SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2003年12月27日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「さよなら双子パティシエ」

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 AVANTIの看板娘だった双子パティシエ、ゆうちゃんとあいちゃんが、本日限りで当店を卒業します。
 なんでも2人は、独立して自分たちのお店を持つのだとか。ちょっと寂しくなりますが、おめでたい話ですから、笑顔で送り出してあげようと思います。
 今日は2人との別れを惜しみに、常連のお客さまが大勢いらっしゃって下さいました。そのみなさんのお話を、少しだけここで紹介させていただきます。


image ■ 阿刀田高さん(作家)の

『初詣』の話

 毎年1月1日には、近所の神社に行く。小さな祠(ほこら)があって、賽銭箱に5千円くらい入れてくる。
 これが明治神宮なんかだと、どんなに偉い神様だって、あの人数では面倒を見きれないに違いない。5千円だろうが1万円だろうが、神様も「あぁ、またか」てなもの。
 その点、近所の祠で5000円も使えば、神様もいの一番で御利益を授けてくれるのではないか……と。どんなにチンケな祠の神様だって、神様といわれるくらいなら1票くらいはなんとかできてよさそうなものだし。
 これが案外、効果があるのか、ここ数年はそんなに悪いこともなく過ごせている。





image ■ 松田龍平さん(俳優)の

『ゲーム』の話

 昔からゲームが好きで、暇なときはよくゲーセンにも行く。
 家で友達と遊ぶならサッカーゲームの『Winning Eleven』が最高。あれは不朽の名作だと思う。それから最近は、X-BOXの『HALO』というゲームにハマっている。宇宙人と戦ったり、何人かで対戦したりするゲームなんだけど、特に対戦がおもしろくて、つい「よし!」と声を上げてしまったり。
 以前に『鬼武者』というゲームのCMに出演した。第1作はかなりハマって、全部クリアしたゲームなんだけど、2作目は父親(故・松田優作さん)がCGで再現されていて、父親を操作するというのが微妙な感じだった。
 最初のムービーで、父親が喋っているところから妙に気まずかったりして……こんなにゲーム好きな自分だけど、さすがにあのゲームはちょっと触っただけでやめてしまった。

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image ■ 小笠原敬承斎さん(小笠原流礼法宗家)の

『作法』の話

 近代になって西洋から入ってきた習慣でも、小笠原流の作法は通用する。
 例を挙げるなら名刺の交換。これは「お手紙」の作法を引用できる。たとえば卒業式で校長先生から卒業証書を受け取るときなども、先生の署名に手を触れないよう手に取る。これは、名前は相手そのものだと思って大事にする、という心遣いから来ている作法。
 名刺を渡す人の方にも作法がある。最初に自分の方を向いている名刺を、時計回しに回して相手の方に向ける。この回すときに「どうぞ」という気持ちを込めて、それから渡す。
 手のひらの向きにも重要な意味がある。有名になりつつある陰陽道でいえば、手のひらが陽で、手の甲が陰。お客さまに「どうぞこちらへ」と案内するときは手のひらを上にするし、逆にオバケの「うらめしや〜」の手つきは陰。目上の人は手の甲を上にしながらものを渡し、下の人は手のひらを見せながら相手を敬って受け取る。だから名刺の交換なら、特に受け取る側の作法として、「両方の手のひらを上に向けて、うやうやしくいただきましょう」となる。
 こういった具合に、昔から受け継がれてきた「心を表す形」を、どうやって現代に生かせるか、ということを考えるのが私の仕事。そしてその「形」は、洋の東西を問わず、万国で共通している部分が非常に多い。それは西洋の「プロトコール(国際儀礼)」であったり、日本の礼法だったりする。
 和の作法で言えば、お茶は右側に、お客さまも右側に置く。実は洋でもグラスは右で、固形物は左。これは何か危険があったときに、聞き手側にグラス類があった方が対応が利く、という理由から生まれた作法。
 一方、上座下座の概念は和洋で逆転する。和は左上座で、洋は右上座。その違いは、太陽の位置から来ている。日本には「天子は南面す」という言葉もあって、南に向いている席が偉い人の席。そしてその南向きの人から見たときに、左側(東)から太陽が昇って、右側(西)に沈んでいく。その位置関係から、左が上座ということになっている。
 プロトコールの場合は、西洋の騎士道がベースになっている。あちらでは、まず東の太陽が上がってくる方向に向かって座る。すると右側(南)が暖かいので、右が上座になる。さらに言えば、キリストの描かれている絵や、天国と地獄が描かれているような絵を見ると、キリストの右手は必ず開かれていて、天国に向かっている。左手はものを遮ったりしながら、地獄が描かれる。そういった絵画からも、明らかに西洋では「右が上」とされていることが読みとれる。

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image ■ 林博史さん(広告代理店勤務)の

『駅員のアルバイト』の話

 大学時代、4年間ずっと駅員のアルバイトをしていた。当時の国鉄は、学生班の人間がけっこう居て、通勤のラッシュ時にいわゆる「押し屋」、乗り切れない人を電車に押し込める仕事をしていた。
 僕が働いていたのは王子、高田馬場、原宿の3カ所。押し屋だけじゃなくて、切符も切ったし、アナウンスもやらせてもらった。原宿だったら「新宿、池袋、田端、上野方面行き電車参ります」とか、反対側だったら「渋谷、大崎、品川方面」とか。
 ところが、学生同士だとついふざけしまうもので、1駅ずつ半周分の駅を全部言ってしまうヤツもいた。それで助役さんに怒られたら、今度はマイナーな駅だけを言ったりもした。マイナーな駅だと「新宿、池袋方面」が「目白、駒込、鶯谷方面」になってしまう。
 大崎なんかも、今でこそあんなにきれいになったけど、当時はマイナーな駅だった。山手線の始発駅としては昔から有名だったけど。厳密に言えば、山手線の始発駅はもう1つあって、それは池袋。

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image ■ 中園ミホさん(脚本家)の

『四柱推命』の話

 脚本の勉強をする前は、四柱推命の勉強を真剣にやっていた。別に占い師になろうとしていたワケじゃないけど、母が占い好きで、よく家に占い師が晩ご飯を食べに来ていた。その時に「占い師って女性の心をガッと掴むな〜」と感心してしまって。私が女性にモテても仕方がないけれど、とにかくその占い師が格好良く見えて、勉強してみようと思った。
 その人はいつも手帳を持っていて、その手帳で四柱推命のデータを調べながら占っていた。ある時、私はその手帳をかっぱらって、部屋に持っていって写し始めた。そうしたらこれが意外とバレなくて、何ヶ月か掛かってその手帳を全部写してしまった。
 もっとも、写すには写したんだけど、意味がわからないから使いようがない。そこで全部を写し終わってから「教わりたいんですけど……」とお願いしてみた。「君みたいな若い人には教えられない」と断られても、「でもノートを全部写しちゃいました」と食い下がったら、「そこまでやりたいのなら」と教えてもらうことになった。
 そんな次第で、14〜18歳まで、ずっとその先生について四柱推命の勉強をした。結局、占いを仕事にすることはなかったけど、中目黒にいる有名なキガクの先生がいて、先生の体調が悪いと手伝ったりもした。その先生のところにはいろんなお客さんがいて、いかに政治家が占いが好きかとか、という裏事情はよく知っている。
 男性は基本的に占いを信じていないものだけど、その例外は政治家と企業のオーナー。あの人たちは本当に占いが好き。やっぱりどこかで「自分の力だけでここまで成り上がれるわけがない」と不安を抱えているのだろう。今まで自分の味方をしてくれていた幸運の女神が、これからもずっと味方でいてくれるためならば何でもする、みたいな感じだった。占い師のいいなりみたいな人もいたし。
 料亭に呼ばれて「占ってほしい」と頼まれたこともあった。ところが不思議なことに、料亭に呼ばれると、なぜか二度と呼んでもらえない。よくよく我が身を振り返ってみるに、食いしん坊なのがよくなかったみたい。バクバク食べて「おかわり良いですか?」なんてこと言っていたら、そりゃ占いのありがたみがなくなってしまうのだろう。
 ちなみに、みんな占い師には、普段は絶対に他言できないようなことまで打ち明けてしまうので、ドラマのネタとしては最高だった。とても力のある人が、ものすごく情けないことで悩んでいたり、人間ってなんて弱くて可愛らしくてチャーミングなんだろう……そう思ったのが20歳の時。だから私のドラマに出てくる人は、みんなどこかいびつで、悩みを抱えている。
 今でも私は、仕事を引き受ける前に仕事相手の生年月日を調べて、四柱推命で占っておく。だから正直、「今回の仕事はそこそこ当たらないだろうな〜」なんてひそかに思っていることもあったりして。

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image ■ 葉千栄さん(東海大学助教授)の

『人民元』の話

 最近、特に東京で、「中国の通貨、人民元を日本で買う」という投機の動きが出始めている。今は円高。来年か再来年か、そう遠くない将来に人民元が騰がったら、日本円を買い戻す。その行って来いで2倍おいしい、と。
 個人でも企業でもそういう動きはあるんだけど、特に中国に進出している中小企業で活発になっている。人民元が騰がらなかったとしても、向こうで賃金として払ってしまえばいいだけなので。
 この話を聞いたとき、僕は「嘘だ」と思った。なぜなら日本では人民元は買えないはずだから。ところが調べたら、実は日本でも人民元は買えた。場所は虎ノ門。ここに中国・交通銀行の日本支店がある。そこを含めて今、東京で4つの銀行で人民元を買うことができる。
 中国政府は、そろそろ人民元を上げても良い頃だと思う。いくつか理由はあるけど、たとえば中国の外貨準備高は、3600億ドルで日本に次いで世界第2位。こんなことを言うと日本の政治家はすぐに「ODAを中止すべきだ〜」なんて言いそうだけど。しかもこの数字、香港抜きでの話。香港の1000億ドルを入れたら、もう日本すら抜いてしまう。さらにその数字は、毎月500億ドルというペースで増え続けている。この事実は新聞等でまったくと言っていいほど報道されていない。
 そして、その中国の外貨準備高の中で、非常に重要な意味を持つのがアメリカの国債。日本がアメリカの国債をたくさん持っている(持たされた)のは有名な話だけど、またもや日本に次いで世界第2位のアメリカ国債を持っているのは、すでに中国。これは今日の米中関係を正しく把握する上で、非常に重要な要素になる。日本とは事情が違うので、アメリカは中国に対してあまり強いことは言えなくなるだろう。その額、実に900億ドル。
 ちなみに9/1から、中国の一般市民が海外旅行をするときに持ち出せるお金の制限が、日本円にして約90万円まで引き上げられた。僕が1986年3月22日に日本へ「上陸」(飛行機で来たのになぜかこう言われた)した時は、たったの200ドルしか持ち出せなかった。上海を発つ前から「どうやら成田空港は、東京とはけっこう離れているらしい」という噂は聞いていたから、その200ドルで東京までたどり着けるかどうかも心配だった。今だから白状するけど、その時はこっそり靴下の中にお金を隠していたくらい。当時は違法だったけど、もう時効ってことで……
 それくらい、当時の中国政府にとっては外貨は貴重なものだった。それが今や90万円。まさに隔世の感がある。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
7'46" The Blue Moon Bing Crosby Verve 314 526 448-2
19'05" Always True To You In My Fashion Blossom Dearie Verve 847-202-2
26'04" There's A Rainbow 'Round My Shoulder Bobby Darin Capitol CDP 7243 8 29385 2
33'38" Them There Eyes Anita O'day Capitol CDP 797802 2
46'20" The Song Is Ended Nat King Cole Capitol CDP 0777 7 89545 2 1
45'25" O Little Town Of Bethlehem Cannie Francis Stardust STACD 501


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