僕はジーコを評価できる立場じゃないけど、ドイツに行くという目標があって、それを達成したんだから10点満点で良いと思う。
フォーメーションが4-4-2だとか3-5-2だとかっていう話でマスコミは騒いでいるけど、僕に言わせればバカバカしい。戦術なんてクソくらえ。フォーメーションなんて試合の流れでコロッと崩れるもの。だからフォーメーションの話をしても意味がない。
あえて言えば日本のサッカーには4バックの4-4-2が合っているとは思う。でもある試合に4バックで臨んだところ、うまく行かなくて、選手が監督のところに行って「3-5-2にして欲しい」と言いに行った。僕が思うにジーコは相当悔しかったはずだけど、それでも選手の意見を入れて3-5-2にした。
もし僕がその時のジーコの立場だったら、言いに来た選手を辞めさせる。「ここは代表だ。なんで3-5-2でやりたいのか? 4-4-2で1対1に勝つ自信がないのか? だったら代表に来てる場合じゃないから出て行け」と言ったと思う。
まず監督のやろうとしていることを理解する。そしてそのサッカーを1ヶ月くらいは続ける。それだけやってダメだったら、選手の方から監督に話をしに行けば、監督もバカじゃないから話を聞く。それでまたしばらく選手の言う通りにやってみて、うまく行けば良し、行かなければまた考える。1試合程度で「良い」「悪い」の判断なんてできない。
今の日本代表は層が厚くて、良い選手がたくさんいる。だから1人や2人いなくなっても全然構わない。もちろんその裁量は監督が下すものなんだけど。
今回のコンフェデレーションズ杯では、最初のメキシコ戦でつまらない試合をして負けて、ジーコはいきなり4バックにした。そして短い期間しかなかったのに欧州チャンピオンのギリシャを破り、ブラジルを苦しめた。それを見て、やっぱり日本には4バックが合っているなと思った。ジーコも同じ事を思っただろう。
たしかにギリシャは去年ほどの調子ではなかった。ブラジルも何人か主力が抜けていたし、途中で流したところもあった。でもそんなことは関係ない。重要なのは、日本が良い試合をして勝てたかどうか。
ギリシャに勝てて、ブラジルとも引き分けた4バックなのに、レベルの低いアジアで苦しんだのは、選手の中に面倒くさがるヤツがいたから。これは許し難い。でもコンフェデレーションズ杯の2試合は完全にギリシャやブラジルと互角だった。ジーコが監督になってからのベスト・ゲームだったと思う。
同じブラジル、同じリオの出身だから、サッカー選手としての経歴は雲泥の差があるけど、ある程度ジーコの考えていることは理解できる。ブラジル流の、個人技や個性を活かすやり方。それは僕が目指すサッカーと同じ。
僕はみんなに「辛口」と言われるけど、体を張ればできることを要求しているだけ。「自分は上手い」なんていい気になって生意気になっている選手が許せない。だったら楽に勝ってみせろ、と。それならそういう態度でも別に構わない。ギリギリで、相手のオウンゴールで勝ってるんだから、反省しなきゃ。
今の日本代表選手たちの力はこんなもんじゃない。コンフェデレーションズ杯の試合がそれを証明している。できるんだから、常にそうやって欲しい。