SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年3月5日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「血液サラサラ」

image

 最近の健康ブームといえば“サラサラ血液”ですよね。ポリフェノールの力で血液をサラサラにするために、私も日々、赤ワインを飲むよう心掛けています。いえいえ、決して「ワインを飲みたいだけ」なんてことは……(汗
 血液といえば、ついこの間、某テレビ番組の「血液型による性格判断」も話題になりました。マジメに考えるべき点もあるようですが、ここバーカウンターでは、ぜひ楽しく血液型と性格のお話をしていただければと思います。その方が間違いなく女性のウケも良いですし。
 それでは、本日は当店にいらっしゃったお客さまの“血液”に関するお話を少しだけご紹介させていただきましょう。


image
前川輝光さん(亜細亜大学教授)の

『血液型による性格判断』の話

 O型は“おおらか”“大雑把”と言われるけど、それには良い面も悪い面もある。たとえばあんまり細かいことを言う人よりもとっつき易いので、集団のボスや指導になるケースが多い。野球の監督でもO型だと黄金時代を築く。やっぱりそういう監督の方が選手もノビノビとやれるのでは。
 逆に、O型の監督だと情にもろい部分もあるので、日本シリーズあたりは負けてしまったりする。冷酷に判断しなければいけないところで温情をかけてしまって失敗するケースがここ2年連続した。阪神の星野監督は安藤投手に温情をかけてしまったし、中日の落合監督は岡本投手に温情をかけて、それぞれシリーズを逃してしまった。
 これがA型だと、割り切るところを割り切れるので、日本シリーズの勝率は非常に高い。その一方で、ペナントレースで黄金時代を築くことはあまりない。「ここぞ!」という所では力を発揮するその割り切りも、長い時間を付き合うにはくたびれてしまうのだろう。
 そんな感じで、一口に「O型は“おおらか”“大雑把”」と言ってもその功罪はいろいろ。
 私が血液型と人間の性格や行動性に関する話をするにあたっては、ちゃんと裏付けがある。その裏付けとは、この話に関する大先生の能見正比古さんが挙げた4つの方法論に依る。
 まずは「観察」。これが地味に見えて一番核心をつくことが多いと言われていて、日々、血液型のデータを頭に入れていながら、自分の周辺、テレビや雑誌に出てくる人のことを観察する。
 それからプロ野球や相撲などのデータを集めてみて、統計的に処理をした上で日本人の平均と較べ、違いが甚だしい場合にその意味を考えるのが「分野別データの収集分析」。たとえばスキーのジャンプ。長野で金メダルを取った原田、船木、岡部、斎藤といったメンバーはほとんどがA型だった。その前も“日の丸飛行隊”と言われた笠谷なんかもA型で、スキージャンプで活躍した人にはA型が多い。相撲の世界もA型が目について、千代の富士、双葉山などの名横綱を輩出している。
 その他には「アンケート」も実施している。これは血液型とは関係のない“性格心理学”で最も用いられる方法で、その応用。そして4つ目が「行動の集中的観察」。能見さんは大相撲の力士の立ち会いで、右足から踏み込むか左足から踏み込むかを丸1日かけて全部調べてみたところ、B型だけ特殊だったらしい。
 主にこの「観察」「分野別データの収集分析」「アンケート」「行動の集中的観察」の4つ手法を用いて、血液型と性格の関連づけは行われている。だから“まったく根拠のない話”をしているわけじゃない。
 でもそれが時代によって変わってくるのが難しかったりする。今はB型が「友達にしたくない」「信用できない」などと言われるのに対して、O型の男性が非常にもて囃される時代。木村拓哉さん、妻夫木聡さん、福山雅治さん、江口洋介さん、みんなO型。
 女性の場合、松嶋菜々子さんを筆頭に、ここ10年以上はA型の時代。これは山口百恵さんが出てきた73年頃からの傾向で、その前はO型だった。AB型ももて囃された時期があったけど、今はB型並みにダメ。そんな感じで、時代によって流行り廃りはある。

【Hot Link !!】





image
大村政男さん(日本大学名誉教授)の

『血液型による性格判断』の話

 血液型によって性格が違うのでは……という説を最初に唱えたのは日本人。原来復(はらきまた)さんという人で、1915〜1916年頃のお話。ところが最初は誰も相手にしなかった。
 そしてしばらくして、日本の軍医さんたちが「血液型によって兵隊の能力は違うか」ということを研究しだした。そして実際に井上さんという軍医さんが、O型とB型の部隊を作ってみた。「意志が強いO型と感情的に強いB型をグループにすれば、戦闘に強いグループができるのでは」と考えたのだとか。でも実験的に作っただけで、その後は正式に採用されるということはなかった。
 私自身は、血液と性格に関連は無いと思っている。ところが統計を取ってみると、意味のある数値が見つかる。ただ、統計的に何かが出てきたからと言って、個人には当てはまらない。たとえば三段跳びの選手にはO型が多い、とする。じゃあO型の人間を集めて訓練すれば三段跳びの選手としてモノになるか……と言えば、そんなことはない。
 統計を取ると、無知的暴力犯にはO型が多いけど、同時に総理大臣にもO型が多い。そういう統計の結果を説明するために、血液型と性格の関連を信じる人たちは「O型は普通の人と違ったことをする」と言う。要するに“どっちに転んでも良い”言い方に過ぎない。
 血液型で性格を規定してしまうのは、区別が非常にハッキリしているから。ドイツの精神医学者クレッチマーは、肥満型の人は穏当で気立てが良い、痩せ型の人間は非社交的、と言ったけど、ところがどこまでが肥満型でどこまでが痩せ型かが今ひとつハッキリしずらい。それに対して血液型は明確に違いがある。
 さらに4つという数も覚えやすくて、類型化するのにちょうど良い。星座の12だと多すぎて覚えにくいけど、4つなら誰でも覚えられる。類型化するには3〜4つ、多くても6つくらいの分類が向いている。
 そんな利点があるので、血液型による性格判断は人気を博している。

【Hot Link !!】





image
溜渕昌徳さん(日本赤十字社)の

『献血と輸血』の話

 献血をしてくれる人はどんどん減っている。日本赤十字社としては献血ルームなどを作り、人に集まってもらえるよう努力しているけど、参加してくれる人は減り続けている。
 ただ、量としてはなんとか需要を賄えている。これは昭和61年から400mlの献血と成分献血が導入されたおかげ。血液は主に赤血球、白血球、血小板などで構成されていて、「赤血球が必要」という場合にはその必要な成分だけを輸血してあげる、というのが今の輸血。その観点から導入されたのが成分献血だった。これによって、たとえば血小板なら1人から20人分を賄えるようになった。
 成分献血とは言っても、採血の段階では血小板だけというわけにはいかない。採血して、遠心分離器で血小板だけ分離して、他の成分を戻す。その工程は閉鎖回路の中で行われるので、一切外気に触れることなく、一連の流れの中で行えるようになっている。
 だから献血の際には「どういう献血をするのか」を聞くし、こちらかもお願いする。毎日、医療機関から「AB型の血小板を20単位欲しい」などのオーダーが入るので、それに即した血液を集める。
 AやBなどの血液型の区分は、赤血球に付いている血液型の分子で区別される。もちろん間違えると大変なことになる。ただ、O型は「型分子がない」ということなので、1度くらいなら違う血液型の人に輸血しても大丈夫。でも、それもあまり続けるのは良くない。
 血液型は赤血球の問題なので、血小板などの成分輸血なら問題はなさそうなもの。だけど遠心分離をしても、ほんのわずかに赤血球は残ってしまう可能性はある。だからよっぽど切羽詰まった状況でもない限り、血小板だけの輸血でも血液型は極力合わせる。
 RHのプラスとマイナスも血液型の一種。細かい分類まで含めれば、血液型は100種類以上ある。A、B、O、ABというのは非常に簡易版の表現で、中にはもの凄くまれな血液型もある。
 輸血の時に最低限合わせなければいけないのは、AとかBの血液型と、RHのプラスとマイナス。これは輸血する前に、体外で必ず実際の血を使ってチェックする。輸血をされる人の赤血球と輸血をする人の血漿、さらにその逆を混ぜ合わせてチェックする。血液が凝固しなければ輸血しても大丈夫。これをクロスマッチと言う。
 もし凝固した場合は、なにかしらの要素があることがわかる。それはラージEとかスモールCとか、あまり知られていない血液型の因子が原因。そういう時はちゃんと調べて他の血液を輸血すれば済む話なので、それほど困ることはない。
 たとえば、僕が大怪我をして、輸血しなきゃいけないとする。そしてその僕のポケットには献血手帳が入っていて、B型と明記してあったとする。じゃあB型の血液を輸血しましょう……とは絶対にならない。必ず輸血する前にはクロスマッチでチェックして、大丈夫なことを確認してから輸血を行う。
 だから自分の血液型を知っていて何かメリットがあるかと言われると、それは微妙なところ。

【Hot Link !!】





image
石井直方さん(東京大学大学院教授)の

『加圧トレーニング』の話

 ある時、佐藤さんという人が、僕の所に「腕や脚の付け根を縛って、血液の流れを少し悪くしてトレーニングをすると、すごく筋肉が太くなる」と言って、その理由を調べて欲しいと依頼してきた。僕は「そんなことをしても体に悪いだけですよ」と言って取り合わなかったんだけど、佐藤さんがあまりに熱心に言ってくるものだから、実験してみた。
 ところが実験してみてビックリ。軽い負荷でトレーニングしているのに、3ヶ月で30%も筋肉が太くなった。これが「加圧トレーニング」の始まり。ちなみに最初は「血の流れを阻害してやるトレーニングだから“阻血”にしようか」とも考えたんだけど、どうもイメージが良くないので“加圧”にした。専門家の間では「意味が分かりにくい」と不評なんだけど。
 本来、ウエイト・トレーニングでは最大負荷の80%程度の負荷を掛けるもの。ところが加圧トレーニングでは20%の負荷でも筋肉が肥大する。ただ、軽い負荷で楽々トレーニング、というわけではない。血液の流れを阻害することで、20%の負荷でも感覚的にも実効的にも80%の負荷になる、というのがこの加圧トレーニング。
 だからと言って「じゃあ試しに紐で腕を縛ってやってみようか」と考えるのは非常に危険。下手にやると血栓が出来てしまい、一歩間違えると命に関わる。だから加圧トレーニングをやるときは、訓練を受けた専門科が締めないとダメ。
 自宅で気軽にやろうと思ったら、専用のウエアが市販されている。腕と脚の付け根にベルトが組み込まれていて、買う時に“加圧フィッター”と呼ばれる専門家にそのベルトを調整してもらう。このウエアがPhenixから発売されている『カーツ』。
 カーツを身につけてウォーキングをしただけで、太股に筋肉が付く。普通、ウォーキング程度の負荷で筋肉が付くことはないんだけど、加圧トレーニングなら可能。30歳から70歳になるまでに脚の筋肉は半分に落ちてしまうので、高齢者のトレーニングにも向いている。
 実は加圧トレーニングのターゲットは寝たきりの方や怪我をしたスポーツ選手のリハビリテーション。最初の研究結果が出た時に「これは10年後20年後の日本を救うトレーニングになる!」と感じた。実際、寝たきりだった104歳の方が加圧トレーニングによって日常生活に復帰したり、96歳の男性が加圧トレーニングによって足腰が強くなっていき、ある朝突然「男が甦った」と感激した事例が報告されている。

【Hot Link !!】





image
桑井太郎さん(杏林大学病院医師)の

『ポリフェノール』の話

 “血液サラサラ”という概念は比較的最近出てきた考え方。ドロドロかサラサラか、と言われればサラサラの方が良い。
 ただ、血液は赤血球や白血球のような細胞でできた成分と、血漿のような水のような成分から成っている。たとえば汗をかいて血がドロドロになるのは、水分が失われて血漿が少なくなった状態を指す。これが酷くなると“脱水状態”になる。
 これとは別に、赤血球や白血球が固まりやすくなってしまうことがある。これが最近話題になっているドロドロとサラサラ。水分とまったく関係がないわけではないけれど、区別して考えても良い。
 ポリフェノールは血球と血管に働きかける効果がある。だから表現としては血液がサラサラになるというよりは、血流が良くなる言った方が正しい。ただしその効果は全部が分かったわけではない。
 本来、ポリフェノールは抗酸化作用が強くて、字の如く酸化に抵抗する物質で、物が錆びたり傷んだりするのを防いでくれる物質。もともとポリフェノールは植物の中にあって、約4000種類くらいあると言われている。有名なところでは緑茶に入っているカテキン、ソバに入っているルチン、大豆に入っているイソフラボンなど。このあたりはすべてポリフェノールの一族と言われている。だから本来は“ポリフェノール類”と呼ぶのが正しい。
 ただ、問題は濃度。たとえばフラバンジェノールというポリフェノール類なら、フランス南西部の海岸松の皮に高濃度で含まれていることがわかっている。この知識は大航海時代くらいまで遡ることができる。アメリカの先住民族が「松を煮だしたモノは健康に良い」という知識をフランスの船乗りに教え、それを実践してみたところ船乗りの天敵「壊血病」が直ったという記録が残っている。
 フランス南西部のランド地方に生えている海岸松は、皮が非常に厚く、紫外線に抵抗するためのポリフェノール類“OPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)”を大量に含んでいる。
 ポリフェノールは、まだまだ実験を重ねて検証していかなければいけない分野ではあるので、すでに病気になってしまった人に効果があるかどうかは分からない。だけど、これから生活習慣病になるかもしれない人たちに使うのであれば、効果としては良いのではないか、という位置付け。
 僕自身も自分の体で実験してみた。自分自身とボランティアの人でフラバンジェノールを飲んでみたところ、血管が拡がる力や血液の固まりやすさが正常な範囲により近づくという結果が出た。この結果は昨年、学会でも報告したし、世界中の有名な雑誌で「ポリフェノールが健康に良い」という報告が相次いでいる。

【Hot Link !!】







放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
10'28" Taking A Chance On Love Pati Page Universal UCCM-9037
21'18" Great Scot June Christy Capitol 7243 5 35209 2 2
31'17" We've Got Us Steve Lawrence & Eydie Gorme MCA MCAD-20850
41'38" Lucky Day Annie Ross 東芝EMI TOCJ-9463
48'16" Love Joe Derise Bethlehem 20-40012


 Back