たとえば「学生の頃に打ち込んだ事は何ですか?」という面接によくある質問。この質問に対する学生の答え方で、その学生が賢いのかアホなのかがある程度見える。
自分が見たとんでもない学生を例に挙げると、まず集団面接では個人面接と違う点が1つあって、隣の学生が喋っていることをちゃんと聴いてなければいけない。これが遠くを見て関係ない事を考えていたりすると、面接官に「協調性がない」とと判断されてしまう。
さて、話をとんでもない学生に戻すと、その学生は「他人の話もちゃんと聴いてます!」という事を伝えたくて仕方のないヤツだった。だから隣の田中クンという学生が緊張してうわずった声で「僕は学生時代にファミリーレストランの接客に打ち込んでいました!」なんて言おうものなら、ソイツが横から「なるほど」と合いの手を入れる。これには面接官の僕もビックリした。
でも田中クンがその影響を受けちゃ可哀想だから「ああ田中クン、気にしなくて良いから」なんてフォローを入れて、改めて「その打ち込んだ事で学んだ事は何ですか?」と聴く。するとやっぱり緊張した田中クンは上ずった声で「私は“やればできる”という事を学びました!」と絶叫。まあ、それが普通の学生というもの。ところがまたとんでもないヤツが横から「うーん凄い、僕には出来ない……」なんてつぶやく。内心「お前は出来なくてイイ!」と思った。
この横槍を入れるヤツのどこがダメかというと、相手に対する想像力が働いていないところ。自分が謎の合いの手を入れることによって、面接官が違和感を感じる、喋っている田中クンに迷惑が掛かる、そうこう事が想像できない。よく言われる「空気が読めない」というヤツ。
今度は別のヤツのお話。ある学生に「自己PRをして下さい」と言ったら「私はとても準備の良い人間です」と言った。「私は何が必要かを常に考えて、注意深く用意しています。よって私のカバンは常に膨らんでいます。」見事にポイントがずれていた。「特に、ホッチキスが必要な時など頼られる存在です。いざとなれば5秒で出します。」私はこの男にホチキス男と名付けた。
就職活動というのは自分という商品を営業する場。つまり自己PRは自分という商品の広告に等しい。自分の魅力を伝えて、相手に「欲しい」と思わせなくてはいけない。「ホチキスが5秒で出せる」では欲しいとは思わない。
僕は面接が終わった後、ホチキス男を呼びつけて説教をした。「キミが会社に入って定年退職するまでに、会社が払う賃金は2億円とも3億円と言われる。たかだかホチキスを出す男に3億円は高いと思わないか?!」するとホチキス男はこう答えた。「うーん、そうかもしれません。でも僕だってスキルが上がります。5秒が3秒になります。」またピントがズレている。
こういうピントのズレた人間はとことんズレているもの。最後に質問があるんですけど…と言うので聞いてみたら「面接中に鼻血が出たらどうすればいいんですか?」なんて質問。「そんなものティッシュで拭け!」と答えたら「それでもドンドン鼻血が出てきたらどうするんですか?」と。
「ティッシュを詰めておけ!」と答えたけど、本音では「お前はホッチキスで止めろ」と言いたかった。