SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年4月1日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「新入社員諸君!」

image

 今日からいよいよ新年度ですね! 当店でも来週あたりから真新しいスーツを着た新入社員のお客さまを見かける機会が増えそうです。それと同時に、新入社員に対してグチをこぼすお客さまも増えるのですが(笑)。
 しかし、当店のお客さまの中には、新入社員の教育に関しては世間で一目も二目も置かれているような方もいらっしゃいます。本日はそんなお客さまのお話をご紹介させていただきますので、新入社員の皆さんもその教育係の方も、参考にしてみてはいかがでしょうか。


image
渡邊美樹さん(ワタミ株式会社代表取締役社長)

『夢と計画』の話

 22歳の時に「24歳の4月1日に社長になる!」と決めた。別にお金があったわけでもなんでもない。それでも「そうする」と決めた。
 そこで2年間でどうやって社長になるのかを考えた。まず最初にしたことが、経理の会社で半年働くこと。それで経営数字についての勉強をした。次にしたのが肉体労働。1年間働いて、資本金を貯めた。そして最後の半年は外食産業をするための準備期間。22歳の時にこういう計画を立てて実行した。
 もちろん計画に修正は付き物。そこで大事なのが、毎日手帳を見て修正すること。半年経ってから「やっぱり計画変更」ではなく、毎日計画通りにできるかどうかをちゃんと考える。それで「このままだと1年くらい掛かりそうだな」と思ったら、深さの方を倍にすればちゃんと半年で終わる。そんな毎日の反省と計画修正が、目標達成のためには非常に重要。
 1年間の肉体労働で貯めたお金は300万円。僕は佐川急便で働いた。当時『佐川急便残酷物語』という本が出るくらい過酷な仕事だったけど、その代わりに初任給43万円、手取りで37万円だった。生活費は月に12万円と決めて、25万円の定期積み立て1年間続けて、ぴったり300万円を貯めた。
 途中、過労で倒れたりいろいろあったけど、それでもなんとか頑張った。1日2〜3時間しか眠れなかったり、本当に大変で何度も辞めようと思った。でも「24歳で社長になる」という計画は絶対に変えなかった。経営は戦いなので、敵に一度でも背を向けたら負け。だからどんなに辛くても「ここで逃げたら僕の人生が終わる」と思って、翌日また向かっていった。
 変な話、ポケットにはいつも辞表が入っていた。頭では常に「こんな仕事を続けていたら体がボロボロになってしまう、社長になった時には病気になってしまう」と考えていた。でも、若い人に言いたいとすればココ。みんな理屈で「逃げる口実」を考えてしまう。でもそういう時は、心の奥の底の底に「逃げたい」という気持ちがあるもの。その気持ちに負けないようにすることが肝心。
 社長になった今、新入社員には僕と同じように「夢手帳」を持たせている。『ワタミ』はみんなの夢をかなえる会社、という考えがベースにあって、みんなの夢がかなって、それが集まることで会社が大きくなればいい、と思っている。だからこういった「夢をかなえる手法」を教育している。
 たとえば「オレは花屋になりたい!」と夢を持ち、会社の中で会社を作って、花屋として独立して仕事をしている人もいる。そういう人たちの具体的な体験談なども新入社員にしてもらっている。

【Hot Link !!】





image
山本直人さん(人材育成プランナー)の

『新入社員教育』の話

 新人の教育で一番重要なのは「過剰に期待しない」こと。それから「呆れない」こと。呆れても仕方がないから。そして「自分と較べない」こと。
 今の自分と新人を較べるのはまったく意味がないし、自分自身の若い時と較べても、それはおそらく客観的ではない。「俺の若い頃はこうだった」と言っても、それはだいたい美化された想い出でしかない。「マナーを知らない」「他人事みたいに仕事をしている」なんて事は、いつの時代でも言われていること。
 人が育つ会社では、直属の上司よりも隣の部の先輩あたりとのコミュニケーションが上手くできている。昔の日本の会社は緩かったのか、そういう斜めのコミュニケーションがけっこう多かった。新入社員も直属の上司と飲みに行くと緊張してしまうけど、隣の部署の先輩なら「いや〜、自分の部署の先輩はこうなんですよ」なんて気軽に言える。
 たとえて言うなら、自分の親よりも親戚の叔父さんの方が優しく見える、みたいなこと。ところが最近の会社は効率重視になって、そういう斜めの関係を築きにくくなっている。人を育てようと思ったら、そんな良い意味での緩さがあった方がいい。
 今の若い人を僕は「猫型」と表現している。ある新入社員研修で、遅刻がやたらと多かった。しかもどんなに叱ってもその遅刻が減らない。2〜3日して叱るのも馬鹿馬鹿しくなった頃に、ふと気がついた。どうも彼らは「叱られる」ことにはあまり敏感じゃない。ところが「恥をかく」ことに関してはすごく敏感だった。
 犬をしつける時は、褒めたり叱ったりするのがしつけの基本。でも猫は、どんなに叱っても言うことを聞かない。そしてプライドが高い。そんなところが今の新入社員の雰囲気に似ている。
 そんな猫型の新入社員を教育するには、「恥をかかせる」のが良い。遅刻をしてきたら叱るのではなく、前の扉から入るようにする。それだけで遅刻はかなり減った。
 猫は犬に較べて野生の本能が強い。だから会社も「若いヤツがこっちに行くんだったら、そっちの事業をやってみようか」と柔軟に考えて教育した方が上手くいく。「そっちに行くなら、そっちで何かを獲ってみろ」と。それが会社の望むモノと違っても、何も獲ってこないよりはマシ。新しい事業を上手くやっている会社は、そういうところが多い。

【Hot Link !!】





image
世耕弘成さん(参議院議員)の

『新人議員研修』の話

 前回の総選挙で、僕は自民党新人候補者の指導を受け持った。たとえばFAXで「演説ではこういう事を言ったらいいよ」と送ったり。
 候補者は選挙活動中は忙しくて新聞を読む暇もないので、毎日3回、1枚ずつ「コレ!」とポイントを絞ったネタも送ったりもした。朝、事務所を出る時にその紙をポケットに突っ込んでいって、途中のトイレ休憩かなにかの時にその紙を見たら「あ、次の演説にはこのネタを盛り込もう」と思えるような、シンプルにまとまった内容。これは新人候補者から非常に喜ばれた。
 こんなことをしたのは自民党でも初めてのことだったので、当選した新人議員たちは非常に感謝してくれて、僕をなにかと慕ってくれるようになった。それ以来、新人議員たちの交流が多くなっている。
 そんな交流の中で一番よく聞くのが「どうやって選挙を戦っていいのかよくわからない」ということ。多くの人は派閥に入っていないので、教えてくれる先輩もいない。後援会の作るのも、どうやったら良いのかわからない、ということだった。
 そこで「じゃあ一度みんなで勉強しましょう」という事になって、40人くらいの新人議員を集めて、僕が選挙対策のいろはに関する講演会を開いた。
 たとえば女性の後援会を1つに絞らない方が良い、みたいな実践的なことも教えた。女性にはいろんなグループがあるので、それを1つのピラミッドにまとめようとすると大変なことになる。だから女性の後援会は仲のいい人同士でいくつも作ってもらった方が良い。
 それから彼らに厳しく言ったのは、彼らは造反組と戦わなければならないんだ、ということ。地元の県会議員や市議会議員は造反組との付き合いが長いので、どうしてもそちらに向いてしまっている。なかなかそういう人たちの応援を得られない時に、武部さんや首相官邸に泣きついて、上から「コイツの応援をしろ」と言ってもらうようではダメだ、と言った。
 県会議員や市議会議員の先生だって一国一城の主。まずは酒を酌み交わして、自分の人となりをを知ってもらう。そして彼らの抱えている問題に対してちゃんと相談に乗る。そういったことをちゃんとやれば、1人、2人、とこっちを向いてくれるようになる。それを上から「こうしろ!」では余計に反発を買うだけなので、絶対にやめなさい、と言った。
 もちろん僕も先輩からいろんな事を教わった。僕が教わったのは「毎朝8時から始まる自民党の会議にはできる限り出席する。そして必ず1度は発言する。それもみんなが(ああ、こいつはよく勉強しているな)と思う内容の発言をする」ということ。これは本当に大変だけど、今でも続けている。
 この朝8時の会議は誰でも参加できる会議。いろんな人がいて、下らない意見を言う人もいるし、長々と意見を言う人もいる。でもそこで「こいつはよく勉強しているな」と思ってもらえれば、もうちょっとインナーな会議に誘われる。「この事に関して詳しい人間だけで正味の議論をしたいから、君も来ない?」と誘われるようになる。そうやってだんだん政治家としての活動の幅が広がっていく。
 朝の会議は出席を取るわけでもないし、出なくても特に問題が生じるわけじゃない。でも出ると出ないとでは大違いなので、新人議員たちにも出るように勧めた。だから今、みんな早起きして一生懸命朝の会議に出席している。

【Hot Link !!】





image
関口房朗さん(株式会社ベンチャーセーフネット代表取締役会長)

『技術職の研修』の話

 ベンチャーセーフネット(VSN)はエンジニア系の人材派遣会社。だからこそ研修が重要で、一番の基本だと考えている。大学で教わる程度のことでは使い物にならない。実務を経験しないと。
 技術系なので、普通の研修よりも大変だし、期間も長い。ドライバーを持ってエンジンをバラバラにして、それを見て図面を書いて、どう仕上げたらいいか、なんてことを教える。それをやらないとモノは動かない。
 そんな技術者でも、やっぱり一番大切なのは大きな声で挨拶ができること。最初は恥ずかしいかもしれないけれど、半月もすれば慣れて「おはようございます!」「ご苦労様です!」と言えるようになる。
 設計の段階では間違いは直せばいいだけの話だけど、その図面が間違ったまま現場に行ってしまうと、修正するのが大変になる。そんなことにならないようにするには、コミュニケーションをしっかり取る必要がある。キチッとした打ち合わせができれば、もう8割は仕事が出来たと同じ。
 技術屋は話をするのが苦手のように思われているけど、実は図面を前にして議論をするのは平気。だから挨拶さえできるようになれば、ちゃんと打ち合わせもできるようになる。
 研修では人前で自分の考えを喋る機会も多く設ける。「今まで研修を受けてきて、一番苦労したところは?」みたいな簡単なテーマでいいから、それをみんなの前で発表してもらう。後は飲みに行って“ノミニケーション”をやれば、だいたいみんな一人前の社会人になれる。
 若者の気質も昔とはだいぶ変わってきた。極端な話、私は体育会系の人が欲しいと思っているくらい。本当に体育会系だと技術職は無理なんだけど、あの明るくてリーダーシップのあるところは評価している。技術系でそういう性格の人がいたら、それが理想なんだけど。

【Hot Link !!】





仙波一智さんと宇津井宗太郎さん(某大手広告代理店勤務)

『営業の研修』の話

 新入社員教育の時はタクシーの乗り方やエレベーターの乗り方など、基礎の基礎から叩き込まれた。「名刺交換の授業」「電話の出方の授業」なんて、わざわざ1つの枠になっていたほど。ビールの注ぎ方も教わった。あれは銘柄がわかるようにラベルを上にするのが基本。
 タクシーの乗り方だったら、一番奥に一番偉い人が座る。その手前に次に偉い人。そして一番年次が下の自分は前に座る。もう1人増えるのなら、後ろの席の真ん中に一番下の人間が座る。でも中には「面倒くさいからお前が一番奥へ行ってくれ」という偉い人もいるので、内心「やっぱりその方が合理的なんじゃ?」とは思うけど。
 エレベーターだったら、一番下の人間が真っ先に乗り込んで、スイッチを押せる位置を確保する。そして「開」「閉」のボタンを押す役割を担うので、降りるのも当然最後。ところが先輩もその教育を叩き込まれているので、先輩がその位置に立ってしまっているケースが多々あるのが困りもの。そういう時は「勘弁して下さい…」という気持ちでにじり寄って、その場所を譲ってもらう。
 お酒の席では、下の人間が入り口に一番近い席に座る。お店はお酒をそこに持ってきてくれるので、そこに氷などもキープして、いつでもお酒を作れるようにしておく。自分以外の誰かがお酒を作っていたら、それはもうマズイことなので、そうならないように気をつける。
 ビールだったら、残り1/3ぐらいになったら継ぎに行く。ビールを美味しく飲もうと思ったら、本当は一度飲み干してから継いだ方がいいんだけど、そこが非常に歪んでしまっているところで「相手に美味しく飲んでいただく」ことよりも「先輩に怒られないようにする」ことを優先してしまうのは人間の性。
 ビールを注ぐ時には「失礼します」と言ってから。人越しに継ぐようなことはせず、立って後ろに回ってから継ぐ。
 僕は入社2回目の飲みの席で怒られた。ある先輩がタバコを切らせた時に、2つ上の先輩から「なんであの先輩のタバコを買ってきてないんだ!」と。タバコの銘柄は1回目の飲みの席で覚えておけ、ということだった。理不尽なように聞こえるかもしれないけど、もし3回目の飲み会でタバコを切らせた先輩のところにタバコを持っていったら「なんてお前はデキるヤツなんだ」と評価してもらえる。タバコの銘柄なんてなんでもないことで気に入ってもらえるというのは、イヤらしい話かもしれないけどすごく得。
 社内の打ち合わせでペンを1本持っていったら怒られたこともある。「もし先輩や打ち合わせの相手に“ペンを貸して”と言われたらどうする。ペンは必ず2本持っていけ」と。言われてみて「なるほど」と思った。

【Hot Link !!】






■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'40" You're So Right For Me Peggy Lee Capitol 7243 8 56056 2 8
19'32" I Was A Little Too Lonely Nat King Cole Capitol CDP 7 48328 2
31'29" Wrap Your Trouble In Dreams Kay Starr RCA BVCJ-2033
41'02" Put On A Happy Face Blossom Dearie Daffodil BMD-114
47'56" My Sin Patti Page Mercury UCCM-9037


 Back