SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2004年8月7日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「世界の夏祭り」

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 暑い日が続きますが、海に山に祭りに花火に、夏を楽しんでいらっしゃいますか?
 当店では毎年恒例の「麻布十番祭り」に向けて、スタッフ一同で準備を進めております。昨年からの新メニュー「三色のペンネ」と美味しいお酒をご用意してお待ちしておりますので、ぜひ当店の出店へお越し下さい。
 さて、お祭り前で少々慌ただしい雰囲気のせいか、今日は様々な世界のお祭りについてお話しされているお客さまがいらっしゃいます。そのお客さまのお話を、ここで少しだけご紹介させていたくことにいたしましょう。


image ■ 芳賀日出男さん(写真家)の

『スリランカの祭りとドイツの祭り』の話

 インド大陸の南の方に、雫のように小さな島がある。その島の名前はスリランカ。かつてはセイロンと呼ばれた島。この島では8月の満月の晩に素晴らしい祭りが開かれる。スリランカでは祭りのことを「ペラヘラ」と呼ぶ。ペラヘラとは“行列”という意味。
 スリランカのキャンディという古い都に、インドから持ってきたという仏様の歯が祀られている。約1600年ほど前、シンハリ族という一族がインドから追われる時に、お姫様が髪の中に隠して持ってきたと伝えられている。インドはいろんな宗教が信仰されているけど、スリランカはほとんどみんな仏教なので、この歯が大切に祀られている。
 そして8月の満月の晩、その歯を厨子に移して、象の背中に乗せて街中を巡る。その周りは「キャンディアン・ダンス」という踊りを踊る人たちが取り囲み、太鼓に乗って夢中で踊る。100頭を超える象が出てきて、それぞれ象はお化粧をして綺麗なかぶり物をかぶせてもらう。そんな賑やかな祭りがスリランカの「ペラヘラ」。
 ドイツなら、チェコとの国境近くにフルト・イム・ヴァルトという小さな村がある。初めてそこに行った時に「この町に何か有名な祭りがあるか?」と聞いたら「お前は何も知らないんだな、ここは竜が出ることでドイツでも有名な所だ」と言う。さらに「あと1週間もしたら竜祭りをやるから」と教えてくれた。
 そこで1週間、他の土地を回って、その村に戻った。すると最初に訪れた時は寂しい村だったのに、戻ってみたら観光客が大勢来ていて、村の大通りが劇場に変わっている。そして200人ぐらいの村人が総出のお祭りが始まった。
 道の両側には門が作られていて、その門が開かれると村人が泣きわめきながら出てくる。その後ろから大きな竜が火を吐きながら登場する。反対側から旅の勇士が馬に乗って現れて、槍を持って竜を退治する。最後に王様が登場して「竜を退治した勇士に姫を娶らせよう」と宣言して、会場は一転、結婚式場になる。その結婚式場で村人も観光客も一緒になって飲めや歌えやの大騒ぎ、というのがこのお祭り。
 ビールなんかもガラスのグラスじゃなくて、木で作られたコップで振る舞われた。こうやって野原に出て飲むピールのなんと美味いことか、と感心させられた。

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image ■ 中原仁さん(音楽プロデューサー)の

『ブラジルのカーニバル』の話

 リオのカーニバルというと、何千人ものサンバチームが華やかな衣装で街に繰り出すシーンがまず頭に浮かぶけど、あれは専用のストリートの光景。ストリートを区切って、スタンドを付けた会場にして、夜7〜8時くらいから翌朝まで続く。
 それ以外の場所でも、ストリートでゲリラ的にバンドが繰り出してパレードをすることもある。そういうところなら地元の人も観光客も一緒になって踊りながらパレードの後ろをついていける。
 日本で言うクラブやディスコみたいな場所、あるいはデカイ体育館をカーニバルの会場にして、ステージにバンドが出てくることもある。ヨーロッパ的な“仮装パーティー”の伝統を汲んで、参加者が仮装して踊りまくるところもある。
 リオのカーニバルでは主役は音楽。もともとカーニバル自体はヨーロッパから入ってきた風習だけど、ヴェニスやニースのカーニバルはビジュアルが中心。それがブラジルでは音楽が中心になっているのは、アフリカから来た黒人奴隷の子孫たちの音楽「サンバ」があったから。そのサンバとヨーロッパの伝統が合体して、ブラジル独自のカーニバルが生まれた。
 実はそのカーニバル、ブラジル中のあちこちの都市で同時に行われている。たとえばリオデジャネイロよりもさらに北に、バイア州のサルバドールという街がある。ここはもともとブラジルがポルトガルの植民地だった時代に、最初に首都が置かれたところ。日本で言えば京都みたいな位置づけで、綺麗な海に面していて、旧市街は海岸沿いの切り立った崖の上にある。
 かつて、ここには西アフリカから労働力として大勢の黒人たちが連れてこられた。そのせいで、今でもアフリカ文化の影響が強い。宗教、文化、風習など、アフリカのアーチストがこの街へ行って「アフリカでも失われてしまった伝統がここではまだ生きている」と言うほど濃度が濃い。
 このサルバドールのカーニバルはリオよりもさらに黒人的……かと思えば、かなり明るいポップ風のダンス・バンドもあったりして、バリエーションが豊富。パーカッションを山ほど使ってアフロっぽいリズムの、しかも精神的にもアフリカ回帰を目指しているようなコアなグループがあるかと思えば、巨大なトレーラーの屋根の上がステージになっていて、大音量で音楽を奏でながら道を進んでいき、その後ろを人々が踊りながらついていく、なんて光景も見られる。
 そういう事が街中で同時多発的に行われているので、全部楽しもうと思ったら分身の術でも使わないと無理。メインは旧市街の山側の通りと海沿いの通りの2本だけど、その長いとおりに次々とバンドが繰り出してくる。
 リオのカーニバルは観光産業化している部分もあって、メインスタンドのサンバ・コンテストなどは入場料もかなり高い。でもストリートで次から次へと現れるバンドに合わせて踊ったり、レストランでお酒を飲みながらのんびり眺めるのなら、お金がなくても楽しめる。

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image ■ マニュエル・ベニート・カストロヴェルデさん(白金台『サバドサバデテ』シェフ)

『スペインの夏祭り』の話

 牛に追い掛けられる「サン・フェルミン」の祭りは、ピレネー山脈の近くのナバーラ地方、パンプロナという街で行われている。残念ながら行ったことはないけど、一度くらい本物を見てみたいとは思う。毎年、テレビでは必ず見ているし。
 もともと、あの祭りは闘牛場へ牛を運ぶのが面倒くさくて、「じゃあ街の中を走らせちゃえ」というところから始まったらしい。イタズラで牛を怒らせる人が出てきて、面白いからどんどんエスカレートしていった。
 お祭りは7/6から14日までで、毎日牛が放たれる。その間はみんな寝ないで飲み明かす。さすがに酔っている人は牛追い(牛追われ?)には参加できないことになっているけど。牛から逃げているのは、ちゃんと練習している人たち。彼らは祭りの間もしっかり寝て、万全の準備をしなくちゃいけない。とはいえ、50歳の人もいれば60歳の人もいる。外国人の観光客もけっこういる。
 そのお祭りは牛追いが終わってからが楽しい。みんな友達になって、見ず知らずの人でもワインを開けて話をすれば、すぐに仲良しになれる。そして最後には「明日またやろう!」と気勢を上げる。
 トマトを投げる祭りはバレンシア地方。バルセロナから地中海の方に行った小さな街で行われている。
 この祭りが行われている所は本当に小さな村だけど、畑ではトマトをいっぱい作っている。そして畑仕事の休憩の時に、ちょっとトマトをかじったりする時に、柔らかすぎて売り物にならないトマトを友達に投げつけて遊んでいたらしい。「コレお前が食べて」パン!「これも食べられない」パン!「なにやってんの?」パン!こんなことをやっている内にどんどんエスカレートしていって、今のお祭りになった。
 いまや、お祭りのためのトマトさえわざわざ作るようになってしまった。トマトが堅いと危ないから、大きい倉庫で柔らかくなるまでしっかり保存する。そして毎日、どれくらい熟したかちゃんと見張っている。
 この祭りが始まった頃は、街は大変だったらしい。なにせ壁は全部真っ赤に染まってしまう。お祭りが終わったら全部壁を塗り直さなきゃいけなくて、街の人はみんな怒っていた。でも自分の家の息子もトマトを投げていたから、文句を言うわけにもいかない。それで街の家の壁には、祭りの前に全部プラスチックが貼られるようになった。
 ちなみに、パンプロナの牛追い祭りを世界的に有名にしたのはヘミングウェイの小説。日本語版のタイトルは『日はまた昇る』だそうだけど、スペイン語版のタイトルは『Fiesta』。そのまま“祭り”という意味。

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image ■ 日下宏美さん (TBS『世界遺産』ディレクター)

『アマルフィの夏祭り』の話

 アマルフィというのはナポリより下にある、古い海岸沿いの街。世界遺産にも指定されていて、リゾートとしても有名。
 そこに撮影に行った時、隣村で夏祭りがあるから撮影に行った方が良いと勧められた。勧めてくれたのは「レモンチェッロ」というお酒を造っている会社の社長……というよりはオヤッサンという感じの人だったんだけど。
 そのオヤッサンの車に乗せてもらおうとしたら、なんとその車が「FIAT 500(チンクチェント)」だったからビックリ。日本でもルパン三世が乗っていたりして有名な車。その車の後部座席にレモンチェッロの木箱をポーンと突っ込んで、助手席に僕を乗せて、さらにオヤッサンの犬まで乗り込んで来て、南イタリアの海岸沿いを走っているだけで、もう痺れた。
 隣村に着くと、有名ではないけれど、小さな村全部が舞台になっている素敵な祭りをやっていた。古い石畳の道、急な坂道と石段、細い路地。石段にはお祭りの出店が並び、広場では歌を歌う人がいる。収穫の喜びを表す踊りを踊る若い男女もいれば、石段で古くて哀しい芝居をやっているオバサンもいる。どうやら地主役らしいキレイな格好したオッサンが「俺たちのために働け、ハハハ」なんてセリフを言っていて、オバサンたちは辛そうな表情をしていた。
 どう見ても普通の人の家のベランダでライブもやっていた。ギター2人くらいついて、女の人がジャジーな感じ歌を歌っている。さすがにこれには「本気なのかな?」と苦笑を禁じ得なかったけど、それでも意外に上手くて聴いてしまった。
 普通の村が、祭りになるとアミューズメント・パークと化す。8月から9月くらいの間に、自分たちの準備ができたらやる、というスタンスのお祭りらしい。

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image ■ 島崎和歌子さん(タレント)の

『高知のよさこい祭り』の話

 高知と言えば「よさこい祭り」! 四国のお祭りと言えば「阿波踊り」の方が有名だったけれど、最近は札幌でもよさこいソーラン祭りが盛り上がったり、全国的に広まりつつある。
 札幌のよさこいは、学生の人が高知で「こんなに面白いお祭りがあるんだ!」と感心して、向こうに持ち込んだものらしい。もう札幌のよさこいは、高知のよさこいとも北海道のソーランとも全然違う、まったく新しい文化になっている。つい最近は東京の代々木公園でもよさこい祭りが開かれた。
 私はここ数年、ずっとお世話になっている四国銀行さんのチームで参加している。このチームは昔ながらの正装で参加するのが特徴。浴衣を着て、頭には笠をかぶって、昔ながらの鳴子を使って躍る。他のチームだと、ヒップダンスのような踊りを踊ったり、かと思えば四国銀行のように昔ながら踊りを踊るところもあったり、バラエティに富んでいて面白い。すごく自慢できるお祭り。
 高知のよさこい祭りは、どこかの会場だけでやっているというものじゃなくて、市内のあちこちで同時に開催される。だから見る方もやる方も忙しい。メインの大通りで躍った後に、バスで移動してどこかのグラウンドで躍ったりする。だから見る方も、市内のどこかで見てそれで終わりじゃなくて、別の場所に行けばまた違う踊りが見られる。躍る方も見てくれる人がいないと張り合いがないので、ぜひ見に来て欲しい。
 そして最後に「本大会」が行われて、優秀なチームが表彰される。その後には花火が上がって、高知の人は「夏も終わるなぁ……」と実感する。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'24" Show Me The Way To Get Out Of This World Four Freshmen Hindsight HCD 604
19'08" Carnival Hi-Lo's DRG 5256
32'21" Sermonette Lambert, Hendricks & Ross SONY SRCD 7145
43'47" More And More Amor Bing Crosby MCA MVCM-294


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