SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年7月8日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「この夏は空を飛ぼう!」

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 誰もが一度は一度はやってみたいと思いつつも、なかなか実際にやる機会のないのがスカイスポーツです。趣味でやっている人がいる以上、そんなに難しいことではないのはわかっているのに、なぜか疎遠なのはやっぱり「高い」ことに対して無意識に怖さを感じてしまうからなのでしょうか?
   それでも一度は「大空を自由に飛び回る」という体験をしてみたいものです。そこで本日は、当店にいらっしゃったその道の専門家の方のお話をココでご紹介させていただきましょう。空を飛ぶ楽しさが伝わってくるお話ばかりです。


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佐藤香織さん(プロスカイダイバー)の

『スカイダイビング』の話

 たしかにスカイダイビングはお金のかかるスポーツかもしれない。でも1回体験するだけなら3万円くらい。手が届かないという金額ではない。
 私がいつも埼玉の本田航空という会社の空港を使わせてもらっている。場所は川越と桶川の間にある川島町の荒川沿い。他ではあまりやっていないので、北海道や関西から飛びに来る人もいる。
 体験だけなら手ぶらで大丈夫。靴だけはスニーカーなどの紐靴を履いてきて欲しい。革靴だと風圧で飛んでいってしまう。あとは動きやすいGパンとTシャツで大丈夫。夏にその格好で飛べばすごく気持ちいい。
 体験コースの場合、飛ぶのはインストラクターと一緒。だから上空へ行って「怖い〜」と言っても問答無用で飛んでしまう。逆にスクールだと自分で飛ばなければいけないので、自分で飛べなければ飛行機に乗ったまま降りてきてしまうケースもある。
 実は高度は高い方が安全だったりする。高度が低いと下に到達するまでの時間が短いので大変。平均的な高度で4000mくらい。富士山よりもちょっと高いくらい。夏なら気温がマイナスになるかどうかくらいで、涼しくて気持ちいい。冬はマイナス10度くらいまで下がるので、さすがにちょっと着込むけど。
 自由落下している時間は1分弱。ずっと地上を見ていれば「地面が近づいている」ということがわかるかもしれないけど、これは案外辛い。風圧がすごいので、苦しくなって息がしにくくなる。だからアゴを上げて、空を見たり雲を見たり、地平線を見たりする。
 4000mから約1分落ちると、1000mぐらいの高度まで落ちてくることになる。時速は約200km。そこからパラシュートを開いて、5〜6分かけて地面まで降りる。初心者向けのパラシュートは大きめなので、もうちょっとゆっくりになることもあるかもしれない。
 スカイダイビングをやっている私だけど、バンジージャンプの方が全然怖いと思う。現実的な高さ、たとえばビルの上なんかの方が「落ちたらヤバイ」ということがわかってしまって怖く感じる。

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丸森久人さん(プロカイトボーダー)の

『カイトボーディング』の話

 カイトボーディングでは、まず巨大な凧を空中に上げる。その凧に風をはらませて、それに引っ張ってもらって海の上を走るスポーツ。海が一番盛んだけど、雪の上や地上でやる人もいる。
 ボードはウェイクボードに近い感じ。ウェイクボードは船に引っ張ってもらうけど、カイトボーディングでは凧に引っ張ってもらう、ということ。
 風の強さによって凧の大きさを使い分けるけど、小さくても4〜5mくらい、大きいモノになると10mというサイズになる。これは目の前で見るとビックリすると思う。
 この大きな凧と足元のボードを同時に操作するのがなかなか難しい。とはいえ女性でもやっている人は大勢いるので、そんなに体力が必要というわけでもない。初めてのスポーツだと余計な力を使ってしまうので最初は疲れる思うけど、コツを掴めばほとんど力を使わずにできる。僕は最高で5時間入りっぱなしということもあった。
 カイトボーディングでは足を板に軽く固定する。ウェイクボードにスリッパのような帯が付いていて、そこに足を引っかける感じ。だから脱いだり履いたりも自由になる。ちょっと前には「空中で板を脱いで、板を回して、また板を履く」という技が流行ったくらい。
 カイトボーディングは、上手い人になると10〜15mくらいの高さまで飛ぶことも出来る。時間にして10秒くらい。雪山の斜面を使えば30秒くらい飛ぶこともできる。飛び出す時はロケットの発射のように一気に飛び上がり、そこからゆっくりパラシュートで降りてくるような感覚。その飛び出すスピードと、降りてくる時のフワリとした感覚は、かなり独特なものだと思う。
 ちなみにこのカイトボーディング、発祥はフランスだと言われている。最初はスポーツではなく、座礁した船を救助するために考えられたのだとか。そのために「水に落ちても大丈夫な凧」が開発されて、それがハワイに渡ってスポーツになった、と聞いている。スポーツとして始まったのが10年くらい前で、日本には8年くらい前から伝わった。

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亀形澄恵さん(エクセル航空)の

『遊覧ヘリコプター』の話

 遊覧用のヘリコプターはだいたい上空600〜900mくらいの高度を飛ぶ。それくらいの高度だと、夜景はすぐ真下に広がって、自分で飛んでいるような感覚を覚える。
 今の時期は夜だけで1日に7〜8便飛ぶ。2機体制ならさらに倍。冬になれば夜の時間が長くなるので、もっと便数は増える。
 夜に東京上空を飛ぶと、光の海のような景色が見られる。逆にお昼なら大都市・東京の景色をダイナミックに楽しめる。海外の人はサンセットがけっこう好き。
 とはいえ、ヘリコプターは遠い乗り物だと思われているらしく、お金持ちが乗るモノという思い込みが強いらしい。でもそんなことは全然なくて、新卒の初任給で記念に乗る人だっている。
 浦安から出発して新宿まで往復する遊覧コースで、所要時間は約20分。そのコースが平日14,800円。もうちょっと手前の東京タワーあたりを回ってくるパールコースなら、約15分で9,800円とか。
 これからの季節なら花火大会も多くて、それらに合わせたクルージングも行っている。これは30分の特別コースで、花火と夜景を両方楽しめる。上から見る花火は、形は下から見た時と同じ「丸」なんだけど、下に落ちていくという感覚が新鮮。人気のコースなので、もし参加を希望するなら早めにご予約を。

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伊奈孝さん(日本熱気球連盟)の

『熱気球』の話

 気球は早起き。日の出とともに活動を開始して、夏なら5〜6時くらいには飛ぶ。9時くらいには片付け始めて、暑くなる頃にはファミレスでお茶を飲んでいたりする。
 熱気球以外のスカイスポーツ、たとえばグライダーやパラグライダーは、上昇気流を利用するので昼間じゃないと具合が良くない。ところが気球だけは朝と夕方の日没間際がメイン。だから僕らがお昼にバーベキューをしていると、パラグライダーが飛んでいる姿を見かけたりする。
 一概に気球と言ってもいろいろあって、僕たちのようにスポーツやレクリエーションとして乗る気球はせいぜい2〜3時間を飛ぶように作られている。レース大会などで使われる気球もそれに比較的近い。その他にも観光向けにお客さんを乗せる気球もあるし、日本からアメリカまで気球で飛んでしまうような冒険で使われるモノもある。
 飛べる時間は積める燃料の量で決まってくる。そして気球も航空機に分類される(日本はちょっと特殊で、緩めでやりやすい)ので、飛べる場所は決まっている。高度的で言えば、上がっても1000mくらいまで。
 気球が飛んでいく方向は風任せ。だから降りる場所見つけやすい平野で飛ぶのが普通。降りる場所はだいたい刈り取った後の田圃や牧草地を使わせてもらう。その見極めのために、気球をやっていると農業に詳しくなる。いつも「ここは何の畑で、今はどういう状態で、降りて良いのかダメなのか」と考えるから。
 たとえば大豆の畑があったとする。大豆は畑で乾燥させるので、上空から見ると茶色っぽい枯れ草にしか見えない。でもそこはまだ刈り取る前の作物なので、そこに降りたら大変なことになる。トレーニングの段階でそういうことを学ばなくてはいけないし、僕自身も「あ、ここはヤバイ」と思って上昇し直したことが何度かある。
 陸だけじゃなくて、川の上を低空で飛んだりするのも楽しい。川を横から見る機会は多いけど、なかなか真上から見る機会は少ないから新鮮。普段飛んでいる栃木なら近くに思川(おもいがわ)という川が流れていて、秋になるとサケが登っていく姿が見えたりする。
 世界共通の光景なんだけど、気球が近づいてくると一番最初に気がつくのは犬。まず犬が吠えだして、その内に上を見上げる子供たちが出てくる。子供たちが手を振ってくれたりすると、こっちも手を振りかえしたり、そんな感じでノンビリと飛んでいる。

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多胡光純さん(エア・フォトグラファー)の

『モーターパラグライダー』の話

 モーターパラグライダーはエンジンを背中に背負って飛ぶパラグライダー。僕が使っているエンジンで排気量210cc。イタリア製の「ソロ」という汎用エンジンを、モーターパラグライダー用に使っている。
 汎用エンジンを使うのは、耐久性が実証されていて、世界中に普及しているエンジンだから。パーツがどこでも供給できるのはありがたい。
 このエンジンが乾燥重量で23kgぐらい。そこに10kgの燃料を詰めたら合わせて33kgの重さになる。その他にもヘルメットなどの防具、レスキュー用のパラシュート、僕の場合はカメラなどもあるので、トータルで50kg前後の重量を持つ。
 離陸の時は、この荷物を抱えて走って飛び上がる。飛んでいる間はパラグライダーが支えてくれるから大丈夫。僕は椅子に座るような形で楽にしていられる。椅子に座っていると言ってもヘリコプターとは違って、目の前に何もない。これは格別だと思う。
 ヘリコプターの場合、高度300m以下は法律で入れない。でもモーターパラグライダーなら300m以下も自由に飛べる。だからそこで撮ると今までになかった迫力ある映像が撮れる。木をかわし、砂丘の間を縫い、川の上を飛び、森の上すれすれを……といった「鳥の目線」も再現できる。
 僕の使っているグライダーなら、スピードは時速30〜40kmぐらい。パラグライダー自体はもうちょっと速いスピードも出るんだけど、映像的にはこの30〜40kmくらいのスピードがおもしろい。
 生身で飛んでいておもしろいのが「匂いの壁」に気付くこと。モーターパラグライダー飛んでいると、突然「菜の花の匂い」などにぶつかることがある。向こうに菜の花畑があるのは見えているんだけど、その匂いの壁にいつぶつかるのかはわからない。その壁にぶつかった時の驚きは大きい。桜の匂いや、ブナの香り、匂いの壁を感じられるのが生身で飛んでいるからこそ味わえる世界なのだろう。
 ちなみに明日放送のテレビ朝日『素敵な宇宙船地球号』では、中国雲南省を飛ぶ。貧しい村が美しい風景を売りに観光収入で潤いはじめたのだが、その一方で美しい風景が崩れつつある……という村を僕が空から捉える。
 地上から見ると一点しか見えない。でも少し高いところから撮ると、煙が煙突から上がってきて、その向こうでは畑を耕している人がいて、という人間模様がいっぺんに迫ってくる。その瞬間がカメラを回すべき表現の世界なんだと思っている。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'15" Straighten Up And Fly Right Oscar Brown Jr. CBS/SONY 28DP 5148
18'56" Ridin' On The Moon Jerri Winters Bethlehem COCY-9935
30'17" Fly Me To The Moon Astrud Gilberto Verve POCJ-2559
40'27" My Blue Heaven Bing Closby MCA MVCM-28002
47'33" A Voar, A Voar, A Voar Joice Walt Disney AVCW-12380


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