SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年7月1日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「今から間に合う夏フェス」

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 ここ数年、若い人の間で「ロックフェスティバル」が夏のイベントとして熱狂的な人気です。草分けとも言うべき『FUJI ROCK FESTIVAL』をはじめとして、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』、『SUMMER SONIC』、『WIRE』など、それぞれ特色を持ったフェスが数万人規模の人を集めています。
 様々なアーチストが集まって野外コンサートを繰り広げる「夏フェス」。その魅力はどこにあるのか、その道にお詳しいお客さまが教えて下さったので、今日はそのお話をここで少しだけご紹介させていただきます。

 


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つるの剛士さん(タレント)の

『FUJI ROCK FESTIVAL』の話

 1997年に行われた第1回の『FUJI ROCK FESTIVAL』から、ずっと毎回行き続けている。去年、ついに仕事で行けなかったけど。
 初回の97年はすごかった。富士山の麓でやったんだけど、会場までの道が1本しかなくて、そこをみんなズラーッと並んで歩いていった。もうほとんど登山のノリ。しかも帰りは大雨だった。みんなカッパを着てたけど、夏だからその下は半袖の服。とにかく寒かった。
 でも、それこそが“ロック”だった。それまで日本にそういうロックフェスティバルがなかったから、みんな完全に喰らった。ただ、あの1回で「もういいや」と思った人もいるかもしれない。
 2年目のフジロックは晴海の広場で行われた。するとあそこは埋め立て地だから、みんなが飛び跳ねると地面がガンガン揺れる。あれも凄かった。
 ロックフェスは仲間と行くのも楽しいけど、できれば今度は夫婦で行ってみたい。それも子供を連れて。実は何年か前からフジロックには「子供のためのプレイルーム」みたいなのもちゃんと作られていて、子供もいっぱい来ている。だから家族旅行でも楽しめると思う。
 ロックって言えば若い人のイメージがあるけど、実際にフェスに行くとけっこう歳をとった人もいっぱいいる。普段、家でロックを聴いていると「こういう音楽を聞いているのなんて俺1人かな」と思ってしまうけど、フェスに行くと「こんなにロックが好きなヤツがいっぱいいる」ってことで共感できる。そしてみんなで泥まみれになって一緒に1つの音楽を聞く。その楽しさがロックフェスならでは。
 今はマナーもすごく良くなった。みんなゴミ袋を持っていくから、終わった後にゴミが1つもない。みんながちゃんとゴミを分別して捨てている。そういう部分でも良いグルーブになっている。そのおかげで長く続けられるのだろう。
 昔は夏フェスと言えばフジロックしかなかったけど、今はサマーソニック、ウドー、いろんな夏フェスができた。そしてその夏フェスには全国からファンが集まってくる。みんな夏フェスに向けて1年間お金をためて、会場までやってくる。だからその勢いはすごい。
 バイクで来る人も多い。バイクの台数が多いから、途中で故障するヤツも多い。そのために「バイクのレスキュー隊」みたいな人たちがいて、ちゃんと直してくれる。
 フジロックは屋台も楽しい。南国の食べ物なんかもあったりして、ビールを飲みながら、一晩中DJが回しているのを聞きながら、ロック三昧。お風呂も地元の協力で、宿舎のお風呂が解放されていたりする。
 チケット代わりの腕輪は、3日間通しの人だと色が違っているので、それがちょっとしたステータスだったりする。そうでなくても同じ期間だとわかると、ちょっとした「一夏の出会い」もあるかも。

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鹿野淳さん(ロック・エディター)の

『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』の話

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』は、ぶっちゃけ代々木公園や新宿御苑でやりたかった。でもそれは無理なので、葛西臨海公園は、昭和記念公園は……と、どんどん輪を広げていって、最終的に決まったのが国営ひたち海浜公園だった。
 そこに辿り着くまで千葉も埼玉も数件あたっていて、中には海沿いのすごく良い場所もあった。ところがそこは人が2万人以上集まると、液状化現象で足下がズブズブ沈んでいくという話でダメになった。
 国営ひたち海浜公園の場合は、先にアチラからちょっとしたお誘いがあった。それでも正直、あそこでフェスをやることになるとは思っていなかった。というのも、今「レイクステージ」と呼んで使っているステージがもともとあって、そこを使ってフェスをやらないかという話だったから。そのステージは階段も付いていて、噴水ショーもできるようになっていて、日比谷屋音よりも“作られた世界”。そこでフェスをやるといっても、ロックな感じが出ないし、自然な感じも出ないし、「ちょっとイマイチかなぁ……」と。
 それでも一応見学に行ったら、とにかく広い。しかも冬だったから、その広い芝生に10人くらいしか人がいない。「ここ、何をする場所なんですか?」と聞いたら「フリスビーのゴルフをやる会場なんです」と教えられた。「誰もやってませんね」「ええ、誰もやらないんですよ」って。その広さ、実に東京ドーム4個分だった。
 そこで「ここでフェスできませんか?」と聞いた。向こうは「こんな何もないところで?」と驚いていたけど、何もないところにゼロから作っていくことこそフェスの醍醐味。それで「ぜひここで!」という話になった。
 フェスで一番大切なのはアーチストのブッキングじゃない。もちろんそれも大事なんだけど、フェスというもの自体が1つの生き物であり、思想になっている。だから、ちゃんと毎年続けられるか、ちゃんと毎年準備をできるかが一番大切。ブッキングに頼ると、良いアーチストが出てくれなければ悪いフェスになってしまう。その発想ではフェスの経営はできない。
 移動式のトイレを何個用意するのか、人々が5分以上並ばずに飲食を済ませられるようにするには何軒の飲食店とスペースが必要なのか、その場所で毎年夕方から吹く風に合わせてサウンドシステムをどう調整するか……などなどのノウハウこそがフェスの要。
 スタッフ全員を町中に立たせて、音が聞こえてくるかどうかを1日かけて調べたりもする。ここからここの時間は音がこの辺に流れていく。このぐらいの音圧だとちょっと厳しい。打ち込みの低音は遠くまで響くので、この時間帯は打ち込みの人に出てもらうのはやめよう。そんな迷惑対策や自然対策も出来る限りやった。
 そういう部分も含めて、ロックというハードルを掲げずに、とにかくみんなが来やすい場所でやろうとか、そんなことばかりを考えていたら、女性も大勢来てくれて、今や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』はもっともチケットが取りにくいフェスと言われるようになった。
 2000年頃は、ロックフェスは1人で行くモノだった。それが今では、恋人も連れて行ける、家族も連れて行けるモノになった。今や成功している大きなフェスは、地元の人にとって大きな花火大会と同じかそれ以上のイベントとして認知されているのでは。
 もはやフェスはお気に入りのアーチストを見に来るものじゃない。1年に1回そこに行って、今年もそこに来れた自分たちを楽しむモノだと思う。

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MOOMINさんとPUSHIMさん(レゲエシンガー)の

『レゲエ・フェス』の話

 最近、夏フェスとかレゲエのイベントが本当に増えた。「イベントをやれば人が来る」という評判が高くなって、さらに「イベントをやるならお金を貸しましょう」という人も出てきて、どんどん増えている。
 有名なのは『横浜レゲエ祭』とか『ハイエスト・マウンテン』とか。この辺になると2万5千人とか3万人の人を集める。それを聞いて地方も「それならウチでも……」と考えるみたい。そのおかげで歌える場所が増えるのは本当にありがたいことだと思っている。
 そんなフェス向きの音楽「レゲエ」だけど、レゲエをやっていない人と話すと「自分たちって特殊なんだ」と感じる。「自分たちが楽しめるイベントをしようか」と思って始めたことなんだけど、そこにいっぱい人が来てくれる。12〜13年前からちらほらとイベントをやり始めて、今ではみんな友達になって、今でもイベントを続けている。そこがちょっと特殊らしい。
 『横浜レゲエ祭』は横浜スタジアムを使ったイベントで、3万人の人が集まる。大人からしたらレゲエは「若い子の音楽」だろうと思うけど、そのためにスタジアムを貸してくれるというのも驚き。昔はレゲエにハマっている人なんてほんの一部だったし。
 レゲエの本場、ジャマイカの人たちの口癖は「No Problem, One Love」。1つのワードで分かり合えるから、みんな仲良くなれるのだろう。良い意味で、レゲエは三枚目の音楽なんだと思う。誰でも親しみやすくて、格好悪くコケたとしても「コケちゃった〜」って言える人たちが集まっている。
 レゲエのイベントにはタオルとライターが付き物。ジャマイカでは「ガンショット」と言って、2本の指を立てて「ボッ!ボッ!ボッ!」と叫ぶ仕草がある。これは「この歌が大好き!」というアピールなんだけど、このガンショットと同じ意味でライターを灯したりする。

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長澤道孝さん(ウドー音楽事務所)の

『UDO MUSIC FESTIVAL』の話

 2004年に日産スタジアムで『ロック・オデッセイ』というロックフェスティバルを開催して、初来日の「WHO」を招いたりした。その発展版として、『UDO MUSIC FESTIVAL』を富士スピードウェイと泉大津フェニックスで開催する。
 今回のフェスに出演してくれるアーチストは、SANTANA、KISS、JEFF BECK、The Doobie Brothers、Alice In Chainsなどなど、大物がいっぱい。この出演交渉は去年の秋口くらいから始めていた。
 会場の1つ、富士スピードウェイはレースのサーキットだけど、実は案外、海外でも「サーキットを使ったコンサート」は行われているらしい。だからアーチストにとってもそんなに違和感はないと思う。
 KISSはこれまで日本に何度も来ているけど、野外コンサートで来るのは初めて。初来日の時は武道館の外に消防車が何台も待機していたという伝説が残っているくらいステージで花火を使うバンドなんだけど、やっぱりどうしても日本の会場では花火の数や大きさが制限されていた部分があった。
 でも今回はついに野外でのコンサート。KISSが向こうでやっているフルスケールのショーを見せてくれるとのことで、KISSのファンはもちろん、そうでなくても楽しめる。その花火の量たるや、実に室内のコンサートの30倍だとか。今まで日本で見たことのないショーになることは間違いない。
 実はアーチストのライブが全部終わった後に「花火ショー」の用意もこちらでしていたりもする。だからKISSの日は花火だらけになる。そのショーは日本式の打ち上げバンバン花火じゃなくて、音楽と花火をシンクロさせた欧米型。こちらも楽しみにしてほしい。

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中川ヨウさん(ジャズ評論家)の

『ジャズ・フェスティバル』の話

 夏のジャズ・フェスティバルと言えば斑尾。私も夏の風物詩として、斑尾に行くと「ああ、夏が来た」と感じていた。
 今年のジャス・フェスティバルは室内が中心。『東京JAZZ 2006』では国際フォーラムなどを使って、室内でがっちりジャズを聴くということになっている。
 来日するアーチストで核になるのはチック・コリア。 今年が第5回なんだけど、第1回から第4回まではハービー・ハンコックがプロデュースするジャズ・フェスティバルだった。それが今回からチック・コリアが中心になる。おそらくビッグ・バンドで出演することになるだろう。
 2日目あたりには上原ひろみさんとデュオもやる。実はチック・コリアは10年くらい前から上原ひろみさんのことを見込んで「これは大きくなるピアニストだ」と言っていたので、この2人が並んでピアノを弾くのは大きなイベントになるだろう。
 今年の『東京JAZZ』が面白いのは、ブルーノート東京とコラボしていること。だからチック・コリアはブルーノートの各店に出演しながら北上してきて、最後に『東京JAZZ』で弾ける、という段取りになっている。
 オーストラリアのジャズが来るのも面白そう。注目されてる若手のキャメロン・ディエルというギターリストなどが、日本のクリヤ・マコトなどのアーチストと組んで「Japan Australia Jazz Orchestra (JAJO)」として演奏する。私などは、そのオーストラリアのジャズを聴きたくて北海道まで行くほど。
 その他に、帝国ホテルでもジャズのイベントが行われる。今回が3回目となる『インペリアル・ジャズ・コンプレックス 2006』がそのイベント。お盆にホテルの宴会場が空いてしまうので、その穴埋めとして始まったイベントらしい。
 帝国ホテルは日本のジャズの発祥地と言っても良い場所。大小いろんな宴会場があるけど、それらを全部使ってジャズ・フェスティバルを開催する。ビッグ・バンドあり、北村英治さんのような人もいて、スウィング系をメインに、去年は踊るところもあった。
 年輩のファンも多いけど、若いジャズファンにもこのフェスで「ジャズってこんなに素敵で、踊れる音楽なんだ」ということを知って欲しい。私としては「涼みに行く」という気持ち。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'03" Miss Universo Doris Monteiro Bomba Records BOM 557
18'47" The Face I Love Astrud Gilberto Verve 314 519 801-2
24'49" Deus Brasileiro Marcos Valle EMI 8293702
34'43" I Got Plenty O' Nuttin' Rosemary Clooney RCA BVCJ-2030
45'16" Aguas De Marco Antonio Carlos Jobim & Elis Regina Verve 824 418-2


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