SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年8月6日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「サーフィン」

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 今日は当店のバーテンダー見習いの森下さんが、お店を休んで湘南へ行っています。彼女の夢である「自分のお店」を探していたところ、向こうに良い物件があるという噂があったので、見に行ったのだそうです。
 もし湘南でバーをやるとなれば、お客さまはサーファーの方が多くなりそうですね。そこで、ちょっと気が早いような気もしますが、彼女の予習も兼ねて、当店のお客さまの中でもサーフィンをする方々のお話を、ここでご紹介させていただきます。
 森下さんの夢がかなうことを祈りつつ……


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長谷川理恵さん(モデル)の

『サーフィンの楽しさ』の話

 サーフィンを始めたきっかけはTV番組の企画だった。ところが実は、その時はまだ泳げなかった。実家は鎌倉。海の側で育ったわりには、陸のスポーツが得意で。泳ぐのは好きじゃなかった。
 仕事とはいえ、海に入るということで緊張してしまって、前の晩は眠れなかったくらい。TV番組だし、私が海に入る姿を撮られるし……なんていろんなことをグルグル考えて、余計に調子も体調も悪くなってしまった。
 そして迎えたロケ当日。もちろん最初はインストラクターの方に付いてもらって練習することに。そして小さな波に飲まれた時に「もういいや!」と吹っ切れた。「もう、もがいても仕方がない!ここまできたらやってやろうじゃないの!」と開き直った。
 そう思って練習を続けていたら、先生に押してもらいながらだったけど、初めて波に乗れた。その時の感覚は、サーファーならみんな絶対に忘れないと思う。私の場合は、今までに見たことのなかった目線に「地球の上に立っている」と感じた。地面の上じゃなくて、地球の上。そして海から見慣れた鎌倉を見るのがすごく新鮮で「なんだコレ?!」とも思った。船でもなく、自分の力で、自分のバランスでそこに立っている。もし鳥みたいに人が飛べるとしたら、あんな感覚なのでは。
 私はまだ初心者だけど、ハワイのオアフとマウイ、それからフランスにも行った。フランスの南の方にビアリッツという場所があって、ロングボードの世界的なコンテストも開かれている素敵なところ。私が行った時はそんなに大きい波じゃなかったけど、やっぱり海から見る陸の景色が最高だった。お城が見えるから「あ、フランスに来ちゃった」と実感できる。
 海から見る陸も良いけど、陸から見る海も好き。特に夕日が最高。そして、いろんなところでいろんな夕日を見てきたけど、やっぱり鎌倉の夕日が一番だと思う。空の色がピンクから紫に変わっていき、茶色い鎌倉山がうっすらとピンクに染まる。本当にキレイで幻想的な風景。サーファーたちもみんな格好良く、もしくは可愛く見えたりして。知らない人たちと「コレってサーファーの特権だよね〜」なんて言いながら波待ちしているだけで、人生を得した気がする。
 都会で暮らしていると、1日に1回、空を見上げることがあるかどうか。でも海に入って、空のことや風のことを意識するようになってから、自然と関わることの大切さを感じるようになった。今までは興味のなかった環境問題も、あんまり難しいことはわからないけど、自分のレベルでできることはやるようになったし。
 サーフィンに出会ってすごく良かったと思う。

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牛越峰統さん(プロサーファー)の

『ハワイの波』の話

 16歳の時に行ったハワイの波が忘れられない。有名だけど、ノースショアのパイプライン、その逆側のバックドア、あんな波はそれまで見たことがなかったので、強烈に覚えている。
 ハワイの波は日本とくらべてうねりが圧倒的に大きい。冬に日本の低気圧が上っていき、1週間後にハワイに到達する。その日本から来るうねりがハワイにはダイレクトに入るので、波が非常にがっちりしている。
 「グランドスウェル」なんて言うけど、大きな海がうねって、小さなハワイという島にぶつかる。そしてその波にミクロな人間が乗る。そういう構造だから、波にものすごくパワーがある。さらに下がほとんどリーフ(岩礁)なので、危ない反面、すごい波ができる。
 天気予報で「明日は20フィート」なんて聞いたら、すごいストレスを感じてしまう。なにせ20フィートと言えば団地の5階くらいの高さ。その5階の波が割れる「ワイメア・ベイ」という有名なポイントがある。とにかくそこの波はでかくて掘れるから、早く立たなくてはいけない。そのために板も長くなきゃいけない。波が掘れてくる前に立っておかないと、ワイプアウトしてしまう。
 ワイメア・ベイは団地の4階くらいから真下に真っ直ぐ降りてくるポイントなので、技をかける必要はない。ただ、その真っ直ぐ降りてくる中にいろんなバンプ(出っぱり)があるので、そこに引っかからないように降りてくる。引っかかってしまうと飛ばされてしまい、団地の3〜4階の高さから落ちることになる。
 ハワイにはチューブに入りに行くようなもの。そしてチューブに入ると重力をすごく感じる。Gがすごくかかるので、それを自分の脚2本でコントロールして、Gには引っかからずにスピードに引っかけるようにする。
 チューブの中では貝殻の音がする。貝殻を耳に当てた時にする、あの音のちょっと大きいヤツ。それはスピード感とか、Gの音とかが一体になったもの。
 ラッキーな人だと「スピッツ」に出会える。チューブが割れて、チューブの中にスープ(白い泡)が産まれる。そのスープが波と一緒に進行して、たまにサーファーを乗せることがある。こうなるともう、サーファーの感覚としては宙に浮いているような感じ。
 波の中で上下に板をしごきながら、チューブの先に見える景色を目指して移動する。そしてスピッツが先にチューブの中から吹いて、その後からサーファーが出てくる。こんな時は感動もひとしお。

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山口達也さん(タレント)の

『無謀な挑戦』の話

 サーフィンをやるようになって、この夏で5年目。28歳の時から始めたから、人よりもかなり遅いスタートだった。
 鎌倉あたりは、結局、波はないも同然。波が立っているのは月に7〜8日ぐらいだと思う。低気圧や台風が通過する時は太平洋ラインよりも波がいいんだけど。房総半島や伊豆半島がうまく波を整えてくれるらしい。
 今は携帯の波情報があるので、仕事の合間などにもチェックしている。「台風が起こりました」「波のサイズが上がりました」なんて情報は、自動的に携帯へメールが送られてくる。仕事があるから行けないんだけど、ついつい移動中に携帯とにらめっこしてしまう。
 実は昨日、一昨日も行ってきたばかり。波は全然なかったけど。それでも海に入るだけでもストレスの解消にはなる。
 サーフィンをやっていない人が「デカイ波」なんて言う場合、プロサーファーが出ている映像を思い浮かべていると思うけど、あれは規格外。牛越さんも含めて、あんな波に乗っているのは一種の中毒症状としか思えない。僕なんかだと、今でもちょっとサイズのある波は怖い。
 それでも番組の撮影でバリに行って、自分のレベルでは到底入れないような波に挑戦したこともある。あれはいま考えてもムチャだった。ディレクターには「無理です」みたいな事は言ったんだけど、サーフィン界の“レジェンド”と言われる人たちも一緒で、その人に「おう、行ってきな!」と言われたら、もう行くしかなかった。
 大波の来るポイントで波待ちをしている時の怖さと言ったら、一度浮き輪でいいから体験してほしい。そうじゃなきゃ絶対にわからないから。何百メートルも先のところからうねりが入ってくるのが見えるし、だいたい待っているだけで垂直に何メートルも上下する。ジェットコースターに乗っている時みたいに、つい声が出てしまうほど。
 何度も「やっぱり無理だ」と思って引き上げたんだけど、“レジェンド”たちに「そんなんじゃダメじゃない?」と言われて、また行くことに。その内、一緒に入って、僕が「デカイの来たなぁ……スルーしよう」と思っている横で「ゴー!ゴー!ゴー!」なんて声を掛け出す。そう言われたら、つい身体が反応してしまって、無謀な挑戦をするハメに。
 そんな思いをしても、やっぱり乗れた時はすごく楽しい。ちなみにバリの波は易しくて、大きいけれど立てさえすれば乗れてしまうのだとか。それで「オレ上手くなった?」と勘違いして日本に帰ってくると、みんな撃沈する。

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パンツェッタ・ジローラモさん(エッセイスト)の

『気楽なサーフィン』の話

 サーフィンをやっている。やっているけど、楽しむためにやっているので、大きな波に挑戦とかじゃなくて、1〜2mくらいの波で楽しんでいる。
 実はイタリアでウインド・サーフィンをやっていたので、前からチャンスがあればこっちでもやりたいと思っていた。それが『LEON』の撮影でメキシコへ行った時に、ちょうどインストラクターと一緒にやる機会があって「おもしろいなぁ」と。
 メキシコで海に入ろうとした時に、オジサンが現れて、カメラマンと話し出した。どうやらそのオジサンはカメラマンと知り合いらしくて、「誰だろう?」と思っていたら、その人がサーファーの神様、ジェリー・ロペスだった。そんな人に出会ってしまったからには、やっぱりサーフィンをやらなくちゃいけないなと思って、それからメキシコ、カルフォルニア、ニュージーランド、オーストラリア、バリ、世界中あちこちに行ってサーフィンをやっている。
 この間は沖縄でやったし、湘南に行くこともある。湘南にはディックという友達がいて、たまに「ジロー!良い波が来てるから来ないか?!」なんて電話をかけてくる。現地の人と仲が良いというのは、サーフィンをやる上で重要なこと。波を乗るタイミングを待っていると、他の人に乗られてしまい、自分が乗れなくなってしまうことがある。そんな邪魔をされないためにも、仲良くなっておいた方が良い。
 もちろん、うまくタイミングとれなくて、こっちが邪魔をしてしまうこともある。だからなるべく友達同士で行った方が良い。僕はそんなに上手くないけど、逗子の方にある地元の人しか行かないブレイクポイントでも、地元の人と仲良くしているおかげで遊ばせてもらっている。
 女の子でサーフィンをやっている人もけっこう多い。女の子はボードに乗っている時にすごく美人に見える。特にパドリングをしている時に後ろから見ると「キレイだなぁ」なんて。ビーチに戻ったら「ええっ?!こんな人だったの?!」とまたびっくりするんだけど。サーフィンをやる上では、女の子は軽いので、あまり力がなくてもバランスがとれるらしい。
 イタリアではサーフィンよりもウインド・サーフィンの方がメイン。そこからサーフィンに入る人もいる。やっぱりイタリアは波がそんなに強くないし、そんなにサーフィンに向いている国じゃないと思う。
 ちょうど今、愛知でサーフィンの大会をやっていて、僕は番組のレポートで行くことになっている。かなり国際的な大会で、世界中からチャンピオンが集まるから、ジャッジする人も大変だと思う。
 ハワイのノースショアで10mなんて波を見たけど、乗り損ねたらあの波が頭に当たるのかと思うと、かなり痛そうだった。

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内田準治さん(『サーフィンライフ』編集長)の

『ロングボード』の話

 サーフィン人口はすごく増えている。それは1990年代にロングボードがリバイバル・ブームになって、わりとカジュアルに波に乗れるようになったおかげ。中には「昔取ったきね柄で……」と戻ってくる人も多いけど、「ロングボードから始めた」という人もけっこう多い。
 90年代にはテーラー・スチールという人が作った映像にメロコアの音楽が使われていたので、「メロコア」=「サーフミュージック」みたいなニュアンスが強かった。でもジャック・ジョンソンとクリス・マーロイが作った『シッカー・ザン・ウォーター』からガラッとメローな感じに変わって、あれがサーフ・ムービーの形になった。ロブ・マチャドあたりがショートボードからちょっと昔のサーフボードに乗り始めて、そういう音楽にマッチしているのだろう。
 80年代のカリスマ的ヒーローだったトム・カレンというサーファーが、90年代に入って世界サーキットからリタイアし、昔のサーフボードに乗るようになった。それが今のムーブメントを作るきっかけになった。もちろん今でもショートボードでバキバキに攻める人もいるけど、カジュアルにメローな感じでやる人が増えている。
 厚くて、幅があって、今の形よりも丸い感じの板だと、テイクオフも楽。たくさん本数が乗れて、ゆっくりサーフィンが楽しめる。夏、どこのビーチも混むけど、その中でもたくさん乗って楽しむ、というスタイルが今は受けている。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'37" Amor De Nada Marcos Valle EMI 829370 2
18'56" Eu E O Meu Coracao Maysa EPIC ESCA 7784
26'36" Domingo Em Copacabana Elis Rogina EPIC SRCS 8026
41'46" Crickets Sing For Anamaria Astrud Gilberto Verve 314 539 657-2
47'27" A Felicidade Antonio Carlos Jobim Verve 826 665-2


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