放送曲目リスト2007年の放送一覧

凄いガラス
2007年8月11日放送分

 私たちは毎日、窓やグラスに使われている「ガラス」に何気なく接していますが、実は世の中には様々な「凄いガラス」があるんだそうです。割れにくいガラスやUVカットのガラス、それから「美しいガラス」も普通のガラスとは成分が違うのだとか。
 そんな「凄いガラス」にお詳しいお客さまが当店で教えて下さったお話を、今日はここで少しだけご紹介させていただきます。



賀井伸一郎さん(日本板硝子株式会社 建築硝子部)の
『ビルのガラス』の話
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 都内にガラス張りの高層ビルが増えたのは、ガラスの性能がすごく良くなったから。最初に開発されたのが「熱線吸収ガラス」。これはボディに金属を入れた、熱線を吸収するガラス。さらに高性能な「熱線反射ガラス」は表面に金属膜をつけて、熱線を反射する。
 ただし熱線反射ガラスは少しガラスが暗くなってしまう。そこで現在はさらに高性能な「Low-Eガラス」が開発された。これは断熱性があって、可視光はいっぱい入れるけど、日射は防いでくれる、という凄いガラス。
 「瞬間調光ガラス」も凄い。ガラスとガラスの間に液晶が入っていて、電圧をかけて液晶を整列させると向こうが見えるけど、電圧をかけなければ見えなくなる(曇りガラスになる)というガラス。
 六本木の泉ガーデンタワーでは1棟で約7万平米のガラスが使われた。使われたのは高性能なグリーンの熱線吸収ガラス。可視光の透過率が70%もあるので、中から見ても普通のガラスとの違いはほとんどわからないと思う。さらに透明なロールスクリーンが設置され、ガラスの外壁とロールスクリーンの間の30cmほどの空間に生じる温かい空気を排出する「エアフロー」という技術も使われている。
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桐山時男さん(桐山製作所 工場長)の
『ビーカーやフラスコ』の話
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 ガラスの原料は「珪砂(けいしゃ)」という砂。珪砂の含有量が多いほどガラスは耐熱性が上がる。理化学実験用の耐熱ガラスなら約80%が珪砂。さらにほぼ100%になると「石英ガラス」と呼ばれ、桁違いの耐熱性を持つ。ただしその分、加工は難しくなる。
 理化学の実験器具にガラスを使う利点は、まず中が見えること。直火であぶることもできるし、加工性にも富んでいる。また、いろんな薬品を入れても溶け出さない科学的な安定性も重要。それでビーカーや試験管はガラスで作られている。
 実験器具には「平らな面」を作らないのが大原則。ガスのタンクでも圧力容器でも必ず曲面になっているのは、その方が圧力に強いから。それでフラスコなども丸くなっている。
 加工前のガラス素材はパイプ状で送られてくる。珪砂を溶かして、そのチューブを作るのは「窯業(ようぎょう)」と呼ばれる別の会社。我々はそれを加工して製品にしている。
 加工の時は「歪み」に注意する必要がある。熱したところと熱していないところの境目に歪みが生じ、何もしなくても割れてしまうことがあるから。そこでバーナーで全体的にあぶって、境目にグラデーションを作る工夫を施している。
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小川博さん(バカラ パシフィック代表取締役)の
『クリスタルガラス』の話
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 バカラはフランスの会社。1764年の創立で、最初はルイ15世の認可のもとに作られた王立のガラス工場だった。
 最初は普通のガラスを作っていた工場が、1816年からクリスタルを作るようになる。クリスタルとはガラスに鉛を加え、非常に透明度が高く、光を屈折・分散させて美しく輝くようにしたガラスのこと。しかもガラスの表面が柔らかく、加工しやすい。
 クリスタルが発明されたのは1600年代後半のイギリス。当時、国王の命令で木材が燃料として使えなくなり、ガラス作りにも石炭を使わざるをえなくなった。ところがそれではガラスが濁ってしまう。そこでラヴェンスクロフトという職人が酸化鉛を入れてみたところ、透明感の強いガラスが誕生した……と伝えられている。
 バカラでは創立からずっと同じ工場が使われている。その工場の上に大きな鐘が付いているのは昔の名残りで、溶かしたクリスタルが良い状態になったらその鐘を鳴らして職人たちを呼んでいた。さすがに現在はコンピューター制御になり、大きな窯から常に水道の水のようにクリスタルが流れ落ちてくる。それでも小さなモノや色を付けたクリスタルは、昔ながらのやり方で作っている。
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大西一行さん(グラスピット)の
『車のフロントガラス』の話
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 自動車のガラスが割れる原因として、最近は飛び石による割れが非常に多くなった。タイヤに付いていた小さな小石が前の車から飛んできて、フロントガラスに当たってヒビを作ったりする。
 フロントガラスは2枚のガラスが合わさっていて、その間に「中間膜」という非常に強いビニールが挟み込まれている。中間膜はポリビニルブチラールと呼ばれる素材で、ガラスと同じくらいの透明度を持ちながら非常に柔軟性が高く、どんなに引っ張っても人間の手ではまず切れない。
 最近のフロントガラスは紫外線を99%カットしたり、断熱材を中間膜に練り込んで、夏場でもハンドルがあまり熱くならないような工夫をした商品も出ている。そのフロントガラス「クールベール」は純正のプリウスに採用されているほど。
 また「低反射ガラス」はフロントガラスへの内側に特殊なコーティングを施し、映り込みを減らす工夫がされている。これにより車のダッシュボードを明るい色にすることも可能になった。
 逆に映り込みを利用した「ヘッドアップディスプレイ」も増えている。特殊な反射板をフロントガラスの一部に組み込み、そこにスピードメーターが映り込むようになっている。
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篠原正義さん(篠原まるよし風鈴)の
『江戸風鈴』の話
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 今でこそ「夏の風物詩」と言われる風鈴だけど、昔はそんなことはなかった。
 最初にガラス製の風鈴を作ったのは享保年間の旗本だと言われ、今の物価で300万円くらいしたと伝わっている。その風鈴には1個1個に絵描きが模様を描き込んでいて、今でも残っているモノの中には「椿」の柄がある。椿と言えば冬の花。そんな風鈴もあったので、夏限定ということではなかった。
 また高いモノだったから、気軽に軒先へ吊せるはずもなく、部屋の中に下げていた。当時は透明なガラスが非常に貴重だったので、現代で言えば宝石みたいな感覚だったのだろう。
 それが江戸末期になって、庶民の手にも届く値段になってくる。すると庭師たちがお中元に「釣りしのぶ」を配っているの見て「その下に風鈴を下げると似合うのではないか」と目を付けた業者がいた。
 また一方で「ほおずき市」でも風鈴が下げられるようになった。もともと薬草として緑の「千成ほおずき」が売られていたのが、観賞用の赤い「丹波ほおずき」が流行し、そこに風鈴が添えられた。
 そうやって風鈴は「釣りしのぶ」「ほおずき」とセットになり、いつしか「夏の風物詩」になっていった。
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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'54" A Primera Vez Joao Gilberto World Pacific CDP7 93891 2
19'51" On My Mind Astrud Gilberto Verve 314 539 675-2
31'13" Meditation Nara Leao Philips PPD-1054
42'16" Cancao Pequenina Marcos Valle EMI 829 370 2
48'23" Nem Um Talvez Doris Monteiro Bomba BOM 557