
|
Bar月間 〜その2〜 2007年4月14日放送分 |
|
|
今日も当店AVANTIにはいろんなお客さまがいらっしゃいました。当店にいらっしゃる常連のお客さまに共通しているのは、バーとお酒、そしてお話が好きなこと。みなさん、グラスを片手にいろいろなお話で盛り上がっていらっしゃいます。
そこで今週も、当店のウェイティング・バーで常連のお客さまが語っていらした「バーの魅力」の話を中心に、素敵なお話をいくつかご紹介させていただきます。 |
| ■ | 目黒考二さん(書評家)の
|
![]() |
|
福田栄一さんの小説『メメントモリ』は、若きバーテンダーが主人公。ところが勤め先のバーが潰れてしまい、見つかった再就職先は場末のスナック。カクテルを頼む客もいない場末のスナックで、鬱屈していた若いバーテンダーが様々な人々と出会い、癒されて再生していくドラマを描く。
たとえばそのスナックのママさんの父親はかつての名バーテンダーで、カクテルを作るとその良し悪しが全部わかってしまう。そんな人々との出会いを通して、主人公は「情熱さえあれば環境など関係なく新しい日々が開けていく」ことを知る。 藤原伊織さんの小説『シリウスへの道』に登場する新宿の裏通りのバーは、なんとつまみがホットドッグだけ。偏屈な男がやっているその店は、客も選ぶし営業時間も短い。一風変わったそのバーを、主人公である広告代理店のサラリーマンが訪れる。 そしてこの作品では、広告代理店の仕事が細かく描かれる。仕事のできない同僚や、口ばかり出してくる上司などの中で、いい仕事をするために奮闘する主人公には、サラリーマンなら大いに感情移入できる。さらにミステリーあり恋愛ありで、藤原伊織さんの良い部分が全開の作品。
|
| ■ | 須田鷹雄さん(競馬評論家)の
|
![]() |
|
最近、僕は「スロー・ギャンブル」を提唱している。ギャンブルが好きでずっと生きてきた人は、やっぱり年を取ってもギャンブルをやりたいもの。でもごった返している今の競馬場や、うるさくて眩しい今のパチンコは、高齢者にはちょっと辛い。
地方競馬を筆頭に公営競技の苦境が伝えられるけど、そこにスロー・ギャンブルなら一定の需要を見込めるのでは。たとえば「ばんえい競馬」の北見競馬場では休憩室でストーブが焚かれていて、地元のお婆ちゃんが勝手にカボチャを焼いたりしていた。そういうノリがギャンブルの世界にあってもいいと思う。 1日をギャンブルしながらのんびり過ごせる場所。畳の部屋なんかがあって、仲間と喋っているだけでもいい。100円でも賭ければ頭も使うし、ゴール前の勝ち負けではちょっとアドレナリンも出る。そうやってゆっくり1日を楽しく過ごしてもらう。 実は「公営競技は今の若い人に合わない」という説がある。レースとレースの間の待ち時間が、今の若い人に会わないのだとか。でも逆に、そのテンポが合うのが高齢者層。そこで地方競馬や競輪は、高齢者層を中心に「スロー・ギャンブル」を楽しんでもらったらどうだろう。
|
| ■ | 山根一眞さん(ノンフィクション作家)の
|
![]() |
|
ハンバーグの源流を調べると、ロシアのタタール人に行き着く。彼らの「生肉を刻んで食べる」という習慣がヨーロッパに伝えられ、フリカデーレという食べ物になった。そこでフリカデーレを調べに、ドイツへ行った。
イギリスから飛行機に乗ってドイツに向かうと、機内放送でやけに「ハンバーグ」と言う。つまりハンブルグを英語読みするとハンバーグ。でもハンブルグにハンバーグは無い。生肉を刻んでパンに乗せたフリカデーレしかなかった。 さらに調べてみたところ、かつてハンブルグ港はヨーロッパ中の貧しい農民が新大陸アメリカへ出て行った港だった。そしてそこに集まった貧しい人々に振る舞われたのが、安い肉を刻んで作ったフリカデーレだった。 人々はアメリカに渡ってからもハンブルグで食べた肉が忘れられず、刻んだ肉を食べる習慣を持つようになった。それをいつしか焼くようになって「ハンバーグ」になった。さらに1904年のセントルイス万博で、あまりの忙しさにパンにハンバーグを挟んでお客さんに渡したのが「ハンバーガー」。 それが日本に伝えられたのは1970年の大阪万博。そしてグルッと世界を1周して、今ではロシアでも食べられる。
|
| ■ | 阿刀田高さん(作家)の
|
![]() |
|
昭和30年頃、「トリスバー」と「サントリーバー」は別物だった。トリスバーの方が安かったけど、おもしろいものでカウンターの中の女性がキレイかどうかは、値段に関係なかった。
ところが日本が経済的に成長するにつれ、そういう部分にもお金が絡むようになってくる。そして昭和30年代の半ばあたりから、美しい女性はサントリーバーへ、それなりの女性はトリスバーに、という区分けができた。昔は貧乏な学生でも、トリスバーで「おっ!」なんてことがあったけど、そんなこともすっかり無くなり、今日に至っている。 自分にとってバーとは「儀式」。バーに座って飲むと「1日が終わった」「これからクラブにでも繰りだすか」なんて1つの区切りが付く。「タバコを一服吸わないと原稿が書けない」とか、人はそれぞれ儀式を持っている。バーはそんな儀式の1つ。 またバーは非日常であり、ささやかな高級感を感じさせてくれる場所。私たちの世代は洋酒のビンだけでも感じるところがあった。そのせいでトリスのすぐ上のホワイト・ラベルは今でも神々しい。リザーブやダルマが普通に飲める今でも、ホワイトは高級な感じがしてしまう。
|
| ■ | 甘糟りり子さん(作家)の
|
![]() |
|
ホテルでお願いすると、ホテル周辺のジョギング・マップをもらえる。雑誌の連載のために、東京、横浜、京都、パリ、ロンドンでいろんなホテルに泊まって、そのマップをもらって実際に走った。
東京のホテルの場合、半分以上は皇居絡みのコース。オークラとか全日空みたいにちょっと皇居から離れたホテルにもあるし、もちろんパレスホテルやマンダリンもある。 恵比寿のウェスティンは代官山あたりを走るコース。これは信号が多いし、アップダウンも多くて大変だった。でもウェスティンはグループでワークアウトに力を入れているのか「ワークアウトルーム」が用意されていたり、京都のウェスティンにはランニング・コンシェルジュもいる。 マップはホテルによって工夫されていて、フォーシーズンズ丸の内は水に強い紙で小さく折りたためるようになっていた。オークラはペットボトルの形になっていて、ルームキーをしまえる工夫がされていた。 1年間やってみて気がついたけど、走っている途中で水が見えるとすごく気分転換になる。それから緑も気持ちいい。そう考えると皇居は理想的。夜もお巡りさんがいるから安全だし、アップダウンもそれなりにある。やっぱり皇居はジョギングに良い場所。
|
|
■ 放送曲目リスト |
| Time | Title | Artist | Label | Number |
|---|---|---|---|---|
| 9'56" | Night And Day | Steve Lawrence | Capitol | CDP 7243 8 53411 2 0 |
| 20'07" | Ain't We Got Fun | Peggy Lee | Capitol | 7243 8 54543 2 5 |
| 30'39" | One More Mile | Anita O'day | Verve | POCJ-2761 |
| 41'19" | What Is Thing Called Love | Keely Smith | Capitol | CDP 7 46361 2 |
| 47'24" | Let There Be Love | Jesse Belvin | RCA | BVCJ-35018 |