■ 中村勝広さん(オリックス・ブルーウェーブ/ゼネラルマネージャー)の
- 『GMの仕事』の話
GM(ゼネラルマネージャー)になって3ヶ月。その間に、新監督を選ぶところから始まって、コーチ人事、トレード、ドラフト、契約更改、新外国人の獲得と、フル活動だった。
人を獲得する仕事はともかく、人を切る仕事は初体験で、これはこたえる。まだ若い選手でもバッサリ切らなきゃいけないこともあるし、辛い仕事だった。
嬉しかったのは、僕が理想とする野球にピッタリとはまる伊原さんが監督を引き受けてくれたこと。それに伴ってコーチ陣も玄人好みの、本物のコーチが集まった。あまり高いギャラは払えなかったから、よくぞ来てくれたという感じだったけど。
僕が目指すのは守りの野球。常識的なことだけど、投手陣、それからセンターラインを中心とした守りが重要だと思う。92年に阪神で(当時は監督として)作ったチームが1つのモデルになる。
そうは言っても、92年の阪神にはホームランを打てる選手が欠けていた。アメリカには「優勝するチームは、優秀なピッチング・スタッフと、スリーラン・ホームランが必要」という言葉もある。やっぱり優勝するためには、守備だけでは足りなくて、ホームランも含めた攻撃力が必要だと思う。
その反省があって、93年に松永と野田のトレードが行われたんだけど、振り返ってみればやはり失敗だった。悔いはないけれど、FA制度が松永をあんな風にさせてしまったのが残念だった。
今回の補強では、いろいろ考えて新庄の獲得には手を挙げなかった。是が非でも手を挙げたい……という気持ちはあったんだけど、あれだけ華のある選手は、ちょっとオリックス・ブルーウェーブ、そして神戸という土地には合わないかな、と。やはりイチローのような渋いタイプの選手の方が、チーム・カラーに合っている。それで悩みに悩んだ末、見送ることにした。
野球選手の“華”は、もって生まれたものと、環境が作ったもの、両方があって初めて備わるものだと思う。新庄だって初めて見たときは、ただの田舎の兄ちゃんだった。それがオマリーの怪我で派手に1軍デビューして、マスコミも取り上げるようになり、阪神というブランドの力も相まって、新庄がどんどん華のある選手に育っていった。
なんだかんだ言って、阪神はそれなりにお金がある。去年優勝して、一気に年俸が上がってどうか?というところまでは把握していないけど、プロ野球はだいたい年間の観客動員で150万人に達すれば経営的に大丈夫と言われている。その倍以上入っているのだから、なんとかなるのでは。
一方、オリックス・ブルーウェーブは、150〜200万人の観客動員が目標。そのためには優勝争い、特に4〜5月の開幕ダッシュが重要になる。そのために毎年春先に調子の良いムーアを獲得した。例年、後半に調子を落とすから、そうなったら代打あたりで使おうか、なんていうのは冗談だけど。
そのムーアとの契約に、バッティングの契約が入っていることが話題になったけど、あれは向こうから言い出した契約。正直、どうするんだろうとは思うけど、わざわざ断って本人のやる気を削ぐこともないので。まぁ、1つの話題作りと思ってもらえれば……
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■ マーティ・キーナートさん(スポーツジャーナリスト)の
- 『Moneyball』の話
メジャー・リーグの中では、やはりヤンキースの経営規模が一番大きい。ただ、NFLの方がうまくいっているけど。
アメリカの経済誌『Forbes(フォーブス)』は、毎年、各プロスポーツチームのランキングを発表している。もちろん強さのランキングじゃなくて、価値(バリュー)のランキング。去年のランキングなら、ヤンキースを買おうと思うなら850億円くらい、という値踏みだった。ちなみに現オーナーのスタインブレナーが1973年にヤンキースを買ったときの値段は、わずか10億円。
そのランキングでは、2位がNYメッツ、3位がボストン・レッドソックス、次がロサンゼルス・ドジャース……と続いている。
アメリカで『Moneyball』という本がベストセラーになっていて、僕も読んだけど、とても面白かった。いろんなチームのコンセプトが書いてあって、その中でもおもしろいのが、オークランド・アスレチックスのビリー・ビーン代表の考え方。
その代表は、新人を探すときにデータしか見ない。全米の大学の野球選手のデータをコンピュータに入れて、数字だけで見る。すると時々、南部の田舎の大学のキャッチャーが、やけに塁に出るし三振もしない、なんてことに気付く。ところがスカウトが見に行くと、ぽっちゃりしていて相撲でもやった方がいいんじゃないか、なんて体型をしている。こういう選手は、いままでの常識では採用していなかった。でもエイズ(A's=Athletics)の代表は、成績を優先して、その選手を採用してしまう。
そういう選手をドラフトで指名すると、他の球団と競合することもないし、とにかく安くすむ。それでかなり強いチームを作るのだから、大学生の成績を解析するプログラムがよっぽど良くできているのだろう。
おもしろいのが、高校生はほとんど獲らないこと。高校生は当然、まだ体が出来上がっていない。その選手を1から育てる、というのが大変だから、獲らないらしい。特に投手はまず獲らない。この辺は日本と正反対。
アスレチックスはいろんなことをよく調べているもので、たとえばメジャーの監督だって、終盤に1点を争うゲームをしていたら、普通は送りバントの指示を出す。ところがアスレチックスは、そんなケースでも送りバントをほとんどしない。なんでもデータによると、送りバントはあまり効果がないのだとか。同じ理由で、盗塁も成功率90%以上でないと意味がないらしい。
3年連続で地区優勝しているチームが盗塁もしなければバントもしない、というのはかなりおもしろい。『Moneyball』を読んでから野球を見ると、見方が変わる。
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■ 柳原弘味さん(清水エスパルス)の
- 『営業企画の工夫』の話
エスパルスでの肩書きは営業企画。「企画」が付いているのがミソで、スタジアムへ足を運んでもらえるようなアイデアを考えなくちゃいけない。
そこで去年のヤマザキナビスコカップ準決勝の、対浦和レッズ戦。ゴールが入ったら白い煙がバーッと上がるショーアップの演出を導入した。これは大阪のUSJを見に行ったときに思い付いて、ずっと温めていたアイデアだった。
ところが気が気じゃないのは「得点が入らなかったらどうしよう……」ということ。それなりにお金もかかっているのに、使う機会はないかもしれないし。せめてハーフタイムで1度使っておこうか……なんてことも考えたんだけど、結果的には1点を取って使えたので、なんとか形にはなった。
あとで写真を見ると、ゴールを決めて喜んでいる選手の後ろで白い煙が上がっている様子はかなり格好良かった。ところが投書で「派手なことばかり考えないでください」なんて来ちゃったりして、ちょっとガッカリ。
2年くらい前には「勝ったら花火」という企画もやった。とにかく勝ったら花火を上げる。最初の頃は「こんな無駄なお金……」という声も社内にあって、なかなか踏み切れなかったけど、1回やって観客のみなさんの喜ぶ声が聞こえてきたら、「やってよかった!」と思えた。
どんなに「スタジアムへ来て下さい!」なんて宣伝しても、1度来てつまらなかったら2度と足を運んでもらえない。それよりは、楽しんでもらったお客さんがまた足を運んでくれる、その時には友達も誘ってきてくれる、というのが集客には一番効果的。そして、そうなってはじめて大手を振って「スタジアムへ来て下さい!」と宣伝できる。
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■ 勝田紳嗣さん(コクド・アイスホッケーチーム)の
- 『アイスホッケーチームの運営』の話
先日、ドラマ『プライド』の役作りで、木村拓哉クンと坂口憲二クンがコクドの東伏見リンクへ来た。2人とも運動神経が本当に良くて、1度教えたことはすぐに吸収してしまう。子供の頃から何かスポーツの道に進んでたら、なにをやっても凄かったのでは……と思わせるものがあった。
最近は日本のアイスホッケー・リーグにも外国人選手が多くなった。基本的には外国人選手は1チームに1人までなんだけど、長野オリンピックの時に日系外国人選手が増えて、メンバー表では外国人選手が多いように見える。というのは、5年以上日本でプレーするか、日本国籍を取得すれば日本代表としてプレーできる、という国際ルールがあるから。
日系外国人選手たちは、体格的には日本人と替わらない。でもプロ契約して「アイスホッケーで身を立てる」という覚悟が違う。同じチームにいても、勝つことに対する執着心とか、厳しい感覚でやっているなということをヒシヒシと感じる。それに対して、日本人選手はやはりどうしても「会社員」なので、そこまで厳しくなるのはなかなか難しい。
コクドの選手は会社員だけど、「日光アイスバックス」というチームの選手は、みな契約選手。プロ選手と言えば聞こえは良いけど、野球やサッカーのような高額年俸をもらえるわけではないので、シーズンオフには別の仕事やアルバイトをしている人も多い。でも、あのチームには「アイスホッケーをできる環境がある」ということを心から喜んでいる人たちが集まっている。
コクドのフランチャイズは東伏見と新横浜、日光アイスバックスはもちろん日光、王子製紙が苫小牧、日本製紙が釧路。それ以外にも、長野などでも試合は行われるので、シーズン中はずっとバスで移動している。長野で10時に試合が終わって、東京に帰ってくるのが夜中の2時、なんてこともしばしば。
コクドが日光で試合をするときは、さすがに日光のプリンスホテルに泊まる。ところがホテルはいろは坂の上、リンクは坂の下なので、紅葉の時期に大渋滞に巻き込まれたこともある。その時は会場到着が試合開始直前だった。
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■ 広瀬一郎さん(スポーツプロデューサー)の
- 『アメリカのスポーツビジネス』の話
アメリカでは、スポーツに限らず、ビジネスの世界と大学などの研究施設の交流が盛ん。
たとえば、エクスポズの大家。彼のマネージメントをやっているのは弁護士だけど、その弁護士を紹介したのは、マサチューセッツ大学スポーツマネージメント学科の女性学部長だった。大家が契約しているマネージメント会社の人間がそこに留学していて、「大家のアメリカでのマネージメントをどうしたらいいでしょう?」と相談したら、「ウチの旦那が弁護士やっているけど、どう?」という縁だったらしい。
そんな風に、向こうでは大学とビジネスの現場に垣根がない。
それから、カレッジ・スポーツがビジネスの対象になっている、という側面も見逃せない。カレッジ・フットボールのウエスト10とかで優勝するようなチームのスタッフは、平気で年俸5000万円くらい稼いでいたりする。
そういう蓄積があって、その頂点としてのメジャーリーグだったりするので、そこに携わっているのは選手だけが頂点というわけではない。経営の人材の頂点、という位置づけでもある。
エール大学の経営学のMBAでは、「お前が今、メッツのGMだったらどうするのか?」なんてゼミが行われている。それに対して「経営学的にはこう、人材の配置はこう、フォーカルポイントがあって、PLがあって、3年間のアセットは……」なんて話をしている。その勉強をちゃんとした人が現場に来るのだから、それは強い。
選手を商品としてみるというのは、一見、嫌なことのように感じるけど、それは価値を認めているということでもある。価格ありきではなく、まずは価値ありき。価値があるから、そこに価格が発生しているだけ。日本の場合は、スポーツに価格を付けたくないから価値を認めない、みたいな流れになっている。
お金を払って映画を見て泣くのが当然なら、「日本が初めてサッカーW杯出場を決めた試合を見て泣いた」のにもお金は当然払われるべき。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 11'19" |
I've Got You Under My Skin |
Anita O'day |
Verve |
894 266-2 |
| 21'45" |
Pennies From Heaven |
Four Freshmen |
Capitol |
CDP 7243 8 31205 2 |
| 32'04" |
Between The Devil And The Deep Blue Sea |
Matt Dennis |
BMG |
BVCJ-7483 |
| 36'54" |
Love Is Just Around The Corner |
Ann Gilbert |
BMG |
BVCJ-7368 |
| 48'03" |
I'm Beginning To See The Light |
Peggy Lee |
Capitol |
7243 8 54543 2 5 |
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