ロンドン・マラソンを走ってきた。コースはそのまま観光コースで、スタートはグリニッジ・パーク。そこからカティ・サークを回って、タワーブリッジを通り、テムズ川沿いを走る時は観覧車を横目に見つつ、ビッグベンを右折して、バッキンガム宮殿前の公園がゴール。
アップダウンもあまりないし気温も低いので、高速コースと言われている。ラドクリフが持つ女子の世界記録を樹立したのもロンドン・マラソンだった。そんな記録を狙うエリートランナーも出場する一方で、市民も参加できるので「世界最大の市民マラソン」と呼ばれている。
私はアディダスのサポート受けて1年間練習を積み、その様子を原稿にして幻冬舎のサイトで連載した。幻冬舎の編集者からは「もし完走できなかったら本は出さないし、Web版の原稿料は全部返してもらいますから」と言われていたので、けっこうなプレッシャーだった。
だからタイムのことは考えないようにして、最初の20kmは沿道で応援してくれるカーニバル気分の子供たちとハイタッチをしたりしながら、楽しんで走った。そして最終的には5時間6分43秒で完走。もうちょっとで4時間台だったけど、とにかく完走できたのが嬉しい。
ロンドン・マラソンが面白いのは、仮装ランナーが多いところ。ところが普通、初めてマラソンを走る人が仮装をしようとは思わない。だから仮装ランナーはベテラン揃いで、みんなけっこう早い。私は10〜15kmくらいまで「桃のかぶりもの」を来た女の子2人組とデッドヒートを繰り広げたけど、仮装ランナーに抜かれると本当に腹が立った。
エルビス・プレスリーの格好をしていた人は、ライブっぽい感じでずっと手を挙げていて、すごい歓声を受けていた。30km過ぎの一番苦しいところでは天使の格好をした人に抜かれた時に、コーチに「天使に抜かれたよ」と言われて「イチイチ抜かれたとか言わないで下さい!」とブチ切れた。
結局、桃も天使も抜き返してゴールした。ただ、プレスリーにはどんどん離されて、ついに追いつくことができなかった。
途中で結婚式を挙げるカップルも走っていた。タキシードとウェディングドレスを着て、首には「私たちは午後1時に結婚します」という札を下げていたので、コースの途中の教会に寄って、式を挙げて、夫婦になってまた走るということらしかった。
沿道には応援の人がずらっと並んでいて、中にはビールやワインを渡してくれる人もいた。ビールにはつい手が出そうになったけど、グッと堪えて走り続けた。オレンジにはずいぶんお世話になったけど。
ロンドン・マラソンは外国人枠が少ないので、なかなか参加する日本人は少ない。近畿日本ツーリストがツアーを組んでいるけど、すぐに売り切れてしまうらしい。それとは別にチャリティ枠があるので、お金持ちなら大金を寄付すれば出られるかもしれない。
楽しかったけど、終わった後1ヶ月は放心状態だった。もう出ようとは思わない。ただ、9月に行われる「ボルドーマラソン」はちょっと気になる。こちらはエイド・ステーション全部にワインとチーズと牡蠣が置いていあるというマラソン。制限時間もすごく長くて、ようするに「42.195kmの酒飲みピクニック」なんだとか。