SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年1月28日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「がんばれスノボ!」

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 日本時間の2月10日深夜から、いよいよトリノ冬季五輪が始まります! 今回は女子フィギュア、スピードスケート、そしてスノーボードと、メダルの期待が掛かる種目が多いので、日本でも盛り上がりそうですね。
 中でも期待が大きいのがスノーボードです。12月に行われたワールドカップでは、ハーフパイプ女子で日本人選手が表彰台を独占。男子でも國母和宏選手や成田童夢選手が優勝するなど、素晴らしい活躍を見せています。この勢いで、トリノでも最高の演技を見せてほしいですね。
 当店のお客さまの中には、スノーボードにお詳しいお客さまも大勢いらっしゃいます。そこで本日は、そのお客さま達のお話を、ここでご紹介させていただくことに致しました。みなさまがトリノ五輪の中継を楽しむお役に立てば幸いです。


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堀主知ロバートさん(サイバード代表取締役会長)

『今井メロ選手』の話

 実は僕は、ガラにもなくウェイク・ボードというスポーツをやっていた。全日本選手権なんかにも出るくらいハマりまくって、その頃に知ったのが成田童夢、今井メロの兄妹だった。当時、童夢が小2〜3ぐらい、メロちゃんが小1で、2人とも全日本選手権に出場していた。あの子たちはモーグル、水上スキー、ケーブルスキー、ウェイク・ボード、スノーボード、全部で世界チャンピオンになっている。
 その全日本でも、僕が「メロ、どうだった?」と聞いたら「え〜?楽勝。優勝。当たり前やん」と。「お兄ちゃんは?」と聞き返されて「アカン、コケた。予選落ちや」と答えると「アカンやん、お兄ちゃん。しっかりせな!」と小学校1年生に31歳の僕が言われていた。心の中で「いつか追い抜いてやる!」とムキになっていたけど、今となってはそれもどうかと思う。
 彼女たちはいろんなスポーツで世界No.1になってきたので、世界選手権やオリンピックで「緊張して失敗する」ということはないだろう。むしろ、普段よりも観客が多くなることによって、より頑張って、もっと高く、もっと大きく、もっとキレイな技を見せてくれると思う。
 メロが僕のところに来て「選手としてサポートして欲しい」という話をした時も「一番応援される選手になりたい」と言っていた。そのあたり、まだ18歳なのに考え方がしっかりしているというか、伊達に5つも世界を獲っていない。
 そう頼まれて僕が考えたのが、ウチの会社が携帯電話のサービスの会社なので、携帯を何かの道具につかえないだろうか、ということだった。たとえば「携帯を使ってオリンピックに出る人たちに応援を送る」とか。そんなイメージがあったので「よし、わかった!メロに世界一の応援団を作ったるわ!」と返事をした。
 そこで親しい会社に声を掛けて「みんなで応援を集めよう!」というキャンペーンをすることになった。ウチがやっているのは「melo@howzy.jp」に携帯メールで応援メッセージを送ると、オリンピックの速報が無料で配信される仕組み。もちろん応援メッセージは本人にも届くし、巨大な日本国旗に転写されて、現地に持っていくことになっている。そしてメロが表彰台に上がる時には、その国旗を巻いて上がる約束をしている。「あの国旗にオレのメッセージが載ってるんだ」と思えば、応援する方も気持ちが違うと思う。
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ダリオ・ポニッスィさん(オペラ演出家)の

『トリノ』の話

 僕はトリノの出身。トリノはイタリアの北西、フランスまでわずか60kmの距離しかない場所にある。
 トリノはローマ時代から続く街で、2000年以上の歴史がある。本当の名前はラテン語で「アウグスタ・タウリノールム」と言う。もともとは軍のために作った街だったので、今でも街の中心を空から見ると、きっちり四角い形をしている。
 トリノの街の特徴は道路がまっすぐなこと。ミラノ、ローマなどは道がカーブしているので遠くまでは見えないけど、トリノは1〜2kmは真っ直ぐ続いているので、遠くまで見渡せる。京都に似ているかもしれない。
 そしてトリノと言えば「FIAT」。郊外に有名な自動車メーカーFIATの本社があるので知っているという人も多いはず。
 トリノは16世紀から王家サヴォイア家の都として栄えた。その時に、王家によって才能ある建築家が集められ、王都に相応しい建築物が次々に造られた。そういった建物が今でも残っているので、行く機会があったらぜひ見てほしい。
 トリノ生まれのトリノ育ちの人のことを「トリネーゼ」と言う。でも本当の意味でトリネーゼと言えるのは15%くらい。50〜60年代に南の方から仕事を探しに来た人たちがたくさんいて、先祖代々トリノという人は少なくなった。僕も両親は南から来ている。そういった意味では、今は「新しいトリネーゼ」が多い時代。
 昔ながらのトリネーゼと新しいトリネーゼは顔つきからして違う。昔ながらのトリネーゼはブロンドの髪、青い瞳、そしてケルトの血にフランスの血が混ざった、親しみやすい顔をしている。でも実は、親しみやすいのは顔だけ……というのは冗談だけど、友達になるまでちょっと時間が掛かる。その辺も京都に似ているような気がする。
 トリノは有名なサッカーチーム「ユヴェントス」があることでも知られている。でも「ACトリノ」というチームもあって、トリネーゼはその2チームのファンで分かれている。今はACトリノがセリエBに落ちているからちょっと元気がないけど、以前、セリエAで直接対決する時は大変な騒ぎだった。僕がスタジアムの近くに住んでいたら、日曜日の試合が終わった後に興奮したファンに囲まれて「お前はユベントスとACトリノどっちだ?!」と聞かれたりもした。これが一見してどっちのファンかわからないから困る。
 トリノのバールに行く時は、入ったらまず壁を見てチェックした方が良い。ACトリノを応援しているバールか、ユベントスを応援しているバールか、そこだけは間違えないようにしないと。

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笠原啓二郎さん(プロスノーボーダー)の

『トリック』の話

 今のハーフパイプでは回転数と高さのある技が主流。回転も横回転が主流で、720度(セブン・ツー)とか、オリンピックなら900度も当たり前の世界。すごい人なら1080度(テン・エイティ)とか1260度(トゥエルブ・シックスティ)も回る。素人目にもすごいので、見ていて面白いのでは。
 中には縦回転をやる人もいる。スノーボーダー、特に僕らのやっているフリースタイルは自分勝手というか自由奔放というか、自分が格好良いと思うことをやるので、「これをしなきゃいけない」みたいなことはない。
 たとえば縦回転の「チャック・フリップ」は、スノーボードが始めて正式種目としてオリンピックに採用された長野オリンピックで、マイケル・マイケル・チャックという選手が披露したオリジナル・トリック。縦回転と横回転を組み合わせた、体操の「ムーンサルト」のようなトリックで、自分の身体が地面に平行なまま回る。それまで誰も見たことがないようなトリックがいきなりオリンピックで披露されたので、もしかしたら今回のトリノでも新しい技が出てくるかもしれない。
 僕が得意なのも縦回転を横回転を組み合わせた「3D」と呼ばれる種類のトリック。たとえば「マック・ツイスト」という技なら、斜面に対して頭を向けて、でんぐり返しのように回転する。もともとはスケートボーダーの技で、最初にやったアメリカ人の名前が付いている。
 マックツイストは今、かなり主流の技なので、オリンピックでもやる選手が多いはず。覚えておくと見ていて楽しめると思う。

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野上大介さん(「トランスワールド・スノーボーディング」編集部)

『ハーフパイプ』の話

 日本代表選手の「高さ」は世界に十分通用する。国母、中井、みんな海外の選手と較べても飛んでいる方だと思う。
 でも今はルールが変わった。ソルトレイクの時は「高さを見るジャッジ」「技を見るジャッジ」など、5人のジャッジが違うところを見る「セパレート方式」だった。ところが今年から5人のジャッジが5人とも全体を見る方式に変わった。だから1発高く飛んでも、あとが尻すぼみだと得点が稼げない。トータルの演技として点数が出ないと勝てない方式になった。
 つまり今は、ハーフパイプの両サイドで横回転、縦回転、斜め回転をバランス良く入れないと、点数が出ない。海外の選手はハーフパイプの左右どちらでも1080度(3回転)の回転を出せる選手が多いので、日本の選手はその点で少し見劣りする。
 ただ、国母選手は1080度が回せるので非常に楽しみ。回す時にボードを掴む「グラブ」も、国母選手は1080度を周りながらかなり長い時間できるので、メダルの可能性は十分あると思う。
 今は1080度回せるのは当たり前。1080度からまた1080度、さらに900度、900度と繋げるくらいじゃないとメダルは難しい。数年前に3回転だの4回転だのをグルグル回れるスノーボードのテレビゲームがあって、みんな「こんなのありえねーよ!」と思ったものだけど、今はその世界にかなり近づいている。この世界で飯を食っている僕もついていけないくらいの急激な進化が、ここ数年のスノーボード界では起こった。
 ハーフパイプの難しさは空間が限定されていること。両足が固定されているスノーボードではスキーみたいに漕ぐこともできないので、決められた空間を滑り降りることでしかスピードを稼げない。だから一度ミスをしてしまうと、リカバーが非常に難しい。ちょっと着地で失敗しただけで、次のトリックのためのスピードが足りなくなってしまったりする。
 ハーフパイプは、そういう知識があれば、見ていてもすごく面白い競技だと思う。

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露崎訓史さん(プロスノーボーダー)の

『ハーフパイプの作り方』の話

 ハーフパイプはあの形をキープしなくちゃいけないので、ある程度固めてある。氷というほどではないけど、コンディションによってはそれに近いこともある。だからトリックを失敗して真ん中の落差のあるところへ落ちていくと、けっこう危ない。上手い人なら力を逃がして、そうならないようにできるけど。
 ハーフパイプの形状は、ほぼ半円か、上が1〜2度開いているくらい。トリックをするためには最後に踏み切らなくてはいけないので、ほんの気持ち開いている方がやりやすいという人もいる。大きいハーフパイプなら最後のところは90度の方が良いと思う。
 ハーフパイプの直径はまちまち。オリンピックなどでは国際規格が決まっているけど、僕のいる浅貝スノーボードパークは常設なので、そこまで大きいハーフパイプは作れない。
 ハーフパイプを作るには専用の機械がある。その機械はピステン(圧雪車)の後ろの部分にハーフの半分、つまりクォーターの形をしたカッターが付いている。そのカッターで削っていくようにしてハーフパイプを作る。
 ただしそれだけだと、凸凹の凸は削れるけど、凹の部分が埋まらないので、今度は除雪車のような機械を使って、凹んでいるところを埋める。そして最後の仕上げは手でやる。
 国際規格のハーフパイプは深さ5〜6m。このサイズになると作るのも一苦労。まずユンボ(パワーシャベル)で大まかな形を出して、凸凹をパイプデザイナーという機械で直していく。雪のコンディションによっては硬すぎて削れなかったり、逆に柔らかすぎて空回りすることもあるので、ウィンチを使って引っ張りながら刃を当てたりする。
 作った後も、溶けてきたり、雪が降って積もったり、常に手入れをする必要がある。そんな風に、ハーフパイプを作って手入れをする人間を「ディガー」と言う。
 僕なんかは一番最初に「パイプが欲しい」と思って、手で作るところから始めた人間だから、今の機械で作れる状況、どこにでもハーフパイプがある状況が羨ましい。僕はまだ34歳だけど「昔はなぁ……」なんて若いヤツに言ったりして。

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石原公司さん(バートン)の

『スノーボードの板』の話

 スノーボードにはアルペンとフリースタイルの2種類があって、それぞれ板も違う。
 アルペンはスピードを競う競技。スキーに近い感じで、スピードを出しても板がぶれずに、気持ち良くターンが切れるようになっている。
 フリースタイルの方はトリックがやりやすいように板が柔らかく、幅も広くて短めで、飛んだ時にクルッと回りやすいように作られている。スノーボードはこちらが主流。
 メーカーによって板の形状はいろいろだけど、滑った時の感覚はそれぞれで全然違うと思う。メーカーとしてはミリ単位で開発しているし、板の真ん中の細くなっている部分が1ミリ太い細いで、ターンの描く円の大きさがまったく変わってくるわけだし。
 板の真ん中が細くなっていればいるほど、ターンがしやすく、曲がりやすくなる。逆に太ければ安定感がある。どれくらいのバランスが良いかは、最終的には好みの問題になる。
 それから板は縦方向に曲がるだけじゃなくて、立体的にねじれる。このねじれ方も板によって全然違う。両足で立って、真ん中のところがどれだけ硬いか柔らかいか、それもメーカーが開発する時に調節するポイント。
 ソールと呼ばれる、雪と接する面の素材も今は性能がすごく上がっている。より滑るように、よりメンテナンスフリーに。昔は雪の温度に合わせたワックスを選んでいたけど、今はそれを多少怠けても滑るようになった。
 スノーボードはほとんど木で作られているけど、「VAPOR」と「T6」というシリーズはアルミを採用した。アルミを蜂の巣のような構造にして、軽くて近未来的な板が実現した。他のメーカーではカーボンを採用しているところもある。それでもまだ木のボードが一番多い。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'43" Jump For Joy Kay Starr RCA BVCJ-2033
20'24" Conosci Mia Cugina Abbassa La Tua Radio Ermitage 2001-2
30'00" It Don't Mean A Thing June Christy Capitol 7243 498319 2 6
34'57" Somethin' Stupid Peggy Lee Capitol 7243 5 92657 2
43'18" Wasn't It Wonderful Nancy Wilson Capitol 7243 8 56060 2 1
49'03" Linger Awhile Sarah Vaughan Emarcy 314 514 072 2


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