SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年3月25日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー」

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 土曜日の夕方、当店“AVANTI”のウェイティングバーは大勢のお客様で賑わいます。様々なお客さまがグラスを傾け、お喋りを楽しんでおられます。
 そういったお客様たちこそが当店の自慢です。みなさん、映画、音楽といった柔らかい話から、政治、科学のような堅い話、珍談奇談に、怪しげな噂話などなど、とても面白い話をして下さいます。
 誰が言い始めたのかは分かりませんが、常連のお客さまの間では、そんな面白い話をする方々を、敬意を込めて「コニサー」と呼んでいるとか。なんでもフランス語で「目利き、玄人」という意味らしいのですが。
 お時間がございましたら、そのコニサーのお話に耳を傾けながら、素敵な夕方の一時を過ごしていきませんか?


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いしだあゆみさん(女優)の

『バンデンプラス』の話

 バンデンプラス(バンプラ)はMiniの4ドア版。小さな車だけど、東京に住んでいた頃は港区をウロウロするだけだったので、ずっと愛用していた。
 でもこの車が、何度「スコン」と止まったことか。高速道路を走っていて急に止まったこともあった。「お前なんか二度と乗ってやらないからな!」と思って置き去りにしたこともある。
 それでも好きで、どうしてもやめられなかった。木の内装も、革のシートも、サンドベージュの外観も、全部が良かった。何回そのバンプラとは喧嘩をしたか分からないけど、それでも乗り続けた。
 さすがに1950年の車だったので、90kmも乗って車庫に入れると、ぐったりした顔をしていた。雨が降るとワイパーも動かなくなるし。仕方がないので三角窓から傘を出して、ワイパーをチョンと突いてやる。すると2〜3回シュッシュッと動いてくれた。料金所のオジサンに押してもらったこともあった。
 バンプラで六本木を走っていたら、よく写真を撮られた。「いしだあゆみだからかな?」と思ったら、誰も私なんか見ていない。カメラはバンパーに向かっていたりして「おいおい」なんて。
 私みたいに行儀の悪い人間は、あれくらい行儀のいい車に乗っているのがちょうど良かった。ちょっと大きめの車だからちゃんとした運転するし、路上駐車もできない。ガラスが大きいから、誰が乗っているかすぐにわかる。
 一度、バンプラにカーステレオを付けたことがある。そうしたら所ジョージさんに「あゆみさん、ダセーよ!バンプラにCD付けるなよ!」と笑われてしまった。クーラーを付けようかなと思ったら、岩城滉一さんに「バンプラにクーラー付けないでよ!」と言われてしまうし。みんなにいろいろ言われる車でもあった。
 そんなバンプラに10年乗り続けた。すると、そのバンプラが動かなくなって次の車をと思っても、乗りたくなる車が見つからない。車の好きな人いわく「ロールスロイスでも違う」のだとか。それで「もう自転車にでもしようかな」と。

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満薗文博さん(東京中日スポーツ報道部長)

『古代オリンピック』の話

 古代オリンピックは紀元前776年に始まって、紀元後393年まで、実に1169年間に渡って続けられた。393年の最後の大会は第293回大会。ギリシャがローマ帝国の支配下に入り、キリスト教の影響でゼウスを崇拝できなくなったために中止された。
 そのオリンピックが復活したのは、1500年以上経ってから。近代オリンピックがまだ100年程度の歴史しかないのに較べて、古代オリンピックは非常に長い歴史を持つ。
 古代オリンピックでは男性しか出場できなかった。そしてよく知られるように、出場選手は全員裸だった。裸だったのは相撲と同じで「何も持っていません」という事の証だった。選手が裸なので、観客も全員男性だけだった。
 実は細々とではあったけど、古代オリンピックでは「女性のオリンピック」が開催されたこともあった。これは女神さまに捧げる大会で、やはり選手は裸。出場資格は未婚の女性に限られて、なんと未婚の男性の観戦も認められていた。ただ、やはりと言うべきか、さすがにこの「女性版オリンピック」は長続きしなかった。
 そもそも古代オリンピックは「192.27mを走る競技」だけの大会だった。紀元前776年に行われた第1回から紀元前726年の第13回まで、行われた競技はこの種目だけ。その後「行くだけじゃつまらないから、往復しよう」という話が出て倍の距離の競技が生まれたりして、徐々に種目が増えていった。

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西沢邦宏さん(「日経ヘルス」編集長)の

『キレイな食事』の話

 今年は「キレイな食事」がキーワードになりそう。みんなもう一度、自分が食べる食材や料理を見直したいと思っている。
 そんな中で注目を集めそうなのが「ハーブ」。自分の家のベランダで簡単に作れるし、そうやって作るとパセリなんかものすごく大きくなる。パセリは栄養価なども最強と言えるかもしれない。
 この間、読者に大きなアンケートを取ったところ、「関心のあること」でダイエットや美肌などの定番に続いて、ハーブ・漢方などを挙げる人が驚くほど多かった。サプリメントもいいけど、結局もとを辿ればハーブや漢方に行き着く。そういうことに気がついて、注目を集めているみたい。ハーブを使えるようになると料理の幅も大きく広がるし、そこら辺も絡めてブームになるかもしれない。
 「キレイ食」の「キレイ」は「キレート」という言葉にも掛けている。キレートとは「蟹のハサミ」が語源となっている科学用語で、プラプラしているろくでもない金属を挟んで外に出す、みたいなイメージ。
 どう野菜を美味しく食べるか、などもこれからのテーマ。そういう趣旨の連載を「野菜料理のカリスマ」と呼ばれるカノウユミコさんにしてもらっているけど、彼女の発想はすごく面白い。「かんぴょうや切り干し大根から濃厚な美味しいダシが出る」とか「切り干し大根をちょっと処理するとベーコンみたいな味と食感になる」とか。一度、騙されたと思って水で戻す前の切り干し大根を囓ってみてほしい。
 ごぼうもすごく上品なダシが出る。でも普通、ごぼうを食べる時に皮をむいてアクを取ってしまう。実はごぼうは、皮のすぐ側にクロロゲン酸という抗酸化力の高いポリフェノールを含んでいたり、旨味成分もそのあたりに多いので、皮も剥かず、アク取りも最小限で食べた方が美味しい。
 ある研究チームは「疲れ」を数値化する研究を進めている。たとえばストレスが溜まると血管が収縮して血液の流れが悪くなったり、リンパ球が減ったりすることがわかっている。その研究の先に「では疲れを取るにはどうしたらいいのか」というテーマが見えてくる。昔から栄養ドリンクに「タウリン配合!」などと謳われているタウリンは、実際に疲れを取る働きがあるらしい。
 女性読者に「今、何が困っている?」と聞くと、肩こりや疲れが辛い、という答えが非常に多い。おそらく全般的に疲れているのだろう。でも健康じゃなければ楽しくない。楽しく生きるために、健康でいて欲しい。

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倉田真由美さん(漫画家)の

『男の見せ場』の話

 私は男性と話をしていて、私自身が言い負かされて「あ、相手の言っていることの方が正しい」と思った時に「チクショウ」と感じながらも嬉しくなってしまう。
 見栄を張る人も好き。でも「今日はオレがおごるから!」なんて宣言するんじゃなくて、いつの間にか会計が済んでいる、くらいカッコツケが堂に入っていて、さらに「領収書はいらないから」くらい格好付ければ文句なし。ここぞというところで領収書を切らないのは痺れるポイント。
 私のような仕事だと、編集者との打ち合わせが仕事なのか雑談なのか微妙なことが多い。ある時、居酒屋で編集者とそんな類の話をして、6千円くらいのお会計の時に「今日は仕事の話もほとんどしてないし、私がご馳走しようか?」と言ったら、その編集者が「いえ、いいですよ」と言って、6千円を払って領収書をもらわなかった。これは6千円だけどすごく嬉しくなった。すごく良いモノをご馳走して「領収書を下さい」と言うより、こっちの方が効くかも。
 良いレストランかどうかというのは、私の場合はそんなに気にしない。それよりも「店員さんに対する態度」を女性はみんな見ている。横柄な態度は嫌なモノだし、クレームをつける人も鬱陶しい。聞いた話だけど、オーダーと違うモノが出てきて、もの凄い文句を言って会計をちょっと負けさせた人がいたらしい。その人は「ほら、言ってみるもんだろ」なんて得意気になっていたらしいけど、そういうところで男の顔は下がる。
 そういう時は、違うモノが出て来たら黙ってソレを食べる、くらいの度量が男っぷりを上げる。たとえば昔、デートでそば屋さんに入ったら、彼のところに「冷たいそば」と「温かいそば」が間違えて出てきた。私は彼が冷たいそばを注文していたのを聞いていたので「あれ?冷たいそばじゃなかった?」と聞いたら、「うん、まあいいよ」と。これにはグッと来た。
 1人3万円のフランス料理をご馳走になるより、そういう事の方が大事だと思う。クレームをスマートに言うのもなかなか難しいし、作り直させたら食べ終わる時間に差ができてしまう。よっぽど変なモノが出てきたら言わないとどうしようもないけど、そういうところまで考えるのが格好良いと思う。

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隈研吾さん(建築家)の

『サントリー美術館』の話

 美術館の設計の仕事は面白い。ちょうど今、六本木の防衛庁跡にできる「ミッドタウン」内のサントリー美術館の設計をしているところ。
 この新しいサントリー美術館は、木をたくさん使うのが特徴。普通、美術館は気を使うのをあまり好まないもの。床を木というのは時々あるけど、今回は壁面に木を使って、床にはサントリーの樽を使う。曲がっている樽の木を高温蒸気で真っ直ぐに伸ばして、床に敷き詰める。
 現代美術の美術館だと真っ白な箱に真っ白な天井というのが普通だけど、サントリー美術館の場合は「生活の中の美」をテーマに、日本の古いアート作品や工芸品が展示されるので、もともとそういう作品が置かれていたはずの「木の空間」を意識した。昔ながらの日本の匂いのするような暖かい空間にそういうモノがあったら面白いのでは。
 設計のインスピレーションを得る方法は人それぞれだと思うけど、僕の場合はその空間に感情移入して、その空間に自分が入った時に何が見えるか、みたいなことを考える。よく間違えてしまうのが、模型を作って外から見た感じで捉えてしまうこと。そんな神の視点で「格好良い」「格好悪い」なんて言っても、実際に人間が見る時はそんな視点から見ることはない。その空間に入って、地面から1.5mくらいの高さから空間を感じるわけで、そのアイ・レベルに立ってモノを考えられるかどうかが重要だと思う。
 歩いた時の足音がどう響くかなんて聴覚的なことも重要だし、日本家屋だったら畳の匂いみたいなこともある。昔、日本建築の木の選び方は、木目じゃなくて木の匂いだったという説もあるほど。それくらい日本人は空間の発する匂いに対して敏感な民族だった。
 サントリー美術館の場合、本物の木を使うことで、訪れた人は木の匂いを感じられるようになる。僕の事務所も木の床を使っているけど、繊細な人は「この事務所に来るとあの匂いを思い出す」と匂いに関することを必ず言う。
 匂いと視覚的なことが一体となって、初めて空間の個性が出る。それをうまく連動するようにデザインするのが大事だと思う。ちなみにサントリー美術館の場合、もうちょっとお酒の匂いがするかと思ったら、木を真っ直ぐにする工程でその匂いが飛んでしまったのは残念。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
7'31" I Love You Anita O'Day Verve 849 266-2
16'20" Runnin' Wild Diahann Carroll Collectables COL-CD-6192
23'27" The Sweetest Sound Elsie Bianchi JEM EGR 5001
31'56" An Occasional Man Sarah Vaughan Mercry 826 454-2
44'13" Falling In Love With Love Joni James DIW DIW-394


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