いろんな仕事をしているけど、写真を撮る仕事をするようになったのは10年くらい前から。最初からほとんどヌードしか撮ってないから、服を着ている人を撮る方が緊張する。
写真を撮る時はずっと喋っている。そしてその人に聞いた話を「詩」にするので、いつもその会話は辛気くさい話になりがち。その人のコンプレックスだとか、悩みだとか、そんな話ばかりしている。だからヌード写真なのに、モデルの人もウェットになっていって、いまひとつ直情的じゃない。
でも僕は、撮る側としてはそういう方がエロスを感じる。見る側だったらアメリカンというか、ハーレーダビッドソンな感じが良いんだけど。そこは自分の嗜好性と表現のスタイルはまた違うわけだし。
そんな事情で、僕はヌードを撮る時に「こういうポーズを」みたいなことは言わない。
ヌードに限らず、モデルの女の子にはいつも「ものすごく休憩が多いんですね」と言われる。2時間ぐらい遅刻してきて、いきなり撮りだして、すぐに休憩したり。タバコを吸いたくなるし、ビールも飲んでるし、撮っている時間よりも休憩の時間の方が長いぐらい。モデルさんは撮影をしたという感覚のないまま帰っているみたい。
ヌードの撮影をしていていつも感じるのが、最後の1〜2本がすごく良い、ということ。お互いに信頼関係ができたり、相手がほどよく疲れてきたり、緊張感がほぐれてきたり、そういうことが重なって最後の方に良い写真が撮れる。
だからたとえばヌードしか使わない撮影であっても、最初に洋服を着ているところをたくさん撮る。スタジオに入ってきて、いきなり「よーし、じゃあ脱いでみようか」という感じでもないし。
AVの女優さんを撮る時は、ビデオは見ないまま撮影した。AVに出ている女の子たちは、本当キレイでスタイルも良くて、みんな性格も良い。たぶん、顔だけでなんとかなる普通のアイドルになるよりも難しいと思う。さらにそこに、人前でセックスする根性までなくてはいけない。本当に選ばれた人たち。
撮影の時もすごく常識人なので、そういう人たちを前にして「メチャメチャいやらしいポーズをとって下さい」とは言えない。それで僕の写真は大人しい感じになる。
でも撮影が終わった後に「この人はどういうビデオに出ているんだろう」ということが気になって、ビデオ屋で買ってきて見てみる。するとビデオの中では、彼女たちはもの凄いことをしている。それを見て「俺も甘いな……」と落ちこむのが常。