放送曲目リスト2007年の放送一覧

高級腕時計
2007年7月28日放送分

 腕時計は男性の重要なファッション・アイテムの1つ。最近は高級な機械式の腕時計にこだわる方が多く、いわゆる“お金持ち”でなくても、普通のサラリーマンが趣味として数十万円の時計を身につけているのだそうです。
 当店のお客さまにも、そんな「高級腕時計」にこだわりを持つお客さまがいらっしゃいます。今日はそのお客さまのお話を、ここで少しだけご紹介させていただきます。



鈴木正文さん(『ENGINE』編集長)の
『車と腕時計』の話
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 両腕に腕時計を着けているのは、車に乗っている時に見やすいから。左右どちらにハンドルを切ってもちょうど時計が見える。普段乗っている「スーパーセブン」には時計が付いてないし、古い車だとだいたい時計が止まっているし。
 もう1つの理由としては、やっぱり人間、左右のバランスを取った方が良いと思うから。ちなみに右手に付けている時計はクロノスイスの右手用の腕時計。リューズが左手用の反対側に付いている。
 一番お買い得な時計はロレックスだと思う。安いと言っては怒られるけど、持っているモノとの関係で言えば一番安い。たとえばポルシェ911もそういう存在。メルセデス・ベンツの質の高さや、サービスがしっかりしているところも似ているかも。
 ロレックスにもいろんなデザインがあるけど、クラシックなデザインは全然変わっていない。そういう時計をずっと使っているのは良いと思う。一番安い「エアキング」なら50万円しないし、一生使える。
 左手に着けているのはタグ・ホイヤーのスティーブ・マックィーン・モデル。映画『栄光のル・マン』に登場したレーシング・モデルで、これを見ては「自分は車が好きなヤツなんだ」と確認している。

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[鈴木さんの腕時計]

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植田博之さん(『時計Begin』編集長)の
『トゥールビヨン』の話
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 スイスの人里離れたジュウ渓谷には、ブレゲ、ブランパン、オーディマ・ピゲといった高級腕時計のメーカーが軒を連ねている。
 その1つ、ブレゲの創始者は1700年代後半のフランス人で「時計の歴史を200年早めた男」と言われた人。この人が発明したのが「トゥールビヨン」というメカニズムだった。今では高級腕時計の代名詞となっていて、このメカニズムを採用している腕時計は1千万円以上する。
 トゥールビヨンは縦や横などの時計の姿勢によって、重力の影響で精度が狂うのを補正するメカニズム。非常にハイレベルな職人さんが時間をかけて作るモノなので、高くなってしまう。
 ところが実は、現代ではトゥールビヨンは必要ない。たとえば1千万円以上するトゥールビヨンの腕時計でも、現代の基準で言えばそんなに精度は高くない。各社、その精度を上げようと研究しているけど、そんな無理をしなくてもクォーツの方が精度は高い。
 たとえば機械式の腕時計は「日差○秒」というレベルで、クォーツ時計は「月差○秒」くらい。さらに電波時計になると10万年に1秒しか狂わない。この電波時計が10万円以上の値段を付けられなくて悩んでいるというのが面白い。
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松山猛さん(作曲家)の
『趣味の腕時計』の話
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 今日、着けているのはフランソワ・ポール・ジュルヌの腕時計。この人はジュネーブにアトリエを構えるフランス人で、ハンドメイドで少数の腕時計を作っている。文字盤には昼夜の表示もあって、朝になると太陽が昇ってきて、夜になると星が出てくる。
 僕も若い頃は時計が嫌いだったんだけど、70年代始め頃にアメリカで古い時計を買う機会があった。その時計は気に入ってしばらく使っていたら、ある時、その時計が壊れてしまった。そこで近所の時計屋さんへ修理に持っていった。
 時計屋さんはその時計を見て「ああー、これは良い機械なんだ」と褒めてくれる。僕も時計の中を見せてもらって、改めてその時計が好きになった。そして「また壊れたら困るから、もう2〜3個手に入れておこう」と思って探し始めた。それがいつの間にか趣味になっていた。
 1940年代のカルティエの時計は南フランスのアンティーク屋で見つけた。当時は注文を受けてから作るのが普通だったので本数が少なく、非常に評価が高い。
 フランク・ミュラーが僕のために作ってくれた時計も持っている。知り合い10人にだけ作った時計で、製造番号の変わりに「友達に」と書いてあったのが嬉しかった。
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望月明美さん(銀座『ル・ジャルダン』)の
『銀座のお店と腕時計』の話
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 お客さんの服や鞄、靴を見れば「その人が自分をどう見せようとしているか」がわかる。大切なのは全体のバランス。1千万円くらいしそうな金ぴかの時計をしていても、流行遅れのスーツを着ていたら「最近は苦労しているのかな……」なんて思ってしまう。
 もちろん腕時計は男性のアイテムの中で重要なモノの1つ。言われてみれば最近は60万円くらいの腕時計が多いような気がする。お客さんの腕時計をジロジロ見たりはしないけれど、パッと見た感じでどれくらいの時計かイメージは湧く。
 「あれ?この時計は?」と思った時には、あえて「これ、どうされたの?」と聞くこともある。その時計にまつわる話が面白いし、それでどういう人なのか見えてくるから。
 お店にとって「良いお客さん」は「マジメな人」。フランク・ミュラーの高い時計をしているのにケチ、というのが最悪。マジメで情があって、水商売の女にも優しい。そういう雰囲気を醸し出す男性が良い。
 たとえばバセロンのドレス・ウォッチをしていて、ビジネスマンらしい紺のスーツを着て「この時計は?」と聞くと「スイスでプロジェクトが成功した記念に買ったんだ」なんて話をしてくれれる。そんな人が理想的。
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加藤幸則さん(セイコーウオッチ)の
『ノード・スプリングドライブ・ソヌリ』の話
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 昨年発売したクレドールの「ノード・スプリングドライブ・ソヌリ」は1575万円。技術者の「こういう時計を作りたい」という想いで作ったので、値段は後からついてきた。
 ソヌリというのは正時に鐘の音で時刻を知らせる機能。その機能をセイコー独自のスプリングドライブという機能に加えた、世界にコレしかないという究極の腕時計。本当に鐘を叩くため、少し大きめになっている。
 文字盤はなく、内部のメカニズムが見えるようになっているのは、世界で唯一の機能をその目で見てもらうため。音を出して時刻を知らせる時計は他にもあるけど、こんなに柔らかくて余韻のある音を出す時計は他にはないと思う。この音を出すために様々な工夫がなされている。
 スプリングドライブというのは、ゼンマイで時計を動かしつつ、それを最先端のICクォーツによって補正する仕組み。秒針が滑らかに動く「スウィープ運針」が特徴的。
 この時計は年間に5本が生産されている。何人もの職人が600点を超える部品を1つ1つ作って、キレイに磨き上げるのに半年。さらにそれを組み立てるのに半年がかかる。初年度で10数本のオーダーをいただいたので、現在もお待ちいただいている。

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[ノード・スプリングドライブ・ソヌリ]

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'11" My Sin Patti Page Mercury UCCM-9037
20'00" It's De Lovely Anita O'day Verve POCJ-1914
31'10" Chez Moi Blossom Dearie Verve POCJ-2653
40'30" Teach Me Tonight Peggy Lee Capitol 7243 4 96729 25
47'39" Be Careful, It's My Heart Helen Carr Bethlehem COCY-9929