■ 小柴茂樹さん(六本木「海南鶏飯食堂」)
- 『海南鶏飯』の話
「海南鶏飯」は、シンガポールの海南島に伝わる鶏飯。シンガポールでは「海南島のチキンライス」と呼ばれている。でも、日本でその名前を使ったらケチャップ味のチキンライスと勘違いされてしまうので、あえて「海南鶏飯」という古い名前を使っている。
僕が父の仕事の関係でシンガポールに住んでいたのは、もう25年ほど前、まだ僕が子供の頃だった。当時のシンガポールはまだまだ発展途上で、そこそこブランドショップが建ちはじめた、という時代だった。
父は当然、昼間は仕事。そこで10ドル紙幣を僕に渡して「昼飯はどこかで食べてこい」と。それで子供なりに、いろんなところに行って、現地の料理を試していた。
僕は好き嫌いの激しい子供だったんだけど、ある日、食べたチキンライスが驚くほどおいしかった。「これなら毎日でも食べられる!」と感激して、その記憶がずっと残っていたので、その後もときどき友達に、そのチキンライスを作ったりはしていた。
そして大人になり、いよいよ子供の頃に感激したチキンライスのお店を開くことになった。さすがにお店を開くにあたって、「最高に美味いチキンライスとは?」ということをちゃんと調べるために、あちこちを食べ歩き、自分でもいろんな実験をした。その結果が実を結び、理想に近い味が一定して出せるようになったのは、お店がオープンしてから2ヶ月くらいしてから。それまでは試行錯誤の連続だった。
海南鶏飯は、すごく簡単な料理。でも簡単なだけに、バランスが難しい。たとえば日本料理のダシだって、材料的にはシンプルだけど、ちゃんとしたダシを作るのは難しい。それと似ている。鶏の脂を米に使うんだけど、入れすぎると油っぽくなってしまうし、そのあたりのバランスが肝心。
そもそも、日本米を使ってはダメ。それはタイ米で寿司を作るようなもの。最近は良いタイの米が入ってきているので、それを使った方が美味しいチキンライスが作れる。
チキンライスのおいしさは、もちろん鶏も大事なんだけど、まず米が一番大事。さらに2番目に大事なのがチリ・ソース。市販のチリ・ソースじゃ美味しくないので、唐辛子から自分で作る。その次に鶏の茹で加減が来る。
よくお客さんとも話すことだけど、それぞれを別々に食べても何のインパクトもない。でも、ソースとご飯とチキンをスプーンの上に乗せて、パクッと頬張ると、鼻に抜けるなんとも言えない香りと食感に「美味しいね」と。海南鶏飯はそういう料理。
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■ 犬養裕美子さん(フードライター)の
- 『豚肉』の話
最近は、『ローブリュー』や『リストランテ・テラウチ』のように、ちゃんと肉を焼く店が増えた。以前は、ちゃんとした料理に見せるために、周りにソースを置いたり、つけ合わせを頑張ったり、見栄えが良くなければ商品にならない、という風潮があったけど、最近になって、「肉を焼くだけでも、お客さんは食べたいと思ってくれるんだ」ということがわかってきたみたい。それで作る人も、安心して「焼くだけ」の料理を提供できるようになった。
しかも最近、イタリアのチンタ・セネ―ゼとか、イベルコ豚とか、いろんな食材が入ってきているので、まだまだ豚は食える!という感じ。
豚と言えば、よくレストランのメニューで見掛ける「白金豚」。あれは「しろがねぶた」じゃなくて「はっきんとん」。英語なら「プラチナ・ポーク」。もちろん白金で作っているワケじゃなくて、岩手で作っている豚で、4年くらい前から出てきた。今までの豚と較べて、脂の質や肉質がぜんぜん違うので、ものすごいブームになっている。
白金豚は、肉の旨みがすごくあって、ジューシーで、なにより豚の一番おいしい部分の「脂」を口に含むと、パチーン!と弾ける感じがする。その感覚は、まるでアメリカで流行った「口の中で弾けるお菓子」みたい。それくらいのインパクトがある。食感として、スッと脂が消えてしまうので、「これならどれだけ食べても絶対に太らない!」と思ってしまう。もちろん、そんなことはないんだけど。
おいしく焼いてくれる店なら、炭火焼きで出してくれるので、ある意味スモーク(薫製)。白金豚はそれが一番。
イベルコ豚は、スペイン産。スペインでちゃんと検査を受けて、「品質が良い」とお墨付きのものが日本に入ってきている。それなりに値段も高い。そしてチンタ・セネーゼもそうだけど、向こうの豚は味が強い。
以前まで、豚といえば黒豚くらいしかなかったけど、最近はこんな風にいろんな選択肢が増えた。この間、大阪で「越後の餅豚」というヤツも食べる機会があって、これも美味しかった。豚肉が今、ちょっとしたブーム。
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■ 小林昇さん(柏崎トルコ文化村)の
- 『トルコ・アイス』の話
トルコでは、お菓子を「パスタ」と呼ぶ。それを作る人が「パスタネ」。そのパスタネの中でも、アイスクリームを作る人を特に「ドンドルマ」と呼ぶ。
トルコ・アイスは、伸びるアイス。もともとは普通のアイスクリームなんだけど、そこに伸びる素材として、蘭の根っこを乾燥させた粉(サレプ)を加えて作る。それ以外は、普通のアイスクリームとほとんど同じ。せいぜい生クリームを使わない、というくらい。
トルコのお菓子は、全般的に甘い。その甘さたるや、日本人にとっては想像を絶する。わかりやすくいえば、食べ過ぎると歯が痛くなるほどの甘さ。トルコ・アイスも、それくらい砂糖を入れて、煮詰めていく。
トルコ・アイスは、作ってからが大変。売る時に、鉄製の長いヘラで練りながら売らなくてはならない。それはある種の遊びなんだけど、それがないとつまらない。子供が通りかかると、アイスクリーム職人もちょっとふざけて、鍋をひっくり返したり(粘るので落ちない)。トルコ・アイスは、そんな遊び心も楽しいお菓子。
向こうのアイスクリーム売りの象徴は、鈴の音。ガラガラと鈴を鳴らして、「アイスクリームいかがですか?!」と声を上げている。
ベースになるのはバニラ味。それから、トルコはチェリーの産地でもあるので、チェリーをそのまま中に入れてしまったり。トルコの紅茶「チャイ」を混ぜてあるものもある。トルコはナッツ類も充実していて、名産の「ヘイゼル・ナッツ」などを混ぜたり、くっつけたり、いろんなバリエーションがある。
そして何より、その食感が独特。サラッとした感じではなく、モチモチとした、感で食べるアイス。それがトルコ・アイス。
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■ 西山理恵さん(学芸大学「ぺてぃすこす」)の
- 『ポルトガル料理』の話
一口にポルトガル料理と言っても、ちょっと説明が難しい。スペイン料理の「パエリア」みたいに、わかりやすい料理があればいいんだけど……
一応、代表的なのは「タラ料理」。とは言っても、獲れる場所はポルトガルが面している大西洋ではなく、遠い北欧方面の海なので、塩漬けが中心になる。今でも「名物」な割に、輸入に頼っている。
その塩漬けのタラを一晩、厚い切り身ならそれ以上、水に浸して塩気を抜いて、料理に使う。そのタラを使った料理なら、「365日、毎日違った料理を食べられる」と言われるほど、いろんなレシピで食べている。
ポルトガルに行った日本人なら、「イワシの塩焼き」というイメージを強く持っているかもしれない。それくらいイワシもよく食べる。ヨーロッパでは尾頭付きをいやがる傾向が強いけど、ポルトガル人はぜんぜん平気。だからイワシを炭火で焼いて、名産の海塩をかけて、塩焼きで食べている。日本人が食べても、かなり美味しいらしい。
ポルトガル料理は、全体に素朴さやシンプルさが特徴。日本人はヨーロッパ旅行に行くと、けっこう料理が辛かったりするけど、ポルトガルに行けばホッとする。海の近い街なら、レストランに入れば「どの魚にする?それを煮る?焼く?」と聞かれるので、シンプルな焼き魚を食べることができる。付け合わせも茹でたジャガイモぐらいだったり。
タラ料理なら、身をほぐしてジャガイモと合わせたコロッケ。これはバールなどで、おつまみとしてポピュラーな存在。それからタラと揚げたポテトとタマネギを炒めて、卵とじにした料理もある。これも結構どこにもある。
ポルトガル料理はまだまだ知られていないので、「何があるの?」と聞くお客さんが多い。ポルトガル人も日本にはそんなにいないし。とりあえず、スペイン人のお客さんは「おいしい」って言ってくれたけど……
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■ 赤荻達也さん(ファミリーマート)の
- 『コンビニ・フードのトレンド』の話
最近は、和風系のお弁当が売れている。これは中高年、とくに30歳以上のお客さまが増えている影響だと思う。中高年のお客さまが増えていると言うよりは、コンビニ世代が中高年になりつつある、と言った方が正確かも。以前はボリューム系の「唐揚げ弁当」とか「チキンカツ弁当」を食べていた方が、だんだん和風系の商品に移りつつあるのだろう。
和風系の商品に「彩り幕の内」というお弁当があって、これを作るにあたっては、1つ秘密があった。普段は若い客層向けに作る機会が多いため、開発陣も20〜30代前半の人がほとんど。ところがこの商品を開発するにあたっては、仮称「オヤジ・プロジェクト」を組んで、38歳以上のメンバーだけで開発した。ちなみに38歳というのは私の年齢。そして「自分たちが食べたい商品というのは何なのか?」という観点から商品を開発した。
その結果、誕生した「彩り幕の内」は、揚げ物は少なく、おかずにバラエティ感を、そして味付けは薄味ながらも旨口、という仕立てになった。ご飯の量も通常よりは少なめで、焼き物、煮物、蒸しもの、ちょこっと揚げ物、という構成。デパ地下の幕の内弁当や、仕出し弁当に近いイメージになっている。
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■ 田崎真也さん(ソムリエ)の
- 『ポルトガルのワイン』の話
2年に1回、ボルドーでワインの見本市が開かれている。世界中から数十万人の、仕事としてワインに携わる人が集まって、2000社ほどのワイナリーが出展する、いわばワインのビジネス・ショー。そこへ行けば、わざわざ世界中を飛び回らなくても、世界のワインの傾向がだいたいわかる。
今年は、ポルトガルの一部の地域のワインがすごく良い。それからアルゼンチンのワインも急成長した。
日本でも、昔からポルトガルワインと言えば「ポートワイン」だった。ポートワインは甘くて、途中でブランデーを加えるので、アルコール度数も高いワイン。ところが、このポートワインの消費量がだんだん落ちてきた。でも元々すごく良いブドウを使っていたので、余った(というワケではないけれど)品質の良いブドウが、ポートワイン以外の普通のワインにも使われるようになってきた。
ただ、その土地の名前を付けて売ってしまうと、以前からあった地元向けの安いワインのイメージを引きずってしまう。それでは採算が取れないので、フランスなど他の国の人がアイデアを出して、国際市場に向けて新しい名前で売り出した。
品質の良いブドウは以前からあったので、製品が出回るまでも早かった。市場からすれば、忽然と素晴らしいワインが登場したようなもの。そのワインが、ポツポツと日本にも入り始めている。
このポルトガル・ワイン、値段も安くて、1500円くらいから手に入る。ポートにすると、最低3年は寝かせて、良いものになると5〜20年かかって出荷する。そこを作ってすぐに売れるので、良いブドウを使っていても値段は安い。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 8'27" |
You Inspire Me |
Jackie & Roy |
KOCK |
KOC-CD-7927 |
| 18'05" |
Yes I Can |
Sammy Davis Jr. |
Reprise |
WPCR-884 |
| 28'25" |
Get Happy |
June Christy |
Capitol |
7243 3509 2 2 |
| 38'37" |
Give Me The Simple Life |
The Four Freshman |
Capitol |
72438-19175-2-7 |
| 43'36" |
Falling In Love With Love |
Joni James |
DIW |
DIW-394 |
| 48'28" |
Fantostico |
Peggy Lee |
Capitol |
7243 8 56056 2 8 |
|