SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年1月22日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「酉」

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 今年、2005年の干支は“酉(とり)”ですが、「酉」という字は「鳥」とは本来なんの関係も無いんだそうですね。これはそもそも干支の十二支が、時刻や方角を言い表す言葉に後から覚えやすいよう身近な動物を割り振ったものだからなのだそうです。
 とはいえ、日本人にとって、やっぱり今年は「とり」の年。当店にいらっしゃったお客さまも様々な「とり」のお話で盛り上がっていらっしゃいます。今日はそんなお客さまのお話を、少しだけここでご紹介させていただきましょう。


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猪股善人さん(中目黒『鳥よし』主人)の

『焼き鳥』の話

 焼き鳥を焼く技術は簡単そうに見えて奥が深い。
 まず炭のことをわかっていなければいけない。それから焼いている鳥の状態もわかっていなくていけない。相手にしている“物”のことをよく知っていないと、それに対してどうできるかが違ってくる。
 大きさや形をちゃんとそろえて斬るのはそんなに難しくない。それよりも難しいのが串に刺す方。幅を一定にしながら刺していくのが、慣れないとなかなか難しい。だから家庭でできそうでできないのが焼き鳥。家でやろうと思っても非常に難しい。
 ウチワを使っているのは熱を逃がすため。もちろん火をおこすために使うこともある。このウチワの使い方が難しい。そしてもう片方の手でタイミングよく串を回す。そして串を回した時に、バランスよく刺してないと、思った場所で安定してくれない。それが串に刺すのが難しい理由。
 焼き鳥の焼き方の上手い下手は、中にジュース(肉汁)を閉じこめて焼けるかどうか。それはすなわち、一番良いポイントで火から上げることができるかどうかに掛かっている。素人にとって難しいのはその見極め。今が一番良い状態かどうかが素人にはわからない。それから表面が固くなっているのに中は生、というケースもある。これはウチワで扇いで熱を逃がさないから。ウチワを上手く使えないと良い焼き鳥は焼けない。
 焼き鳥の大きさはお店によってさまざま。これは串の長さが焼き場の鉄橋の幅によって決まってくるから。その幅に合わせて串の長さが決まり、串の長さで肉の大きさもある程度決まってくる。
 本当は、肉は大きくした方が美味しい。焼いた時に、大きければ大きいほどジュースがたくさん残るから。でもお客さんもいろんな種類を食べたいだろうから、大きすぎるのも困りもの。その兼ね合いの取れる範囲をずっと工夫してきた日本人は食に対してどん欲だと思う。

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滝沢沙織さん(女優)の

『年女』の話

 去年は『プライド』『アットホーム・ダッド』『バツ彼』『八雲樹』とコンスタントにドラマの仕事を入れてもらえて、日々が勉強だった。
 そして今年も『みんな昔は子供だった』が放送中。さらに公開中の映画『ゴーストシャウト』の主役までやらせていただいた。
 映画の撮影はちょうど『プライド』の撮影と同じ時期で、ドラマの撮影スケジュール表には私の欄に「▲(出しマーク)」が付いていた。これは「この人は後に別の仕事があるのでこの時間までしか居られません」という意味。それを見た佐藤浩市さんに「何かあるの?」と聞かれたので、遠慮がちに「実は主演映画を撮ってまして……」と答えたら、佐藤さんは「大丈夫なのか?せっかくの初主演映画だったら集中してやった方がいいから、事務所にそう言った方が良いぞ」とアドバイスしてくれた。そして最後に「頑張れよ」と励ましてくれたのが本当に嬉しかった。
 そんな私も今年は年女。でも『プライド』の時は26歳という設定の役で、さらに佐藤浩市さんや木村拓哉さんに「本当は27〜28歳くらい?」と言われたのがショックだった。「ちょっと待って下さい、私、いま22です」って言ったら「?!まだ子供じゃん!」なんて、そう言われるのもちょっとショック。でも、私はそういう風に見えるらしい。
 今年の目標は「自分の美を追求する」こと。今年というよりも永遠のテーマと言えるかもしれない。昔から大人っぽいと言われ続けてはきたけど、どうも本当に大人になっているようには思えない。その辺をちゃんと考えていきたい。
 バラエティ番組に出るのも良いかもしれない。去年『はねるのトびら』で初コントに挑戦したけど、アドリブにまったく付いていけなかった。ロバートの秋山さんとドランクドラゴンの塚地さんの「哲哉とお父さん」というコントで、最後に思いっきり張り飛ばすのだけはうまく入った。だから意外と悔いはない。

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樋口広芳さん(東京大学大学院教授)の

『恐竜から鳥への進化』の話

 鳥は恐竜から進化してきたと考えられている。
 鳥の最大の特徴は「羽毛」を持つこと。というより、羽毛を持つ動物を鳥類と呼んでいる。ところが最近、中国の遼寧省で、空を飛ぶような体つきではないのにも関わらず、羽毛を身にまとっている恐竜の化石が発見されている。そうなると、鳥類の定義が崩れてしまい、恐竜と鳥類が繋がってしまう。考えようによっては、恐竜は絶滅したのではなく、鳥に姿を変えて今でもそこら辺の裏庭に生きている、なんて言えなくもない。
 これは科学の世界における一大事。1859年にチャールズ・ダーウィンが『種の起源』を発表し、その進化論が世界で受け入れられていくに従って1つの難点が浮かび上がってきた。1つの生物のグループが進化するにあたって、その中間的な生物がいるはず。ところがその中間的な生物の痕跡が当時はまったく見つかっておらず、“ミッシング・リンク(失われた輪)”と呼ばれていた。
 ところが『種の起源』が発表されたその2年後、「始祖鳥」の化石が発見された。これこそが恐竜と鳥を繋ぐ中間生物であるとして、世界中で大ニュースになった。現在は、さらに始祖鳥と鳥、始祖鳥と恐竜を繋ぐ化石がどんどん見つかってきている。
 こういう大グループの間を繋ぐ化石が見つかることはほとんど無いので、これは大きな発見と言える。鳥類の定義が不明瞭になってきたという難点はありつつも、進化という視点から見ると非常に興味深い。
 鳥が空を飛べるようになったのは、まず羽毛の一部が大きくなっていったところから始まったと考えられている。ただしこれは、空を飛ぶためではなく、体温調節のためだった。その伸びた羽毛の内、前の手に付いた羽毛がやがて飛行するための翼になった。でも「なぜ最初は小さかった羽毛が、飛べるわけでもないのに大きくなっていったか」については諸説がある。
 たとえば羽毛をハエ叩きのように使って昆虫を捕まえていたのではないか、という説もある。そしてそのためにだんだん大きくなっていった羽毛が、ある時点から飛ぶのにも役立つようになり、それからは飛ぶために大きくなっていく、ということ。でもこの説で説明しきれないのは「ハエ叩きの役にも立たないくらい小さかった羽毛が、なぜハエ叩きに使えるくらい大きくなったのか?」という部分。
 こういった具合に、進化という考え方は、現在の機能を説明するのは難しくないけど、「なぜそうなったのか?」を探るのが非常に難しい。1つの答えが見つかれば、次の新たな疑問が見つかり、また謎解きが繰り返される。それが科学者にとっては面白いところでもあり、つらいところでもある。

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小林和夫さん(井の頭自然文化園・飼育係長)

『オシドリ』の話

 井の頭公園の池にも渡り鳥が来る。秋から冬にかけてはたくさんの鴨が来ていて、今一番多いのはオナガガモという種類。「ピンテール」なんて呼ばれるくらい尻尾がピンのように長い。それからキンクロハジロ、ヒドリガモ、ホシハジロなんて鴨もいっぱい来ている。
 20年くらい前には、各地で渡り鳥の餌付けが盛んに行われていて、井の頭公園でも餌付けをしていたので本当にたくさんの渡り鳥が来ていた。でも最近は自然の生態系を壊すと言われて、あまり好ましくないということになって、その時期からは較べればだいぶ少なくなっている。
 鴨の多くは植物系のエサを食べている。井の頭公園にはあまりないけれども、たとえばオシドリのようにドングリを食べる鴨もいる。季節によって出来るものを、動物たちはうまく利用して生きている。
 ちなみに井の頭公園では「オシドリ1000羽計画」を進めている。これは井の頭の池にオシドリを定着させて、みなさんに見ていただけるようにしようという計画。井の頭自然文化園の飼育下で増やしたオシドリを池に放して、そのオシドリたちが井の頭の池で繁殖してくれたら……と考えている。
 実は野生の鳥が多いか少ないかは、正確なところがわかりにくい。「昔より減った」と言われても、むかし何羽いたのか数えていた人もいないし。「昔はある場所にたくさんいたのが、今はほとんどいない」という事ならわかりやすいけど、全国的な統計となると「日本にオシドリが何羽いるか」なんて誰も数えていないと思う。
 それがわかるようになってしまった鳥は、かなり危機的な状況にあると言ってもいいくらい。たとえばトキとかコウノトリがそう。トキは有名だけど、ニホンコウノトリという日本産のコウノトリも、もう野生にはいなくなってしまった。時々、大陸から飛んできてニュースになるくらい。
 オシドリは鴨の仲間。俗に“オシドリ夫婦”なんて言われるけど、結婚式で使われる「鴛鴦(えんおう)の契り」という言葉もオシドリを差していている。これは「夫婦が仲睦まじく、末永く」という意味。ところが実際のオシドリは毎年ペアが変わる。仲は良さそうだけど、末永いかどうかは疑問。私は一応、結婚式のお祝いで“オシドリ夫婦”という言葉は使わないようにしている。

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田中丸真輔さんと増田成幸さん(日本大学航空研究会)

『鳥人間コンテスト』の話

 今や鳥人間コンテストの人力飛行機は、条件さえ揃えば30km以上飛べる。琵琶湖の向こう岸まで飛んで、さらに帰ってきたりする。
 自分たち2人はパイロット。でもパイロットとは言え、普段は多少トレーニングしつつ、基本的には飛行機作りをやっている。みんなは「トレーニングだけしておけ」と言うけど、やっぱり飛行機を作るのが好きなので、半々でやっている。
 34kmという記録を残した僕たちの先輩たちは、試験飛行で機体のセッティングを完全に煮詰めていた。そしてコンテスト当日が絶好のフライト日和。その条件が重なって34kmという記録に繋がった。ウチの大学にはそうやって積み重ねられた資料をベースに、改良を重ねていっている。
 人力飛行機のプロペラ機は大きく分けて「リカンベント型」と「サイクリング型」の2つがある。背もたれによりかかるようなリカンベントと、自転車そのままのサイクリング、どちらを選ぶかはパイロットの好み。
 夏に初めて練習機で飛んだ時は、とにかく漕ぐのに必死だった。そしてある瞬間に「浮いた!」と。すごく気持ちがよかった。そして70本80本と試験飛行を繰り返す内に少しずつ余裕が出てきて、飛んでいる時に周りを見回す余裕ができる。機内に備え付けられたコンピュータでペダルの回転数や機体の速度を見たり、外の風景を見ながら飛ぶようになる。
 コンテストのスタート台は高さ10m。前回、ちょっと覗いてみたけど、かなりの高さだった。でも怖さはない。本番前に相当な数の試験飛行を重ねるので、落ちるはずがない。今年も7月に行われるけど、目標は50km。陸の上を飛んでしまうと失格なので、琵琶湖1往復を目指している。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'24" It Might As Well Be Spring Peggy Lee Capitol 7243 4 93065 2 3
18'01" Little Jazz Bird Blossom Dearie 314 529 906-2 WPCP-5793
30'08" Yellow Bird Keely Smith Jasmine JASCD 323
40'11" Yard Bird Carmen McRae Decca GRD-610
47'33" I'm Shooting High Joni James DIW DIW-391


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