SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年4月2日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー」

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 土曜日の夕方、当店“AVANTI”のウェイティングバーは大勢のお客様で賑わいます。様々なお客さまがグラスを傾け、お喋りを楽しんでおられます。
 そういったお客様たちこそが当店の自慢です。みなさん、映画、音楽といった柔らかい話から、政治、科学のような堅い話、珍談奇談に、怪しげな噂話などなど、とても面白い話をして下さいます。
 誰が言い始めたのかは分かりませんが、常連のお客さまの間では、そんな面白い話をする方々を、敬意を込めて「コニサー」と呼んでいるとか。なんでもフランス語で「目利き、玄人」という意味らしいのですが。
 お時間がございましたら、そのコニサーのお話に耳を傾けながら、素敵な夕方の一時を過ごしていきませんか?


草なぎ剛さん(タレント)の

『ドラマの仕事、司会の仕事』の話

 ドラマ『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』の撮影でハワイに行って来た。
 僕の演じる役はプログラマー。もともと才能のある人間だったのに、家業を継がなくちゃいけなくて、ネジ工場の社長をしている。それがふとしたきっかけでIT企業に勤めることになり、少しずつ才能を発揮して偉くなっていく。お金を得るその一方で、失うモノもあり……という葛藤も描かれることになると思う。
 以前に出演したドラマ『僕の生きる道』の時は、アドバイザーのドクターに「スキルス性の癌なら、どう考えても今の剛クンから10kgは痩せてないとおかしい」なんて事を教えてもらった。それで3ヶ月かけて10kg痩せた。
 痩せた方法は「朝食しか食べない」これだけ。朝食は好きなモノをお腹いっぱい食べる。その代わりお昼も夜も食事抜き。これはけっこうシンドかった。夜、寝る時はお腹が空くんだけど、いつしか「早く朝が来ないかな……」という楽しみも生まれた。とにかく眠ってしまえば、起きた時は朝だから、それが嬉しくて眠れる。病気で死んでしまう役だったけど、演じていた本人はかなり健康的な生活だった。
 そんなドラマの仕事とは別に、司会の仕事なんかも時々している。『がんばった大賞』という番組で、年に2〜3回の番組。それから年に1度『女子アナスペシャル』という番組の司会もしている。
 司会の仕事はそれほど得意じゃないから、いつもイッパイイッパイ。たとえば司会をやっていると「まとめて下さい」なんてカンペがカメラの横に出たりする。でも僕はうまくまとめられなくて、あたふたしてしまう。すると「まとめて下さい」の文字が太くなって、また出される。でも僕はどうにも上手くまとめられない。そんなことが繰り返されて、最後には何が書いてあるか判らないくらい太くて大きい文字で「まとめて下さい」。
 そんな感じで、初めて司会をやった時は失神しそうだった。

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水野裕子さん(タレント)の

『大型自動二輪免許』の話

 昔からずっとバイクが好き。別に昔の彼氏の影響とかじゃなくて、女友達にヤンチャな人が多かったから。と言っても“レディース”みたいなのじゃなくて。
 私自身、ちょっと男っぽい趣味が好きで、子供の頃も女の子と遊んだ記憶がない。ドッジボール、キックベース、カブトムシやクワガタ獲り、そんなことばかりしていた。
 その延長で2年前に自動二輪の中型免許を取り、この間、ついに大型免許を取ってしまった。
 中型免許の時は「簡単だったでしょ?」なんて言われたりもしたけど、私は全然ダメだった。クラッチがあって、ブレーキがあって、アクセルがあって、ギアチェンジがあって……となんて、一度にいろんな事を考えなきゃいけないのが大変だった。
 しかも仕事で生放送の番組なんかはいっぱい出てるくせに、バイクの試験の時の方はガラにもなく緊張した。「このコースでここを曲がって、ここで止まって……」と言われても、それが頭から飛んでしまった。
 でも最近はバイクの免許を取る女性が本当に多くなったらしい。バイクの教習を受ける人が10人くらいいたとしたら、半分以上は確実に女の子。下手をするとほとんどが女の子で、男の子は1人なんてこともあるらしい。
 大型免許と言うと大げさに聞こえるけど、そんなに大変なワケでもない。たとえば倒れたバイクを起こすのも、コツさえ掴めばヒョイッと……は言いすぎだけど、簡単に起こせるようになる。
 大型免許を取ったのは、いわゆる“ハーレー”に乗りたかったから。あの手のバイクに乗って、風を感じながら蓼科とか清里あたりを走りたい。車のドライブじゃなくて、風を感じながらバイクで流したい。車でも窓を開ければ風は入ってくるけど、もっとダイレクトに自然や街に溶け込みたい。
 「自転車でも良くない?」とも言われるけど、自転車の良さとバイクの良さは別。私が夢として描いている中央アルプスあたりのツーリングは、やっぱり大型バイクが良い。
 大きいバイクが向こうからやってきて、お店の前とかで止まる。そこにいた人が「どんなヤツが乗ってるんだろう?」とのぞき込む。そこで私はバイクをおりて、おもむろにヘルメットを取る。「女の人だよ!」という声にならない驚きの声が上がる。これが快感。
 でも実はまだバイクで遠出をしたことがない。せいぜい横浜まで。だから蓼科とか中央アルプスまで行くのが“夢”。

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小谷真生子さん(キャスター)の

『客室乗務員からの転職』の話

 JALにいた時、PA(機内アナウンス)のクラスで教官に「あなたの声は日中のフライトでも夜間フライトになるわね」と言われた。それ以来、自分の低い声がコンプレックス。
 でも別に、客室乗務員を辞めたのはそれが原因というわけじゃない。JALに入る前から「メディアの世界で仕事をしたい」という願望があった。
 父がアナウンサーだったので、子供の頃から“話し方”についてはしょっちゅう直された。今の若い子がよく使う語尾を伸ばすしゃべり方をすると「なんだそれは」とか。イントネーションにも厳しくて「それはアクセントが前に来るぞ」なんて言われた。「なんでそんなに直されるんだろう?」と子供心に思ったけど、今にしてみるとその時に直してもらって良かった。
 最初からメディアを受けなかったのは、アナウンサーにはなりたくなかったから。私の希望は記者だった。新卒で記者になるのは大変そうだったので、一度JALに入って、国際線に乗っていろんな世界を見る(しかもお給料も貰える)。それを経て、中途で記者の募集に応募しようと考えていた。
 JALに在籍中、世界37都市に飛んだ。普通、客室乗務員が海外に行けば、空いた時間でお買い物や観光に行きそうなものだけど、私は相当な偏屈者と思われていたらしい。アメリカへ行けばHPOという24時間の映画専門チャンネルで日本に入ってこない名画をカウチポテトしたり、中国へ行けば天安門、ロシアへ行けばクーデター現場へ行ったりしていた。
 ニューヨークでは放送局の内部も見せてもらった。政治家がよく使う「プロンプター」は、日本では手動が中心なのに、向こうでは機械式にロールする仕組みになっているのには感心させられた。
 一番最初に記者として仕事をさせてもらったのはNHK。電話アポの取り方から取材の仕方、一通り見てもらってOKをもらって、仕事をさせてもらった。ところがその手の“マナー”に関しては、自分でも「接客はJALで仕事にしていたから得意」と思っていたけど、父には「バカ丁寧なしゃべり方は逆に慇懃無礼になるぞ」と注意された。たとえばインタビューの最中に「〜でございましょうか?」なんて言うのは不自然。それをそぎ落とすのが大変だった。
 踏み込んで聞く、というのも接客とインタビューの大きな違い。「これ……聞いたら失礼よね」と思うことでも、インタビューでは聞かなくちゃいけないことがある。その時に相手をお客さま扱いしていたら、その質問をするのは難しい。これも記者の仕事を始めたばかりの頃のジレンマだった。
 今は失礼(?)な質問をして相手が怒り出しても「怒ったって事は……やっぱりそうだったのかな?」なんて考えるようになったけど。

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樋口裕一さん(「白藍塾」主宰)の

『ラ・フォル・ジュルネ』の話

 フランス・ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」というクラシックの音楽祭に行ってきた。
 日本語に訳せば「熱狂の日」。つまりクラシック音楽を熱狂的にやる、という音楽祭。「静かに聴くのが当たり前のクラシックで“熱狂的”なんて、そんな馬鹿な……」と普通は思うだろうし、僕自身そう思っていた。
 現地は7〜8つのコンサートホールを会場に、1つのコンサート(45分〜1時間くらい)が1500円とか2000円という料金。朝の9時から始まって、夜の11時くらいまでやっている。会場はどこも人でごった返して、まるでサッカー場のような熱気に渦巻いていた。
 そして演奏を聴いてみると、本当に凄い。別に超一流の指揮者や楽団が参加しているわけじゃない。でも演奏の質はそれ以上だった。今年は「ベートーベンと仲間たち」というテーマで、ベートーベンの曲でも誰も知らないような曲まで演奏していたんだけど、地元の小学生が退屈もせずに聴き入っていた。
 こんなすごいイベントが出来たのは、ルネ・マルタンというイベントの企画者の力が大きい。この人はすごく良い耳を持っていて、ブランドにとらわれず「今、この人にこの曲を演奏してもらったら、とても良いのでは」ということがちゃんとわかるらしい。
 もう1つ、観客の素晴らしさも大きな力。「偉い演奏家が聴かせてやる、それを聴かせてもらう」というコンサートではなく、「演奏家と観客が一緒になって盛り上げよう、一緒に音楽を作ろう」という雰囲気に溢れていた。
 だからベートーベンの曲も“偉そうなベートーベン”ではなく、“若々しく生き生きとしたベートーベン”になる。演奏家もその雰囲気に乗せられて、必死になって演奏する。終わった後は万雷の拍手。まさに“熱狂”だった。
 お祭りの期間は5日間。僕はその間に21のコンサートを聴いた。同時にいろんな会場で良さそうな演奏会をやっているので、どっちを取るかで身を引き裂かれる思いだった。そして本当に真剣に演奏と、本当に真剣な聴衆がいれば、クラシック音楽でもこんなに一体感が生まれるのか、という事実には心から驚かされた。
 僕は今までにもバイロイト音楽祭やザルツブルグ音楽祭など、超一流の音楽祭に行ったことがあるけど、それに引けを取らない演奏、そしてそれ以上の感動に酔わせてもらった。
 実がこのイベントが今度、東京でも行われる。「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」と言って、ゴールデンウィーク頃に東京国際フォーラムにて。半分以上がオリジナルと同じ演奏家らしいので、今から本当に楽しみ。僕はまた朝から晩まで聴きまくるつもり。

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岡康道さん(「タグボート」代表)の

『スキーをするダチョウ』の話

 最近、テレビCMはハードディスクレコーダーやパソコンの普及で厳しい状況にある。それを打ち破るには「見ずにはいられないCM」を作ることに尽きると思う。しかも繰り返し見ても飽きられないようにするには「謎」が要る。
 たとえばJR東日本のダチョウがスキーをしているCM。実はあのCMは先シーズンから放送していて、先シーズンはダチョウが1羽だった。それが今シーズンからJALとANAが参加した事によって3羽に。そして特にストーリーとして何かが展開しているワケじゃないけど、見ていて飽きない。
 ストーリーがあって、オチがあって、ハイ商品、というCMだと、やっぱり飽きられやすいと思う。1回見ただけでは全部はわからない、そして何度見ても謎の部分が何%か残っている。それくらい「謎」があった方がCMは飽きられない。
 その一方で、理屈が通っていないとクライアントがOKをくれない、という現実もある。だから「謎」のあるCMの企画を通すのは難しいんだけど、先程のJRのダチョウなんかはうまくいった例。
 あのCMは、まずプロスキーヤーにダチョウの格好をさせて滑ってもらった。それでどういう風に体重を掛けて、どういう風にカーブを曲がって、どういう風に止まるかを調べた。そして今度は本物のダチョウを大きな板の上に括りつけて、板を傾けたり風を送ったりして、プロスキーヤーと同じポーズを取らせる。それを合成して、さらに足とか風になびく毛を描き足していった。
 つまり、あのCMに出ているダチョウは本物。あれを全部CGで作ってしまったら、あの質感や微妙な動きは出ない。もっと言えば、CGで作れないことはないかもしれない。でもアナログの方が面白い。本当のダチョウを傾けたりしながら作る方が、絶対に面白いものができる。
 この企画を聞いたJR東日本のある人は「飛べない鳥、だけど世界最速……これは新幹線ですね」と言った。そういう詩的な表現も素敵だと思った。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'38" Together Wherever We Go Peggy Lee Capitol 7243 8 56056 2 8
20'29" This Could Be The Start Of Something Joni James DIW DIW-391
32'14" It's A Lovely Day Today Ella Fitzgerald Verve POCJ-2146
41'54" I Never Knew The Four Freshmen Capitol 7243 4 95002 2 8
48'08" Chattanooga Choo Choo Ray Anthony & His Orchestra Capitol CDP 7243 8 32566 2 4


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