■ 野村潤一郎さん(野村獣医科Vセンター院長)の
- 『犬の治療』の話
面が割れているので、どこへ行っても「実はウチの犬が…」なんて路上動物相談室になってしまう。女の子のいるお店に飲みに行っても、どっちが客かわからなかったりして。
相談してくる人は、だいたい症状を言う。「1日に2回吐いて、耳を痒がるんです…」とか「いつも鼻が乾いている様子で、目やにが出ているんですけど…」と説明した上で、「コレって何の病気ですか?」と聞いてくる。正直、直接診ないと、そんなの判るワケない。
単純に「犬が吐く」と言っても、年齢、犬種、性別、去勢(避妊)しているかどうか、ありとあらゆる家庭環境によって、もの凄くいろんなケースが考えられる。すべての条件を鑑みて、消去法でいくつかの病気を候補に残し、官能検査(なめたり、ニオイを嗅いだり、揉んだり)でさらに候補を絞り、最後に残った病名を確定するためにレントゲンや超音波を使う。こうやって初めて診断ができる。
人間と違って、症状は飼い主に代弁してもらうしかない。でも、自分の落ち度を認めたくないがために、ウソを言う人もいる。獣医が診れば1ヶ月前からエサを食べていないことがすぐにわかるのに、「昨日から突然こうなったんです」とか。でも飼い主の証言は有力な情報なので、本当のことを言って欲しい。
正確な情報があれば、すぐに解決することだってある。ある家では赤ちゃんが落としたおしゃぶりを、ブルドッグが飲み込んでしまった。それを見ていた飼い主は、おしゃぶりのスペアを持って僕のところへ診察に来た。状況によっては、マジックハンドで取れるか、下剤で流すか、塩水で吐かせるか、いろんな手段を検討しなくてはいけなかったけど、この大きさでこの材質でこの形状、とわかれば結論はすぐに出て、「じゃあ胃切開しましょう」となった。
人間の場合、手術の後は最低数日間は安静にしているけど、実はアレはちょっと大袈裟。立って歩くぐらいはできても、医者が大事を取って寝かせているケースが多い。犬なんかは「手術された」なんて意識はないから、ペロッとなめて普通に動いてしまうし、自分で動けないと思えば動かない。獣医の方もそういう認識があるから、縫合も丁寧にやる。ある意味、人間の医者よりも丁寧なほど。ソーッと合わせて止める、というよりは、野球のグローブを縫うみたいな感じ。それくらいやれば、ちょっとやそっと動いても大丈夫。
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■ 小家山仁さん(レプタイル・クリニック院長)の
- 『カメの治療』の話
レプタイルというのは「爬虫類」のこと。もともと、子供の頃からカメが大好きだった。ところが、病気になったカメを連れて行ける病院がない。それで自分が獣医になってしまった。
カメだって、寒くすればお腹を壊したり風邪をひいたり、栄養学的な病気になることもあるし、その辺は人間と同じ。鼻水を垂らしたり、くしゃみ(のようなこと)をすることだってある。顔色はさすがにわからないけど、皮膚のツヤが悪いとか、目に輝きがないとか、よく観察しているとわかる。
治療法も、薬を飲ませたり注射をしたり、場合によっては甲羅を開けて手術することだってあって、人間とそう変わりはない。大きな動物なら錠剤ってこともあるし、小さなヤツだと粉末の薬をエサに混ぜたりする。カメの甲羅は表面の下に骨があるので、切開手術をしても樹脂で固めておけば、数ヶ月で元通りにくっつく。
爬虫類というのは丈夫な生き物。だから病気になる時は、基本的には飼い方が悪いケースが多い。温度とか湿度とか照明とか、その動物が本来いた環境からまったく違う環境になってしまうと、簡単に病気になる。
怪我の原因も飼い方に起因することが多い。ヘビがヒーターで火傷をするのは、ケース内の温度が低すぎるために、ヒーターに近づきすぎたことが原因だったりする。カメがマンションのベランダから落下する事故も多いけど、そもそもカメはそんな高いところにいる生き物じゃないし。高いところにいるだなんて思っていないから、それは当然、落っこちる。
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■ 長塚信幸さん(サンシャイン国際水族館)の
- 『水族館のお医者さん』の話
水族館にいるイルカやアザラシにも、体調の悪い日はある。ただ、野生の動物なので、相当悪くならないと表面には出てこない。野生の動物は弱みを見せると、他の動物に狙われてしまうから。
動物が死んだ時には、死因を調べるために必ず解剖するけど、重い肺炎だったりガンだったり、「お前、よくこんな状態で生きていたよな」ということもあるくらい。それで、できるだけ定期的に健康診断を行って、病気の早期発見を心がけている。
健康診断では、血液検査が一番重要になってくる。人間の健康診断でも「GOTが…」なんて言ってるけど、アレと同じようなもの。ものを言わない動物なので、それで身体の中の様子をうかがう。
検査の時は、こちらの言う事を聞かせることもできる。「受診動作」といって、お医者さんに診てもらうための体勢をとるようトレーニングする。イルカだったら、尾びれだけ水の上に上げさせて、そこから採血するとか。ちなみにイルカは寒いところに住んでいるので、皮下脂肪が厚く、脂肪の薄い尾びれや背びれなどからしか採血できない。
重い病気に掛かってしまったら、治すのはなかなか難しいけれど、病気がまだ芽を出したくらいのところで見つけて、治してやるのが理想的。
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■ 増山潤人さん(獣医)の
- 『馬のお医者さん』の話
大井競馬場で馬を診ているんだけど、ちょうど今、改修工事をしていて、競馬か開催されていないもので、ちょっと休ませてもらっている。
競走馬は経済動物なので、疲労回復を早めるために栄養剤を注射したり、痛みを和らげてやる、という仕事が他の獣医に較べて多くなる。
診断は、顔を見て聴診器を当てて、というところから始まる。心臓の音を聞けば、ある程度の予想はつく。でも古い厩務員さんに言わせると、「獣医さんに心臓の音がいいって言われると走らない、ちょっと疲れてると言われるくらいの方が勝ち負けになる」とか。獣医が良いと思う「ノーマルな状態」よりも追い込むくらいのトレーニングをしないと、レースでは勝てないのかもしれない。
レースの直前になると、規則で獣医が触ることができなくなる。だから逆に、レースの後は仕事が多い。最初にやるのは、馬の目を洗うこと。砂がかなり目に入るので、馬も痒いらしく目を壁にこすりつけて掻いてしまう。場合によっては馬に眼帯をすることもある。
馬には鍼治療もあるんだけど、これは気持ちいいらしい。治療中にだんだん頭が下がってきて、その内に寝てしまう馬さえいる。もちろん針を刺す瞬間のチクッという痛さは最初は嫌がるんだけど、その後が気持ちいいということを知ってしまうと、全然気にしなくなる。馬によって、鍼治療が好きな馬と嫌いな馬はいるけど。
治療の時に痛い思いばかりをさせていると、白衣を覚えて、獣医を見ると嫌がる馬もいる。そういう馬は、獣医が隠れている間に捕まえておかないと診察できないし、中には飛びかかってきて噛みつく馬さえいる。
仕事なので仕方がないけど、競走馬を診るのもけっこう命懸け。
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■ 富田京一さん(肉食爬虫類研究所)の
- 『ヘビの治療』の話
トカゲだってヘビだって、風邪をひく。ゲホゲホ、ゼイゼイするし、肺炎にだってなる。ちなみにヘビの肺はビロ〜ンと細長くて、右側1つだけ。左のもう1つは退化してしまった。
どうもヘビは、ストレスがあると脱皮するらしく、年がら年中脱皮して弱ってしまうヤツもいる。種類にもよるけど、日本のヘビなら年に4〜5回が普通。ヘビの脱皮は昆虫のそれとは違って、成長とはあまり関係がない。簡単に言えば、垢をまとめて脱ぐようなもの。
体調が悪いと代謝が悪くなるので、脱皮の回数も少なくなる。すると古い皮がたまって呼吸がしずらくなり、よけいに弱る、という悪循環に陥る。かといってムリヤリ皮をむくと、ヘビだって痛いのか怒ってまた体調が悪くなったりして。だからヘビを飼う水槽の中には、植木鉢の欠片のような引っ掛かるものを入れておいてやると、自然に脱皮してくれる。
「目から鱗が落ちる」という言葉は、ヘビから取った言葉。「ヘビは寝ている間も目を開けている」と言われるけど、アレは目が開いているワケじゃなくて、逆に閉じっぱなし。でもまぶたがゴーグルみたいになっているので、いつも目を開けているように見える。そのゴーグルの表面も、ときどき入れ替えて綺麗にしてやらなければいけないので、脱皮の時に一緒に取れる。これが「目から鱗が落ちる」という現象。
どんなに健康なヘビでも、脱皮の2〜3日前になるとゴーグル部分が濁って、前がよく見えなくなる。こうなるとヘビは不機嫌で、全然エサを食べなかったりする。よく見えないからエサに噛みつこうとして、別のものに噛みついてしまったり、とにかく大暴れ。そういうヘビを治療する時は、ぬるま湯の中をしばらく泳がせて、古い皮のほころびをピンセットでつまんで剥がしてやったりする。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 9'59" |
Tiptoe Thru The Tulips |
Gisele Makenzie |
BMG |
BVCJ-7373 |
| 20'32" |
Nice Work If You Can Get It |
Bing Crosby |
Verve |
POCJ-2666 |
| 31'16" |
Falling In Love With You |
Joni James |
DIW |
DIW-394 |
| 40'34" |
Frenesi |
June Christy |
Capitol |
7243 498319 2 6 |
| 47'13" |
Little Jazz Bird |
Mark Murphy |
Univarsal |
UCCC-9053 |
|