SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2007年2月24日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「食いしん坊」

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 当店『AVANTI』はイタリアン・レストラン。「食いしん坊」なお客さまが大勢いらっしゃいます。
 「食いしん坊」は、単なる「大食い」とは違います。美味しいモノを食べるのが好きで、そのための努力を惜しまない人こそが「食いしん坊」でしょう。まあ、結果的にたくさん食べる人になりがちですが(笑)。
 食いしん坊な皆さんは、美味しいモノを食べるために様々な努力と工夫を積み重ねているようで、当店にいらっしゃる度にいろいろ楽しいお話を披露して下さいます。今日はそんな「食いしん坊」のお話を、ここでご紹介させていただきましょう。


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山本謙治さん(農産物流通コンサルタント)

『地方のグルメ』の話

 僕の仕事の性質上「駅の近く」みたいな場所で仕事をすることはほとんどない。たとえば岩手の山奥の、全国で最後から2番目に電機がやってきたような場所へ行って、お話をして商品開発をしたり。だから自分のBlogでも、文化的に距離のある場所のことばかり書いている。
 最近食べた中で美味しかったのは「熊」。世にいろいろなジビエがあるけれど、熊を食べる機会はそうそうない。というより、普通はそれほど「食べたい」とは思わない。僕も現地へ行く前日に電話で「山本クン、熊が捕れたから来るまで解体しないで取っておくよ」と言われて「いや、別にそこまでしてくれなくても……」と思った。
 でも実際に解体する作業を見せてもらったら、なかなかに見事だった。皮をシャッシャッと剥いて、内蔵を分けて、肉を分ける。その作業の間、床に血が一滴もこぼれていなかった。
 そして分けられた肉を小屋に持っていき、板前さんがその肉でカルパッチョを作ってくれた。キレイな肉に塩とごま油で味を付けて作ったそのカルパッチョは臭みなど欠片もなく、濃厚な赤身の旨さだけが味わえる最高の一品だった。(本当は、熊の肉には寄生虫がいる可能性があるので、刺身で食べるのはあまり勧められないらしい。)
 さらにニンニクと醤油で味を付けて焼いた「猟師風」の肉は泣くほど美味しかった。実はその後に牛の肉も食べたんだけど、熊の味があまりに美味しすぎて、味がしないと思ってしまったほどだった。
 それから、最近のマイブームは新潟。新潟には上越、中越、下越の3地域があって、それぞれで食文化がまったく違う。たとえば中越には「長岡野菜」と呼ばれる野菜があったり。
 でも僕が好きなのはB級のローカル・グルメ。『フレンド』というチェーン店があって、ここで「イタリアン」と呼ばれているのは「中太のソース焼きそばにミートソースがかかっている食べ物」だったりするんだけど、これが美味い。B級グルメ魂をくすぐりまくる。
 一方、下越(新潟市など)でも『みかづき』というチェーン店で同じ「イタリアン」を出すんだけど、長岡に較べてちょっと上品な感じ。ソース焼きそばにホワイトソースやトマトソースをかけたバージョンがある。
 僕の友達は「イタリアンを食べに行こう」と彼女をデートに誘い、新潟のイタリアンを食べに連れて行ったら、ぶん殴られたと言っていた。向こうではそういう間違いが往々にして起こるらしい。そこに僕は文化的差異を感じて、楽しくて仕方がない。

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要潤さん(俳優)の

『カルボナーラ』の話

 香川出身なので讃岐うどんはもちろん大好き。友達に教えてもらったお店だけど『はりや』という店がめちゃくちゃ美味しい。イカ天(ゲソ天)がざるうどんの横にポンと載ってくるんだけど、これが本当に美味しい。
 うどん屋は天ぷらが命。少なくとも香川ではそう。揚げたてを食べられるか、揚げてから時間が経ったモノかで評価は全然違う。もちろん『はりや』は揚げたて。
 僕は料理が趣味だけど、イタリア料理店でアルバイトをしていたこともあって、一番得意なのはうどんじゃなくてパスタ。中でも好評なのはカルボナーラ。カルボナーラは生き物だと思う。
 カルボナーラのソースには卵黄を使う。目安としては牛乳3、生クリーム1、そして卵黄1個ぐらい。これでダマダマにはならないはず。火は通しすぎないようにして、パルメジャーノ・チーズを多めに入れる。
 カルボナーラで重要なのはベーコン。ベーコンは薄いモノじゃなくて、肉屋さんでブロック状のモノを買ってくる。そして2cmくらい幅に切って、カチカチになるまで炒める。生な感じが無い方が美味しい。
 そしてフライパンにパスタを入れて、ちょっと炒めて、その後にクリームを入れる。よくやる失敗が、先にクリームを入れてしまい、火が通りすぎてダマダマになってしまうこと。これはアラビアータでも何でも同じで、基本的にパスタが先。僕はイタリア料理店でそう教えられた。
 カルボナーラという名前には「炭焼き職人」という意味があるらしい。最後にかけるブラックペッパーが炭のように見えるからなんだとか。だから普段、ベーコンを炒める時はブラックペッパーを使うけど、カルボナーラの時だけは塩だけで味付けして、ブラックペッパーは盛りつけた後にパスタ全体に振りかけるのが本来の姿。そして最後にパセリを載せて完成。

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石原隆さん(テレビ番組制作会社)と高井一郎さん(フジテレビ)

『食いしん坊』の話

(高井さん)石原さんはおかしい! 普通、食事は楽しい人と食べれば美味しく感じるし、つまらない人と一緒だと不味く感じるもの。でも石原さんはどんなに嫌いな人と一緒にいても「美味しいモノは美味しい」と感じている(笑)。仕事の都合で行かなきゃいけないイヤな会食の時、石原さんから「高井、料理に集中しようぜ!」ってメールが来るけど、意味がわからない。
(石原さん)??? じゃあ「好きな人と不味いモノを食べに行く」方が「嫌いな人と美味いモノを食べに行く」より良いの? それとも「好きな人といると不味いモノも美味しく感じる」の? 俺は美味ければ美味いと感じるけど。
(高井さん)それが部下や後輩がツライ目に遭っている原因なんですよ(笑)。 石原さんは「え? だって美味しいから耐えられるじゃん」って考えるかもしれないけど、普通の人は耐えられない。辛い仕事も石原さんは「終わったら美味しいモノを食べに行こう!」で乗り切れるかもしれないけど、普通の人はそれでは乗り越えられないから。
(石原さん)たとえば僕を殺そうとしている人がここに居たとする。そしてその人と食事を供にすることになったとする。そこで出てきたのが麻布台『オー・グルマン』の「内臓のスープ」だったら……僕はそのスープを1口飲んだ瞬間、目の前の人のことを忘れられると思う。
(高井さん)その性格が羨ましいというか何というか(笑)。石原さんは、たとえ無人島に流されても、そこに美味しくて大好きな果物でもあれば、大丈夫そうですね。
(石原さん)いやいや、誤解しないで欲しいんだけど、もちろん「好きな人と美味しいモノを食べる」のが一番。ただ、どっちかと問われれば、美味しいモノというだけで……。

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すずきBさん(放送作家)の

『グルメ作家?』の話

 グルメ番組をずいぶん書かせてもらうようになって、ついにこの間の『東京1週間』の横浜特集では、あの小山薫堂さんよりも大きく写真を載せてもらった。「大丈夫か?」とは思いつつ、ちょっと嬉しかったりもした。
 もともとグルメ情報に詳しかったわけでも何でもなく、TBSの合田さんが『美味しんぼ』を全巻丸暗記しているような人で、雑談していたらいろんな事を教えてくれたのが最初。最初は『美味しんぼ』の話から始まって、合田さんが「実際に行くならどこが美味しい」という話まで全部教えてくれた。
 しかも「イタリアンなら代官山『カノビアーノ』、中華なら銀座『福臨門』……」なんて10店以上を書き出してくれた、さらに「カノビアーノへ行ったらボタン海老とカラスミの冷製カッペリーニを食べろ」と細かくリストにしてくれた。
 もちろん僕はどの店にも行ったことがなかったので片っ端から行ってみたところ、どこもめちゃくちゃ美味しい。「こういうのに詳しいのって面白いかも……」と思って、自分でもいろんな店に行ってみるようになった。
 いろんなレストランを食べ歩くコツは、行ってみたいお店があったら何ヶ月か前に予約を入れてしまい、スケジュール帳に書いてしまうこと。すると忘れた頃にその日がやってくるので、急な仕事さえ入らなければ食べに行ける。そんな感じでどんどん予約を取っておけば、予約の取れない人気店でもなんとかなる。
 それから会議の合間のちょっと空いた時間を利用するのもコツ。そのために携帯にお店を登録する時は必ず「場所」を頭に付ける。そして赤坂で時間が空いたら「赤坂」で検索して、近くのお店へ行く。こんな感じで週に2軒くらいは行けている。
 ただそういう時に、中には1人では行きづらいお店もある。だから電話で「1人なんですけど……」と聞いて「お一人さまの方もいらっしゃいますよ」と言われたら行くようにしている。カウンターがあるかどうかを確認するのも手。カウンター席なら1人でも大丈夫。
 ホテルと違ってレストランにはキャンセル料がない。だから予約はどんどん入れるべき。僕の場合、ダブル・ブッキングしていることさえある。そしてその日になって中華を食べたいかイタリアンを食べたいかで決める。もちろんお断りしたお店には申し訳ないので、数日中に行くようにしている。

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ともこさんとさおりさん(「ヤキニクエスト」メンバー)

『焼き肉ツアー』の話

 焼き肉の美味しい食べ方や楽しみ方を探求するのが『YAKINIQUEST (ヤキニクエスト)』。焼き肉は一晩では語り尽くせないほど奥が深い。
 ヤキニクエストの活動は基本的にホームページ上で行っている。さらにヤキニクエスト・ホームページから東京のお店だけをピックアップした本も出版している。でも東京だけじゃなくて、大阪遠征も毎年行ってるし、海外遠征もぜひ行きたと思っている。
 大阪遠征は週末の金土日で、4食・4食・3食と焼き肉だけを食べ続けたりする。大阪は「焼き肉発祥の地」と言われる奥の深い場所で、東京とは焼き肉の生活への入り込み方が違う。OLさんが普通に1人で焼き肉を食べていたり、東京の人間としては羨ましい限り。
 1人で食べられるのは、カウンター席が多いからかも。1人1台ガスコンロが置かれて、そこで肉を焼いて、ご飯とスープを食べて帰る。これが日常食になっているのが大阪。
 大阪駅から歩いて10〜15分くらいの場所にある『やまがた屋』は、1日に8人しか入れないお店。カウンターの向こうにマスターが居て、1枚1枚全部肉を焼いてくれる。自分で焼けないというちょっとしたフラストレーションはあるけど、ココで食べたホルモンやタンには心底驚かされた。やっぱり焼き肉というのは、肉質だけじゃなくて焼き方も重要だと言うことを実感させられたお店だった。
 ちなみに『やまがた屋』では、1日8人しか入れない店なのに、さらに2名限定の「タンモト」というメニューがある。「タンの根元」という意味だそうで、見た目だけでも脂の乗りとかが全然違った。私たちが行った日は残念ながら隣のお姉さんが食べていたので、すごく悔しい思いをした。
 『やまがた屋』では1度使った網は毎回取り替えていた。だからまったく焦げのない状態で毎回焼いてくれるんだけど、そういうことで焼き肉の味は全然違うんだということも知った。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'05" My Favorite Things Mark Murphy Victor VICJ-41848
19'17" You Can't Make Me Love You Nat King Cole Capitol CDP 0777 780595 2 3
30'54" Love Is Sweeping The Country Jackie & Roy Universal Victor MVCJ-19007
40'55" You Stepped Out Of A Dream Four Freshmen Capitol 72438-19175-2-7
47'04" The Lady Is A Tramp Peggy Lee 東芝EMI TOCJ-5342


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