放送曲目リスト2007年の放送一覧

昭和歌謡
2007年9月22日放送分

 常連のお客さまに教えていただいたのですが、最近は「昭和歌謡」がちょっとしたブームなんだそうですね。特に人気なのが1970年代のアイドル歌謡らしく、たしかに私の友人にもカラオケでレパートリーにしている人がいます。
 そして当店のお客さまには、当時の歌謡界でその中心にいた方もいらっしゃるんです。そこで今週は、そのお客さまが教えて下さった貴重な当時のお話を、ここで少しだけご紹介させていただきます。皆様のご意見・ご感想もぜひこちらからお聞かせ下さい。



いしだあゆみさん(歌手/女優)の
『ブルーライト・ヨコハマ』の話
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 20歳の時に『ブルーライト・ヨコハマ』が出て、ガラッと人生が変わった。あまりのヒットに「私はこの曲を預かっているだけ」と自分に言い聞かせて、とにかく傷を付けないようにしてきた。
 横浜や横須賀にあった米軍のバーへ行くと、モータウンなんかの曲に混じって『ブルーライト・ヨコハマ』が入っていたりもした。日本の曲はそれだけだったので、すごく嬉しかった。
 それくらい外国人にも愛された曲だけど、音の並びはとても日本的。「♪ブルーライト・ヨコハマ〜」の部分も、私はあえて日本語的な発音をしている。メロディ的には日本の小唄・端唄っぽい。
 当時、まだ時代は歌謡曲よりも演歌で、都はるみさんや美空ひばりさんなど、演歌の大スターが一番だった。そして『ブルーライト・ヨコハマ』のヒットをきっかけに、歌謡曲の時代を作っていったのが筒美京平さんだった。
 実は、私はこれだけ長いお付き合いなのに、筒美さんとあまり喋ったことがない。時間にして10分ないくらいだと思う。いろいろ指示されるのも面倒なので、いつも自分なりに歌って、あとは事後承諾。
 今でも『ブルーライト・ヨコハマ』は私が預かった宝物。壊れないよう大事にしている。
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麻丘めぐみさん(歌手/女優/演出家)の
『アイドル時代の思い出』の話
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 私のデビューは1972年。最初のレコーディングは、ビクターの偉い人がズラッと並ぶ中で行われた。ところが私は子供の頃から地声が低くて「可愛くない」と言われてしまう。それで頑張って作った声で歌った。
 そのデビュー曲『芽ばえ』は日本レコード大賞の最優秀新人賞にノミネートされた。当時は会場が帝国劇場で、あそこのセリは高くてめちゃくちゃ怖い。私は立っただけで頭が真っ白になった。
 しかも私がまさかの受賞。完全にパニックになって、なにを言われても「え?え?」としか答えられなかった。当時のビデオを見ると、司会の森光子さんと高橋圭三さんが一生懸命フォローして下さっているのが可笑しい。
 その翌年が『わたしの彼は左きき』。当時はギターを高中正義さんが弾いて下さるなど、スタジオミュージシャンがすごい人ばかりだった。筒美京平さんにこだわりがあったのでは。
 その筒美先生はオーラがとにかく怖かった。でも私には「楽しく歌ってね」としか言わない。それくらい私の声や音域を考えて作られているので「歌うだけ」で成立した。だから昔の曲を今歌っても全然違和感がない。ただし当時の可愛い声を出すのはハードだけど。
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半田健人さん(俳優)の
『歌謡曲好き』の話
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 小学校5〜6年で音楽に興味を持ち始めた頃は、小室哲哉さんの全盛期。でも僕は『がんばれ元気』みたいな古い漫画が大好きで、当時の空気感が知りたくて、漫画が描かれた時代の曲を聴くようになった。
 その頃は歌謡曲のCDが手に入りづらかったので、中古レコード屋を物色して、アナログレコードで聞いていた。しかも、たとえば尾崎紀世彦の『さよならをもう一度』を聴きたくても、シングルがないのでアルバムで買うしかない。そんなことを繰り返していたら、どんどん歌謡曲が好きになっていった。
 面白いのが、固定観念なしに曲を聴くと、作曲家の個性や曲そのものの特徴がよくわかること。自分では「良い曲だなぁ」と思っても親は「知らない」と言ったり、逆に「パッとしない曲だな」と思ったら「これはヒットした!」と言われたり。
 そんな子供だったので、僕は都倉俊一さんみたいな作曲家になりたいと思っていた。都倉俊一さんだったのは、入り口が山口百恵さんとピンクレディーだったから。それから、テレビで見た都倉さんがやけに格好良かったせいもある。
 もちろん筒美京平さんや阿久悠さんの曲も聴いた。馬飼野俊一さんなんて、編曲だけでもすぐにわかる。
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都倉俊一さん(作曲家)の
『プロの作曲家と作詞家』の話
 グループ・サウンズの登場は日本の音楽業界における大きな転機になった。そして僕はその少し後の、ビートルズやローリング・ストーンズの洗礼を受けた世代。
 古来から日本の音楽は「詩」がすべてで、「節(メロディ)」は詩を補強する存在でしかなかった。しかも東アジアには音が5つしかなく、民謡から金魚売りの呼び声、相撲の呼び出し、世界的なヒット曲『上を向いて歩こう』すらも、全部5音階。
 その音階が良いという日本人の感性は100年程度じゃ変わらない。だからどんなにサウンド作りをしても、その核になっている「節」に関しては、バラエティに富んだモノを受け入れられる文化がまだないと思う。
 そして「詩」に関して言えば、最近は私小説のように「自分の思ったことを書く」というやり方が多い。もちろんそれはメッセージ性に繋がるメリットがあって、尾崎豊なんて青春を燃焼し尽くしたすごい世界を見せてくれる。
 でもそのやり方では、その世界に共感できる人を虜にするけど、何千万という人が共感できるとは限らない。プロの作詞家としてはそれでは困る。だから阿久悠さんは「今の詩はブログで、僕が作っているのは映画の脚本」と言っていた。
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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'15" ブルーライト・ヨコハマ いしだあゆみ TOSHIBA EMI TOCT-10971
17'45" 芽ばえ 麻丘めぐみ Victor VICL-41058
30'40" コーヒーショップで あべ静江 PONY CANYON PCCA-01607
48'03" ハリウッド・スキャンダル 郷ひろみ SONY SRCL 4003