SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年11月11日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「甘い生活」

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 女性の皆さんは本当に「甘い物」がお好きですよね。ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、パフェ、シュークリーム……皆さん、甘い物を召し上がる時は本当に幸せそうな顔をしていらっしゃいます。
 当店にいらっしゃる女性のお客さまは、もちろんお酒も好きな方が多いのですが、やはり甘い物も大好きなようで、時折、新しい品や流行りの品についてのお話で盛り上がっていらっしゃいます。今日はそんな「スイーツ」にまつわるお話を、ここで少しだけご紹介させていただきましょう。


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いとうあいこさん(女優)の

『スイーツドリーム』の話

 ドラマ『スイーツドリーム』では「和菓子屋の娘」という設定の役を演じた。父親の作るあんこが大好きで、自分でもネットで「あんこ」と名乗っている、そんな女の子。
 このドラマは月曜日から金曜日の毎日、30分ずつの放送だった。これはドラマとしては本当に大変で、朝から撮影が始まったら、終わるのは深夜。そんな撮影が週に3〜4日は行われた。具体的には、1日目がスタジオ・リハーサル。その後、3日間はスタジオ・セットでの撮影。さらにロケが2日あって、最後の1日はスタッフの諸準備。だから私は週に1日はお休みがあった……ような無かったような、という毎日だった。
 ドラマの中では、お菓子を作るシーンが頻繁に登場した。だから現場には常に監修して下さる先生がいて、チェックをしてもらった。でも優しい方だったのであまり怒られることはなくて、「上手、上手」と言って下さった。
 「いちじくサンド」とか「レインボーミルフィーユ」だとか、ドラマの中に出てきたお菓子の多くは、その先生が作ったもの。その他にも「玄米を使ったスイーツ」など、ドラマに登場したお菓子は、全部実際に作っている。どれも番組オリジナルで、台本を決めている時にみんなで考えたスイーツなんだけど、どれもちゃんと美味しく食べられた。
 撮影を通じて「スイーツは人を幸せにするな」と実感した。もちろん大変なスケジュールの現場だから、お菓子を食べて美味しいなんて言っている暇はないんだけど、それでも女性3人が集まって、そこにスイーツがあるだけで幸せな気分になれる。それを実感できた。
 私が好きなスイーツは、チョコレートケーキとレアチーズケーキ。初めて行くケーキ屋さんなら、この2つのどちらかを必ず食べる。ちなみにドラマの撮影中は、とにかく忙しくて、どんなに食べても痩せ続けた。だから現場でも体型を気にせずスイーツを食べられた。

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篠直余さん(渋谷『マミドバーガー』)の

『マミドバーガー』の話

 『マミドバーガー』は去年の10月にオープンしたばかり。ハンバーガーの形をしているスイーツなので「こう見えてもケーキです」というキャッチコピーを付けた。
 店構えもショーケースを設けず、本当にファーストフードっぽい感じにして、スタッフの制服もファーストフード店そのまま。だからスイーツのお店だと思わずにいらっしゃるお客さまがけっこう多い。そして持った瞬間に「冷たい!」と驚かれたり。だから最初は「甘いけれどよろしいですか?」と何度も確認して販売していた。
 ハンバーガーのパンに当たる部分は「ブッセ」というスポンジケーキのようなものを使っている。すごくフワフワの素材で、どら焼きでもホットケーキでもない、本当に「ケーキ」という感じ。
 真ん中に挟むお肉の部分はチョコレート。チョコムースっぽい感じで、ウチでは「チョコ肉」と呼んでいる。さらにキウイをピクルスに見立てて、ケチャップはラズベリーソース。だから本当にハンバーガーみたいに見える。これが「マミドバーガー」という商品。
 「マミド」という名前は、社名の「シリアルマミー」の「マミー」と、某大手ハンバーガーショップの名前から名付けた。ただ「マミドナルド」じゃ怒られそうなので、関西弁風に短くして「マミド」と。
 フィッシュバーガー風のメニューもある。これはパンの間にフライドフィッシュのようなモノが挟まっているスイーツ。でも実は、間に挟まっているのはバナナ。バナナにスポンジの粉をまぶしてあるので、本物のフライみたいな見た目になっている。
 その他に、グラタンバーガーもある。これはクリームチーズが挟んであるので、チーズケーキっぽい感じ。それから、ちょっと変わっている商品が「マミドポテト」。これはカスタードクリームを揚げているんだけど、見た目はポテトそっくり。さらにこれにケチャップをを付けて食べると、本当のポテトみたいな味になる。

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大森由紀子さん(『スイーツ王国』編集長)の

『スイーツ王国』の話

 雑誌『スイーツ王国』は『料理王国』の別冊として年2回刊行する。11月29日に創刊号が出るので、今が一番忙しい。
 ひと言で「スイーツ」と言ってもいろいろ。コンビニで売っているデザート系の商品もスイーツだし、海外のお菓子だってもちろんスイーツ。日本は今、海外のお菓子の情報やテクニックが総集結していて、ものすごい成熟期を迎えている。
 フランスの菓子職人が日本に来ても、驚くほどの技やデコレーションや構成がある。以前は向こうからの発信ばかりだったけど、今はこちらからも発信できるようになった。お互いに良い関係になりつつある。
 日本の素材も注目を集めるようになった。抹茶、あずき、わさび。そんな素材を使ったスイーツを研究しているパティシエが海の向こうにもいる。
 スイーツの流行は、ファッションと同じで「巡る」もの。フランスでも似たような傾向があって、クレーム・ブリュレは、本当は「クレーム・カタラーニャ」と言って、スペインに近いカタラン地方で伝統的に作られているお菓子。それをジョエル・ロブションが出したことで注目を集めた。
 最近なら「ギモーブ」というマシュマロが流行っていて、数年前からフランス人のパティシエたちがお店で出すようになった。私がパリにいた1980年代はそんなお菓子はなかったので、ある菓子職人さんに「新しいお菓子なの?」と聞いたら「すごい古いお菓子なんだけど、一時期忘れられていた」と教えてくれた。そんな風にお菓子の流行は巡るモノなのだろう。
 ギモーブは日本人が想像するマシュマロとちょっと違って、細長い帯状の形をしている。それをカットして、包んだりして食べる。
 綿菓子が出てくるレストランもある。デザートの後の「プティ・フール」として出てくる。さすがに割り箸じゃないけど、竹串のようなモノに付いて出てくる。綿菓子をチョコレートコーティングして出しているところもある。綿菓子はもともとお祭り向けの駄菓子。それを最近は菓子職人の世界に取り入れている。

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柿沢安耶さん(中目黒『パティスリー・ポタジエ』)

『野菜スイーツ』の話

 今年の4月に野菜スイーツの店『パティスリー・ポタジエ』をオープンした。もともとベジタリアン向けのオーガニックなレストランをやっていて、食後のデザートが普通じゃ面白くないということで、野菜のデザートを考えるようになった。
 その後、東京でお店をやることになって、ちょっと変わったことを……と考えて「野菜スイーツ」のお店をやることに。「体に良いモノを作りたい」という考えが根底にあるので、国産の小麦を使ったり、甜菜糖(てんさいとう)という砂糖大根から作るお砂糖を使ったりしている。
 美味しいケーキや美しいケーキは世の中にたくさんあるけど、健康に気を遣ったケーキはあまりない。以前にパティスリーで働いていた時も、使いやすい粉や美しく見せるための添加物などを使っていて、せっかくのケーキが……と思っていた。そんな気持ちもあって、後に野菜スイーツを作る素地になった。
 ケーキは楽しい時や幸せな時に食べるモノ。それが身体に良くないというのはもったいない。だから野菜スイーツ。自分でもけっこう食べているけど、野菜スイーツなら負担にならない。胃もたれすることもないし、脂っこくないのでいくつでも食べられる。
 世の中には自然食系の茶色っぽいケーキもあるけど、それじゃつまらない。野菜の色を活かせば、ルッコラ、小松菜、ナス、ピーマン、パプリカ、トウモロコシ、いろんな野菜を使って華やかで楽しいケーキが作れる。
 試作品も含めたら、100種類くらいの野菜を使っている。野菜はけっこう種類が多くて、スーパーなどでも果物よりも野菜の方が多いくらいだから、工夫のしがいがある。しかも野菜スイーツなら「旬」を楽しめる。今ならちょうど冬に向けて、里芋や大根のケーキを試作しているところ。
 ウチの一番人気はショートケーキ。「グリーンショート・トマト」と言って、イチゴの代わりにミニトマトを乗せている。スポンジの間にはスライスしたトマトが挟んであって、スポンジは小松菜のピューレが入っているので緑色をしている。赤と白と緑の3色が鮮やかで、非常に人気がある。

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クリスチャン・ボラーさん(『トゥールダルジャン』総支配人)

『スフレ』の話

 『トゥールダルジャン』のスフレが有名になったきっかけは1952年。エリザベス妃(現2世女王)が新婚旅行でパリのトゥールダルジャンへいらっしゃって、その晩餐会でスフレをお出しした。
 晩餐会でスフレを出すということだけでも難しいのに、さらに「2色のスフレ」という工夫を施した。バニラとチョコレートによる2色のスフレは、魔法のようにしか見えない。それがきっかけとなって、トゥールダルジャンのスフレ、というよりもスフレそのものが有名になった。
 スフレの歴史を紐解くと、1720年代頃から、今の形ではないもののスフレの原型のような食べ物はあった。それはメレンゲの発明がきっかけになっている。ただ、今のようにキレイに器に入れるような物ではなかった。
 メレンゲという言葉も、どこから伝わったのか諸説がある。一説によると、ポーランドの王様が娘をルイ15世に嫁がせた時に、ポーランドからいろんな文化が伝わって、その中に「メレンゲ」があったのではないか、と言われている。
 卵という食材は今でこそ普通だけど、昔は非常に貴重な物だった。だから「卵を使ったスイーツの研究」なんて遊びのようなことは、王様でもないとできなかったはず。だからポーランド王室説には信憑性がある。
 それから時が流れて1952年に、トゥールダルジャンのスフレが有名になった。その1952年とまったく同じスフレを、東京店でも食べられる。もちろんバリエーションも増えていて、チョコレートやバニラの種類も工夫されている。
 バニラはラン科の植物の雄花が原材料。葉巻と同じように、切って熟成させると、あの香りになる。人工のバニラもあるけど、味はまったく違う。そして国や土地によってもまったく違ってくるので、いろんなバニラがある。その中から選び抜いたバニラを使っている。
 今でもトゥールダルジャンで一番人気のあるデザートはスフレ。それは「美味しい」ということだけじゃなくて、「待つ」ということで期待が高まるのだろう。注文してから早くても15分。お客さんが多ければもっと掛かる。
 もし待つのが嫌だったら「アヴァン・デセール」と言って、デザート前に半分の量のデザートを頼むと良いかもしれない。アヴァン・デセールを楽しんでいる間に、スフレが出来上がる。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'02" Sweet Happy Life Peggy Lee Capitol 7243 4 98883 2 6
17'43" Someday Sweetheart Caterina Valente Polydor 065 104-2
28'27" Good Monin' Life Dean Martin Capitol CDP 0777 7 98409 2 2
38'45" Sweet And Lovely Keely Smith Capitol CDP 7 97802 2
46'49" This Little Town Is Paris Beverly Kenney Blue Note CDP 7991002


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