年間で5冊くらいしか読んでない。 父(伊集院静さん)とも10回くらいしか会ったことがないので、影響を受けることもなかった。今回、本を出すにあたって4年ぶりに父と電話で話をしたら、すごく驚いていたようだったけど喜んでくれたみたいだった。 自分で書いてみて「書き続けるのはすごいことだ」と思った。いつか父とはお酒でも飲みながら本の話をできたらと思う。
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| ■ | 児玉清さん(俳優)の
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時代小説と言えば北方謙三さんの『独り群せず』も素晴らしいけど、最近は女性の活躍が目立つ。直木賞を受賞した松井今朝子さんの『吉原手引草』もそうだし、あさのあつこさんの『夜叉桜』も人間の心の奥底にうごめく何かをズバリと引き出していて、とても新味のある時代小説。
『ガリレオの指』は現代科学を動かした10大理論についてのノンフィクション。科学理論がわからなくても、人間の叡智の歴史として楽しめる。『人類、月に立つ』もアポロ計画という「二十世紀に人類がもっとも興奮した事件」の興奮が蘇る1冊。暇な時にこんな本を読むと、くだらないことがバカバカしく感じられる。 最近面白かったのはリー・アイアコッカの「世のリーダーたちはどこへ行ってしまったのか」みたいな本。その本に出てくる「グローバリゼーションとはプリンス・ダイアナの死だ」という話が印象深かった。 イギリスの王妃がエジプトの富豪と恋に落ち、オランダのエンジンを積んだドイツの車に乗ってフランスのトンネルで事故に遭った。追いかけていたのはイタリアのパパラッチで、彼らが乗っていたのは日本製のバイク……といった具合。そんな「違う視点」を持った人の本は面白い。
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| ■ | 松下奈緒さん(女優/ピアニスト)の
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公開中の映画『未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』はDreams Come Trueの曲を映画化した作品だけど、原作があるなら台本よりも原作を先に読む。たとえば『アジアンタムブルー』だったら大崎善生さんの原作を読んだら、女性のように柔らかい書き方に驚かされた。
原作を読むのは、どういう気持ちで原作者の方がその作品を書いて、何を一番言いたいのか知りたいから。でも原作を読む時は第三者として楽しんでいる。台本に書かれていない仕草などが描かれていたら「やってみようかな」なんて思うこともある程度。 昔は活字に弱くて、本を読んでも最後までちゃんと読み切ることができなかった。でもこの仕事をするようになって、自由にいろんなことを想像できるところが「演じる」という部分にも繋がるような気がしている。 とはいえ、仕事の都合で時間は限られるし、台本を読みながら他の小説を読むのはなかなか難しい。だから読みたいと思った本はメモをしておいて、仕事が終わってから手に取るようにしている。 最近読んだのは『カフーを待ちわびて』。活字を読んで泣くのはストレス解消にもなるし、最後の大どんでん返しが本当に良かった。
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| ■ | 高橋真唯さん(女優)の
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本の「ジャケ買い」ならぬ「表紙買い」や「帯買い」をよくする。素敵な表紙や言葉につい買ってしまうんだけど、これがなかなか読まない。買って、並べて、それで満足してしまう。
たとえば江國香織さんの『スイートリトルライズ』は表紙買いだった。すごく可愛いテディベアの写真が表紙でタイトルが「ライズ」。「クマなのに嘘をつくの?!」と思わず飛びついた。そしていまだに読んでなくてスミマセンという感じ。 最近のお気に入りは『空色ヒッチハイカー』。18歳の男の子がお兄ちゃんの残した古いキャデラックで夏休みに旅をする物語で、出会ったヒッチハイカーを次々に乗せて一緒に旅をする。本当に何の事件も起きないお話だけど、こんなに情景が思い浮かんだ本は初めてだった。 読んでいると風とか緑の匂いが伝わってくるような気がして、一緒に車に乗っているような気分になれる。しかも登場人物の「杏子ちゃん」に自分がすごく似ている気がして、ますます一緒に旅をしてる気になった。もしこの作品を映画化するなら、杏子ちゃんは絶対に自分が演じたい。 登場するヒッチハイカーたちも等身大で、身近な誰かに当てはめて読むことができる。オススメの1冊。
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■ 放送曲目リスト |
| Time | Title | Artist | Label | Number |
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| 10'12" | Long Ago And Far Away | Bobby Darin | 有限会社M&I音楽出版 | YKCJ-302 |
| 20'47" | I Could Write A Book | Peggy Lee | Capitol | TOCJ-5342 |
| 31'26" | Swingin' On The Moon | Mel Torme | Verve | 314 511 385-2 |
| 41'51" | Just You Just Me | Thelma Gracen | Emarcy | EJD-3069 |
| 47'46" | Something Happens To Me | Brossom Dearie | Daffodil | CDL-57336 |