SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年10月29日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「わざわざ食べに行くお店」

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 ここ麻布界隈にも“おいしい”と評判のレストランが何件もありますが、車を飛ばして郊外へ行くと、とてもユニークな「ここしかない」という料理店があるのだそうです。
 その土地の味のお店やご主人のこだわりのお店など、「わざわざ食べに行く価値のあるお店」を、当店の常連のお客さまが教えて下さいました。本日はそのお話を少しだけここでご紹介させていただきます。
 今度、週末にでもぜひ足を伸ばしてみてみてはいかがでしょうか?


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小山薫堂さん(放送作家)の

『食べに行く価値のあるお店』の話

 京都の有名な和食屋『嵐山吉兆』で食べた「卵かけご飯」は、人生最高の卵かけご飯だった。まず卵の黄身と白身をわけて、白身を減らす。でも白身を全部なくすとそれもまたダメなので、適度な量の白身を残す。それからお醤油にはちょっとスペシャルなダシ醤油。ご飯はもちろん炊きたて。釜で焚いた熱々のご飯。削りたてのカツオブシを乗せ、軽くあぶった香ばしい海苔を手で破ってかけて食べる。これはどんな三つ星レストランのメインディッシュよりも美味しいと思った。
 あまりの美味しさに「おかわりをお願いします」と言ったら「30分お待ち下さい」と言われた。もう一度ご飯を炊くので、それだけ時間がかかるのだとか。もちろん30分待って、もう1杯食べてきた。この卵かけご飯を食べるためだけに京都に行くというのが粋だと思う。基本的には裏メニューなんだけど。
 箱根の『オーミラドー』も有名だけど、本当に美味しい。特に美味しいのが朝食。さすがに「朝食が美味しいから一緒に行こうよ」なんて女性を誘うのは野暮だけど。ここは温水プールがあって、プールサイドでシャンパンが飲める。夜、食事をした後にプールへ行き、プールサイドでシャンパンを……というのがオススメ。
 食事には「いい人に見える食事」がある。僕の作戦で言うなら「葉山のコロッケ」。ここはクリームパンみたいなパンがあって、真ん中からカパッと開くようになっている。そこに揚げたてのコロッケを挟み、ウスターソースをかけ、ちょっと贅沢する時にはポテトサラダを足し、ヨットハーバーで海を見ながら食べる。40円と60円のコロッケがあって、僕は40円のコロッケを食べるために往復4000円以上の高速代を使って葉山まで行く。このお店の名前は『旭屋牛肉店』。石原裕次郎や桑田佳祐、ユーミンなどが通う、地元では有名なお店。

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犬養裕美子さん(レストランジャーナリスト)

『二期倶楽部』の話

 那須の『二期倶楽部』はもともとホテル。一番最初は那須に作られたたった6室のコテージだった。会員制で、一般のお客さんを受け付けていなかったんだけど、後から一般のお客さんも受け入れるようになり、本館を造った。
 杉本貴志さんがインテリア・デザインをやったり、2年前にはテレンス・コンラン卿が新館のデザインをしたり、ちょっとずつ増えていく度に、その時代を代表するようなデザイナーやプロデューサーが関わっている。女性のオーナーさんがすごくセンスがある方だからなのだろう。
 その二期倶楽部の料理長が7月から替わった。なんとその料理長は、六本木ヒルズクラブやパークハイアットで料理長をやっていた宮崎康典さん。実は宮崎さんは六本木ヒルズよりも先に二期倶楽部に呼ばれていたけど、「都心で最高級のモノをやろう」ということで六本木ヒルズクラブの料理長を引き受けたらしい。二期倶楽部としては何年か越しのラブコールがやっと実現した、というところだろう。
 二期倶楽部には自家菜園があって、“ひげさん”と呼ばれる人が10年も前から野菜を作っている。これからはその菜園で、宮崎さんが見た野菜にインスピレーションを受けて料理を作る、なんてことになるのだろう。これからはこんな風に「地のモノ」を使って料理を作るのが大事になると思う。
 この二期倶楽部、宿泊者じゃなくても、レストランだけの利用も可能。テレンス・コンランがデザインした新館にはガーデン・レストランがあって、ランチもディナーもやっている。すごく気持ちの良いお店。本館の方のレストラン『ラ・ブリーズ』は基本的に宿泊者のためのレストランなので、宿泊者が少なければディナーに利用できる。
 二期倶楽部は那須高原の別荘地の中にあって、看板も何も出ていないので非常にわかりにくい。アプローチの所に入っていくと、奥にコンクリートの建物が建っていて、仰々しさもまったくない。“隠れ家”が好きな人にはピッタリ。「お部屋を見せていただけますか?」とお願いして、見せてもらって「泊まりたい」と言わない女の子はいないと思う。
 さらにここはリキュール・バーもすごく素敵。カウンターの目の前はガラス張りになっていて、ライトアップされた外の森が見渡せる。バーテンダーさんも話し上手で、その人の話を聞き始めたら3時間は席を立てなくなる、というほど。もともとモナコの国籍を持っていた日本人で、向こうでホテルの仕事やカジノのディーラーをしていたのだとか。私はその人の話を聞くためだけでも那須まで行きたいくらい。
 今は高速に乗ってしまえば那須までわずか1時間半。絶対に行ってみてほしい。

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マッキー牧元さん(食べ歩きスト)の

『またぎ』の話

 葉山の『またぎ』というお店は、逗子駅からタクシーで10分ほどの場所にある。ここはご主人が“またぎ”なので、またぎ料理を出すお店。もともとご主人は割烹をやっていたらしい。ところが自分で山に入って撃っている内にそっちがおもしろくなってしまい、そういう店を作ろうと思ったのだとか。
 お店は木造の一軒家。中に入ると、囲炉裏と細長いテーブルがある。ハトとかキジとかシカとかカモとか、ご主人みずからが獲ってきて捌いたお肉を、塩だけで焼いて食べさせてくれる。周辺地域で獲ってきたモノもあるけど、時には「山に籠もるから」と言ってご主人が東北や長野の方へ行くこともあるし、猟師のネットワークで手に入れる場合もある。
 「しし鍋」というイノシシの鍋は、味噌仕立てですごく味が丸い。イノシシは野生じゃなくて、長野で特別に育てていて、脂が分厚くて締まっている。鍋にしたらたまらない味。
 我々が行く場合、塩や醤油、ワインなんかも持ち込んでしまう。この間などは料理人まで持ち込んでしまった。お店では基本的にお客さんが自分で肉を焼き、ご主人は「こう焼くと良いよ」とアドバイスをする、という仕組みになっている。
 でも実は肉を焼くのはすごく技術がいる作業で、ただ焦げなければいいというワケじゃなくて、柔らかく焦げるように優しく火を入れなくてはならない。しかも炭火なので、火の当たりの強い弱いも見極めなくてはならない。それでついに我々は銀座の某有名焼き鳥店の方や、西麻布の某フレンチレストランの方を引き連れてそのお店に行った。そんな方々に焼いていただいて、切っていただいて、我々は「ふむふむ」などと言いながら飲んで食べてるだけ。でも皆さんも喜々として焼いて下さった。
 そんなわけで、そのお店の凄さは素材の良さに尽きる。前もって予約しておけば、カモをその日の朝に絞めて準備してくれたりする。今の季節だと“キノコ採り名人”が送ってくれた天然のキノコをどっさり使ったキノコ鍋などもある。これは香りで酔いそうになるくらい素晴らしい香りの鍋。
 このお店に行く時は、だいたい午後4時くらいに品川駅に集合。1人につき1〜2本、肉に合うワインを持参する。塩、醤油、ゆず胡椒なども持参。それから逗子に向かい、お店に到着するのが6時半くらい。夜の9〜10時くらいまで楽しんで、最終電車で帰ってくる。ある時はバスを仕立てて行ったこともある。
 食べるのが好きな人同士で行くのが楽しいし、外国人のお客さまを連れて行っても非情に喜んでもらえる。焼いたハトを手づかみでバリバリと食べると、血湧き肉躍るというか、野生に戻っていく感覚を覚えるので、女性を連れて行くのも良いかもしれない。

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遠藤龍之介さん(フジテレビ広報室長)と
深澤里奈さん(フリーアナウンサー)の

『遠出のデート』の話

《遠藤龍之介さん》
 女の子をちょっと遠出に誘うなら「ブドウ狩り」なんて良い。ブドウ狩りの「キャッキャッ」とした雰囲気が良いと思う。これがオーベルジュなんかだと、変に落ち着いて「このワインいただくわ」なんて感じになってしまう。ブドウ狩りに限らないけど、そういうチェンジ・オブ・ペースが肝心。
 食事をしに行く、というのはそれ自体イベントではあるけれど、そこそこ良いモノを食べに行くとイベント感が薄くなる。車の中でも食事の間も東京に帰ってきてバーでお酒を飲んでいる時も「ワタシ、いい女だもん」みたいな雰囲気がずっと続くような気がする。これがブドウ狩りなら「ワタシ、巨峰とりたい!」みたいな、1日という時間の中で女性のいろんな顔が見られる。それが男は嬉しい。
《深澤里奈さん》
 女性の側からの意見としては、そういうところで男性の素顔が見えるのも良い感じ。レストランでは男性の気遣いなんてわからないけど、ブドウ狩りでちょっと汚れた時にハンカチをスッと出してくれたり。そういうのを見ると「優しいんだな」と思ったりする。やっぱりハプニングというのは重要。
 でも、よっぽど好きな人とじゃないとブドウ狩りは行きたくないかも。ちょっと遠出してレストランに行くのとブドウ狩り、どっちも嫌だけどどっちかに行かなきゃいけないとしたらレストランを選ぶ。やっぱり素の顔を見せたくはないから。
《遠藤龍之介さん》
 予定調和じゃない、ハプニングが起こる場所に行くのは「何が起こるんだろう?」とか「後でどこに行くべきなんだろう?」なんてことを考えるのが楽しい。その一方で、箱根や軽井沢はメニューがある程度揃っているので、着地点が見えている。だから男性としてはドキドキしないんだけど……女性としてはどうなんだろう?
《深澤里奈さん》
 やっぱり始めは「完成されたリゾート」の方が失敗がないと思う。予定調和じゃないところで、男女の関係もまだ微妙な感じだったら、男性がオロオロしている姿は一気に女の子が引く危険性がある。まだそつなく失敗のない方が安全だと思う。

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中西哲生さん(サッカー解説者)の

『ゴルフ場と帰りの食事』の話

 ゴルフ場は意外とご飯の美味しいところがある。たとえば『総武カントリークラブ』。あそこには寿司職人がいて、鉄火丼も大トロや中トロが入っていて美味しい。最初は上っ面だけ刺身で食べて、あとは丼で食べる。
 神奈川県の『レイクウッドゴルフクラブ』は中華料理が美味しい。僕が好きなのは排骨麺(パーコーメン)。スコアが多少悪くても、美味しいモノを食べて「コレでチャラだな」なんて考えたり。
 それから箱根。たとえば『大箱根カントリークラブ』のフカヒレラーメンは高いけどヤバイ。限定何食かでなかなか食べる機会はないけど、一度食べた時は本当の美味しくて、値段に関して後悔はなかった。
 ゴルフ場を離れると、横浜の『たん右衛門』が本当にヤバイ。国産の牛タンを食べさせてくれるお店で、厚さが1.2〜1.3cmもある。焼く前から塩がふってあって、中が若干レア気味の所を食べるのが最高。塩焼きのほかにもタンバシラというタンの筋や、サガリという横隔膜の一番いいところも美味しい。つくねもヤバイ。最後に出てくる焼きおにぎりとテールスープも激ウマだけど、テール雑炊も捨てがたい。肉だったらここが最高だと思う。
 昔から横浜が好きで、横浜に住んでいたこともあるので、中華街もけっこう詳しい。中華街ならエビワンタンが最高に美味しい店がある。本当は教えたくないくらいなんだけど、そのお店の名前は『慶華飯店』。ここのエビワンタンは12個入りで700円と安いんだけど、ヤバイ。本当に美味しい。1個目は「ああ、けっこうウマイけどさっぱりしてるな」くらいなんだけど、すぐに止められなくなる。醤油ベースのスープも美味しい。そのお店に行くと全員エビワンタンを頼んでいるのが可笑しい。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'20" What Is This Thing Called Love? Keely Smith Capitol CDP 7243 8 35972 2 2
18'54" You Stepped Out Of A Dream Caterina Valente RCA BVCJ-1009
25'24" At Long Last Love Frank Sinatra Reprise WPCP-5793
35'58" Sing For Your Supper Mel Torme Bethlehem COCY-9937
45'25" Tell All The World About You Peggy Lee Capitol 7243 4 96729 2 5


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