SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年2月4日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「鍋!」

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 今日、2月4日は暦の上では立春ですが、厳しい冷え込みになりました。身体を縮こまらせ、コートの襟を立てて駆け込んでいらっしゃるお客さまが後を絶ちません。
 こんな寒い日は、温かい「鍋」を食べたくなるのが人情というもの。当店のウエイティングバーでも、様々な「鍋」の話題で盛り上がっています。
 そんなお客さまの鍋料理のお話を、ここで少しだけご紹介させていただきましょう。家庭で簡単に作れるのが鍋の良さ。ぜひみなさんもご参考にしてみて下さい。


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平野レミさん(料理愛好家)の

『鍋の工夫』の話

 寒いこの冬は、なにをさておき鍋。
 鍋は美味しいだけじゃなくて、不精者にも最高。材料を鍋にぶち込んで、タレだけを用意すればいいから。ピーナッツのタレ、ゴマだれ、ポン酢、にんにく、いろいろ用意しておいて、自分の好きなタレを選べばいい。
 私が最近凝っているのは「ニラ鍋」。土鍋に水を張り、火を付けて、しゃぶしゃぶ用の豚肉とざく切りしたニラを大量に入れる。グラグラと煮立ってきたら、今度は形がわからなくなるくらい細かく叩いたニラを入れ、市販のそばつゆを加える。それだけなんだけど、すごく美味しい。ポイントはドロドロになるくらい細かく刻んだニラ。これが甘くなってなんとも言えない美味しさになる。
 「寄せ鍋や、互いの過去を、語るべし」なんて、みんなで集まってつつく鍋は美味しいモノ。我が家で10人くらいが集まって鍋をする時は、ガス台を2つ用意して、それぞれ勝手に食べてもらう。肉はしゃぶしゃぶ用を用意することが多い。水菜もいい。餅は1ミリくらいの薄切りのモノを使うと、ちょっとしゃぶしゃぶしただけでトロッとしてきて、すぐに食べられる。そして最後はご飯かうどん。これがたまらない。
 『レミさんのおいしい発明』という本には、ちょっと変わった鍋をいろいろ書いた。たとえば「おでん鍋」。普通にだし汁でおでんを作るところまでは同じなんだけど、マヨネーズと味噌を溶かしたタレを使う。これが意外なくらい美味しい。
 手製のタレといえば、腐乳(ふーる)をガラスープで溶いたもの。腐乳がなければ、ブルーチーズでもいい。これが鍋によく合う。豆板醤をちょっと入れてピリッとさせてもいい。特に合うのが白身魚などのサッパリ系。でも豚や牛肉もしゃぶしゃぶにするとサッパリするので、このタレを使うとコクが出てすごく美味しくなる。

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マッキー牧元さん(タベアルキスト)の

『白菜鍋と小鍋立て』の話

 ウチで最近人気の鍋が「白菜鍋」。この鍋は中国で「ピエンロー」と呼ばれているものだとか。
 まず、干しシイタケと干しエビを用意して、水で戻す。鍋に昆布を引いて、鍋の高さに切った白菜を鍋にみっちり詰める。その白菜の間に豚バラ肉を押し込んで、先ほどの戻し汁とほんのちょっとの水を加え(水は白菜から出るので本当に少しだけ)、火にかける。もし好きだったら、骨付き鶏もも肉のぶつ切りなんかを入れても可。干しシイタケは細切りにして、干しエビはそのまま鍋にいれる。蓋をしてぐつぐつ煮込めば出来上がり。
 この白菜鍋、具はポン酢でいただくんだけど、とにかく美味しいのがスープ。白菜の甘み、干しエビのイノシン酸、干しシイタケのグルタミン酸、豚肉のコク、すべてが合わさった美味しさ。バリエーションを付けるなら、そこに春雨を入れてもいい。
 もっと凝るなら、豚の挽肉で作った肉団子を作る。そして団子の中心に餡として豆板醤や甜面醤(てんめんじゃん)、豆板醤(とーちじゃん)、XO醤などを少しずつ入れておく。すると食べた時に「甘い」「辛い」なんてアクセントが付くし、時には鍋の中で崩れたりして、鍋の中の味が刻々と変わっていったりする。そんな遊びもおもしろい。
 鍋と言えば「囲み」と言って、みんなで囲んで食べるのが醍醐味なんだけど、時には1〜2人で食べる「小鍋立て」も悪くない。その小鍋立ての中でも一番シンプルなのが「油揚げとネギだけ」の鍋。ダシは取らないとダメだけど、これだけでも十分に美味しい。モミジおろしなんかを用意して、ネギは焼きネギにしてもまた美味しいかもしれない。
 こんな鍋をお酒の相手に、しみじみと飲むのもなかなか。お父さんだけ先にこれで一杯やっていて、メインの鍋が来たら一家団欒、なんてのもありかも。

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北吉洋一さん(旅行作家)の

『シンプルな鍋』の話

 池波正太郎さんも書いているけど、東京の鍋は具の種類をあまり多くしないのが特徴。せいぜい2〜3種類の具を煮ながら食べるのが鍋の楽しみだと僕も感じている。だからすき焼きにしても、お肉とキノコとネギだけ。
 そんな鍋の中で特に好きなのが「常夜鍋」。これは「じょうやなべ」と読んで、「毎日食べても飽きない」という意味の鍋。具はシンプルに2種類。ほうれん草と豚の三枚肉(ばら)だけ。昆布だしが基本で、お酒を思いっきり入れる。水と日本酒の比率は1対1くらい。それを沸かしたところに豚肉を入れ、温まったところにほうれん草を入れ、ポン酢でいただく。こんなシンプルな鍋が本当に美味しくて、毎晩食べても飽きない。
 ポイントはほうれん草。すごく豚肉に合うので、一緒に食べるも良し、豚肉の脂の染みたほうれん草だけを食べるも良し。ほうれん草を大量に食べられるのも健康に良い。
 シンプルなのでそんなに個性が強くなく、だからこそ毎日食べても飽きないのだろう。どんなに美味しくても、たとえばすき焼きみたいに個性が強いと、さすがに毎日食べる気にはならない。
 「はま鍋」もシンプルな鍋の代表格で、具はハマグリと大根だけ。大根は千六本にしておき、ハマグリが煮えて開いたところに大根を入れ、生醤油かポン酢で食べる。
 「ねぎま鍋」を作るなら、安いマグロで十分。家庭用のそばつゆの元をお酒とお水でちょっと甘め割って、そこにマグロとネギを入れて煮るだけ。この鍋も美味しいんだけど、他のモノを入れたら美味しくない。
 スッポン鍋はなぜかお餅が合う。だからスッポン鍋は、スッポンとネギとお餅。「湯豆腐」もシンプルな鍋だけど、あれは実は牡蠣かタラか、ダシになるものをちょっと入れるとさらに美味しい。
 鴨鍋の場合、カモネギなんて言葉もあって、ネギが合うとされているけど、僕はセリの方が合うと思う。鴨鍋の場合もちょっと甘めの汁を作って、鴨が煮えた頃に大量のセリをぶち込む。この鴨鍋、最後はなぜかラーメンが合う。鴨だけにそばとかうどんも試してみたけど、ラーメンが一番合うのは不思議だった。
 鍋のコツは「ゴチャゴチャ入れない」。これに限る。

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水野宏紀さん(ミツカン)の

『つけダレ』の話

 「鍋料理のトレンド調査」はミツカンで30年くらい前から行われてる。そして東と西に大きくわけた場合、東の方は味の付いた「寄せ鍋」文化で、西の方が透明な「水炊き」文化。
 水炊きというのは、もともと福岡の「博多水炊き」が大もとになっている。これは鶏ガラを煮込んで白濁したスープを使った鍋で、さらにその源流は香港の中華料理にあるらしい。それを博多の人が日本人向けにアレンジして、地鶏の豊富な博多で定着したものだとか。
 そして西の鍋の特徴は「つけダレ」。東の鍋は汁に味が付いているので、つけダレの必要がなかった。そしてここ数十年の流れとしては、西の食文化が徐々に東に行っている傾向がある。
 以前の調査では、水炊きが家庭に普及した影響で「おでん」が激減したということもあったけど、結局は根強い人気があって、いまだに鍋料理の代表的な存在であり続けている。なにより、お父さんが夜遅くに帰ってきても、温め直してすぐに出せるのが大きいのかも。核家族時代に合った鍋と言えるかもしれない。
 代表的なつけダレ「味ぽん」は東京オリンピックの開催された1964年に発売された。それ以前に家庭で水炊きをしていた家庭では、醤油にポン酢を加えて、つけダレにしていたのだろう。
 ポン酢というのは、柑橘類の絞り汁にお酢を加えたもの。ただ「ポンカンの酢」だからポン酢ではなく、どうも語源はオランダ語の「ポンス(柑橘類)」にあるらしい。
 そしてその昔、ミツカンの当時の社長が博多の料亭へ行く機会があり、博多の水炊きを食べて「これは美味い!こういうモノを作りなさい!」と号令を出して作ったのが「味ぽん」だった。

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花田勝さん(スポーツキャスター)の

『ちゃんこ』の話

 「ちゃんこダイニング若」は現在全国に12店舗。六本木に1号店ができてから、もう3年が経つ。2月には姫路と神戸にオープンするので、14店舗になる予定。
 現役の時、僕はもっぱら食器洗いと野菜を切る係だった。ちゃんこの味付けは上手な人がいて、その人がやらないと師匠に怒られてしまう。とはいえ、僕は生まれた時からちゃんこを食べてきた人間ではある。
 初めてちゃんこを食べたのは、阿佐ヶ谷にあった初代・若乃花の双子山部屋。それ以外にも父の付き人の若い力士が家まで作りに来たり、父が作ることもあったし、ちゃんこは自然と目の前にあるものだった。だから作り方も目で見て覚えていた。
 僕の現役時代に部屋でお世話になっていた「ちゃんこ長」の力士は今、ちゃんこダイニング若でちゃんこを作ってくれている。現役当時、場所中になると10kgぐらい痩せて食欲もなくなるので、僕の顔色を見ながら「こういうモノを作ろうか」といろいろ工夫してくれていた。時にはパスタを作ってくれることもあった。
 ちなみに相撲用語で「ちゃんこ」というのは「食事」のこと。だからイタリアンでもフレンチでも、なんでも「ちゃんこ」と言う。
 ちゃんこ(鍋)は力士が食べているから「太る」というイメージがあるかもしれないけど、そんなことはまったくない。むしろ一番健康的な食事だと思う。ウチでは「塩味」「醤油味」「みそ味」「キムチ味」の4つを基本に、夏に限定の味付けを作ったりもしている。たとえば「カレー味」とか「白星」とか。白星というのは大根おろしを大量に入れたサッパリした鍋。どの味も美味しいんだけど、あえて1つを選ぶなら「塩」が一番美味しいと思う。
 ちゃんこの味付けは女将さんに教えてもらうこともあるし、ウチには元双子山部屋のちゃんこ長がいたりするけど、結局どんどん勉強して進化するもの。だからちゃんこダイニング若のちゃんこは、ちゃんこダイニング若の味。
 ちゃんこにはつけダレはなく、ごまやゆず胡椒を付けて食べる。最後にはラーメンを入れたり、トッピングでウインナーを入れたり、好みやその時の体調に合わせていろいろ変えられる。その辺をスタッフに相談しながら食べるのが一番いいのでは。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'35" Nevertheless Patti Page Mercury UCCM-9037
18'32" Baby, It's Cold Outside Dean Martin Capitol CDP 7 93115 2
29'15" Button Up Your Overcoat The Hi-Lo's MCA MVCM-276
40'39" Wonderful Joe Derise Bethlehem 20-40012
46'38" Lobo Bobo Joao Gilberto World Pacific CDP 7 93891 2


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