SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年4月23日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「憧れのお店を開こう」

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 今週から当店のスタッフに、森下さんという新しいバーテンダー見習いの女性が加わりました。なんでも、一ヶ月ほど前からスタンが麻布十番のバーテンダー・スクールで教えていて、彼女はそこの生徒だったそうです。今回は彼女たってのお願いで、当店で修行することになったという次第です。
 彼女の夢は、いつか自分の店を持つことだとか。そこで今週は、当店のお客さまでも「自分のお店」を開いた方の四方山話を、少しだけここでご紹介させていただくことにいたします。現実を知って彼女がずっとこのお店にいてくれるよう……いやいや、彼女の夢がかなう手助けになればと思いつつ。


ちはるさん(タレント・エッセイスト)の

『チャム』の話

 「Chum(チャム)」というカフェを作ったのは、いろんな人たちが集って、自分の好きなモノを自慢しあえるような場所を作りたかったから。日本はギャラリーなどで個展を開けるような環境が少ないので、才能があってもお金がなかったりアピールが下手だったりすると、なかなか世に出てこれない。そういう中で私の関係した人たちだけでも、作品を見てもらえる機会を増やしたかった。
 お店を始める最初の一歩はたしかに難しい部分もあるけど、私は得意な方。「○○やりたいよね、でもできないよね」と言うのは嫌い。「やりたいよね、じゃあいつやる?」と考える。そして「こうすればできるじゃん!」と考えるのも早い。
 お店をやるなら、場所も大事。ちなみに今のお店の場所は「いいかげん決めなくちゃいけない!」と焦って決めたので、ちょっと失敗だったと思っている。実はあのお店、地下に8畳くらいのスペースがあって、格好良く改造して使おうと思っていた。ところが契約した途端、パイプなんかが出ているからダメ、と。大家さんはOKだったんだけど、上のマンションの管理組合に止められた。
 飲食店は地域の人たちと仲良くすることが必須。お店から出る音がうるさかったりするケースもあるので、飲食店が入ること関しては、周りに住んでいる人たちはとても敏感になっている。だからそういう部分に気を遣うのは大事になる。私も何度菓子折を持って謝りに行ったかわからない。
 お店をやっていると、お客さんが「気持ちいいなぁ」「良いお店だね」と言ってくれるのが一番嬉しい。さらにオーナーとしては、働いてくれている人たちが「このお店で働けて良かった」と言ってくれるのが嬉しい。
 お店では「自分しか気づかないところを見つけてあげるサービスをしてね」と言っている。たとえばコートを持っているお客さんが、掛ける場所が見つからなくて丸めて膝の上に乗せていたとする。そういうのに気付いたら、さりげなく「お掛けできますよ」と声を掛けたりとか。その言い方も「どうやったら喜んでもらえるか」をスタッフ同士で話し合いながら考えている。「でもちはるさん、それはやりすぎだと思いますよ」と言われることもあるけど、やっぱりお客さんが気持ちいいと思えることを見つけることがプロとして生きていける道だと思う。
 お店で働いている子たちの中には19〜20歳くらいの子もいる。私と一回り以上違うのに、そんな子がもの凄く冷めていたりする。熱く語る自分が若い子に冷めた口調でたしなめられるのに照れたりしながらも、一生懸命説得している。

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揚田・あきさん(タレント)の

『健康ドリンクバー 揚田・あき』の話

 麻布十番に健康ドリンクバー「揚田・あき」を作った。「健康に気を遣ってコミュニケーションする」というコンセプトのバーで、油をいっさい使わないのでお店もキレイ。水と空気にこだわって、「たくさんのお茶にたくさんの健康になるお食事、つまりは子供から老人まで、安心して遊べるバーにしたいんです」というプレゼンを『マネーの虎』でやって、お店を作ることになった。
 ところが実際には、探せど探せど物件がなくて、『マネーの虎』のお金は辞退することに。それでもあの番組に出た反響はとてつもなく大きくて、お手紙やメッセージですごく励まされた。正直、芸能界でデビューして以来、こんなに注目されたのは初めて、というほど。
 それに感動して「もう借金をしてでもお店を作るしかない!」と。たまたまそんな風に考えたタイミングで、麻布十番に居抜きの物件が出た。私がお店を出そうと考えていた渋谷の桜ヶ丘は「ちょっとハイソで健康のためなら1杯600円も惜しまずに出す」という人が多い場所。麻布十番も似たような場所なので、ここに決めた。
 でも本当は途中で何度も止めようと思った。お店を出そうと決めて、借金はした。でも調理師免許はない。お店の運営方法も全然わからない。自分が作ったモノをお客さんに出してはたしてお金がもらえるのか、人は来るのか、自分が遊びに行く時間はあるのか、など何もわからなかった。
 さらに言えば、もしお店をやめることになったとしたら、芸能界もやめなくちゃならない。芸能界の力を借りて出来たお店なんだから、お店だけ止めて芸能活動は続けるというわけにはいかないだろう、そんな恐怖もあった。まさに人生の決断だった。
 看板をどうやって作るのか、いくらかかるのかも知らない。保健所の検査でも、チェック項目にあった「エルゴ」がわからなかった。これはトイレに付いている小さな手を洗う場所。これがちゃんと付いていないと保健所の許可が下りない。その他にも「ホコリが溜まりやすい構造はダメ」「キッチンに入るドアに隙間があるとネズミが入るからダメ」などなど、気が遠くなるくらい細かかった。
 看板もバカでかいのを作ることにしたら、すごい値段になってしまった。そこで知り合いにプレゼンして、どんどん安くしてもらって、エルゴもタダで付けてもらえることになって。とにかくお店が見つかってからオープンまでは一ヶ月。飛ぶように時間が過ぎていった。
 そして迎えたオープン初日、なんと私はロケでお店にいなかった。ロケ先の埼玉から「どう?」とお店に電話を掛けたら「店長がいないってお客さんが騒いでます」って。たしかに店長不在のオープンなんて前代未聞。翌日はお店に出たけど、翌週にはまたロケで中国へ1週間。お店の人はみんなやつれていた。
 今でも時々不思議に思うのが、まったく知らないお客さんが自分の作ったものを食べて、それにお金を払ってくれること。友達でもない、恋人でもない人がリピーターになってくれると、自分の存在を認められたというか、自分の人生をまるごと肯定されたような嬉しさがある。TV番組で「お客さんの喜ぶ顔が……」という飲食店の人は多いけど、アレは本当に嬉しいモノだと知った。
 そういえばお店がオープンしてまだ間もない頃、お客さんの「キャー!」という悲鳴が上がったことがあった。それはウチの看板犬・ハンサムが、お客さんの5千円札をくわえて逃げてしまったのが原因だった。もう大慌てで「ハンサムー!」と叫びながら追いかけっこ。そのハンサムはジャガイモが大好きで、ジャガイモのメニューが注文されるとそのお客さんの横に座っておねだりする。「ほとんど自分が食べてない」なんて苦笑するお客さんもいるくらい。ある意味、売り上げに貢献していると言えなくもない?!

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いがらしろみさん(菓子研究家)の

『ロミ・ユニ コンフィチュール』の話

 鎌倉に「ヴィヴモン・ディモンシュ」というカフェがある。ここはカフェブームの中心だったお店で、このお店があったから私も鎌倉に引っ越したようなもの。そしてその鎌倉で「ロミ・ユニ コンフィチュール」というジャムのお店を開いた。
 でも別に「ジャム屋をやろう!」と思ったワケじゃない。どこかやらされているというか、何かに操られてジャム屋をやることになった、みたいな感じ。
 2000年、菓子研究家として活動を始めたばかりの頃、雑貨屋さんの1コーナーで「ろみさんの活動を紹介したい」と声を掛けてもらった。ちょうどその頃、月に2回「ブランチの会」を催していて、20種類くらいの手作りジャムをテーブルに並べてブランチを楽しむ、なんてことをしていたので、雑貨屋さんにはそのジャムを置いてもらうことにした。
 それがスゴイ反響で「ちゃんとやらなきゃ」ということに。最初は製作のアトリエだけ……と考えていたんだけど、押し寄せてくる波が日ごとに大きくなって、それだけでは済まなくなった。その波とは20〜30代の女性。雑貨屋さんが自由が丘だったので、いわゆる「バギー族」のみなさんが「もっと!」と押し寄せて、ちゃんとしたジャム屋を作らないといけないのかなぁ、と。
 カフェブームの頃に「カフェの作り方」みたいな本を読むと、お金が何千万円も必要で、国民金融公庫で借りて……なんて話が載っていた。だから「私には無理」と思っていたんだけど、ある人が「ジャム屋さんやらない?」なんて声を掛けてくれて。結局、その話自体はポシャったんだけど「そうか!」と気が付いた。会社の一事業部みたいな形で立ち上げてもらって、その会社で運営してもらったら、働いてくれる人も安心できるのではないか、と。私はお金のことが苦手なので、作る方に専念しよう、と。そういう人がたまたま見つかって、お店を開くことが出来た。「人に任せる」ことができる性格で良かったと思う。
 私のジャムはお菓子のようなジャム。ジャムというと、イチゴ、マーマレード、ブルーベリーというのがこれまでの定番で、フレッシュなのが良いとされてきた。でも逆のアプローチで、お菓子をジャムにして、フレッシュじゃなくても美味しい、というジャムを作りたかった。それで出来上がったのが、日持ちがする上に美味しいジャム。中には1〜2日置いた方が美味しいものもあったりする。
 子供の頃から手作りジャムと市販のジャムの味の違いが疑問だった。「市販のジャムはなんでどれも似たような味なんだろう?」とずっと思っていた。そして大人になって気付いたのが「ペクチン」という物質。これはもともとフルーツに含まれている物質なんだけど、それを抽出して粉状にしたモノがある。それを試しに手作りジャムへ入れてみたところ、見事に市販のジャムの味になった。もちろん手作りジャムにそんなモノは必要ない。それだけでも手作りジャムは美味しい。

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畠山京子さん(恵比寿「コミュニケーション・マニア」オーナー)

『雑貨屋のはじめ方』の話

 お店は一度出すとなかなかやめられないので、経験がないと難しい。たとえばやりたいお店が決まっているなら、雑貨屋さんなら雑貨屋さんで、洋服屋さんなら洋服屋さんでアルバイトをしてみてからの方が良いと思う。
 お店をオープンさせるに当たって、一番の悩みはやっぱりお金。それから私の場合は、物件も気に入ったところがなかなか見つからなくてけっこう苦労した。最初は吉祥寺で探して、それから恵比寿、代官山近辺。雑誌で雑貨屋さんの特集なんかが組まれそうな、比較的土地勘のある場所ばかりを探していたので、人通りなどは特に調べなくてもわかっていた。その辺もわかっている場所を選んだ方が良いかもしれない。
 最初に必要な資金はケースバイケースだけど、良い場所なら1千万円とか。最近多い「自宅開業」なんかだと全然安く済む。一番お金がかかるのは物件の取得なので、そこが安く抑えられれば初期費用も抑えられる。だからやりたい町、やりたい事によっても違ってくるけど、少額でも始めることは可能。
 商品の仕入れに関しては、私は前の会社でバイヤーをやっていたので知識があった。もし全然わからない場合は、雑貨なら年に2回「ギフトショー」が国際展示場で行われているので、そこで好きなタイプの雑貨を作っているメーカーを探すのが良いと思う。ただ、そこでばかり探していると他のお店とかぶってしまうので、なるべく他のお店では扱っていなさそうな品を探す努力も必要になる。たとえば私は、雑貨屋さんに行くとパッケージの裏に書いてある電話番号をこっそりメモしたりする。
 お店を作る時には「コンセプトがしっかりしている」ことが大事。老舗の雑貨屋さんを見ても、コンセプトがしっかりしていて、それに基づいた仕入れをしている。だからお店のカラーはいつも同じで、それでいて新鮮なモノが揃っている。自分のポリシーがハッキリしない内にお店を始めてしまうと、好きなモノだけで揃えてもお店としてまとまりがなくなってしまう。
 時代が多少変わっても大丈夫そうなコンセプトを持つこともオススメ。あまりにカッチリ堅めすぎてしまうと流行遅れになってしまう可能性もあるので、馴染みのお客さんにいつも安心して買っていただくには柔軟性のあるコンセプトだと良いと思う。

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経沢香保子さん(「Trenders」代表取締役)の

『お店を始める時のコツ』の話

 「お店をやりたい」という女性は多い。特に多いのが「サロン的な場を持ちたい、そこでお客さんの笑顔を見たい」と思う女性が昔から常に一定の割合で確実にいる。
 私としては、最初から大箱を持つのはリスクが高いので、スタンドの健康ジュースのお店、お弁当屋さん、ネイルサロンといった「小さいスペースで出来るお店」が良いと思う。つまり初期投資をできるだけ抑える、ということ。
 一番良いのは移動型。たとえば余り知られていないけど、お弁当屋さんなんて意外なくらい儲かる。ある知り合いはお昼に道を見ていたら、専門学校から出てきた学生が次々にコンビニで弁当を買っていくのを見かけた。それを見てふと思いついて、パートのおばちゃんにお弁当を作らせて自分で売ったところ、毎日20万円も稼いだのだとか。その後、その人はそのお金を軍資金に旅行会社を立ち上げて、今ではかなりの成功を収めている。
 移動型ならクルマ一台分の費用で済むのが何より大きい。ウチは派遣をしているけど、女性の場合は「家に来られるのは嫌」という人も多いので、ワゴンに乗って近くまで行って仕事をする、というのは向いている。
 社長になる、会社の経営をする、というのは思っている以上に予想外の事態が起こるもの。いかに原価を少なくして早く改修するかが鍵になる。だから小さいお店で慣れておいた方が良いし、それで成功したら大箱をやったり、小さいお店を増やせば良い。
 とにかくポイントは初期投資と固定費を減らすこと。ジュース・スタンドなんてあちこちの駅やデパートにもあるけど、本当に儲かるのでは。移動式なら花火だのフリーマーケットだの、どこでも行けて毎日楽しく稼げそう。
 流行のお店に手を出すなら、トレンドのリサーチが必要。たとえば花屋さんが流行っている。それをちゃんとリサーチすれば、青山フラワーマーケットみたいに小洒落たアレンジをするお店が流行っていることがわかる。そこで「じゃあ次は?」という連想が必要になる。
 ちょっと前は英会話の学校が流行っていた。今は個人レッスンが流行っている。じゃあ次はどんな英語のスクールが流行るか?ということを考えて、時代に合わせてちょっとずつ形を変えていけば、お店の寿命が延びる。地域限定とか、ターゲットを限定するとか、一点豪華で「パンの中に入っているチーズがスゴイ」とか、わかりやすく口コミで広まりやすいポイントが必要だと思う。
 ブランディングは認知とイメージが重要で、特に認知はどんな商売でも必須。誰もがわかりやすいポイントを作ることでお客さんを増やす。それは別に大げさな事じゃなくて、うまく行っているところをモデルケースに“5%のオリジナル”を付け加えれば良い。その5%をどれだけひねり出せるかが勝負。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'29" Tea For Two Della Reese BMG BVCJ-2026
20'24" Night Of My Nights Marilyn Maye BMG BVCJ-2027
31'45" The Sweetest Sound Elsie Bianchi ジャパン ジャズクラブ EGR-5001
40'32" Take It Easy Abbe Lane BMG BVCJ-7356
47'42" Love For Sale Rita Reys Philips UCCM-9144


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