『クローサー』という映画はジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライブ・オーウェンの4人が中心のお話。実はジュリア・ロバーツは代役で、本当はケイト・ブランシェットだったはずなんだけど、妊娠のために降板せざるをえなくて泣いたという話もあるほど。
この映画はもともとパトリック・マーバーという人の作った戯曲で、イギリスの舞台で上演されていた。2組の男女が入り乱れて、安っぽく言ってしまえば“不倫”の話なんだけど、そんな言葉では語りたくない。『クローサー』というタイトルも象徴的で、肉体的には緊密に(Closer)なっているのに心はどんどん離れていくという、ビター・スイートな大人のラブ・ストーリー。この映画は大人じゃないとわからない。
ジュード・ロウとナタリー・ポートマンは一緒に暮らしている。ところがジュード・ロウがジュリア・ロバーツ演じる写真家の女性を好きになってしまう。でもジュリア・ロバーツは医者のクライブ・オーウェンと結婚している。そんなに複雑な構造ではないけど、揺れ動く人間の気持ちを見事に描く。そして最後には誰が一番の策士で、誰が一番自分の心に正直だったかをじっくり味わえる。
今回の映画版は戯曲の作者、パトリック・マーバー自身が脚本を担当した。舞台版の方ではナタリー・ポートマン演じる女性が交通事故で死んでしまうけど、映画版ではストーリーが変わっている。この物語を映画で初めて見る人はもちろん、舞台を見た人でも楽しめると思う。
この『クローサー』は5月公開。もうすぐ劇場で見られる。
DVDやビデオなら『バタフライはフリー』という映画が好き。ゴールディ・ホーンが出ているんだけど、もともとはブロードウェイのお芝居だった。舞台版の初演の時はグウィネス・パルトローのお母さん、ブライス・ダナーが出演してトニー賞を獲っている。
映画版の舞台はサンフランシスコ。若い頃のゴールディ・ホーンらしくパッパラパーな娘で、アパートに引っ越して下着だけになったら、向かいからジッとこっちを見ているキレイな目をした男性に気付く。「なに見てんのよ!エッチね!」と怒ったけど、実はその男性は盲目だった……という始まり。
その盲目の男性は母親から大切に育てられてきた。でも自立しようと思って、アパートで一人暮らしを始めた。そこでお向かい同士になったゴールディ・ホーンと恋に落ちる、というラブ・ストーリー。最後はすごく気持ちの良い終わり方をするので、非常にオススメ。
以前、PARCO劇場でお芝居を観た時に「“バタフライはフリー”をやって欲しい」という要望を書いた。そうしたらしばらくして本当に実現してしまったので、あの手のアンケートは意外と馬鹿に出来ないと思った。その後、コンスタントに日本で上演されている。