SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2004年4月17日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「都心に住む」

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 大都市の中心部、特に東京の中心を“都心”と呼びます。大勢の人が行き交い、ビルが建ち並び、経済や文化は都心を中心に動いていくと言っても過言ではありません。
 当店AVANTIは、そんな都心のエアポケット、ひっそりとした住宅街の中にあります。ですから、いろんなお客さまがいらっしゃいますが、やはりご近所にお住まいの方や都心住まいの方が多くなります。
 実際の都心の暮らしがどんなものなのか、ちょっと興味を引かれませんか?今日は当店を訪れたお客さまの「都心暮らし」に関するお話を、少しだけご紹介いたします。


image ■ 朝丘雪路さん(女優)の

『銀座』の話

 築地の生まれ育ちで、小学校も有楽町の泰明小学校だった。だから子供のくせに変な話だけど、銀座が遊び場。父と一緒に買い物に行ったり、食事に行ったりするのも銀座だった。
 今でこそ銀座はビルが詰まって並んでいるけど、昔はビルとビルの間に路地があったもの。その路地を抜けてお稽古に通っていた時に、いつも前を通ったお汁粉屋さんが、ビルの中に入って残っていたのは嬉しかった。
 そういう意味では、銀座は意外と昔の姿が崩れていない。日本一と呼ばれる呉服屋、日本一の草履専門店、和の小物屋、みんな残っている。だから銀座は今でも下町。そこにいる人も下町の気質。その一方で、最先端のブランドショップも軒を連ねる。こんな風に、古いものと新しいものをうまく併用していく線路が2本ちゃんとうまい具合に走っているようなところは、銀座くらいしかないのでは。
 風呂上がりに天花粉をいっぱい首に塗られて、浴衣で父と“銀ブラ”したものだった。露店がいっぱい出ていて、春の柳の芽の匂いがしていたのをよく憶えている。青々しくてみずみずしい、柳の芽の匂い。それがすごく新鮮に記憶に残っていて、あの柳が銀座からなくなってしまったのは寂しい気がする。
 家が料亭をやっていたので、母に内緒で板前さんの自転車の後ろに乗せてもらい、河岸へ連れて行ってもらったこともあった。銭湯にも憧れて、板前さんに連れて行ってもらったり。どっちも後で板前さんが怒られていたけど。
 今でも週に1度は銀座に行かないと、具合が悪くなってしまう。ホームシックという言葉があるけど、私は“銀座シック”。友達との食事も必ず銀座だし、古いお店に行ったり、新しいお店を探したり、銀座は本当に楽しい場所。

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image ■ 石原広道さん(ケン・コーポレーション)の

『都心の賃貸物件』の話

 港区、渋谷区、千代田区。不動産業界ではこの3区を“主要3区”と呼びながら、都心と位置づけている。
 この3区はビジネスの中心であったり、高額の賃貸物件を借りる人、たとえば外国人が多かったりする。その結果、高額賃貸の物件もこの3区に多い。
 ちなみに高額賃貸というと、噂では月に400万なんて話も聞いたことがある。普通はだいたい月に70万円以上を高額賃貸と呼ぶ。70万円の物件だと、港区で120平米くらいの広さ。そういう物件を借りられる人は、仕事もハードなので「会社から近い」「心が癒されるところで寝たい」などの理由で借りているみたい。だから東京の夜景が一望できるところとか、海が見えるところとかを求める人もいる。
 この辺り、元麻布近辺は古くからのお屋敷町で、高額な物件もたくさんある。けっこう大きいお屋敷なら、50万円以上、時には100万円ぐらいの物件が多い。マンションの1フロアとか、一戸建ての建物であったり。
 最近人気なのは新築のタワーマンション。フロントがあって、まるでホテルみたい。でもホテルよりは全然自由が利く、そういうところが人気。24時間対応してくれる受付の人がいて、勝手に入ろうとしても止められてしまう。そのセキュリティの高さも人気の理由。
 都心と呼ばれるのは主要3区なんだけど、実際問題、23区内に不便な場所なんてどこにもない。青山までタクシーを使って20分で行けるなら、もう都心と呼んでも良いと思う。これだけ便利な世の中になってくると、六本木、青山みたいな“憧れの地”にわざわざ住まなくても……とは思う。
 あえて都心に住むメリットを挙げるなら、「女の子にモテる」ことかもしれない。「実は通勤に2時間かかります……」と言うよりは、「ウチ、すぐそこだから」と言う方がやっぱり格好良い。「ウチ来る?」と言える、それが都心の最大の魅力かも。

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image ■ 大島芳彦さん(ブルースタジオ)の

『リノベーション』の話

 マンションの供給は昭和30年代から始まって、昭和40年代の後半にピークを迎えた。そういったマンションはそろそろ築30年を越えて、大きなストックとして出回り始めている。
 その一方で、バブル崩壊の影響で地価が下落し、新築のタワーマンションも数多く供給されている。その供給量たるや、なんと昭和40年代のピーク以上。
 その2つの供給が重なっているので、マンションは買い時と言える。特に中古マンションは非常に値頃感がある。
 リノベーションというのは、考え方全般を指す。その方法の1つとしてリフォームという技術がある、という位置づけ。多少古いものでも、自分の資産を楽しみとして捉える。そう考えれば中古マンションだって、その人にとって価値のあるものになる。それがリノベーション。
 青山のあるビルでは、リノベーションの一種“コンバージョン”を行った。これは用途変更という意味で、オフィスビルや工場を共同住宅に変えてしまうこと。2003年に大規模開発でオフィスの床が大量に供給され、その結果、古いオフィスビルにテナントが入らなくなってしまった、それをどう活用するかが大きな課題になっていて、その解決策としてコンバージョンが注目されている。
 コンバージョンの時に問題になるのが建築基準法。もともと新築することが前提の法律なので、オフィスと住居では基準がかなり違っていて、しかもそれを変更することはあまり考えられていない。だからまだ気軽に変更できる、というところまでは行っていない。
 実際の工事は、そんなに問題はない。使う水の量が違うからパイプを大きくするとか、そこら辺はノウハウの問題。ただ、そのコツを知らないと、新しく作った方が安かった、なんてことになりかねない。そのコツというのは「古いものを誤魔化そうとせず、古いものの良さを生かす」ということに尽きる。
 国土交通省でも議論の真っ最中だけど、法律さえ整備されれば、コンバージョンされる建物はどんどん増えてくるはず。そうなればいろんな需要が喚起されて、いろんな人が都心に戻ってくると思う。

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■ 川端健嗣さん(フジテレビアナウンサー)の

『銀座8丁目』の話

 僕は銀座8丁目の生まれ。今はみんなビルになっちゃってるけど、僕のお祖父ちゃんが家具職人の棟梁で、銀座で商売をしていたのが最初だったらしい。
 具体的に言うと、並木通りのポルシェビルの斜め向かい。そこで父が生まれて、僕が生まれる頃までは、あの辺は長屋が並んでいたとか。そこで何か商売をやろうという話になってタバコ屋を始めた。今でもそのタバコ屋はやっていて、ウチの親父は76歳になっても街角でタバコを売っている。
 銀座のタバコ屋の間口一間からのぞくと、世の中が見えるもの。父親の背中越しにタバコを買いに来る人を見るのが面白かった。クラブのホステスさんもいれば、ボーイさんもいる、街行くサラリーマン、自営業、いろんな人がいた。
 父親と母親に手を引かれてタバコ屋まで来て、婆ちゃんに日比谷公園へ連れて行ってもらって、ハトにエサをあげる……なんてスノッブみたいな毎日だった。
 父は泰明小学校。銀座には派閥みたいなものがあって、もともとは慶應の人間が多かった。ところがあの辺の2代目3代目は、なぜか早稲田か慶應。それから小学校から立教という人間も少しいる。それは立教がもともと築地にあったから。築地にあった外国人居留区にウイリアムス主教が来たので、今でも築地には「立教学園発祥の地」という碑が建っている。そういったわけで、銀座には早稲田、慶應、立教の閥がある。閥というか、そこ出身の人間が多い。
 父親と一緒にお酒を飲みに行くと、路地裏のお店に連れて行ってくれる。表通りのお店は高かったり格式があったりで、ちょっと入りづらい。だから並木通りから直角に入っていく路地にある店が楽しい。
 並木通りは日航ホテルの方から来ると最後が突き当たりになっていて、この突き当たりになっている並木通りから銀座の中央通りは、実は裏路地1本で行ける。今は銀座通りに出るところだけ鉄の門が付いていて、通りに出られなくなっているけど、かつては門もなく普通に通れていた。行けば行くほど狭くなっている道で、最後は体を斜めにしないと通れないくらい狭い道。この道がひそかに「出世街道」と呼ばれていた。その心は「大通りへ出て行く道」ということ。
 その出世街道の合間に、隠れた名店があったりする。実は「えっ?!」と驚くほど高い店もあったりするけど。
 残念ながら、僕が詳しいのは銀座の中でも8丁目だけ。とはいえ、夜の銀座と言えば8丁目。我ながらエライところで生まれたものだと思う。

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image ■ 谷内田章夫さん(建築家)の

『集合住宅』の話

 港区海岸の集合住宅「ALTO B」は、1997年に完成した。その後、あの辺りはもの凄く開発が進んだけど、企画時点ではまだ何もなくて。お台場に観覧車もなかったし、フジテレビもなかった。レインボーブリッジも繋がってないくらいだったし。
 駅から遠いし、目の前に高速道路が通っていて、空気も悪ければ騒音もうるさい。生活に必要なお店も近くにない。そんな暮らしにくい場所だったので「ここにしかできないものは何か?」と考えて、大きい空間を作ることを考えた。
 バブル崩壊以前はギャラリーやディスコが並ぶ地域だったけど、ちょっと時代が変わってしまうと、そういう場所じゃないと否定的に考えられた。それをなんとか建築の力で使えるものにできないだろうか……という挑戦でもあった。経済性もあわせて、市場の原理に見合ったものをどうやって作るか、という問題に取り組んだ。
 タワーマンションに住むと、窓を開けっ放しにして裸で部屋の中を歩いても、誰にも見られない。意外と風も強くないので、開けっ放しで暮らせると思う。音楽も、ボリュームいっぱいにして窓を開けると、かなり音の感じが変わってくる。
 ということは、1年ほど前に公団の超高層マンションのインテリアを手掛けて知った。住んだわけではないけど、空間体験は身近にしている。みんな見学会とかでは景色しか見てなかったけど。でも賃貸だから、ホテル感覚で「夜景を借りる」のも悪くない。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'04" I Found A Million Dollar Baby Nat King Cole Capitol 7243 8 56056 2 4
19'08" On The Street Where You Live Peggy Lee Capitol 7243 8 56056 2 8
27'54" Lulu's Back In Town Mel Torme Bethlehem COCY-9937
38'36" Be Careful It's My Hert The Four Freshmen Capitol CDP 7 98477 2
48'00" So Nice Astrud Gilberto Verve 314 557 449-2


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