SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年8月19日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「麻布十番祭り/怖い話」

image

 今週は年に一度の『麻布十番納涼まつり』。今年は新人バーテンダー見習いの小出も売り子として参加しておりますので、ぜひ当店の出店にお立ち寄りの上、自慢の三色ペンネをご賞味いただけば幸いです。
 そういえば、こちらも毎年恒例の取手さんの合い言葉ですが「小出さんと取手さんはどういう関係なんですか?」だそうです。この合い言葉を出店の受付で言うと、ちょっとだけ良いことがあるかもしれませんよ。
 さて、麻布十番まつりといえば、一昨年まで名物の「お化け屋敷」があったのですが、ここ2年はお休みしているようです。その代わりと言ってはなんですが、本日は当店常連のお客さまが教えて下さった「怖い話」をここでご紹介させていただきましょう。


image
木原浩勝さん(作家)の

『都心の怖い話』

 こんなに賑やかな麻布だけど、最初から賑やかだったわけではない。
 たとえばその昔、徳川家康が戦で獲った首の実検をやったことは記録に残っているけど、合戦で大量に出たはずの首を実検して、その後どこにやったのかがよく分かっていない。そしてその首をまとめて埋めた場所が、どうやら麻布あたりらしいと言われている。当時はそれくらい人気のない場所だった。
 そして時は流れて現代。麻布の某所には、以前、有名な国の大使館があった。今は引っ越したのでその土地の大半が売却され、現在は公園になっていたりする。
 しかしよく考えると、これはちょっとおかしい話。広大な土地があったのだから、大使館が手狭になったのなら、普通に改築すれば済む。でもわざわざ売却して、しかもその後、ものすごい一等地が公園になってしまった。
 もしかしたら、改築をしようとして地面を掘り下げた時に、何かを見つけてしまったのかもしれない。そして「人が住む場所として売るわけにはいかない」と判断して、都に売却して公園にしてもらった……と考えられなくもない。
 引っ越した先の新しい大使館は1991年に完成している。つまり15年も昔の話なのに、今でもホームページに「引っ越す前の大使館跡は公園になっています」とわざわざ書いてある。これは「今の大使館には何も関係ない」と言いたいのか……と考えると、辻褄が合わなくはない。  平将門は戦に負け、京都で首実検された後、さらし首になった。そしてこの平将門の首が夜な夜な目を覚まし、「もう一戦やろう、もう一戦やろう」と言いながら京都の上空を飛び回ったという伝説が伝わっている。
 そしてその首は東京まで飛んできて、その首が落ちたとされる場所に「将門の首塚」が立っている。一方、首を失った体の方も、首を求めて夜な夜な歩き回ったと言われている。その体を鎮めるために「体明神」として祀った。この「カラダ明神」が訛って今に伝わっているのが神田明神。

【Hot Link !!】





image
北野誠さん(タレント)の

『怖い体験』の話

 学生時代、実家の離れで友達と麻雀をしていた。電話が鳴ったので「もしもし」と僕が出ると、プツップツッっと変な音が聞こえて「行くぞ」という男の人の声が聞こえて電話は切れた。
 地元の友達と遊んでいたので、誰か他のヤツが来るのかと思って、特に気にも留めなかった。するとその内、ウチの離れの周りを囲む砂利道を、ザッ、ザッと歩く音が聞こえてきた。「あ、さっきのヤツが来たのか」と思ったけど、いつまで経ってもソイツが中に入ってこない。
 そのまま麻雀をしていたら、また電話が鳴った。「もしもし?」と出ると、またプツップツッと音がして「行くな」と言って切れてしまった。するとしばらくして、また離れの周りを、ザッ、ザッと歩く音が聞こえてくる。
 特に怖いとも思っていないので「誰だろう?」と思って窓を開けて外を見た。ところがそこには誰も居ない。「おかしいなぁ……」と思って窓を閉めると、またザッ、ザッと歩く音が聞こえてきた。
 するとまた電話が鳴った。電話を取ると、今度は「本当に行くから」と言う。この辺で僕はだんだん怖くなってきた。友達も「なにそれ?」と興味を持ちだして、麻雀そっちのけで外の音に耳をすますと、またザッ、ザッと歩く音が聞こえてきた。
 ザッ、ザッという音はどんどん早くなる。今度は4人とも窓に顔を近づけて「せーの!」でバッと窓を開けた。ところがやっぱり誰も居ない。その瞬間、ドアノブがカチャカチャ!と音を立てた。
 その頃にはもの凄く怖くなっていたんだけど、ドアノブだったら本当に誰か友達が来たのかもしれない。そう思ってみんなでドアを開けた。でもやっぱりそこには誰もいなかった。
 ドアを閉めたらまた外をザッ、ザッと歩く音がする。そこで意を決して、ドアも窓も開けたままでしばらくいることにした。すると明らかに離れの周りをザッ、ザッと歩いている。でも誰もいない。しばらくしてドアを閉めると、またドアノブがカチャカチャと回る。でもドアを開けても誰もない。
 これを朝まで繰り返した。みんな麻雀どころじゃなくて、ザッ、ザッという音とカチャカチャという音にずっと耳をそばだてていた。夏だったので5時半か6時には外も明るくなり、ウチのお袋がドアを開ける音を聞いて、やっと人心地がついた。
 今でもあれが何だったのか、まったくわからない。地元に帰ってその時のメンツと顔を合わせるたびに、この話で盛り上がっている。

【Hot Link !!】





魚住りえさん(タレント)の

『タワー・オブ・テラー』の話

 フロリダのディズニーワールドはとにかく広い。1週間か10日ぐらい滞在して、やっと全部回れる、という感じ。お土産を買うところも、それだけで1つの地域になっているので、長期滞在してこそ楽しい場所だと思う。
 2年前、そのディズニーワールドに、お仕事で間寛平さんと一緒に行く機会があった。その時に、今度日本にも上陸する『タワー・オブ・テラー』に乗った。もともと私は真下に落ちるアトラクションがダメなのに、さらにそこに怖い演出もあって、本当に怖かった。
 ただ落とすだけのアトラクションなら世の中にいっぱいある。でもそこはあのディズニー。人の恐怖感を煽るだけ煽って、最高潮に達した時に落とす。しかも普通の乗り物で、ウエストのシートベルトだけ。肩を押さえたりはしない。
 部屋みたいな箱に入って、座席に座る。その部屋が真っ暗闇の中をゆっくり進む。時折、右に曲がったり左に曲がったりしながら、キレイなお化け屋敷のような場所を見学しながら進んでいく。
 見ている分にはキレイだなという印象だけど、だんだんドキドキする感じが高まってくる。いつか落ちるということは分かって乗っているので、どこで落とされるのか緊張してしまう。BGMに映画『トワイライト・ゾーン』の「チャラララチャラララ〜」って音楽がずっと流れている。時計の「チック、チック」という音も聞こえてくる。
 そうこうしている内に、いつの間にか50mくらいの高さを上がっているんだけど、自分たちはそれにまったく気がつかない。暗闇だから平衡感覚もないし、ディズニー一流の演出で気付かせないようになっている。
 そして音楽がピタッと止まり、いきなり目の前の扉が開くと、遠くに山や海が見えるような、びっくりするような眺望が広がっている。「うそっ?!さっきまで地下だったじゃん?!」と誰もが驚く。
 そして次の瞬間、真下へ落とされる。しかもそれで終わりかと思ったら、落ちたそのままのスピードで上にあがる。そして再び扉が開くと、また高いところに戻っている。「またこんなところに来ちゃった?!」と嘆く間もなく落とされ、また上がって……これを2〜3回繰り返されたら、「もう降ろして!!」と悲鳴を上げたくなった。
 『タワー・オブ・テラー』はとにかく怖い。

【Hot Link !!】





image
本広克行さん(映画監督)の

『香川の怖い話』

 四国には嘘みたいな本当の話が多い。人生や想いを背負って巡礼して回って人たちがいるのでその手の話が多く、心霊スポットもたくさんある。
 大学のとある便所には、鏡の中に「映る」という噂。トイレを使って、手を洗おうと鏡の前に立つと、鏡の奥にフッと白いものが通るらしい。あまりにもみんな「見る」という。
 これは『サマータイムマシンブルース』を撮った四国学院大学で聞いた。だからその「映る」というトイレだけは、すべての鏡が外されていた。その話を知らずに僕は「何でココだけ……?」と思っていたら、そういう事情だと先生に教えてもらった。
 あとでコンビニなんかに置いてある「心霊特集」の本を見たら、その大学のトイレのことがバッチリ載っていた。どうもそこは昔は陸軍の駐屯地だったらしく、地下に捕虜を入れていたのだとか。その昔の牢屋の名残も微妙にあった。
 そんな風に香川県にはそんな古い建物が多くて、古い景色を撮ったりするのにはちょうど良い。だから『世界の中心で、愛をさけぶ』とか『県庁の星』とか、映画のロケが数多く行われている。
 ところが霊感の強い役者がいたりすると、逆に大変。汗ビッショリになっちゃって、撮影どころではなくなってしまう。『UDON』の時は幸い誰も居なかったけど、『サマータイム……』の時は「もうダメです!ここから入れません!」という人がいた。

【Hot Link !!】





皆神龍太郎さん(と学会運営委員)の

『宇宙人』の話

 調べてみると、宇宙人もいろんなことをするモノで、昔は人に水をくれと言ってみたり、歩いている女性のストッキングをかっぱらったりしていたらしい。中には吠えつく犬と喧嘩をして負けた宇宙人もいる。最近はそんな笑える宇宙人がいなくなってしまったのが残念。
 最近は宇宙人と言えば「グレイ」と呼ばれるタイプが多くなった。身長1m20cmくらいの小柄な宇宙人で、アーモンドのような形の目をしている。この宇宙人がやることは「アブダクション」、つまり誘拐とか人さらい。人間を円盤に連れ去って、生体実験をしている。昔は機械のロボットを連れてきたり、中には雪男を連れて下りてくるようなナイスな宇宙人がいたことを考えると、最近の宇宙人はずいぶん根暗な感じ。
 生体実験されたと言うからにはちゃんと被害者が居て、そのほとんどはアメリカ人。日本にも1ダースくらいの人がいるけど、アメリカはその2〜3桁は多い。その人たちはよく「売名行為だ」とか「お金儲けだ」と非難されるけど、そんなことはない。少なくとも本人は「実際にそういう目に遭った」と思っている。それがトラウマになっているので「アブダクティ」という被害者の互助会があって、自分たちの哀しい体験を語り合って助け合う仕組みができている。
 映画『スターウォーズ』が公開されるとスターウォーズ系の宇宙人が現れて、映画とまったく同じことをする。普通、そう聞くと「それは違うだろう」と思いそうなものだけど、アメリカの研究者の中には「宇宙人がハリウッドにいて、そういう映画を作らせているんだ」と変わった解釈をする人もいる。
 結局、宇宙人は社会状況や社会不安に押し出されてくる部分がある。たとえばグレイと呼ばれる灰色系の小型宇宙人は映画『未知との遭遇』から流行り始めた。その後、だんだん世界中の宇宙人のバリエーションがなくなってきて、今はグレイ一色。アメリカ帝国主義に世界中が毒されてしまった、と言えなくもない。
 その影響をあまり受けていない地域では、今でも違う形の宇宙人が登場する。宇宙人ではないけど、しばらく前にインドでは「モンキーマン」が流行った。猿だか人間だかわからない化け物なんだけど、猿のくせになぜかオートバイのヘルメットをかぶっている。人に噛みついたり襲ったりするらしく、実際、モンキーマンに驚いて2階から落ちて死んだ人まで出たらしい。
 ただ、これは一種の集団パニックで、どんなに警察が調べても「見た」という人は出てこない。こういう風に口伝えで伝わってパニックを起こすというケースはままある。日本で言えば口裂け女がそんな感じだった。
 とはいえ、日本にはモンキーマンは出現しない。やっぱりモンキーマンは猿との交流のある文化の場所じゃないと。逆に「狐に憑かれる」のは日本だけ。そんな風に文化背景によって表現形は変わってくる。

【Hot Link !!】






■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'10" Discussao Joao Gilberto Jasmine JAS CD 307
12'11" Chega De Saudade Os Cariocas Concord Jazz CCD-2291-2
31'51" Crickets Sing For Anamaria Astrud Gilberto Verve POCJ-2560
39'00" Adriana Wanda Sa Bomba BOM506
45'19" O SOM Os Tres Brasileiros Capitol TOCP-8266


 Back