僕(かながわIQさん)はエアギターを5年くらい前から知っていた。今年の世界大会が第11回だから、それくらい前からロイターのニュースなどでは流れていた。初めて映像を見たのが5年前くらいで、「すげぇ!こんな世界大会があるんだ!」と驚いた。
ところが調べてみたら、その世界大会に日本が参加していない。「これはもったいないんじゃないか」と思って、拙い英語で本国とやりとりして、マリカという前会長がニューヨークに来た時に契約を結んで、日本に持ってきた。
エアギターを日本に持ってくること自体は簡単なんだけど、実はその時の契約で、年貢みたいなモノを毎年納めることになっている。この金額が国ごとに決められていて、アメリカと日本だけがべらぼうに高い。その額はサラリーマンの年間の稼ぎに匹敵する金額。
そんな苦労をして日本で始めたエアギターだけど、この1年くらいでやっと認知されだした。去年、初めてサマーソニックでエアギターの日本大会を開いて、金剛地武志さんが優勝。世界大会でも4位を取って、やっとテレビなどで紹介されるようになった。
そして今年、おおちさんが世界大会で優勝した。おおちさんのエアギターは確かに演芸色があるけど、予選にはもっと演芸っぽい芸人さんがいっぱい出ていた。むしろおおちさんは「あ、音楽好きのオーソドックスなエアギターだな」と感じた。
エアギターはロックとの共鳴。いい音楽を聴いて、勝手に手が動く、というロッカーたちの遊びの延長線上にあるので、単に芸人がネタをやるだけではダメ。そこがおおちさんはしっかりしている。
エアギター界は戦国時代に入りつつある。以前は、金剛地さん以外の人は全員ハードロック/ヘヴィーメタル系の、たとえばヴァン・ヘイレンなどでテクニックを競うという方向だった。速弾き、タッピング、ライトハンド、そんな技術を競って盛り上がっていた。そこにおおちさんのような演芸系のネタが加わって、ザ・フーとか布袋さんのようなイメージも出てきた。
おおちさんは世界大会で30本のギターを折った。フィンランドのまったく知らない曲に合わせて、弾いては折り、弾いては折りを繰り返し、最後にタイミングを完璧に合わせて膝でギターを折った。それを見た審査員は「ギターが折れるのが見えた」とコメントした。