SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年7月30日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「南半球」

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 この間マダガスカルから貝殻を送って下さった麻理絵さんが日本に帰ってきて、いろんなお土産話をして下さいました。
 麻理絵さんはスタンさんの古くからの友人で、世界中を旅している方なんだそうですね。今回はマダガスカルをはじめとして南半球のあちこちを回ってきたんだそうです。
 麻理絵さんのお話をきっかけに、お店にいらっしゃったみなさんも「南半球」のお話で盛り上がっていらっしゃいました。今日はそのお話を、ここで少しだけご紹介させていただきます。


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マルシアさん(歌手)の

『サンパウロ』の話

 ブラジル・サンパウロの出身なので、季節は日本と逆だった。だから11月に日本へ来る時は、冬が終わっておいしい夏へと向かうブラジルを離れるのが辛かった。
 老後は1年中夏の場所に住みたい。誕生日がバレンタインデーなので、とにかく私は夏が好き。ただしブラジルにはバレンタインデーはない。その代わりに「恋人の日」があって、それは6/12。
 2月はブラジルで一番暑い時期で、クリスマスも“真夏のクリスマス”。でもなぜかクリスマスツリーにはちゃんと綿を乗せていた。でも、そもそも私は雪を見たことがなくて、日本で初めて雪が降った時に食べてみたくらい。それでも一応、ブラジルでもクリスマスツリーは冬のイメージだった。
 ところがクリスマスカードのサンタはサーフィンに乗ってたりする。そして家族や親戚が集まって、七面鳥を焼いて、プレゼントの交換をして……というパーティもちゃんとやる。お正月よりもクリスマスの方が派手なくらい。だけど、夏だからみんな薄着。17歳まではそれが当たり前だと思っていた。
 冬のサンパウロはかなり寒くなる。もっとも、サンパウロ州だけで日本がスッポリ入ってしまうくらいの大きさがあるので、サンパウロの中でも場所によって、すごく寒くなる場所とそうでもない場所がある。
 でも日本みたいに夏と冬でクローゼットの中身を替える(衣替え)という習慣はない。私などは今でも馴染めなくて、いつ替えていいのかよくわからない。夏になってもちょっと肌寒い時はあったりするし。
 ウチはそんなに寒さが厳しい場所じゃなかったけど、もうちょっと南に行くと、たまに雪が降る地方もある。逆に北に行けば行くほど暑くなって、アマゾンがあったりする。北の地方を「ノルチ」と呼ぶけど、そのまま日本語に訳せば「北国」。ブラジルではそこは暑い場所。

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堀賢一さん(ワイン研究家)の

『南半球のワイン』の話

 南半球のワインは収穫期が2〜4月くらい。ちょうど端境期なので、もっと「ヌーヴォー」みたいなワインを売り出せば、市場性があるのではないかと思っている。
 収穫が6ヶ月ずれているので、同じ「20××年」というラベルが貼られていても、北半球のワインよりも南半球のワインの方が少しだけ熟成期間が長い。さらに果実味に寄っていて熟成が速いという南半球のワインのスタイルもあって、北半球と南半球のワインを飲み比べる時は、同じ年のヴィンテージよりも北半球の方を1年前にした方が似ていると言われる。
 実は、南半球のワインは非常に歴史が古くて、場所によっては北半球よりも古いかもしれない。たとえば世界でもっとも有名で、誰もが欲しいと思ったワインの1つに「コンスタンシア」というワインがある。これは南アフリカで作られたワインで、ナポレオンがセントヘレナ島に幽閉されている時に、このワインを南アフリカから取り寄せいていた、という逸話がある。この「コンスタンシア」が初めて作られたのは1685年。シャンパンはまだ発泡酒ではなく普通の白ワインだったし、ボルドーのワインはロゼだった。そんな時代に「世界最高」と言われたのは南半球の甘口ワインだった。
 オーストラリアもワインの歴史は古い。かつてオーストラリアとニュージーランドの宗主国はイギリスだった。そして幸運にも、その宗主国はワインを作っていない上に、ワインの大消費国だった。
 ボルドーのワインを発展させたのもイギリス人だったし、ポルトガルのポートワインを作ったのもイギリス人。だから今でもポートワインの生産者は「テイラー」「クロフト」なんてイギリス人の名前が多い。同様にシェリーもイギリス人。イギリスは産業革命でお金があったので、わざわざワイン作りに適していない自国でワインを作るよりも、他から交易した方がメリットがあると考えていた。
 それで白羽の矢が立ったのが植民地支配していたオーストラリアとニュージーランドだった。だから今でもオーストラリアワインの輸出先としてNo.1なのはイギリス。イギリスの側から見ても、一昨年くらい前についにオーストラリアワインがフランスワインを抜いて輸入量No.1になった。そこには「自分たちの国のワイン」という感覚が現在でも強く残っているからだとか。
 逆に世界第3位のワイン生産国、スペインに統治されていたチリやアルゼンチンのワインは不遇をかこった。スペイン本国だけでもワイン生産が多すぎて余っていたので、政府が一番安いワインを買い上げて、燃料としてアルコールを抽出していたほど。そんなスペインが宗主国だったので、チリやアルゼンチンのワインはずっと国内市場に頼るしかなかった。
 しかし80年代に国内のワイン消費量が落ちこんで、まずチリが「ワインを輸出しよう」と思い付いた。そこで輸出向けに果実味に寄ったフルーティなワインを作れる業者をカルフォルニアから呼んで、輸出用の作った。これがチリワインの成功に繋がる。アルゼンチンは少しその動きが遅れて、最近やっと芽が出てきているところ。
 そんな感じで、世界的にはワインは供給過多。統計では、2004年に世界が生産したワインの量と消費したワインの量を較べると、日本の消費量の100年分にあたるようなワインが残ってしまっている。だからブラジルではワインを蒸留して作ったアルコールで車が走っている。

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渡部潤一さん(国立天文台)の

『南半球の星座』の話

 南半球の星座は、けっこう細かくて暗い星でできているモノが多い。
 たとえばコンパス座という星座がある。これは大航海時代に南半球へ行った船乗りが、当時としては最先端の科学機器を星座として見立てたモノ。似たような星座に顕微鏡座や望遠鏡座がある。でもかなり無理をして名付けているので、顕微鏡の形には見えない。
 もう1つの系統はカメレオン座や飛び魚座のように、やはり大航海時代の船乗りたちが目にした珍しい動物の名前が付けられたモノ。
 我々が住んでいる銀河系の中心部(天の川)は射手座の方向にあって、実は南半球の方が見やすい。南半球へ行くとその射手座が真上に来ることがあるので、手をかざすと天の川の光で影ができるほど。これは北半球ではちょっとできない芸当。
 それから南半球に行くと、天の川の切れ端みたいなものが見える。天の川というのは我々が住む銀河系という星の集団で、その銀河系にはいくつかお供のような銀河がいくつかある。たとえばマゼラン星雲。これは大小2つあって、天の川の切れ端のように浮かんでいるのが南半球では見える。これも残念ながら北半球では見えない。
 オーストラリアやニュージーランドの空の綺麗なところは、日本と違って乾燥しているので、星の輝きが非常にクリアに見える。地平線まで星が普通に見えて、星がないことで地平線がわかる、というほど。
 日本だったら地平線に近づくにつれてだんだん星が見えなくなって、その先に地平線がある。ところがそういう場所では、東の地平線を見ているとポッと星が現れる。また西の地平線を見るとパッと星が消える。それくらい地平線まで星が見える。
 もっとも、さすがにオーストラリアでもシドニーのような大都市近くではそんなことはない。一度学会でシドニーに行った時も、車で100kmも200kmも離れないとそんな星空は見えなかった。
 砂漠地帯の中央部、エアーズロックという岩がある場所あたりなら、有名な観光地だけど小さい町なので、車で少しホテルから離れただけでそんな星空が楽しめる。せっかくあそこへ行くのなら、夜空を楽しまないのはもったいない。

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加藤明子さん(国立極地研究所生物圏研究グループ)

『ペンギン』の話

 ペンギンは好奇心の強い生き物。巣から離れたところに座っていると、チョコチョコ歩いてきて、若いペンギンならつついてきたりもする。ただ、立ち上がるとビックリしてクモの子を散らすように逃げていく。
 海の中ならシャチやヒョウアザラシがペンギンの天敵。陸の上なら、トウゾクカモメやオオフルマカモメという大きなトリがペンギンの雛を襲う。
 実はペンギンがいるのは南極だけじゃなくて、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、南米にもいる。人間のすぐそばで生活しているペンギンもいて、オーストラリアでは人家の戸袋の中に巣を作ったという話もあるほど。そのオーストラリアのペンギンはちょっと青みがかった灰色の背中をしている。
 私が初めて南極へ行ったのは学生の時で、その時は氷山を見ただけで感動した。もっとも、そこに辿り着くまでが大変だったs。
 オーストラリアを出て、どんどん南下していくと暴風圏がある。「吠える40度、叫ぶ50度」と言われていて、南位40〜60度ぐらいは海がもの凄く荒れる。船に弱い人にはお勧めできない。
 ところが船に酔わない人というのはいるもので、そういう人は「おお、揺れてるねぇ」なんて言いながら斜めになった廊下を走っていた。さらに船が揺れている最中に厨房をのぞいたら、すごく揺れている中でも火を使って料理をしていた。料理をしていることもすごいけど、「誰か食べに来る人いるの?!」とも思った。さすがに船員さんたちは食べないと仕事にならないから、問題なく食べていたみたい。私は人生でこんなに絶食したことはない、というくらい食べなかった。
 そんな感じで船は進み、海面に氷が見えるようになる頃には暴風圏を抜ける。だから氷山を見た時の感激もひとしおだった。氷山はとてもキレイで、太陽の光によって色がすごく変わる。美しいブルーに見える時もあれば、夕日を浴びてピンクに染まる時もある。
 ペンギンは人には馴れないというか、むしろ一度捕まって何かされるとトラウマになるのか、すごい勢いで人から逃げる。研究のためにペンギンを捕まえて印を付けることがあるんだけど、研究だからその印を付けたペンギンをまた捕まえて調べなくちゃいけない。ところがそのペンギンを捕まえようとすると、フッとこっちに気がついて、目が合った途端に一目散に逃げていく。
 ペンギンは意外とすばしっこい。もちろん人間の方が速いけど、小さいので捕まえるのがけっこう大変。しかもアデリーペンギンぐらいならそこそこ小さいけど、キングペンギンになると10kgぐらいある。それで初めて捕まえた時はタックル状態のまま引きずられてしまった。

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田村弥生さん(スノーボード日本代表選手)

『ニュージーランド』の話

 オフシーズンはニュージーランドで1シーズン滑ることが多い。7月に行って、8〜9月まで、雪が多い年なら10月の始めまで滑れることもある。
 私が行くのは南島のカドロナというスキー場。もともとニュージーランドはそれほど降雪量の多い所じゃないけど、標高が高いので降った雪がなかなか溶けない。それでスキー場になっている。そういう場所だから、斜面はアイスバーンになっていることが多い。ツルツルになっていて、エッジが抜けて転んで青あざを作ることもある。
 そんな感じでここ6〜7年は夏をほとんど体験していない。私は寒い方が得意なので、これから日本は夏本番だけど、早く涼しいニュージーランドに行きたい。
 ニュージーランドまでは直行便で7時間ぐらい。私はいつも直行便ではなく経由して行くので10時間以上掛かっている。
 基本的に、ニュージーランドでは町には雪は降らない。たまに雪が降っても積もったりはしない。そして紫外線が強かったりする。それで雪焼けすると酷いことになるので、日焼け止めを使って、さらに焼けないように隠している。
 向こうに行くとご飯はだいたい自炊。ニュージーランドは日本人観光客がすごく多い国で、夏はトレッキングに、冬は滑りに日本人が来る。だからスーパーへ行けば日本の食材が手に入る。お米、お醤油、お豆腐なんかは、日本と較べればちょっと高いけど、普通に売っている。
 生活しているのはワナカという湖畔の町。そこから山まで車で40分くらい。この町には日本人が本当に多い。もう何年も前からスキーやスノーボードで日本人が訪れるようになっているので、町の人も日本人にすごく慣れている。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'21" Let's Go To Brazil The Hi-Lo's Reprise WPCR-1134
20'24" Days Of Wine And Boss Os Tres Brasileiros Capitol TOCP-8266
31'43" Stella By Starlight Tony Bennett Columbia CGK 40420
43'10" Baby, It's Cold Outside Dean Martin Capitol CDP 7 93115 2
48'28" Hey There Peggy Lee Capitol 7243 8 56056 2 8


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