SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2007年3月31日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「卒業検定」

image 2006年8月 麻布十番まつりにて

 浅草のバーから交換研修で当店に来ていた古出さんですが、3月いっぱい、つまり今日で浅草のお店に戻ることになりました。その古出さんにスタンさんは「卒業検定」を課したそうですが、いったいどんな試験なんでしょうね。
 いつも明るく元気だった古出さんに湿っぽいお別れは似合いません。今日は笑顔で古出さんを送り出しましょう。古出さん、お疲れさまでした! 今度はこちらが浅草のお店にお邪魔しますね!


image
住田裕子さん(弁護士)の

『司法試験』の話

 3年前から、弁護士になるための「ロースクール」という大学院制度が導入された。でも私の時は大学を出たら「司法試験」を受ける一発勝負の世界だった。中には受からなくて10年以上も受験を繰り返す人もいたし、逆に大学3年生で合格してしまう人もいた。
 たとえば『行列のできる法律相談事務所』の面々でいえば、北村さんが一番長くて8回くらい、他の人はだいたい2〜3回くらいだったと思う。私も3回目で、大学生在学中に最初に受験して落ちた時は「ま、しょうがないわ」と諦めもついたけど、留年2年している間は精神的にかなり辛かった。受かった時は「ホッとした」というのが正直なところ。
 留年中は図書館、住んでいた寮、そして大学や予備校、この三角形の動きしかしなかった。朝、図書館に行ったら、閉館までずっとそこで勉強していたり。そういう生活を7年も8年も続けるのは本当に大変だと思う。
 司法試験は1次試験が○×式のペーパー試験。2次試験は論文形式。3次試験は面接で口頭試問が行われる。一番の難関は2次試験。3〜4日かけて6〜7科目の試験を受ける。論文は司法試験委員会が採点し、ある問題に対して、どういう考えた方があって、その中でどういう自説があるのか、その自説は一貫しているのか、などをチェックする。
 ちなみに論文を書いた感触は、もともと優秀な人なら正確な自己評価をするけど、よくわかっていない人ほど自己評価が高くなる、と言われている。

【Hot Link !!】





image
山田正信さん(パイロット)の

『機長になるまで』の話

 僕は普通の大学を卒業して、パイロット訓練生として会社に入った。まず最初にやらなくちゃいけなかったのが、事業用操縦士という国家試験の学科をパスすること。そのために1年をかけて勉強した。
 次はアメリカの訓練所へ行って実技の訓練。最初は単発のプロペラ機から初めて、次が双発機。1年の訓練期間を経て東京へ帰ってきたら、今度はジェット機の訓練をした。なんだかんだで1人前になるまでに4年くらいかかった。
 僕らの頃は1人前になって最初の仕事は航空機関士だった。キャプテンと副操縦士がいて、その後ろで燃料やエアコンを受け持つのが航空機関士の仕事。僕は操縦士の訓練も続けつつ、その航空機関士を5年やった。
 それだけの訓練機関を経て、また半年くらい副操縦士になるための訓練を半年受けて、やっと副操縦士として働けるように。全部足し合わせるとほぼ10年間、訓練を受けていたことになる。
 さらにそこから機長になるためには、定期運送用航空操縦士という資格を取る必要があった。この資格を取るには学科試験とシミュレータを使った実技試験があった。
 でも、この資格を取ったからといってすぐに機長になれるというわけじゃない。さらにそこから半年から10ヶ月かけて訓練をして、また国家試験を受けて、やっと会社から「機長」として認められるようになった。
 ここまで来るのに入社してから20年くらいの年月が経っていた。

【Hot Link !!】





image
立川笑志さん(落語家)の

『立川流の真打昇進試験』の話

 落語の「真打」は、寄席でトリが取れたり、弟子を持つことができる立場。やはり落語家にとってその看板は大事なもの。
 普通、真打になる人は年数でだいたい決まっている。前座を5年やって、二つ目を10年やって、真打になるというのが一般的。ところがウチ(立川流)は談志が全部試験で決めることになっている。
 その試験は落語100席と歌舞音曲。日本舞踊や俗曲、端唄、小唄、都々逸、講釈などもできなくてはいけない。僕は歌舞音曲が苦手なので、19年やっているけどまだ二つ目。余所にいればとっくに真打になっていそうなものだけど。
 だいたい昔は試験なんかなかった。普段から師匠が見ていて、見どころのある人に「踊ってみろ」「歌ってみろ」と言っていただけだった。兄弟子の談之進が二つ目になった時なんて、師匠の家の台所でカクカクした踊りを披露して「ソ連の体操選手みたいだな」と笑われながらも合格していた。それがいつの間にか大ゴトに。
 僕は今までに2度、新宿の紀伊國屋サザンシアターで「公開真打ち昇進試験」をやった。500人くらいのお客さんを前にしてやったんだけど、まずお客さんの方が緊張している。それがこっちに移っちゃうので、こっちもガチガチ。そこに師匠が登場するとさらに緊張感が高まって、とにかく疲れた。
 2度目の公開試験ではゲストの山藤章二さんが「笑志クンも十分やってると思うし、良いんじゃないの?」と言ってくれたのに、師匠が「山藤さんはそう言うけど、オレは違うね……」と言い出した。しかもそこから30分、すったもんだで結論が出ない。
 こっちは自主興行でホールを借りている身だから、高い延長料金も気になる。にっちもさっちも行かなくなって「スミマセン、師匠、次頑張ります」と謝った。「なんでオレ、自分で結論を出してるんだろう?」と思いつつ。

【Hot Link !!】





image
野崎洋光さん(広尾『分とく山』)の

『料理人の独立』の話

 ウチのお店では、麻布のお店に13〜14人、全体で60人くらいの人が修行をしている。そこから「独立してお店を持てる」ようになるためには「料理ができる」だけじゃダメ。キャラクターが非常に重要。
 たとえば20坪前後で20人くらいが入る小さなお店でも、月に200〜300人を動かせる能力がいる。だからウチのお店にいる時もなるべくカウンターに出して、お客さんのウケが良い子を見極めている。まだ技術がなくても、最初はキャラクターでお客さんは来てくれる。その後は本人の努力次第。
 独立するかどうかは、本人のやる気次第。「やりたい」という人を「ダメ」と止めることはできない。また逆に、アドバイスをしてあげることはできるけど、それ以上の手助けもできない。
 「支店」もお店が儲かっているから作るというわけじゃない。お店にずっと長くいてくれる人に居場所を作ってあげるために支店を作る。そうしないと、長く居続けてもずっと下の仕事を続けなきゃいけなくなる。それではつまらないだろうということで、支店を作って下の子たちを上にあげて、新しい空気を入れる努力をしている。
 僕は30年前の考え方の人間。だから新しい子が入ってくれば「あ、こういう時代なんだ」と新しい空気に触れることができる。そうやって新しい人を入れないと、会社だって空気がよどんでしまう。
 僕自身は7年で独立したけど、あまりに早く独立してしまうと、進化することを学べないと思う。たとえば僕らは会社の朝礼で「1年生は1年でお新香とご飯の本を書けるようにならないとダメだ」と言っている。お新香とご飯は1年生の仕事。まずは目の前にある仕事で工夫することを覚えれば良い。
 そうすれば次の年は焼くことを覚えて、次の年は煮ることを覚えて、その積み重ねで何年かすれば一人前になれる。とにかく目の前の仕事に対して「どうすればもっとうまくやれるか」と常に考えることが大事。それができない人は何をやってもダメ。

【Hot Link !!】





image
丸山隆志さん(東京女子医科大学脳神経外科)

『専門医試験』の話

 医師の国家試験は「広く浅く医療の基本的な知識を問う」もの。それに合格すると2年間の研修期間があって、その後に何を専門にするかを決める。
 研修期間では小児科から外科まで、いくつかの科を網羅する。自分の専門を決めたら5〜6年その科に従事して、その上で科の専門医試験や認定試験を受ける。
 専門医試験はまず筆記試験があって、その後に口頭試問が待っている。筆記試験はだいたい250〜300問くらいで、脳外科なら脳外科の教科書に書いてあるような基本的な知識にプラスして、最新の論文に関する知識なども求められる。
 口頭試問では実際の症例を提示され、診断と治療方法を答える。その場合、だいたい最終的には手術を行わなくてはいけないケースなので、手術をどんな風に進めるかも答えられなくてはいけない。
 脳外科医としては、6年の研修が終わって専門医試験を受ける段階で、くも膜下出血の手術ができるようになっていれば標準的。もちろん厳密な規定ではないけれど、僕達の立場からすると、それくらいになっていれば一人前だと思う。
 僕自身の経験では、専門医試験では口頭試問が大変だった。中には正解を答えていても「本当にそれで良いの?」と意地悪を言ってくる先生もいて、自分では正解を答えていると思っていても混乱させられた。
 口頭試問で提示される症例は1〜2つなので、一度混乱してしまうと後はメタメタになってしまう。それで苦労した記憶がある。

【Hot Link !!】






■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
10'00" Dream A Little Dream Of Me Ella Mae Morse 東芝EMI TOCJ-5990
18'35" Teach Me Tonight Elisa Fiorillo King Record KICJ 433
25'14" Do It Again Mitzi Gaynor Verve POCJ-2660
32'45" Nice Work It You Can Get It Dinah Shore BMGジャパン BVCJ-7465
44'01" Knock Me A Kiss John Pizzarelli Stash PHCE-1023


 Back