■ 池沢龍さん(NHK広報局)の
- 『地上波デジタルとハイビジョン』の話
デジタル化というのは、放送の世界だけで行われているわけではない。通信、家電、さまざまなジャンルでデジタル化が進んでいる。その中で、放送もデジタル化に対応していく、という趣旨。
2000年12月にBSデジタル放送はスタートしているけど、地上波放送と較べると、まだまだ視聴世帯数は少ない。そこで今度は、地上波をデジタル化することによって、ほとんどの家庭で使われているテレビがデジタル化していく予定。
最初は、東京、大阪、名古屋の一部でスタートする。従来の地上波アナログ放送はVHFという周波数帯で流されてきたけど、デジタル放送になるとUHFで流される。
デジタル放送のメリットは、なによりもまずその美しさ。従来のテレビが525本の走査線を使っていたのに対して、ほぼ倍の1125本の走査線を使って表現することが可能になる。情報量で較べれば、約5倍の情報を送ることができる。この「ハイビジョン」の映像は、非常に鮮明で美しい。
ただ「テレビなんて映ればいい、綺麗じゃなくたった構わない」という人が多いのも事実。でも、NHKの広報に勤めているから、なんて理由じゃなくて、本当に一視聴者として「1度見て較べてみて!」と声を大にして言いたい。たとえば放送中の大河ドラマ『武蔵』は、地上波で従来の放送を、BSデジタルでハイビジョン放送を同時に流しているけど、一度ハイビジョンに慣れてしまったら、もう従来のテレビには戻れない。
従来のアナログ放送は2011年7月に終了することになっている。8年間は移行期間として「サイマル(同時)放送」といって、同じ番組をアナログとデジタル両方で流すことになる。サイマル放送は放送法で「2/3は同じ内容でなくてはいけない」とちゃんと決められているので、最低2/3は必ず同じ番組が放送される。
ハイビジョンは40年ぐらい前からNHKがコツコツと開発してきた技術。コッポラの『One From the Heart』は、20年以上前にコッポラがNHKの研究所に来て「これからは映画もハイビジョンだ!」と言って、ハイビジョンで撮った映画だった。それから20年が経って、やっとジョージ・ルーカスなんかもハイビジョンで映画を撮影するようになってきた。放送や映画だけじゃなくて、手術の記録だとか、深海の撮影だとか、さまざまな分野でハイビジョンの鮮明な画像が役立ち始めている。
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■ 吉田弘さんと吉川和徳さん(博報堂)の
- 『世界の地上波デジタル事情』の話
1998年にイギリスとアメリカで地上波デジタル放送が最初に始まって、その後、フィンランド、スウェーデンなどヨーロッパではけっこう普及しているので、今度の日本が9番目。
たとえばイギリスでは、もともと衛星デジタル「B Sky B」でデジタル対応テレビが普及していたこともあって、地上波デジタルもすでに650万世帯で視聴されている。人口が日本の半分くらいだから、かなり普及している感じ。ただ、最初に有料放送で始めて大失敗して、去年の暮れから無料放送にしてなんとかうまく行った、みたいな紆余曲折はあったみたい。
ヨーロッパはそんな感じで順調に普及しつつあって、それに続くのがアジア。実はアメリカは、圧倒的にCATVが普及しているおかげで逆に苦戦している。結局、CATVのケーブルがアナログだったりするので、デジタル放送も結局、そのアナログ・ケーブルを介して見ざるをえなかったり。
携帯電話の場合、ほとんどの端末がデジタルに切り替わって、アナログからの移行は非常にスムーズだった。でも、ユーザーは「デジタルになった」と思っているワケじゃなくて、「メールが送れるようになった」「インターネットが見られるようになった」みたいな事で、変わったということを認識している。テレビがアナログからデジタルになった時、ハイビジョンの綺麗な映像、ということ以外に、どんな機能が付くか、どんなメリットがあるか、ということが勝負になってくると思う。
もっとも、ハイビジョンの綺麗な映像、というだけでも相当スゴイことだけど。もしかしたら、白黒テレビからカラーテレビに切り替わった時と同じくらいのショックがあるかも。「カラー放送」という画面の文字を見ながら悔しい思いをした、という伝説はよく聞くので、もしかしたらその現象の再現があるかもしれない。
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■ 中沢雄二さん(『DIME』取材記者)の
- 『地上波デジタル放送の効果』の話
地上波デジタルが始まった時に、たとえば「よし、買ってみよう!」と意気込んで対応テレビを買ってきて、12月1日に電電を入れたとする。ところが東京都内であっても、多くの地域では何も映らない。
都内で受信できるのは千代田区と港区の一部。東京タワーのすぐ近くだけ。自分の家まで電波が届いているかどうかは、12/1にアンテナを立てて試してみないと分からない。
すでに地上波デジタル対応テレビは、数社から発売されているけど、作っているメーカーだって製品の試験に苦労しているほど。仙台で実験放送が行われているので、そこまでわざわざテレビを持ち込んで、そこで検証しているんだとか。
幸い、地上波デジタルは、高層ビルなどの障害には強いので、今までのアナログ放送で見られたゴースト現象は起こらなくなる。しかもハイビジョンの高精細画像に、場合によっては5.1chサラウンドで楽しめる。
ところがどの放送局に聞いても、頭を悩ませているのはセットと女優さんらしい。アナウンサーも「目尻が…」なんて、みんな頭を抱えている。高精細であるが故のマイナス、という部分もないわけではない。
画角も変わってくる。今までの4:3から16:9に変わるので、セットがどの範囲まで映るのかも研究課題だとか。いまのところNHKが一歩リードしているらしいけど、民放もいろいろ研究している。
実は、ハイビジョンじゃなくて今までの画質でいいのなら、地上波デジタルでは1つの周波数帯で3チャンネル分の放送ができる。これを利用すると、夜9時までは野球をハイビジョンで放送していて、放送延長になる場合は、野球の中継を従来の画質に落とす代わりに、定刻通りにドラマの放送が始まる、なんて芸当も可能になる。
レコーダー(録画機器)も様変わりする。録画してコピーしても情報が劣化しないので、放送にコピーガードが入っていたりする。特にハリウッドからの要請は厳しいらしくて、場合によっては一切録画できない、なんて番組も登場するかもしれない。そこまで行かなくとも、コピー・ワンス(一回しかコピーできない)という仕組みが組み込まれるのは当たり前になるだろう。今、人気のDVDレコーダーなどは、中にはコピー・ワンスに対応していないものも販売されている。そういう製品は、地上波デジタルが始まると録画自体ができなくなる可能性もあるので要注意。
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■ 平野祐一さん(さくらや)の
- 『地上波デジタル放送対応商品』の話
BSデジタルの時もそうだったけど、お客さまは「地上波デジタル」がなんなのか、まだよくわかっていない。そして国の政策が関わっていることなので、マスコミもメーカーも、そして私たち販売店も、ちゃんとわかっていない部分がある。
そんな感じで、みんながわからない部分を抱えながらも、地上波デジタルに対応した、と謳う商品は店頭に並び始めている。
地上波デジタル放送を見るために買う必要があるのは、基本的にまず地上波デジタル対応のチューナー、もしくはチューナー内蔵テレビ。現時点では東芝などから、バージョン・アップで地上波デジタルに対応できる、という製品が販売されている。
それからアンテナも必要なケースもある。東京ではUHFを見ている人はほとんどいないので、新規に地上波デジタル対応のUHFアンテナを取り付ける必要がある家が多いだろう。
なんだかんだで、一揃えで10〜11万円程度。今、地上波デジタルに対応しようと思ったら、それくらいの費用がかかる。
チューナー内蔵テレビの方は、まだプラズマとか液晶といった新しいテレビでは出ていないけど、従来のブラウン管型テレビで、28〜36型くらい。これも、東芝から出ている。
ただ、買ってきてそのまま使える、というものではなく、SDメモリーカードにドライバを入れて、後から本体に入れることで対応する、という性格のもの。そんな風に、家電製品もどんどん様変わりしてきている。
なにはともあれ、こういった製品を揃えれば、今年の年末は紅白歌合戦を地上波デジタル放送で楽しめる……はず。
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■ 小針俊郎さん(Tokyo FM)の
- 『ラジオのデジタル放送』の話
実はラジオは、10月からデジタル放送が始まる。テレビは12月からだから、地上波デジタル放送はラジオの方が先。
ラジオがデジタル放送になると、いろいろ変わる。わかりやすいところで、今までは聴覚だけに訴えていたラジオがマルチメディア放送になって、視覚にも訴えるような内容になる。たとえばURLを表示することによって、いちいち「ダブリュー、ダブリュー、ダブリュー、ドット、…」なんて言わなくても良いし、そこをワンタッチするだけで表示できるようにしたり。
当然のことながら、今までのラジオでは受信できないので、新しいラジオが必要で、それが悩みの種でもある。まだ製品も発売されていないので、メーカーと話をしながら、どんなラジオが登場してくるのか、いろいろ想定しているところ。
とりあえずラジオなので、大きなものにはならないはず。それから携帯の液晶を見るに、あれくらい綺麗な品質の液晶は載せられそう。もしかしたら携帯電話に組み込むことも可能かもしれないし、PDAやモバイルパソコンに内蔵されるかもしれない。そうなると、ラジオは発信する機能も持つので、リスナーからのリアクションも期待できるかもしれない。
たとえば番組の中で、あるレストランを紹介したとする。お店の所在地だとか電話番号だとかをいちいち番組の中で言わなくても、データとして送ることができる。すると、そのまま電話を掛けて予約をしたり、インターネットで予約ができてしまったり、とか。それからラジオで流れている曲が気に入ったら、その場でCDを注文できたり、近所のCDショップを表示してくれたり、なんてことも可能になる。
生活の中にどんどん入っていって、痒いところに手が届くようなサービスが提供される。そしてそれがインターネットとリンクする。これがデジタル化されたラジオの未来像。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 9'07" |
I've Never Been In Love Before |
June Christy |
Capitol |
CDP 7243 4 95448 2 6 |
| 17'01" |
Accidents Will Happen |
Tony Perkins |
Sony |
A 61320 |
| 29'35" |
Like Someone In Love |
Nancy Wilson |
Capitol |
|
| 40'10" |
The Late Late Show |
John Pizzarelli |
Stash |
PHCE 1023 |
| 45'50" |
Pick Yourself Up |
Frank Sinatra |
Reprise |
WPCP 5793 |
|