SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2004年11月13日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「スコットランド Special」

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 今週はまず常連のお客さまから届いたメールからご紹介させていただきます。

小穴君、いつもお店のホームページの管理、ご苦労様です。
いま来ているスコットランドで素敵な話が聞けたので、写真と一緒にメールでその話を紹介します。
AVANTIの常連のみんなにも負けないくらい素敵な話だったので、気に入ってもらえたらお店のホームページで紹介して下さい。
それでは、素敵な週末を。

 スコットランドから送られてきた写真に触発されて、当店でもスコットランドの話題が持ちきりです。そんな当店のいつもの噂話と一緒に、今週は常連のお客さまが送って下さったスコットランドで働く日本人バーテンダーの方のお話もご紹介させていただきます。


image ■ 天野ミチヒロさん(UMA研究家)の

『ネッシー』の話

 ネス湖はイギリスの左北上あたりにある。イギリスでも一番面積の大きい湖なんだけど、すごく長細い湖で、まるで川みたい。
 ネッシーの姿は、足にヒレ、背中にコブ、首が長くて、頭には2本のツノが生えている。70年代から「水面からカタツムリのようなツノを出していた」という説があったので、これが定説。ちなみにそのツノは伸び縮みするものらしい。
 一説によると、そのツノは水面から出して呼吸をするためのものと言われている。その割には、イギリスで売られているネッシー人形には、ツノとは別に鼻の穴がちゃんとあるのが可笑しいけど。
 ネッシーの記録は西暦560年頃から残っている。聖コロンバーというお坊さんが書き残した文献に「ネス川の竜を私が追い払った」というような記述がある。それからずいぶん時間が経って、1500〜1600年頃の記録に再び「村に現れて尻尾で3人くらい殺した」と記述されている。
 有名なネッシーの写真は1934年に撮影された。マニアの間では「外科医の写真」と言われていたあの写真は、撮った外科医さんの知り合いの方が死ぬ間際になって「実はあの写真はインチキだった」と告白した。その外科医さん自身はとっくに亡くなっていて、当時の事情を知る当事者の最後の1人が、すごく良心の呵責にさいなまれて、ついに真実を告白することになったのだとか。
 その「外科医の写真」は偽物だったけど、それでもマニアの間では「ネッシーはいるかもしれない」と考えられている。たとえばレーダーで探ってみると、7mくらいの物体が水中を移動している痕跡が見つかる。
 僕がネッシーの正体として一番手に考えているのはチョウザメ。チョウザメの中でもヘラチョウザメという種類は大きいものだと7mくらいまで成長する。そして生息域の緯度もちょうどネス湖に一致する。ネス湖にチョウザメがいるかどうかは確認されていないけど、ネス湖というのは北海と大西洋を結ぶ川を堰き止めた運河的な存在で、北海からでも大西洋からでも出入りができるので、1970年代くらいまでチョウザメがいたとしても不思議じゃない。その後、繁殖力がなくて絶滅してしまった、という仮説も立てられる。
 ネス湖のあたりは湖沼地帯で、沼や湖がたくさんある。現地に行って調べてみたら、ネス湖以外にも怪獣伝説はたくさんあって、数え上げたら20匹くらいの怪獣が出た計算になる。その中でもモラー湖の「モラーグ」は「銃で撃たれた」という奇特な怪獣だった。
 時は1960年代、マクドナルドさんという人が湖にボートを浮かべて釣りをしていたところ、8mくらいある巨大なものが近づいてきて、ボートにぶつかってきたのだとか。こりゃマズイと思ったマクドナルドさんはライフルで撃って、もう1人の連れがオールで叩いて、なんとか撃退したらしい。
 実はこのモラー湖、北海から道1本を挟んだ4〜5mの距離にある。本当に海のすぐ近くなので、「黒光りした体に背びれがあって、首は長くない」という目撃談からすると、シャチなんかの海洋生物が紛れ込んだのかもしれない。
 ネス湖は相変わらずネッシー目当ての観光客が多いらしい。でもモラーグの方は日本ではあまり知られていないので、こっちを見に行くのはちょっと通かも。

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image ■ 秋山真邦さん(写真家)の

『セントアンドリュース』の話

 初めてセントアンドリュースに行ったのは1985年。テレビで全英オープンをやっているのを見て「一度行ってみたい」と思ったのがきっかけだった。
 ゴルフをやらせてもらえるかどうかも分からなかったけど、とりあえずゴルフ・クラブは持っていったら、運良く泊まったホテルの主人が関係者の知り合いか何かで、いろんな人の助けを借りて、見事にティーグラウンドに立つことができた。内心、無理だろうと思っていたから、ティーグラウンドに立ってアドレスした時はこみ上げてくる笑いが止まらなかった。右にスライスしていった第一打まで、その瞬間のことは鮮明に覚えている。
 「セントアンドリュース」というのは街の名前。人口1万5千人しかいない、スコットランドの片田舎。でもその街が良い。そしてセントアンドリュースというと全英オープンが行われる“オールド・コース”だと思われているけど、実は5つのコースと9ホールのコースが1つある、大規模なゴルフ・パークになっている。
 その中でもオールド・コースはやはり別格。ここでゴルフをしていると、日本でやるゴルフとは違うゲームをしているかのような感動を覚えることもある。特に違うのが風で、強く吹くとパターを打つ時にも風を読まなければいけないほど。しかもただ風が強いだけじゃなくて、下の芝も凄く硬くて転がりやすいから、なおさら風の影響を受ける。
 1985年に初めて行った時、2回目に付いてくれたキャディさんがレスさんという人だった。それから約20年、向こうに行く時は必ず彼にすべて世話をしてもらっている。彼もあらかじめ手紙で「いついつに行く」と知らせておけば、その間の予定をすべて空けて待っていてくれる。最初の内は写真を撮るために日本からスタッフを連れて行ったんだけど、地元ですべてを知り尽くしている彼と組んだ方が近道でも何でも教えてくれるので、すごくうまく行くようになった。
 レスと打ち解けたのは、ゴルフが終わった後にビールを飲みにいったパブだった。街に出て、というよりも、コースのすぐ横に街があるので、そこら辺にパブがいっぱいある。そこにはこれからゴルフに行く人、終わってくつろいでいる人、いろんな人がいて楽しく話をしている。まさに絵に描いたような“19番ホール”。そこ仲良くなったレスは、今となってはキャディを通り越した友達。
 セントアンドリュースはパブリックなので、基本的に誰でも回れる。でも地元のクラブに入るとだいぶ違う。クラブに入るための条件は、まずゴルフが好きなこと。そして推薦者になってくれる会員1人と、それを認めてくれる会員1人がいて、初めて会員になれる。そのクラブの年会費は日本の感覚で2万円程度。そして僕はその地元クラブに入れたおかげで1年間の周り放題チケットを買えるんだけど、このチケットが6万円。
 こんなに安いのは、コースがいわば公共の場所で、地元の人が優先的に使えるから。だから子供だったら10〜20ポンド程度で年間チケットが手に入ると思う。
 地元で全英オープンが開かれるような時は、いわば5年に1度の大きなお祭り。小さな子どもたちもゴミ拾いや駐車場の整理を生き生きと手伝う。そしてお祭りは文化なので、彼らはゴルフをスポーツというよりは文化として捉えている。おじいちゃんと子供で一緒にコースを回って、おじいちゃんは子どもにマナーを教えたりしている。
 セントアンドリュースは、街も良いし、人間も良い。いろんな要素が僕にとって喜びの場所に出会った、そういう気持ちを持っている。

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image ■ 羽川豊さん(プロゴルファー)の

『全英オープン』の話

 初めて全英オープンに挑戦したのは、ロイヤル・セント・ジョージズで行われた1981年の大会。「マンデー」と呼ばれる月曜日の予選から挑戦した。ところが花粉症で鼻水が止まらなくなってしまい、あえなく予選敗退。「じゃあジャンボを応援しよう」と見学していた。
 その頃はニクラウスの全盛期でもあったので「ニクラウスも見よう」と思ったら、ニクラウスが82〜83くらい叩いていた。「ニクラウスでも80打つんだ!」と思って、どれだけ全英が難しいのかを痛感させられた。
 深いラフに、風呂桶のようなバンカー。しかもバンカーは垂直な壁が自分の身長くらいある。入れてしまったらサンドウェッジで出すことしかできない。全英オープン初挑戦の想い出は、そんな難しいコースと花粉症ばかりが残っている。
 そして2回目の挑戦が1990年のセントアンドリュース。やっぱりここは1度はトライしてみたかった。例によってマンデーからの挑戦で、初日は4アンダー、2日目も4アンダー。トータル8アンダーで堂々と予選を通過して、セントアンドリュースに乗り込んだ。
 実は全英オープンのコースとしては、セントアンドリュースは優しい方。あそこは行って帰ってくるコースなので、常に片側は隣のコースに逃げられるから。だからバンカーにさえ入れなければ、そんなに難しくはない。
 行く前は「グリーンのピンが地面に付くぐらいの風」なんてイメージを持っていたんだけど、その時はそれほど風も強くなく、ジャンボも練習日にいきなり5アンダーで回ってしまうほどだった。
 それからセントアンドリュースといえば有名なのが、17番のホテル越え。僕は練習日にホテルの屋根にカチーンと当ててしまった。もっと低いかったら、ちゃんとネットが張ってあったんだけど。
 優しい方だとはいえ、やっぱりセントアンドリュースにはコースに歴史の重みがある。何百年も前にできたコースなのに、どうして今のボールとクラブで合ってくるのだろう……ということを考えると、非常に重い。

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image ■ 金子達仁さん(スポーツライター)の

『蒸留所巡り』の話

 スコットランドの蒸留所を巡ると、「実はこんな物があるんですけど……」と奥から出てくるヴィンテージが、どれもこれも凄かった。中には1本1千万円くらいするウイスキーもあって、蒸留所でちゃんと売っている。
 たしかボウモアだったと思うけど、一番高いヴィンテージを買うと“鍵”をもらえる。高いヴィンテージ・ウイスキーをそう簡単に開けるわけにもいかないので、その鍵を持っている人は1年に1回だけ、蒸留所の樽から1ショットだけ飲ませてもらえる、そんな仕組みがあった。たしかそのヴィンテージが1本200万円くらい。
 どの蒸留所も「自分たちのやり方が世界最高だ」というプライドを持ってやったいたのが面白かった。同じ水、同じ原料を使っていても、どうしてこんなに味が変わるのかというくらい、1つのブランドの中でも年代や仕込み方によって味が変わる。蒸留所の方に言わせると、樽を窓際に置くか奥に置くかだけでも味は変わってくるらしい。
 ウイスキーを「命の水」とも言う。そして「命」の秘密は、これだけ科学が発達しても、まだ解き明かされていない部分がある。ウイスキーの秘密も人間が一生懸命コントロールしようとしているけれども、スコットランドの人たちは「100%自分がコントロールできるとは思っていない」という感じがした。どこか神様まかせ、みたいな。
 スペイサイドの辺りは、まさに『ロード・オブ・ザ・リング』の世界だった。英国で書かれた物語だから、当たり前といえば当たり前なんだけど。でも、作者はこういう風景を見て書いたんだろうな、と思わせる、ホビットやいろんな神様があちこちに宿っていそうな風景だった。
 スコットランドで抜群に美味しかったのは牡蠣。どちらかというと岩牡蠣系で、ミルクボールという感じ。生で食べるんだけど、アイラ島の人はウイスキーを1〜2滴ポタッと垂らして食べていた。これは甘みが増して、僕はレモンよりも圧倒的に好き。レモンでスッキリさせるのも悪くないけど、ウイスキーを垂らすと牡蠣の濃厚な味がより太くなる感じ。ついお代わりしてしまう。
 スペイサイドでは「カリンスキンク」という料理がすごく美味しかった。ポワロネギやジャガイモを煮込んだごった煮のスープなんだけど、さっぱりしたポトフみたいな感じで美味しかった。あとは羊も美味しかった。ステーキが口の中でホロッという感じ。
 前回行った時、パブのお客さんに「普段、何を飲んでいるんですか?」と聞いてみたら、それこそ安い酒ばかりだった。でも中には「ひいきのチームが勝った日はマッカラン」というおっちゃんはいた。素敵なことがあった日は、素敵な酒で締めるというのは良いと思う。ただ、僕はいつでも美味しいお酒が飲みたい方だけど。

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image ■ 皆川達也さん(クレイゲラヒホテル・バーテンダー)

『ウイスキー』の話

 京都で10年ばかりバーテンダーをした後、エジンバラで4年、そしてこのクレイゲラヒホテルに誘われて来て、2年が経つ。
 エジンバラは都会で人もたくさん住んでいたけど、この村はわずか人口400人。日本人観光客も、他の国からの観光客と較べると少ない。でも、まったく来ないわけではない。若い人なら20〜30代のバーテンダー。やっぱり地元の酒はその地元で飲むのが一番美味しいのでは。
 この仕事をしていて一番嬉しいのは、ウイスキーを出して「美味しい」と言われること。でもバーテンダーという仕事を離れたら、サーモン・フィッシングなどを楽しんでいる。今年から始めたんだけど、もう釣り三昧。川にはいっぱいサーモンがいたし、他の人はいっぱい釣っていたみたいだけど……やっぱり初心者の悲しさ、釣果ゼロだった。
 究極のウイスキーというものがあるかどうかはわからないけれど、その人に合った1本というのは必ずあると思う。アメリカから来たお客さまなら20年とか30年とか、年数の長いウイスキーを好む。日本人だったら博識な人が多くて「これを飲みたい」と銘柄が決まっている人が多い。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
10'11" Strange Jackie Paris EMARCY EJD-3047
22'05" A Nightingale Sang In Berkeley Square Rod Stewart J Records 82876-62182-2
36'35" Never Will I Marry Nancy Wilson & Cannonball Adderley Capitol CDP 0777 7 81204 2 1
47'41" Jamie Come Try Me Eddi Reader Victor VICP-62427


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