SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年3月19日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「目指せ!トークの達人」

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 お客さまは「喋る/話す」ことが得意な方ですか?それとも苦手だったりするのでしょうか?
 私・小穴はどちらかと言えば聞く方が得意で、話す方は苦手です。もっとも、このお店は話し上手なお客さまが多いので、それで困ることはありませんが。
 今日はそんな話し上手なお客さまが教えて下さった「トークのコツ」を、ここで少しだけご紹介させていただきましょう。そのお話自体が面白くて、ついまた聞き入ってしまいました。


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樋口裕一さん(「白藍塾」主宰/『頭がいい人、悪い人の話し方』著者)

『話し方のコツ』の話

 良い話し方をするには、まず相手の話をちゃんと理解する事。これがダメだと、相手の考えや表情を理解しない一方的なコミュニケーションになってしまう。
 逆に言えば、そこがちゃんとしていれば相手に好感を持たれるし、知的にも見える。悪い事は何もない。別に難しい事でもなんでもなくて「はあ、はあ、、うん、なるほど」と相づちを打っているだけでもずいぶん違う。コレが一番大事で一番簡単なやり方。
 仕事でもそうだけど、女性に対しても同じ。女性の自慢話にも「なるほど、凄いね」と相づちを打てば、良き理解者と思ってもらえる。途中で質問を挟んだりするなど、適切な受け答えをすればなお良い。元手もいらないし、苦労もない、それでとても良い事だらけなのだから素晴らしい。
 男性が女性に対して話す場合、まずは「褒める」こと。体を褒めるのはダメだけど、その人が一番自信を持っているところを褒める。女性の場合、えてしてそれは知性かセンスだったりする。
 服装を褒めるなら、小さい物を褒めるとリアリティが出る。たとえば指輪だとかペンダント。大きな物は誰でもわかってしまうので、“他の誰も気がついていないコト”を「センスが良い」と褒める。これが大事。
 もう1つ、そうやって褒めて仲良くなった後に、さらに近づくためには「自分の弱みを見せる」のが効く。普段は強がっていても、ある特定の女性に対して、ある特定の場において「疲れているんだ」「自信がないんだ」などと言えば、距離がグッと近づく。普段から弱気な人だと効果はないけど。
 それで一遍にコロリと……というワケにはいかないけれど、好意は持ってくれるだろうし、少なくとも悪意を持たれる事はない。

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露木茂さん(フリーアナウンサー)の

『アナウンサー研修』の話

 新人アナウンサーの研修は、とにかく実践すること。野球場やサッカー場へ行って、選手の動きを見ながら瞬間的にどう表現するかという訓練を重ねる。街へ出てレポートをしてくることもある。基礎的な発生・発音の練習を済ませた新人アナウンサーは、そんな研修を1日8時間、それを3ヶ月間続ける。
 フジテレビの場合、そんな研修を積んだ新人アナウンサーが、7月くらいに『笑っていいとも』のテレフォン・ショッキングに登場する。だから僕たちは、研修も終わりに近づくとタモリや鶴瓶に会って「よろしくね!」と頼んでいる。
 以前、とある研修中の新人女性アナウンサーがいた。たしかゴールデンウィーク明け頃だったと思うけど、当時は携帯電話など無かったので、彼女はお昼休みを利用して公衆電話から実家に電話をした。電話口に出たのはお母さん。でも彼女が「もしもし?わたし」と言っても「どなたさまですか?」となかなか信じてもらえなかった。発生の訓練を重ねると、ある時パンッと弾けて、それくらい劇的に声が変わる。声の出し方のコツを掴むと、声の中の雑音がのぞかれて、本来の声の核の部分だけが出てくるようになる。
 でもアナウンサーの発声にセオリーはない。人によって声はそれぞれなので、その人の正しい発声、発音をすれば、それが一番聞きやすい。そもそもアナウンサーを採用する時に「ちゃんと鍛えれば、心地よいアナウンスができるようになる声」の持ち主を1000人に1人くらいの倍率で選んでいるので、そこは心配ない。
 特にニュース向けの声とかバラエティ向けの声も無い。声よりは性格の問題。ただ、僕はアナウンサー部長時代に責任者として河野景子、有賀さつき、八木亜希子の3人娘を採用した時に「この人はバラエティ向きかな、この人は……」なんて事を内心思っていたんだけど、結果的には全部外れた。
 僕がバラエティに足を踏み入れてしまったのは、とある現金強奪事件がきっかけだった。その時、僕は報道センターにいて、最新のニュースを伝える役割を受け持っていた。ところがイヤホンが無かったために「今の状況を伝えていただきましょう」というスタジオからの呼びかけが聞こえず、スタッフと「昨夜のあのお姉ちゃんは良かったね……」なんて話している様子がテレビに映ってしまった。
 それを見ていたバラエティ番組のプロデューサーが「ああいう場面だけを集めた番組を作りたい」と僕の所へ相談に来て、それで生まれたのが『NG大賞』という番組。一生懸命やっているほど失敗のシーンはおもしろいもので、“人の不幸は蜜の味”とは本当によく言ったモノ。

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福島直樹さん(就職コンサルタント)の

『面接での話し方』の話

 たとえば「学生の頃に打ち込んだ事は何ですか?」という面接によくある質問。この質問に対する学生の答え方で、その学生が賢いのかアホなのかがある程度見える。
 自分が見たとんでもない学生を例に挙げると、まず集団面接では個人面接と違う点が1つあって、隣の学生が喋っていることをちゃんと聴いてなければいけない。これが遠くを見て関係ない事を考えていたりすると、面接官に「協調性がない」とと判断されてしまう。
 さて、話をとんでもない学生に戻すと、その学生は「他人の話もちゃんと聴いてます!」という事を伝えたくて仕方のないヤツだった。だから隣の田中クンという学生が緊張してうわずった声で「僕は学生時代にファミリーレストランの接客に打ち込んでいました!」なんて言おうものなら、ソイツが横から「なるほど」と合いの手を入れる。これには面接官の僕もビックリした。
 でも田中クンがその影響を受けちゃ可哀想だから「ああ田中クン、気にしなくて良いから」なんてフォローを入れて、改めて「その打ち込んだ事で学んだ事は何ですか?」と聴く。するとやっぱり緊張した田中クンは上ずった声で「私は“やればできる”という事を学びました!」と絶叫。まあ、それが普通の学生というもの。ところがまたとんでもないヤツが横から「うーん凄い、僕には出来ない……」なんてつぶやく。内心「お前は出来なくてイイ!」と思った。
 この横槍を入れるヤツのどこがダメかというと、相手に対する想像力が働いていないところ。自分が謎の合いの手を入れることによって、面接官が違和感を感じる、喋っている田中クンに迷惑が掛かる、そうこう事が想像できない。よく言われる「空気が読めない」というヤツ。
 今度は別のヤツのお話。ある学生に「自己PRをして下さい」と言ったら「私はとても準備の良い人間です」と言った。「私は何が必要かを常に考えて、注意深く用意しています。よって私のカバンは常に膨らんでいます。」見事にポイントがずれていた。「特に、ホッチキスが必要な時など頼られる存在です。いざとなれば5秒で出します。」私はこの男にホチキス男と名付けた。
 就職活動というのは自分という商品を営業する場。つまり自己PRは自分という商品の広告に等しい。自分の魅力を伝えて、相手に「欲しい」と思わせなくてはいけない。「ホチキスが5秒で出せる」では欲しいとは思わない。
 僕は面接が終わった後、ホチキス男を呼びつけて説教をした。「キミが会社に入って定年退職するまでに、会社が払う賃金は2億円とも3億円と言われる。たかだかホチキスを出す男に3億円は高いと思わないか?!」するとホチキス男はこう答えた。「うーん、そうかもしれません。でも僕だってスキルが上がります。5秒が3秒になります。」またピントがズレている。
 こういうピントのズレた人間はとことんズレているもの。最後に質問があるんですけど…と言うので聞いてみたら「面接中に鼻血が出たらどうすればいいんですか?」なんて質問。「そんなものティッシュで拭け!」と答えたら「それでもドンドン鼻血が出てきたらどうするんですか?」と。
 「ティッシュを詰めておけ!」と答えたけど、本音では「お前はホッチキスで止めろ」と言いたかった。

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山本一太さん(参議院議員)の

『政治家の演説』の話

 親父さん(父・富雄さん)は演説の上手いタイプの政治家だった。もともとはスキーの選手で、オリンピックのコーチまでやって、それから町会議員、県会議員、参議院議員と本当に叩き上げの政治家だったから、有権者の求めているものがわかる、どういう言葉を使ったら有権者に響くかがわかる人だった。
 最初の参議院選挙の時、親父さんは急性肝炎になってしまい、ほとんど動けなくなってしまった。でも河川敷に3000〜4000人が集まるという大きな大会に、医者から「命の保証はない」と言われながらも注射を打って出席した。その時の演説が親父さん一世一代の名演説。フラフラになりながらテントの柱に掴まって「今日もずっと群馬県を歩いて回った。自分の靴は泥だらけだ。でも、この群馬県の土がいっぱい付いた靴で赤い絨毯を踏みたい!」これには会場中の人が泣いた。
 私はその演説のテープを聴いて「これが演説の力なんだ」と感じた。今でもそのテープはとってある。
 心底、演説が上手いと思った政治家といえば、中曽根康弘元首相。上手いというか、メッセージ力が強い。あの年齢になっても研究を重ねて、自分のスピーチを進化させようとするその姿勢には感心するばかり。まだ自分のスピーチを録音して後で聞き直しているというのだから凄い。
 さらに80歳を超えてなお、今現在アメリカの議会でどういう議論が行われているのか、経済学者の間で最新のトレンドはどうなっているのか、そんな最新の知識を入れながら演説する。
 そして中曽根元首相の言葉遣いには、人の心を奮い立たせるような言葉がちりばめられている。「私は年寄りと言われているけど、政治家には年は関係ない!政治家には覇気があれば良いんだ!」なんて言われたら、ついドキッとしてしまう。
 やっぱり政治家は“言葉のビジネス”。人にモノを上手く伝えられないようでは、選挙は勝ち抜けない。だから演説、スピーチは選挙におけるもっとも重要なファクターの1つになる。
 議員をやっていると地元の結婚式に呼ばれてスピーチをする機会も多い。そういう時、自分は必ず新郎新婦の経歴に目を通して、その人たちに合わせたスピーチをする。ところが案外、世の政治家には同じ事ばかりを喋る人も意外といるもので、たとえば新年に商工会議所の新年会を回ると、どこへ行っても同じスピーチをしている政治家を見かける。
 「昔、与謝野鉄幹という人は言いました、妻を娶らば才たけて……」おいおい、先月の結婚式でも聞いたぞ、なんて話ではセンスがないことを自ら証明しているようなもの。自分は大変でも必ず違う話を用意して、同じ話は2度としない。それは自分のポケットが多いという証明になるから。

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岡康道さん(「タグボート」代表)の

『プレゼンのトーク』の話

 広告のプレゼンの時、僕らが提示できるのは完成品じゃない。テレビのコマーシャルだったら4コマ漫画のような絵コンテ、新聞やポスターならラフデザイン。それで何億、何十億の仕事に繋がっていくのだから「広告屋がまたウマイこと言ってる」と思われているようでは、プレゼンは通らない。
 だから僕は、広告のプレゼンは別に口が上手くなくても良いと思っている。プレゼンを受ける側の気持ちになって考えると、口先の上手い人よりは朴訥とした人の案を採用したくなるのでは。
 もちろん、出すプランが面白くなければいけないのは大前提。面白いプランをつまらなく説明するのは難しくて、どんなに朴訥としたしゃべり方でも面白く聞こえる。だからそこで勝負するのがいい。
 つまらないアイデアしか出なかった時に、プレゼンで面白そうに見せて採用されたこともあった。でもそれは当然オンエアの時にバレてしまう。「キミ、あんなに面白そうに話してたのに、つまらないじゃないか!」と言われてしまったら、信用も失うし、自己嫌悪にも駆られる。
 たとえば普段、マンションや車など大きな買い物をする時も、営業の人の話を聞く。そういう時に口の上手い人だと、なんとなく嫌な感じがする。それは広告も同じことなのでは。だから広告の制作を担当を人間もプレゼンの時は営業と一緒にクライアントの前に出るけど、商品名と企業名さえ間違えなければ、朴訥としたしゃべり方でも大丈夫。
 それとは別に、臨機応変さも広告屋として絶対に必要な資質。ある課題を言われたら、その場で3つくらいの解決策を言えなくてはいけない。ただそれを流れるように言う必要はない。ポツ、ポツ、ポツと言えばいい。
 それから、面白いプランを説明するときは、どう喋っても大丈夫ではあるけど、そのプランを考えた人が喋るべき。広告制作者は30%くらいはセールスマンにならなきゃいけない。上手なセールストークは出来なくてもいいけど「売りに行く」という仕事は必ずある。
 時には「こんな感じのコマーシャルになりますよ」というビデオ・コンテを作ることもある。僕らのような仕事に就いている人の多くは、元々ビデオをいじったり編集したりすることが好きなので、映像を繋いで音楽を付けて、という「ビデオ・コンテを作る作業」が楽しくて仕方がない。しかも公にするビデオじゃないから、どんな映画の映像でもどんな音楽でも好き放題に使える。それが楽しくて業界内でビデオ・コンテがものすごく流行った。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'27" This Could Be The Start Of Something Dorothy Collins CORAL RECORDS MVCJ-19230
19'33" It's Too Good To Talk About Now Blossom Dearie Verve POCJ-2653
26'10" Talk To Me Keely Smith JASMINE JAS
36'40" Why Do I Love You Helen Carr BETHLEHEM COCY-9929
47'21" As Long As I Live Peggy Lee Capitol TOCJ-5342


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