SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2003年5月10日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー」

image

 おかげさまで、今日も当店AVANTIは大勢のお客様で賑わっております。キャスターの長野智子さんをはじめとして、様々なお客さまがグラスを傾け、お喋りを楽しんでおられます。
 そういったお客様たちのお話が、実に面白いのが当店の自慢です。映画、音楽といった柔らかい話や、政治、科学のような堅い話、珍談奇談に、怪しげな噂話、いろんな話が飛び交います。誰が言い始めたのかは知りませんが、常連のお客様の間では、そんな面白い話をして下さる方々を、敬意を込めて「コニサー」と呼んでいるとか。なんでもフランス語で「目利き、玄人」という意味らしいんですが。
 お時間がございましたら、その「コニサー」のお話を聞きながら、一杯飲んでいかれませんか?


image ■ 長野智子さん(キャスター)の

『本場のアカスリ』の話

 この間、はじめて韓国に行って、噂の「本場のアカスリ」を体験してきた。それは恐るべき経験だった。
 まず、スッポンポンになる。そして薄い上着1枚を羽織ってサウナに向かう。このサウナがいきなりスゴイ。室温は100度以上。入り口で厚くて重い麻袋を渡されて、「これで守らないと、暑すぎて肌が傷みますから」と言われる。そしてそこには、20分も入らなくてはいけない。
 私は5分でギブアップして、「スミマセン〜、出してください〜」ってお願いしたら、「しょうがないわね〜」みたいな顔で出してくれて、氷タオルで一息ついた。ところが5分も休まない内に、「もう1度入りなさい」と言われる。つまり20分のノルマは、たとえ休み休みでも絶対にこなさなければならない。
 フラフラになりながら20分のノルマを終えてサウナから出てきたら、それまで私の面倒を見てくれていたオバサンが、いきなり黒の下着姿になって現れて、「脱ぎなさい」と私を裸にする。そしてお風呂へ連れて行かれて、ビニール製のベッドの上に寝かせられて、いよいよアカスリ開始。ゴリゴリすってくれるんだけど、その合間にバケツで汲んだ水を豪快に浴びせられる。その扱いは、まるで魚市場のマグロのよう。そういう女性がズラッと並んでいる光景は凄まじかった。夫に聞いたら、男性も同じだったとか。
 ただ、アカスリ自体は最高に気持ち良かった。全然痛みはないし、信じられないくらい垢は出るし、まるでシルクのような肌になれたし。ただ、そこに至るまでのプロセスが……今となっては良い想い出と言えるけど。最近、そこら辺のアカスリが「もの足りない」と思ってしまう自分が怖い。
 ちなみに料金は基本コースで8000円。そこには生キュウリをすり下ろして顔に乗せる「きゅうりパック」も含まれていた。緑色の顔をした裸の女性がズラッと並んで、バケツで水をかけられている……という光景を見たいなら韓国へ。変にクセになります。

【Hot Link !!】





image ■ 奥村愛さん(ヴァイオリニスト)と
  葉加瀬太郎さん(ヴァイオリニスト)の

『イツァーク・パールマン』の話

[葉加瀬さん]
 僕は昔からイツァーク・パールマンのフリークだった。小学校6年生の時に彼のコンサートを見て、サインをもらって一緒に写真を撮って以来、好きなヴァイオリニストは彼1人だけだった。
 それまでクラシックのコンサートを見に行っても、とにかく長いし、第1楽章が終わったところでつい拍手をしてたしなめられてしまうし、ろくな想い出はなかった。でも、パールマンのコンサートは違った。彼は最後に、必ずお客さんを楽しませるパフォーマンスをやってくれた。サミュエル・サンダースというピアニストが何十冊もの伴奏譜をもって舞台に現れて、パールマンと「コレやる?違う…じゃあコレ?」なんてやりとりをしてから、名曲を5〜6曲聞かせてくれる。これは子供でも心を奪われた。
 その頃、週に2回は先生のところへ行ってヴァイオリンのレッスンを受けていたけど、むしろそのレッスンよりもパールマンのレコードの方が僕にとっては先生だった。ヘッドフォンで聴きながら、弓順から指番号から全部メモして、それをコピーした。レッスンで「ここはこうしなさい」と教えられても、「いや、パールマンはそうじゃない」って。
 そうやって育ってきたから、いまだに自分の演奏には、パールマンの影響が強く残っていると思う。

[奥村さん]
 実は3年くらい前、そのパールマンに会っている。学校に臨時講師みたいな感じで来たんだけど、レッスンを受けたら「お前はガーデニングが趣味か?」と冗談交じりに言われてしまった。
 これは私の姿勢が悪くて、ヴァイオリンの先が上がったり下がったりしている様子を見て、「穴掘りみたい」と思ったらしい。言われた私はちょっとショックだったけど、でも周りはみんな笑っていたし、ユーモアのある人だった。
 私も子供の頃に参考にしたのはパールマンのCDだった。そんな憧れの人だったから、緊張したのなんの。景色がグルグル回る感じだった。

[葉加瀬さん]
 僕は中学生の時に、アクリルケースの下敷きにパールマンの写真を入れていた。普通はマッチ(近藤真彦)だったり聖子ちゃん(松田聖子)なのに。部屋に貼ってあったポスターも全部パールマンだったし、パールマンが好きな度合いなら絶対に負けない。いまだってパールマンのレッスンを受けたいと思っているし……奥村さんが羨ましい。

[奥村さん]
 パールマンは見ていても本当に楽しそうに演奏する人で、どうやったらあんな風になれるんだろうって思う。
 そういえば昔、母が「パールマンは子供用の楽器を使っているに違いない」なんて言ってて、妙に説得力があるので信じていた。手が大きいので、彼が持つと普通のヴァイオリンが子供用に見えてしまう。

【Hot Link !!】





image ■ 宇津井健さん(俳優)の

『ウエスタン・ライディング』の話

 早稲田に入れたのが嬉しくて、授業もまだ始まっていない頃に角帽をかぶって新宿をうろついていた。すると今の伊勢丹のあたりで、どこからともなく蹄の音が聞こえてくる。何だろうと思って見回したら、早稲田の角帽をかぶって白い手袋をつけた人たちが、3頭の馬に乗って信号待ちをしていた。信号が青になり、去っていくその3人。その姿に一目惚れして、その足で大学へ戻って馬術部の部室の戸を叩いた。これが僕と馬術の出会い。
 大学ではちゃんとブリティッシュ式の馬術を練習したんだけど、その後、ジョン・ウェインなんかの西部劇が流行って、ウエスタン・ライディングをやりたくなった。ところが当時、日本にはそんなことをやっている人は誰もいない。馬具屋に行っても鞍1つ、手綱1本も売っていなかった。それではじめてアメリカへ行った時に、ウエスタンの鞍を買ってきた。
 ところがこの鞍がビックリ。競馬の鞍は1kg未満、ブリティッシュの鞍で4〜6kg。それに対してウエスタンの鞍はなんと40ポンド、約20kgほどもある。喜び勇んで鞍を買ってきたは良いけれど、日本の馬にそんな鞍は乗せられなかった。これは馬の種類が違うためで、日本の馬はサラブレッド、ウエスタンの馬はクオーター・ホースというガッシリした体つきの馬。だから仕方なく、馬も輸入した。
 ウエスタン・ライディング最大の楽しみは、野山を馬で駆け回ること。1人でも楽しいし、大勢が集まったらバーベキューをやったり。寝袋を持っていって、ギターの上手いヤツらと星を見ながら1晩中遊んだこともあった。
 そういう時は、肩書などは全部忘れて、「ゲーリー」「サム」なんてウエスタン・ネームで子供に戻って遊ぶのが楽しい。ちなみに僕は「ケン」でそのまま通せるけど。

【Hot Link !!】





image ■ 西原理恵子さん(漫画家)の

『ぼくんち』の話

 まさか阪本監督が私の漫画を映画にしてくれるとは、思ってもみなかった。
 漫画家をやっていると、キャラクターCMの企画は山ほど来る。「何千万円ももらえて、すごく格好良いですよ〜」なんて言われるけど、それは絶対にウソ。広告代理店は100も200も企画を作って、その中の1つが通る、という仕事だから、昔は「もしかして…」なんて思っていたけど、じきに「そんなにうまく行くはずない」って思うようになった。
 映画の話が来た時も、そんな数多の企画の中の1つだろうと思った。きっと阪本監督のもとには何百もの企画が持ち込まれているに違いない。その中に私の漫画は数合わせで入っているだけだろう、と。最後の最後まで信用してなくて、小学館の八巻さんが「絶対に実現しますよ!」と言っても、「ホントにあんたは頭がめでたいわね!」って取り合わなかったのに……実現しちゃって、八巻さんゴメンナサイ。
 映画の出来に関しては、もう最初から文句なんて1つもない。こっちがお金を払わなくちゃいけないくらい。でも実は、最初に1つだけ条件を出した。それは「私を出して下さい」ということ。一応、記念ってことで……
 でも、衣装合わせの時、みんな自分の母親の下着姿を見たかのように下を向いて「プッ」と吹き出すのには参った。阪本監督はニヤッと笑って「西原さん、ほんならスッピンで行こうか」なんて言うし。すごいメイクをしてくれれば、仮面をかぶっているようなものだから、恥ずかしくないだろうと思っていたのに。
 映画は原作に忠実に作っていただいたので、感動を通り越して、孫のビデオを見ているおばちゃん状態になってしまった。太秦の大部屋の俳優さんたちも、「よくもまあ集めたもんだ」と感心するくらい、汚い顔が集まってくれて。「シンナー中毒で前歯が全部ない」っていう役があったら、本当に前歯のない人が演じてくれたり。
 あの阪本監督の「変な顔好き」は、マニアの領域だと思う。

【Hot Link !!】





image ■ 河井信哉さん(映画プロデューサー)の

『改名』の話

 業界で名前を変えるのが流行っている。新聞で、社長になったとか会長になった、なんて記事を見ると、読みは変わっていないのに、漢字が変わっていることが多い。どうも読みだけは海外の人にわかってもらえないので、漢字だけを変えているらしい。
 いままで、僕はまったく字画なんて気にしていなかったんだけど、会社が変わる時に、新しい会社のトップから「今の字画だと40代以降は坂道を転げ落ちるよ」って言われて、急に気になりだした。
 そこでまず親に電話をして「僕の名前は姓名判断をしたの?」と確認したところ、やっぱりしていない。「じゃあ名前を変えるから」と言ったら、当たり前だけど親はあまりいい顔はしない。そこで徹夜で新しい名前を考えた。
 本を読んで、大吉とは言わないまでも、せめて中吉ぐらいの字で、「しんや」の読みが変わらないもの……と探して、見つけたのが「信哉」という字。偶然にも、父親の「雅信」と息子の「直哉」を合わせた名で、字画的にもそこそこ悪くなかったので、コレに決めた。あまりいい顔をしていなかった父親も、「オヤジの一字が入っているぞ」と言ったら「じゃあいいや」と納得してくれたし。
 慌てて徹夜で考えたのは、次の日までに新しい会社で使う名刺の字を決めなければいけなかったせい。幸い、名刺の締め切りにはなんとか間に合ったので、仕事では新しい名前を使っている。ところが、ためらってしまうのは「戸籍」の方。こちらを変えると、変更届を出さなければいけないものが山ほど出てくる。それこそ、銀行の口座、運転免許証、不動産の名義、なにからなにまで変更しなくちゃいけない。それで戸籍の変更は、現在ちょっと保留中。

【Hot Link !!】







放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'02" A Smooth One Blue Stars Mercury PHCE-4200
20'02" Looking At You Lucy Ann V.S.O.P #6CD
31'43" Sweet Happy Life Peggy Lee Capitol 7243 4 98883 2 6
39'43" That's Your Red Wagon Anita O'day Verve 314 559 808-2
46'56" Jump For Joy Kay Starr RCA BVCJ-2033


 Back