SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年12月30日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「スポーツ重大ニュース」

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 2006年はスポーツに興奮しっぱなしの1年でしたね。トリノ五輪に始まって、ワールド・ベースボール・クラシック、ドイツW杯、亀田興毅の世界王座決定戦は賛否両論を呼び、ディープインパクトはつい先日、有終の美を飾りました。
 当店のお客さまも、皆さん「今年を振り返る」みたいな話題になると、スポーツの事で盛り上がっていらっしゃいます。今日はそんなお客さまのお話の中から、その道を専門とされているお客さまのお話をここでご紹介させていただきましょう。どのお話も、その時の興奮が甦ってくるようなお話ばかりです。


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佐野稔さん(元フィギュアスケート日本代表)

『荒川静香』の話

 荒川静香さんが2004年に世界選手権で優勝したのは、荒川さんにとって久々の優勝だった。そしてなおかつその優勝は、世界のフィギュアスケート界の流れを変える優勝でもあった。というのも、女子フィギュアの世界で「3回転−3回転」というコンビネーションを武器に戦う時代に突入させたのが、他ならぬ荒川さんだったから。
 だからこそ荒川さんにはプレッシャーが重くのしかかっていた。2004年の世界選手権の時点で「3回転−3回転」を自在に操れたのは荒川さんだけ。周囲も「他は付いて来れない、やっぱり時代は荒川でしょう」と考え、すごい期待が荒川さんに掛けられていた。
 そのせいか2005年にはガクッと来て、調子を落としてしまった。そこから甦って、2006年のトリノ五輪で金メダルを獲ったのは素晴らしいのひと言。でも面白いことに、トリノでの演技では「3回転−3回転」は使われなかった。
 これは失敗して「3回転−2回転」になってしまったのではなく、あえてそうしたということ。これは僕の想像だけど、どうやら荒川さんは公式練習で「3回転−3回転」を連発して「私はやるわよ!」と周囲にプレッシャーを与えていたらしい。
 ところが荒川さんは、本番では「3回転−2回転」に切り替え、優雅に滑りきった。それを見た他の選手やコーチは「3−3で行く?それとも3−2?」と混乱したと思う。一方の荒川さんは、作戦通りの綺麗で優雅な演技を披露。「五輪チャンピオンはこうでなくては!」と皆を唸らせた。
 もし公式練習での作戦がなかったら、あれほど周りの選手が自滅することはなかったかもしれない。あくまで僕の想像ではあるけれど、荒川さんの頭脳プレーの勝利だったと思う。

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武田一浩さん(元WBC日本代表投手コーチ)

『WBC』の話

 WBCのアメリカ戦は「勝てる」と思った。試合は全然押していたし、西岡のタッチアップの件もあったけど、勝てる試合だった。ただ、清水がボークを取られて動揺した時に、「ホームランだけは打たれないでくれ……」と思っていたら、案の定打たれてしまったのが惜しかった。
 藤川の使い方もちょっと可哀想だった。まだ向こうで1回も投げてないのに厳しいところで使わざるをえなくなってしまって。ベンチの鹿取さんとブルペンの僕で相談して投手をどう使うか決めていたんだけど、実は使う順番は試合前から決めていた。ところが藤川を出したところだけは、そうも言ってられない場面になり、仕方なく出した。
 松坂と石井弘寿の2人には悪い癖があって「それだけは絶対にやらないようにしてくれ」と教えた。正直、松坂などは本物の怪物なので、どんな形でも投げられるし、それで抑えてしまう。その結果、自分の一番良い形を忘れて、調子を崩してしまうことがある。それは良いピッチャーこそ陥りやすい罠とも言える。
 そこで松坂に言ったのは「球数制限もあるのでとにかく3球勝負してくれ」ということと「肘を肩よりも上げて投げろ」という2点。特に後者はキャッチボールの時からうるさく言った。
 そして迎えた決勝戦のキューバ戦。調子がマックスに上がった松坂の球は本当に凄かった。松坂は朝からまったく喋らず、ロッカーでも壁をジッと見つめて集中していた。そしてブルペンへ来て投げ始めたら、僕の野球人生でも見たことのないような球を投げる。鹿取さんと2人で「すげえなぁ……」と感心するだけだった。
 準決勝の上原も凄かった。いつもチャラチャラしているあの上原が、準決勝の日はまったく喋らないくらい集中していた。僕が「お前、今日は喋んないじゃねぇか(笑)」ってチャチャを入れたくらい。
 野手をまとめたのがイチローだったのに対して、投手をまとめてくれたのは大塚だった。年齢的にも一番上だったし、性格も良いので、みんな困った時は大塚に相談していた。メジャーのボールが滑らないようにする工夫も大塚が教えてくれた。イチローと大塚がいなかったら、チームはかなり苦しかったと思う。

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飯田覚士さん(元WBAスーパーフライ級世界チャンピオン)

『亀田興毅』の話

 現在、日本の世界チャンピオンは、新井田豊、イーグル京和、高山勝成、亀田興毅、名城信男、長谷川穂積、そしてベネズエラ人ながら日本のジムに所属しているエドウィン・バレロ、計7人。
 その中でも特に有名になった亀田。個人的にはあの言葉遣いはやめた方が良いと思う。もちろんああいうキャラクターが好きという人もいるし、チャンピオンになったんだから気をつけた方が……という人もいる。いずれにせよファンもアンチ・ファンも巻き込んで大きな注目を集めているので、「チャンピオンらしさ」を感じさせてくれるようこれから成長してくれれば、と思う。
 相撲の横綱と同じで、やはり世界チャンピオンには品格が求められる。バスケットのマイケル・ジョーダンしかり、メジャーリーガーしかり、一流のスポーツ選手はスーツを着てネクタイを締めて、相当なコメンテーターと一緒に対談をすることが求められる。ただ殴って倒して喜んでいるのがチャンピオンじゃなくて、そういうところも兼ね備えるのがチャンピオンでは。
 いろいろ言われているけど、中身が「良いヤツ」なのは間違いないと思う。ボクシングに対してもすごく真剣だし、頑張っているし、負けず嫌いでもある。「亀田なんて俺が倒してやる」なんて言ってる日本ランカーや4回戦くらいのヤツには「亀田を見習え!」と言いたい。それくらい練習を積んでいることは、試合を見ればすぐにわかる。
 亀田の試合で話題を呼んだ「ボクシングの判定」に関しては、ぶっちゃけて言えば、僕も今のボクシングの判定基準は気に入らない。「絶対に10−9にしなければいけない」それでいて「ダウンを取っても10−8」。どっちとも言えないようなラウンドが4つも続いて、そのポイントがたまたまどちらかに偏っていたら、ダウンを取っても取り返せない。
 それが顕著にあらわれたのが亀田の最初の世界戦だった。最初にダウンを取られて10−8。そこからどっちとも言えないようなラウンドがずっと続き、最後はまた押された。たしかに現在の判定のルールでは、亀田の勝ちでも不思議ではない。ただ、僕が個人的に付けた判定では亀田の負けだった。
 しかも大抵の試合は、どんなに僅差でもプロが見れば「どっちのラウンド」というのはわかるもの。たとえば先日のリターンマッチは文句なく亀田の勝ちだった。ところが8月の試合は本当に五分五分のラウンドばかりで、プロでも「どっちに付けよう」と悩むくらい。「そりゃ騒ぎになるよなぁ……」という感じ。

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須田鷹雄さん(競馬評論家)の

『ディープインパクト』の話

 ディープインパクトの凱旋門賞挑戦の時は水道橋のパブリック・ビューイングで司会をしていたけど、すごく良い経験だった。普段、お客さんはバラバラの馬券を買っている。レースが終われば当たった人もいれば負けた人もいる。ところが凱旋門賞の時だけは、日本人は皆ディープの応援。そんな競馬界における貴重な1日だった。
 ディープには感謝している部分は少なくない。強い馬を見るために競馬をしているわけだし、シンボリルドルフの時に「もうこんな強い馬は見ることは一生無いかもしれない」と思っていたのが「20年くらい頑張っているともう一頭見れる」ということを教えてくれた。
 反省するべき点は、みんながディープに頼りすぎたことだと思う。JRAが「ディープインパクト押し」にしたことにも「主催者が特定の馬を応援しても良いのか?」という賛否両論あったけど、JRAが文明開化するというか「やって良いことの幅が広がった」という点で良かったと思う。
 たとえばJRAはダービーのレーシング・プログラムにディープのポスターを折り込んだ。「なんで出走馬の内の1頭だけを応援するんだ」という声もあったし、昔のお役所丸出しなJRAだったら、こんな企画は通らなかったはず。そこから「その日を盛り上げるためには何でもありだよね」という空気になってきたのは、ディープの功績だったと思う。
 昨今、日本馬の国際的な活躍は本当にスゴイ。昭和の頃は「日本の馬が海外のGIを勝つところを見られたら死んでも良い」くらいの雰囲気だった。それが今や「年に何個勝つか」みたいな話になっている。スポーツという観点からは、国際的にかなり良い水準まで来ている。これを世の中にちゃんと伝えられていないのが非常に残念。
 コスモバルクやハーツクライが頑張っても、全部「ディープインパクトが負けた」「イプラなんとかという薬物が検出された」なんて話でひっくり返ってしまっている。こういった現象が起きてしまうのも「ディープに頼りすぎ」だったせい。100年以上の歴史を誇るメルボルンカップでデルタブルースが優勝し、2着も日本の馬だったというニュースさえも、世間の扱いは本当に小さい。
 2007年も日本馬はなにかしら世界レベルで活躍すると思うので、それをちゃんと伝えていきたいと思う。

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小倉隆史さん(サッカー解説者)の

『ドイツW杯』の話

 ドイツW杯の日本代表の惨敗。正直、僕としては「やっぱりか」という感想だった。最初のオーストラリア戦で負けたら3連敗もあり得ると思っていた。
 オーストラリア戦では、たとえば柳沢選手は足を痛めていて、あまり練習が出来ていなかったにも関わらず先発だった。暑い日だったので、後半早めに交代させるだろうと思っていた。
 しかも前半に幸運なゴールが決まって日本がリード。ちなみにあのゴールは、キーパーチャージを取られてもおかしくない、本当に幸運なゴールだった。だからこそ放送席の解説者たちも「これ、良い展開だねぇ!」「行けんじゃねぇの?!」と大興奮。ゾノ(前園)と「後半ヤナギ交代でいいよな!」「巻かオグリ(大黒)どっちかな〜」なんて勝手に盛り上がっていた。
 ところが10分経っても15分経っても、選手交代がない。「ゾノ、遅くね?」「う〜ん」なんて言ってるところに、オーストラリアのヒディング監督がどんどん手を打ってきた。
 ヒディング監督の交代によって、日本はものすごく攻め込まれたイメージがあるけど、オーストラリアが攻撃にリスクを掛けているので、日本にもシュートチャンスはたくさんあった。ところが高原がロングシュートを撃てなかったり、柳沢から高原へのパスが足の裏に行ってしまったり、あと一歩で追加点が取れなかった。
 だから怪我上がりの柳沢、運動量の落ちてきた中盤の1人、バテていた三都主、この辺を変えるべきだと思った。でも考えてみたら、いつもジーコ監督は選手交代が遅い。結果として、その弱点がモロに出てしまった。
 ジーコ監督自身はすごく良い人。人は良いんだけど……だから負けてもいいのかと言われると、やっぱりそれは違う。あのオーストラリア戦に負けたのは、やはり監督の責任と言わざるをえない。サッカーの勝敗は監督の手腕による部分も大きいので、その責任を負わなければいけないのは仕方がない。
 返す返すも、あの試合は3−1で勝てた試合。そうすればグループリーグは1勝1敗1分けで突破できた。本当にもったいない。
 ちなみにブラジル戦で日本が先制した時は、解説者たちは「あれ?取っちゃったよ?!でもちょっと早いんじゃないの?」という雰囲気だった。というのも、それでブラジルが慌ててくれれば良いんだけど、全然慌ててくれる様子がなかったから。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'18" I'm Sitting On Top Of The World Doris Day Columbia 47759 3 2
19'56" Baseball Baseball Jane Morgan Rhino R2 70959
29'51" Rules Of The Road Nat King Cole Capitol CDP 0777 7 89545 2 1
40'34" Camptown Races Julie London Liberty TOCJ-5399
47'43" Ain't That A Kick In The Head Dean Martin Capitol CDP 0777 7 98409 2 2


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