SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2004年2月7日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「動物ってこんなに賢い!」

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 ウチの近所に中型犬を飼っている家がありまして。その犬は、昔はウチにもよく遊びにきていた犬なんですが、今日、たまたまその家の前を通りかかったら、その犬に大きな声で吠えられてしまいました。
 ちょっとガッカリして「本当に犬って頭がいいんですか?」とお店にいらっしゃったお客さまに聞いてみたところ、「犬だけじゃなく、動物は賢い」というお話をいろいろ教えていただきました。せっかくですので、今日はそんな「賢い動物」のお話をご紹介させていただきます。(近所の犬にも見習って欲しいものです。)


image ■ 樋口広芳さん(東京大学大学院教授)の

『カラス』の話

 カラスはとにかく頭が良い。鳥の中でも抜群に頭が良い。
 まず、カラスは物事の前後関係を理解しながら行動する。簡単に言えば「先を見越す」ということ。たとえば、車を使ってクルミを割ったりする。しかも考えなしに道路へクルミを置くわけじゃなく、ちゃんとタイヤの通る場所を狙ってクルミを置く。
 さらに行動の柔軟性も持ち合わせている。置いたクルミがタイヤの位置からちょっとズレたなと思えば、降りていってちゃんとした場所に置き直す。これは「何がどうなれば結果はどうなる」ということを見越してないとできない行動。
 もっと効率の良いヤツになると、赤信号で止まった車の前へいって、タイヤの前にクルミを置く。これは確実にクルミが割れる。こんな風に、「車」「信号」という機械化された高度な文明社会にすら適合してしまう、カラスの知能の高さはすごい。
 この「車を使ってクルミを割るカラスの行動」は、東北大学の近辺で最初に発見された。そこでアンケートで「いつごろからこの行動は見られるようになった」を調べてみた。すると大学構内では1990年頃から、という証言が多かった。
 ところが面白いことに、大学から1kmほど離れた自動車教習所では車でクルミを割るカラスが1970年頃から見られた、という証言も出てきた。そこで調べてみると、自動車教習所では車がゆっくり走っているし、交通量も多くはないけれど少なくもない。しかも教習所の教官がおもしろがって、多少クルミがタイヤからズレていてもわざわざ踏みに行く、ということもあったとか。そんな事情があって、どうやらカラスたちは、自動車教習所で学習してから一般道へ出て行った、ということらしい。
 こんな風に、カラスは時に、霊長類と比肩できるくらい賢い行動を見せる。
 ちなみに、カラスにはハシブトガラスとハシボソガラスの2種類がいて、仙台でクルミを割っているのはハシボソガラス。ハシブトガラスは体が大きいので、ハシボソガラスが割ったクルミを横取りしている。もしかしたらハシブトガラスの方が頭が良い(というか小ずるい?)のかも……

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image ■ 佐藤智美さん(ZOO JAPAN)の

『ブタ』の話

 ブタは意外なくらい飼いやすい動物で、リード(引き綱)なしで散歩できるほど賢い。ワンちゃんみたいにすぐ側を歩くということはないけど、適度な距離を保ちつつ、離れすぎると慌てて戻ってくる。その必死に戻ってくる様子がカワイイ。
 ブタの中でペットとして一番人気があるのはドイツ原産のゲッチンゲン種。それからポットベリーという種は、ピンク色のいわゆる「ブタ」のイメージの姿をしている。
 映画『ベイブ』でも描かれていたけど、ブタはお座りやお手くらいは覚えるし、きれい好きなのでトイレもちゃんと覚える。ウチの子もベッドとトイレがあるけど、ベッドでは絶対に用を足さない。
 ブタは好奇心が旺盛で、自分と違う動物、たとえばワンちゃんがいたとしたら、自分から進んで一緒に遊ぼうとする。それからとにかくきれい好きで、新しいベッドやタオルケットがあると、駆け寄って気持ちよさそうに顔をこすりつける。
 ものを確かめる手段としては口しかないので、なんでも一度は噛む。でもあま噛みの段階で食べ物じゃないと分かれば、そこで終わり。だから子ブタに指を噛まれたら「痛いっ!」とちゃんと声に出して「食べ物じゃないんだよ」と教えてあげれば、学習して噛んだりしなくなる。
 ブタが唯一嫌いなのが抱っこ。地面から足が離れるのが不安みたいで、無理矢理抱き上げると「ブヒー!」と悲鳴を上げる。ただ、これも慣れの問題で、子供の頃から少しずつ慣れさせていけば、「ブヒー!」の度合いが少しずつ小さくなっていく。

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image ■ 野村潤一郎さん(野村獣医科Vセンター院長)の

『犬』の話

 いろんな犬を一緒に飼っても特に問題はない。家族にはそれぞれの役割があるように、ドーベルマンが庭で飼われていたら「侵入者がいたら俺に任せろ!」と思っているし、ゴールデンレトリバーなら「赤ちゃんのお世話は私が」とか、シーズーやパグは「おじいちゃんとおばあちゃんの相手は僕たちがやるよ!」なんて思っている。そして当然、全員が「僕たちは全員が家族」と認識している。
 犬は本当に人間に近い動物で、むしろガワが違うだけで中身が人間と思ってもいいかもしれない。「車が来ていて危ないから早く来い!」と呼べば、犬は慌ててやってくる。ところがどうでもいい命令、たとえば「新聞持ってこい!」なんて言っても、犬はわざと骨をくわえてくる。これは明らかにわかってやっているので、犬流のユーモアなのだろう。
 このユーモアは、飼い主に対して忠実な犬ほどよく見せる。シェパードとかドーベルマンとか、普段はまじめに飼い主の言うことを聞くだけに、息抜きの冗談はけっこうキツイ。「お手!」と言っているのに「ニッ」と歯を見せる、とか。
 せっかく犬を飼っていても、外で飼っているとなかなかそういう面は見えない。どうしても一緒にいる時間は短くなってしまうし、そのため犬の方もなかなか言葉を覚えられない。犬はテレビも見るし、音楽も聴く。チャンネルを変えると、怒りはしないけどちょっと残念そうな顔をしたりもする。
 犬の中には目の良い種類と悪い種類がいて、すごいスピードで走る犬の一族、たとえばグレーハウンドあたりはやっぱり目が良い。それから意外なところで、マスチフの一族もそう。そしてドーベルマンは、そのあたりの犬の混血なので、ものすごく目が良い。ウチのドーベルマンもテレビもよく見ている。ソファーに転がって、50インチのプラズマディスプレイを嬉しそうに眺めている。ちなみに好きな番組は動物番組。
 そんなことを言うと「ガラスの向こうに動物がいると勘違いしているのでは?」という人もいるけど、そんなことはない。そのウチのテレビは病院のセキュリティ・カメラと連動していて、病院のあちこちが4分割で映る仕組みになっているんだけど、たとえばある時は、画面上で駐車場でコンビニの袋が舞っているのを見て、「あれはなんだ?」不審に思ったドーベルマンが駆けつけた。それくらいちゃんと「テレビに映っているのはある場所の映像である」と理解している。

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image ■ 小檜山悟さん(JRA調教師)の

『馬』の話

 僕ら調教師が馬と接していて感じるのは、「エサをくれる人」は認識しているな、ということ。その点では僕らは絶対に勝てない。ジョッキーに関して言えば、馬にまたがれば分かってくれるかもしれない。でも、横に行ってポンポンと肩を叩いても、たぶん分かっていないと思う。
 「レースが近づくと体を作る馬」というのも、基本的には食べるものが変わってくるから。それから人間の緊張感が伝わっている影響も大きいと思う。いくらなんでも、「明日はレースだ」なんて思っているのは人間だけ。
 ただ、それくらい人間のピリピリした感じは馬に伝わってしまう。だから馬に関わる人にとって大事なのは、朝起きた時に精神的にちゃんとしていることと、体におかしいところがないこと。前の日に嫁さんと喧嘩をして不機嫌にしていたら、確実に馬に伝わってしまう。もしかしたらそのせいで事故が起きてしまうかもしれない。
 馬はちゃんとかわいがってやれば馴れてくれるけど、その一方で悪いことをした時は叱ってやることも必要。それでもちゃんと褒めるべき時に褒めてあげれば、すごく嬉しそうな顔をする。
 レースの時、馬がゴール板を認識しているかどうかは分からないけど、人間が「行け」と言って、それをやめた時がゴールということは分かっていると思う。中には負けてうなだれて帰ってくる馬もいるし、やんちゃだった馬がペシャンコになって全然別の馬になってしまうこともある。走った時は周りが褒めてくれるから、その雰囲気は分かっているみたい。もしかしたらご褒美の違いなのかもしれないけど。
 「走る馬と走らない馬はどちらが賢いのか」という議論はよくされる。たとえば、ずっと10着だった馬が、武豊に乗ってもらって5着になった。その時に武豊いわく「馬も自分でこんなに走れるんやて、絶対喜んでいる」のだとか。そんな感覚で馬を見たことがなかったので驚いた。
 でも武豊に乗ってもらうと、それまではビシバシしばかれていっぱいいっぱいで走っていたタイムを、気持ちよく走って出してしまうことがある。そうすると馬が「競馬ってこんなに楽しいのか!」と思って帰ってくるらしく、グレそうだった子が「やっぱり勉強しようかな」と言い出したみたいな感じで、態度がコロッと変わる。これを僕たちは「武豊の残像効果」と呼んでいる。
 残像効果を期待して武豊に騎乗を依頼するわけじゃないけど、結果としてそうなることが本当に多い。科学的に解明することはできないけど、武豊は馬に自信を付けさせることができるみたい。
 だから馬には「武豊が乗るからな」と話しかける。馬が武豊を知っているかどうかは分からないけど。

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image ■ 富田京一さん(肉食爬虫類研究所)の

『タコ』の話

 タコもイカも賢い動物として知られているけど、特にタコは、体重比でほ乳類と同じくらいの脳を持っている。
 一見、タコの頭のように見える場所は、実は胴体。人間とは並びが逆で、一番上が胴体で、真ん中に頭があって、下に手足がある。ちょうど両目の間に頭蓋骨があるんだけど、その頭蓋骨は目玉の直径とほぼ同じ大きさなので、目玉の大きさの隙間があれば、どこでもすり抜けられる。
 タコは頭も良いし、目も良い。市松模様のエサ箱を用意してやると、模様のパターンが逆の箱と、エサの入っている箱をちゃんと識別する。ちょっと近視気味だけど、近くのものはよく見ている。
 他人がやっていることを観察して、一度もやったことのない行動をとることもある。たとえば、ひねり蓋のビンにカニやエビを入れて、タコがどうやって蓋を開けるか観察しようとした。最初はタコも蓋を開けられなくて苦労していたけど、カニやエビに空気を与えるために僕がそのビンの蓋を水槽の前で開けたら、それを見て開け方を覚えてしまったらしく、あっさりと開けてしまった。しかもタコは馴れると水槽から手を伸ばしてエサを受け取るので、手渡しでビンを与えたら、すぐにキュッキュと。
 タコはインコのようなクチバシがあるので、手渡しでエサを与える時は要注意。人間が死ぬほどじゃないけど毒も持っているので、かまれるとかなり痛い。
 タコは「おいでおいで」で来るようにはなると思うけど、空気中の音を聞く器官がないので、残念ながら名前を呼んでもわかってくれない。モノマネも、タコがその動作を面白いと思ってくれればやってくれるかもしれないけど、必ずやるように教え込むのはちょっと無理。それから、タコは体の色を自由に変えられて、怒ると自分の体に大きな目玉模様を浮かび上がらせる。
 「自分がやったことのないことを目で見て覚える」という能力に関しては、タコはチンパンジーと同じくらい賢いと言われている。もちろん「賢さ」にはいろいろあって、たとえば飼い主が病気で倒れてもタコが心配してくれたりはしないけど。その辺は犬や猫に及ばないけど、記憶力や分析力なら霊長類なみ。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
10'19" Let Yourself Go Mark Murphy Universal UCCC-9053
19'09" You're My Everything Louis Prima & Keely Smith Jasmine JASCD 326
30'36" We're Together Dorothy Collins Universal Victor MVCJ-19230
37'47" Surrey With The Fringe On Top Beverly Kenney 東芝EMI TOCJ-9464
45'36" I Only Have Eyes For You Rosemary Clooney & Perez Prado RCA BVCJ-2030


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