SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年10月15日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「変わった地図」

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 地図というのは、バーテンダーにとって初歩的な接客ツールなんだそうです。地図を見て、地理に詳しくなることは、どんなお客さんとも仲良くなる一番の近道なのだとか。そこで私、小穴もバーテンダー修行の一環として、さっそく近所の書店に地図を買いに行きました。
 すると最近は普通の地図だけではなく、いろんなテーマを持った地図が売っているんですね。当店のお客さまに、その変わった地図の話をしてみたところ、とても興味深いお話を教えて下さいました。
 今日は、そんな「変わった地図」にまつわるお話を、少しだけここでご紹介させていただきます。


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飯塚新真さん(昭文社)の

『震災時帰宅支援マップ』の話

 『震災時帰宅支援マップ』が発売されて約2ヶ月。51万部という異例の売り上げを記録している。これは出した我々としても意外だった。普通、地図でベストセラーというのはあまり考えられないし、取り上げているのは首都圏だけの本なので。
 今回、ブームのきっかけになったのは7月23日に起こった大きな地震だった。千葉県方面は電車が不通になり、多くの人が帰宅が困難になった。そんなことが実際に起こって、多くの人に興味を持ってもらえたのだろう。
 本の企画は今年の2月くらいに始まった。「災害の時に使える地図というのはどんな地図だろう」と考えて、9月1日の防災の日あたりに出そうということになった。タイトルも「歩いて帰るマップ」なんてチャーミングなアイデアもあったけど、結局は硬めのタイトルに落ち着いて、結果的にはそれが良かった。
 この本で紹介しているルートは、全部実際に歩いている。東京都が指定した10数個の路線を実際に歩いてみて、良いところも悪いところも全部地図に記入して作った。路上に自動販売機があれば、震災時に倒れて道を塞いでしまうかもしれないし、放置自転車が多ければ、そこを通過するのに困難をきたすかもしれない。そんな具体的な情報が載せた。
 地図上の「上」が「北」になっていないのも特徴的。テーマが「帰宅支援」なので、あくまで進行方向が上になるようにページを取っている。進行方向に向かって地図を向けながら歩いた方が情報を連続的に捉えられる、という趣旨で、カーナビをイメージしてもらうとわかりやすい。

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矢部太郎さんと入江慎也さん(タレント/カラテカ)の

『地図と地図記号』の話

 僕(矢部さん)は地図が大好き。休みの日はいつも家で地図を見てる。
 地図を見て、地名とか、行ったことのある場所、名前は聞いたことはあるけど行ったことの無い場所、いろんな場所を見ながら旅に出る。地図の中を辿って旅をするだけで、1日中楽しめる。
 スタートはいつも東村山多摩湖町の自分の家。西武新宿線に乗って新宿に出て……なんて時刻表を見ながら考えるのも楽しい。そんな旅なら世界中どこへでも行けるし。
 ロールプレイングゲームもすごくはまる。マップ上を歩くのに夢中になって、魔王を倒すみないな目的はどうでも良くなってしまうけど。
 合コンへ行ってもこんな話ばかりしている。「瀬戸内海の小島ができた理由を知ってる?」とか。ちなみにそれは地盤沈下。それから「伊豆七島は実は8つある」とか。もともと7つだったのが、火山の噴火で沈んで8つになってしまった。
 地図記号の由来なども持ちネタ。税務署はソロバンの形から来ているし、消防署はその昔、火消しが使った「さすまた」が元になっている。郵便局はおなじみの「〒」マークだけど、これは昔は逓信局の「T」だった。ところが海外では「T」が「郵便料金未払い」のマークだったので、混乱するということで横棒が1本加えられ「〒」になった。

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小島武也さん(武揚堂)の

『伊能図』の話

 『伊能図』は伊能忠敬が書いた有名な地図。縮尺によって「伊能大図」「伊能中図」「伊能小図」の3種類があって、また特別な「伊能特別図」もある。
 本として現代で出版されているのは「中図」。原寸のままで本になっている。A3サイズで、広げるとA2なので、かなり大きい。原寸になっているのは、その大きさでないと文字が読めなくなってしまうから。それくらい細かい。
 伊能図を見ると、新宿が「甲州街道の“新”しい“宿”」ということがよくわかるし、紀尾井町のあたりは紀伊藩と尾張藩の屋敷があったのもよくわかる。千駄ヶ谷村、幡ヶ谷村、代々木村……あのあたりは全部「村」だった。
 海岸線が今とはまったく違うのもおもしろい。たとえば千葉の増上寺の前は、通りを隔ててすぐに海だった。田町の交差点の向こうも海だったから、田町駅は昔はほとんど海だった。
 伊能忠敬は海岸線を歩いて測量したので、海岸線はとにかく細かい。それから街道筋もけっこう詳しい。逆に言えば、歩いたところから見えたものしか書いていないと言える。
 伊能図は驚くべきことにモノクロではなくカラー。海はブルーだし、山は緑に塗ってある。よく間違わずに書けたものだと感心する。その範囲は日本全国津々浦々に及んでいる。
 この伊能図の本を出版したのが2年前。世の中には地図好き、古地図好きな人がけっこういるもので、1万3000円の本が初版は完売した。こういう本が一家に1冊あると賢そうに見えるので、置いておくだけでも是非。

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広瀬啓二さん(成美堂出版)の

『東京首都圏・未来地図』の話

 『東京首都圏・未来地図』には今無いモノが描いてある。「普通の地図じゃない」ということを強調するため、色味も形も実際以上に強烈にした。
 編集方針としては「計画があって、資料が集まるモノはできるだけたくさん詰め込む」ということだった。結果的には2010年くらいまでのモノが載った。
 資料を集めるにあたっては、大手の不動産会社を回ったり、都庁や区役所へ行って本の趣旨を説明して「申請があって許可も出ているモノで、資料がわかるモノを教えていただけませんか?」とお願いして回った。
 今のところ、刷り部数は実数で4万5000部。大ヒットと言える。
 この地図パラパラとめくると、開発の集中しているところとそうでないところが一目でわかる。高田馬場なんて全然開発の予定がない。錦糸町もあまりないし、秋葉原も一段落するとしばらく開発の予定がない。その一方で、赤坂、六本木、丸の内はまだまだ開発される予定になっている。
 特に丸の内の周辺はおもしろそう。古いレンガ造りの姿を再現しようとする丸の内側、近未来都市を目指す八重洲側、その対比がおもしろい。5〜6年で東京駅周辺はまったく違った様相になる。
 ちなみにこの地図を作っていて「ちょっと前に不況って言われた割には、計画がずいぶんあるな」とは思った。
 読者の中には「引っ越し先を決めるのに参考にした」という人もいた。不動産屋さんは必読かもしれない。それから会社勤めの人も、自分の会社の回りに何ができるか見てみるとけっこうおもしろい。
 それから最近はやっぱり、開発計画にも環境に対する配慮が見て取れる。どこも緑地を必ず取ろうとしてるので、それぞれの企業や自治体もかなり考えているのだろう。計画通りに行けば、10年後は東京も緑地の多い街になっているかもしれない。

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マグラスみづ紀さん(Google)の

『Google Map』の話

 「Google Map」は日本版が7月中旬から公開された。場所やキーワードで検索すると該当する地図が表示され、同時にお店の情報なども表示される。
 マウスをドラッグすると地図が自由にスクロールするので、検索してズバリその場所に辿り着けなくても、多少のズレなら簡単に見つけられる。縮小拡大も自由自在。
 地図の右上にある「サテライト」ボタンを押すと地図が衛星写真に切り替わる。今まで見ていたイタリア料理屋はこんな感じの街並みにあって……なんてことも一目瞭然。ディズニーランドも東京タワーもくっきり見える。
 もともとはアメリカのモノなので、日本向けにローカライズするにあたっては「どの範囲で検索するか」が大きく違った。日本では主な交通手段が電車なので「この駅の近くで」というニーズが多いのに対して、車社会のアメリカでは「この高速道路沿いのピザ屋」なんて探し方が多い。だから検索の範囲やその中心点の定め方が難しかった。
 地図検索でもっとも重要なのは、住所を入力した時に的確な場所を表示できること。ところが日本の複雑な住所だと、これもなかなか難しい。アメリカだと「○○通り○○ブロック」みたいに単純なのでその辺は楽なんだけど、日本の場合は1つ1つの住所を入力しておく必要があった。
 さらに困ったのは、日本は住所の表示があいまいなこと。「○○ヶ丘」の「ヶ」があったりなかったり、ひらがなだったり漢字だったり、場所によっては駅名がひらがななのに街の名前は漢字だったりする。
 そういうところを全部ひっくるめて的確に表示できるようにするのは本当に大変だった。

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高井ジロルさん(「新しい世界地図」著者)の

『変わった地名』の話

 南太平洋には「エロマンガ島」という島が本当にある。アメリカには「アナココ」という町があるし、カナダには「マンチョレイク」という湖がある。『新しい世界地図』はそんな地名ばかりを集めた一冊。
 中国の「チンポー湖」はスター。中央アフリカの「チンコ川」と並ぶ有名な存在。オランダの「スケベニンゲン」も有名で、ロシアの「ヤキマンコ」はTV番組「トリビアの泉」で取り上げられ最近有名になった。
 呼びかけ、あいさつ系の名前もいっぱいある。東ティモールの「オッス」、ペルーの「アンタ」、中国の「ミートゥー」、「ソウ」という地名はいろんな国にある。デンマークには「ホゥ」、カメルーンには「ウー」、ガーナに「ワー」、エチオピアには「マジ」、ウガンダには「マサカ」と「サーネー」。もっともっとある。
 中学生の頃、教材として渡された地図帳を見て、目がいくのはこんな地名ばかりだったのは誰でも共通の想い出だと思う。その延長でこの本を作った。図書館で大きな地図の索引を調べて、ネタになりそうな地名の地図を見る、という感じで調べた。
 罵詈雑言系なら、アメリカに「バーロー」、カナダに「バーカー」、タンザニアに「テメエ」、コンゴに「ブタ」、ギニアに「ボケ」、ギニアに「グズメ」なんて地名がある。
 僕のお気に入りは「ウンデネース」「キバルタイ」みたいな出産系の地名。友達が子供を産む時に「キバルタイ」の地図を渡してあげたい。
 この本のポイントは、単純に括り方だけ。「疑問系」ならドイツの「ダーレ」、イギリスの「ナニ」、ロシアの「ドノ」、インドの「マダカシラ」、中国の「シルカ」、ニュージーランドに「マタカナ」なんて。
 「あるのか、ないのか」シリーズも載っている。フランスの「アルモン」、同じくフランスの「アルシー」、スウェーデンの「アルンダー」、イタリアの「アルカモ」、サウジアラビアの「アルアル」、アメリカの「アルサ」、ロシアの「アルザマス」……等々。

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■ 放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'15" Let's Take A Walk Around The Block Jackie & Roy Storyville TKCB-30460
16'48" Lulu's Back In Town Mel Torme Bethlehem COCY-9937
27'21" On The Street Where You Live Peggy Lee Capitol 7243 8 56056 2 8
32'48" I Guess I'll Have To Change My Plan Jaye P. Morgan RCA BVCJ-37240
41'00" Love Is Just Around The Corner Frank Sinatora Reprise WPCP-5793


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