SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2006年1月21日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「やっぱり犬が好き」

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 2006年は戌年ということで、年賀状でも飼い犬の写真の載った年賀状をずいぶん見ましたね。世の中には「犬派」と「猫派」の人がいるようですが、犬派の人にとっては12年に1度の幸せなお正月だったのではないでしょうか(笑)。
 さて、当店のお客さまにも、その「犬」を愛してやまないお客さまが大勢いらっしゃいます。そんなお客さまの犬に関するお話を、ここで少しだけご紹介させていただきましょう。犬に関する深いお話から、親馬鹿ならぬ犬馬鹿なお話まで、犬に対する愛が感じられる微笑ましいお話ばかりです。


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畑正憲さん(作家)の

『犬と人間の関係』の話

 イタリアのベルガモ地方へ行った時の話。そこはトリュフの名産地で、トリュフの採集人にお供させてもらったんだけど、その採集人が連れていたのは犬だった。俗にトリュフは豚に探させると言うけど、嗅覚に関しては犬の方が倍以上鋭い。だから犬を訓練してトリュフを探させている。
 そのトリュフ犬の訓練も教えてもらった。だいたい生後70日ぐらいの、離乳してちょっとした頃から訓練を始めるのだとか。ちなみに日本でも十数個のトリュフが見つかっているので、本格的に探せばもっと見つかるはず。
 トリュフ犬はトリュフの匂いを嗅ぎつけると、そこを自分で掘るように訓練されている。訓練で見つけるように仕込まれているだけなので、別にトリュフが好きなわけでもなんでもなく、掘り出して自分で食べてしまうようなこともない。
 この犬の利他的な行為はトリュフ探しに限ったことではない。たとえば猟犬を連れてカモを撃ち落とすと、犬はカモを甘噛みでくわえて、気絶はしても殺さない程度に噛んで持ってくる。
 ノルウェーのエルクハウンドという犬はヘラジカを追う犬。「中型犬がどうやってあの巨大なヘラジカを狩るのだろう?」と思って、現地に見に行ったら、向こうの人は森でエルクハウンドを放して、そのまま2〜3日待っていた。すると、どこからか犬がヘラジカを仕留めたという合図の声が聞こえてくる。つまり、草食動物は長い時間付け回されるとどんどん体温が上がって、最後には脳死してしまうのを待つ、という狩りだった。
 一方、韓国の珍島犬はシカを噛み倒す。そして「倒した」という証拠に、頬に鹿の血を付けて帰ってくる。それを見た飼い主が「おお倒したか!そこへ連れてけ」と言えば、ちゃんとその場所まで連れて行ってくれる。ドイツにも同じく鹿狩りの犬がいて、こちらは頬に鹿の血を付ける代わりに、首からぶら下げた木片をくわえて帰ってくるのが「鹿を仕留めた」という合図になっている。
 こんな風に、犬は「人間と分業で共同生活する」という性質を持っている。フリスビー犬なんか、フリスビーをくわえたところで、彼らの腹の足しになるわけでもなんでもない。それでもそういうことを人間のためにやってくれるのが、犬という動物。進化の過程で、そういう必然性があったのではないかと私は思っている。

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畑正憲さん(作家)の

『犬と人間の歴史』の話

 世界中の学者が「犬はオオカミが飼い慣らされた動物」と言っているけど、私はその説には大反対。オオカミと犬はまったく違う生き物だと思う。
 イヌ科という動物群がいるけど、その中から「犬」という特別な生き物がある時点から分かれたのでは。これは研究が進んでいる最中で、ミトコンドリアを調べると「分かれた時期」が解る。これがだいたい13〜14万年前ぐらい前と言われている。
 そしてその時期は、ちょうど「ホモサピエンス」が生まれた時期に一致している。ホモサピエンスは、それ以前の人類を滅ぼして繁栄した種。前の人類は雑食だったけど、ホモサピエンスになって肉食になり、体型も大きく変わった。
 この学説が出てくるまでには、いろいろな紆余曲折があった。最初はケニアのオルドバイ峡谷にある大断層から、200万年くらい前の人骨が発見されたところから始まる。その人類は、頭がソフトボールくらい、身長は1m程度。それでもちゃんと二足歩行をしていた。この人類の完全な化石がエチオピアで発見され、その化石は「ルーシー」と名付けられた。
 この小さな人類(ホメオイド)は、その後、13〜14万年前に出てきたホモサピエンスに取って代わられてしまう。この説が出てきたのが5〜6年前だから、本当に最近の説。ちなみに僕は「犬の進化」のことが常に頭にある。そして犬の進化は人類の進化抜きにはわからないので、人類の進化論にも常に注目している。
 13〜14万年前にアフリカから出てきたホモサピエンスは、肉食を始めたことによって骨格が大きくなり、上顎のカーブが深くなった。これによりノドの構造が変わり、それまでの「鳴き声」から、言語を発することを可能する「音声」になった。これがその後の繁栄の鍵となる。
 そして、ちょうど時期を同じくして登場したのが「犬」だった、というのが私の説。犬はオオカミ、コヨーテ、ジャッカルなどの以前からいるイヌ科の動物に居場所を占領されて、犬だけでは生き残れなかった。だからサイにサイチョウがくっついたり、ウツボにエビがくっついたりするように、ホモサピエンスと共生する道を選んだのではないかと考えている。
 たとえばオオカミは群れを作って、なわばりを作って、オオカミの社会の中で階級も作らなくてはいけない。ところが人間と共生している犬は、そういう部分は全部人間に任せておける。こういう共生の関係は他の動物にも見受けられる。
 地球の歴史を調べてみると、犬が人類と共生を始めた時期は、ちょうど氷河期が終わに差し掛かって、地球の温度が上がり始めた頃。まず草が生えて、次に草食の生き物が増える。すると次に肉食のイヌ科の動物が増え始めた。そしてイヌ科の中心的存在だったオオカミやジャッカルに主な縄張りを取られた犬は、イヌ科の傍流として人類と共生する道を選ばざるをえなかった……というのが私の説。

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山本貴之さん(日本ペットフード)の

『ドッグフード』の話

 ウチの代表的なドッグフードと言えば『ビタワン』で、日本で一番古いドッグフード。これは人間の食事にたとえれば「ご飯」みたいなもので、毎日食べても飽きないようになっている。
 仕事柄、1〜2粒ならドッグフードを食べたこともある。さすがに味は……犬じゃないので。一応、人間が食べても大丈夫だけど、毎日食べたらどうなるかという検証はしていないので、どうなるかはわからない。
 犬は甘いモノが好きで、猫は酸っぱいモノが好き。だから犬はキャットフードを好んで食べるとは限らないし、甘く味付けしてあるドッグフードだと猫は嫌い。
 犬にあげてはいけない食べ物としてよく知られているのが、タマネギ、ネギ、ニンニクあたり。意外と知られていないけどチョコレートもダメ。チョコレートの中に含まれているテオプロミンという成分は、犬に下痢嘔吐や痙攣などの症状を引き起こす。
 ドッグフードの開発にもトレンドがあるのは人間の食品と変わらない。最近なら健康指向だったりグルメ指向だったり。ただ、買うのは人間なので「人間がどういうモノをグルメに感じるか」を調べる。その結果を反映させつつ、犬が美味しく食べられるモノを研究する。
 人間がグルメと感じるモノというのは、たとえば高級な食材とか。それで最近はどこそこの地鶏みたいな「産地限定」のドッグフードが出てきている。ニワトリはけっこう犬の好きな食材で、ササミの部分などを好んで食べる。
 その他にも、オリゴ糖はけっこう昔からドッグフードに入っていた。これはお腹の中で腸内の善玉菌の繁殖を助け、腸内環境を整える効果がある。最近なら活性菌。これも善玉菌として働いて、悪玉菌をやっつける働きをする。
 基本的に、ドッグフードは「それだけ食べれば大丈夫」という総合栄養食。ビタミン、ミネラル、すべてがまかなえるようになっているから、特にビタミンのサプリメントなどを与える必要はない。犬は人間が与えるモノを食べることしかできないので、間違いのないように、すべての栄養素を満たすように設計する。

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三谷幸喜さん(脚本家)の

『トビ』の話

 我が家のチョコラブ「トビ」も最初の半年は囓ったりする癖が酷かった。そこでドッグ・スクールみたいなところに預けて訓練してもらった。今では「伏せ」や「待て」もちゃんとできる。
 ドッグ・スクールにトビを入れてわかったことは、あそこは犬を訓練する場所でもあるけど、飼い主を訓練する場所でもあるということ。「待て」の言い方にしても「気持ちを入れて言わなければ相手に通じませんよ」と言われてガッカリ。「自分も舞台の演出の時に同じ事を言ってるなぁ……」と思ってしまった。「待て!」と言ってトビが待たないと「今、なぜ待たなかったかというと、あなたの気持ちが入ってないからです」なんて。でもたしかに気持ちを込めて「待て!」と言えば、犬はちゃんと待ってくれる。
 「声が届いてません」と指摘されたこともあった。これも僕がいつも俳優さんに言っていること。そんなこともあってかなり苦笑させられたけど、おかげさまでトビは言うことを聞くようになった。
 飼い主としての訓練を受けて思ったのは、上手な俳優さんは絶対に犬の扱いも上手いはずだということ。仲代達也さんあたりがもし犬の調教師になったらすごい力を発揮するに違いない。
 それから犬は人間の芝居を簡単に見抜く。死んだふりをしても、犬は遊んでいるとしか思わない。僕も何度も犬の前で苦しんでいるふりをしてみたけど、全然通じなかった。俳優さんのオーディションで「犬の前で死んだふりをする」という審査したら、犬をもだませるような本当の名優(?)がわかるかも。逆に言えば、犬の調教師には名優の可能性があるのかもしれない。
 朝日新聞の連載にトビのことはずいぶん書いたので、散歩中に声を掛けられることも多い。だからトビは、日本中の人が自分のことを知っているということを、当然のように思っている。そこら辺、ちょっと誤解があるみたいなので、常々「お前が自分の力で有名になったワケじゃないんだぞ」と言い聞かせている。
 さらにお説教に限らず、僕も妻(小林聡美さん)も、セリフを覚える時は対象物があった方が覚えやすいので、トビに向かってセリフを言うこともある。これが案外、神妙に聞いている。ただ、すぐに犬の方が飽きるけど。
 今なら大河ドラマに足利義昭役で出演しているので「光秀!血迷うたか!」なんてトビに向かって練習している。

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倉持恵美さん(ペットサロン「ペロン」オーナー)

『ペットサロン』の話

 ペットサロン『ペロン』は去年の9月23日にオープンしたばかり。
 銀座に作ったのは、私が神田に住んでいて、近所で一番の繁華街が銀座だったから。あんなに便利なモノが揃っている街なのに、ペットサロンがなくて「なんで?!」と前から困っていた。
 それと、銀座のお姉さんたちはどうしているんだろう?という疑問もあった。アフターとか行った後はどうしてるんだろう?とかイロイロ考えて、ペットサロンが銀座にあったら喜んでもらえるに違いない、と。
 今のところ、まだそんなに多くはないけれど、お姉さんが出勤前に預けに来て、お仕事が終わったら迎えに来る、というケースもある。ウチは24時間開いているので、夜中の1〜2時くらいにお迎えに来て、タクシーで帰っていく、みたいな。
 お店を作る時に「サロン」という部分にはこだわりたかったので、シャンプーするだけじゃなくて、アロマを焚いて癒してあげたりもしている。今は5〜6種類のアロマがあって、飼い主さんの好きな匂いは犬も好きだったりするので、飼い主さんに選んでもらっている。それを焚きながらマッサージをしたり、オイルと混ぜてオイル・マッサージをしたりする。その辺は本当に人間と一緒。
 ただ、犬は嗅覚が鋭いので、やりすぎると「癒されている」を通り越して「グロッキー」になってしまう。だからちゃんとわかっている人に相談してやらないと危険。だから薄め方や合わせ方もウチで相談に乗っている。
 全身の泥パックもやっている。これは汚れをキレイに取ってくれるので、シャンプーの得意じゃない子にオススメ。泥パックだけでもかなり皮膚の状態は良くなる。
 バッチ・フラワー・レメディというのは飲むモノ。「朝露」みたいな感じで、葉っぱの上に乗っている水を集めたモノで、弱虫だったり、負けん気が強すぎたり、犬の症状に合わせて調合してあげる。
 ウチで犬を預かる時は、1時間1200円ぐらいからで、割引もあったりするので24時間で8〜9千円くらい。平均3〜4千円で、24時間営業というのは断然お得だと自負している。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'52" He's A Tramp Peggy Lee Walt Disney PCCO-0028
21'36" Almost Like Being In Love Beverly Kenney Roost TOCJ-9464
31'35" Cruella De Vil Marcos Valle Walt Disney 61313-7
40'29" I Didn't Now What Time It Was Joni James DIW R-410246
46'44" That Doggie In The Window Patti Page Mercury PHCA-16006


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