SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2003年3月29日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「ベスト・コニサー」

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 おかげさまで、今日も当店AVANTIは大勢のお客様で賑わっております。俳優の高嶋政伸さんや別所哲也さん、文芸評論家の福田和也さんなど、さまざまなお客様がいらっしゃって、グラスを傾けながらお喋りを楽しんでおられます。
 そういったお客様たちのお話が、実に面白いのが当店の(?)自慢です。映画、音楽といった柔らかい話や、政治、科学のような堅い話、珍談奇談に、怪しげな噂話、いろんな話が飛び交います。誰が言い始めたのかは知りませんが、常連のお客様の間では、そんな面白い話をして下さる方々を、敬意を込めて「コニサー」と呼んでいるとか。なんでもフランス語で「目利き、玄人」という意味らしいんですが。
 お時間がございましたら、その「コニサー」を聞きながら、一杯飲んでいかれませんか?


image ■ 高嶋政伸さん(俳優)の

『韓国語教室』の話

 最近、韓国語を習っている。最初に韓国語教室の40回のクーポンを買って、もう10枚は使った。
 そして韓国語教室に行った帰りは、いつも韓国料理を食べに行く。これがなぜか、どうしても韓国料理を食べたくなっちゃうから不思議。「キムチ、ジュセヨ(ください)」とか、覚えたての韓国語で注文してる。
 それ以外に知っておくと便利なのは「プルコギ、ハンゲ(1つ)、ジュセヨ」とか「メクチュ(ビール)」とか。「メクチュ」は「ビールを飲んでメクチュ(めくる)めく世界」と覚えるといい。最後に頼むのは「パプ(ご飯)」と「クック(スープ)」だし、クックとパプが一緒になった「クッパ」もある。
 授業では、「ここがウンシク(料理)チャン(店)という設定でやりましょう」なんてレッスンもある。まず「オソセヨ〜(いらっしゃいませ)」から始まって、「メニュー、ジュセヨ」「プルコギ、ハンゲ、ハゴ(と)、、、」そんなことやってるから、韓国料理が食べたくなるんだと思う。
 今まで、まさか自分が韓国語を喋る機会があるとは夢にも思わなかったので、お店の人が韓国語で答えてくれると、新しい世界が目の前に開けたようですごく嬉しい。でも実際は、「領収書はどうなさいますか?」なんてちょっと複雑なことを韓国語で言われると、もうお手上げで「すみません、日本語でお願います…」と言わざるえないのが情けないけど。

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image ■ 福田和也さん(文芸評論家)の

『en-taXi』の話

 今度創刊する文芸誌『en-taXi』は、柳美里さん、坪内祐三さん、リリー・フランキーさん、そして僕の4人が編集する。編集作業の実務は編集長の壹岐(いき)さんにお願いすることになると思うけど。
 この話が始まったのは、3年くらい前までさかのぼる。「江藤淳さんが亡くなって、『季刊芸術』みたいな新人を発掘する場もなくなってしまった……」なんて酒を飲みながら壹岐さんと話をしていたら、「じゃあやりましょう」とかなりいい加減な結論に達して。案の定そこから3年も掛かったけど、本当に実現してしまった。
 文芸誌というは、いわば社交空間。吉行淳之介さんが亡くなった後に、吉行さんの女だったという女性が書いた本があったけど、彼女が勤めていた銀座の文壇バー『ゴードン』みたいな場所は、もうなくなってしまった。でも人と人との付き合いがなければおもしろくないし、新しいことはできないと思う。だから今度の『en-taXi』は、もちろん内容もちゃんとしなきゃいけないんだけど、同時に社交空間でもあったらいいと思う。
 というわけで、いっそ会社のお金でお店も作っちゃえって壹岐さんを焚きつけているんだけど、他でも会社の金を使っているのか、どうも良い返事が返ってこない。
 内容的には、「なに考えて作ってんだ?」というくらい、とっちらかった感じになると思う。でも昔の雑誌って、けっこうそれくらいとっちらかってた。『宝島』とか『平凡パンチ』とか、何度開いても「まだコレ読んでないぞ」と思ったりして。そういう「良い盛り場」みたいな感じにしたい。

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image ■ YOUさん(タレント)の

『夢の遊眠社』の話

 人の好き嫌いが激しいので、もともと仲の良い人としか仕事をしようとしないんだけど、唯一の例外が野田秀樹さん。野田さんの舞台だけは、オーディションを受けて仕事をした。
 当時、私が所属していたモデル事務所の女社長が「あんたはそんないい加減な人生で、これからどうするつもり?!」とカンカンに怒って、舞台のオーディションに片っ端から応募していた。その人は私の将来を真剣に心配してくれていたし、今でも仲良くしているんだけど、私は「歌って踊って喋るなんて、そんなことをするくらいなら仕事を辞める」って言って、オーディションを受ける前から全部断っていた。
 でも「夢の遊眠社」の外部公演オーディションの時だけは無理矢理連れて行かれて、しかも何の間違いかオーディションに通ってしまった。そうしたら周りは、全国から集まった、「遊眠社」を神様だと思っているような若者ばかり。しかもみんな、床から腰ぐらいの高さまでジャンプするし。2ヶ月の稽古は本当に地獄のようだった。ただ、我ながら変なところだけ体育会系で、途中で止めると負けのような気がするので、ボロボロになりながらも、途中リタイアだけはしなかった。
 すべてが終わって、打ち上げのパーティーの席で、野田さんに「残る?」って聞かれたけど、「いいえ!」って即答した。あれが最初で最後のオーディション仕事。

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image image ■ 大野清司さん(『世界遺産』プロデューサー)と 河野英輔さん(同ディレクター)と三浦上さん(同ディレクター)

『海外ロケの食事』の話

 どこの国に行っても、食べるのは中華料理。もう「その土地の料理を食べたい」なんて思わなくなってしまった。慣れ親しんだモノを食べていないと、正直ツライ。
 番組が始まった頃、ホームページで「ディレクターがすすめる現地の料理」なんてコーナーを作ったんだけど、全部中華料理になっちゃって。あえなくそのコーナーは潰れてしまった。アルゼンチンに行ったディレクターからメールが来たと思ったら「いい餃子屋を見つけました」とか。逆にこっちから寿司を食べてる写真を送りつけたりもした。海外にいる人間にこれは本当に効く。
 3年前に、サハラ砂漠の真ん中で年を越したことがあって、周りは砂しかないから、年越しもなにもあったもんじゃなかった。食事だって自炊だし。タマネギのスライスに増えるワカメを加えて、味噌であえたりして、日本じゃ絶対に食べられたもんじゃないけど、向こうだとけっこう美味しく感じる。
 中国の山西省で食べた麺はとにかく美味しかった。日本のラーメンと違って、うどんに近い。料理自体ものすごくシンプルなんだけど、麺のおいしさに驚いた。「麺」というのは中国語で「粉(=小麦粉)」のことで、小麦粉のおいしさが前面に出ている。どんなにお腹がいっぱいでも、最後に洗面器みたいな器に盛られた麺が出てきて、「麺は別腹」なんて感じで食べられちゃう。だから中国のロケから帰ってくると、みんな太ってパンパンになってる。
 この山西省の麺、最近は日本でも「刀削麺」という名前で食べられるようになった。日本で食べてもそれなりにおいしいけど、やっぱり向こうは空気が違うから、そのおいしさは格別。

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image image ■ 別所哲也さん(俳優)と河井真也さん(映画プロデューサー)の

『ショート・フィルム』の話

 1997年、アメリカのドットコム・バブルの絶頂期に、「音楽配信の次は動画配信」と言われて、ショート・フィルムが脚光を浴びた。ところが日本では「ショート・フィルムなんて実験的な映画でしょ?お金にならないよ」みたいな扱いで、映画関係者は誰も見向きもしなかった。
 先々のことを考えれば、今現在、ネットワークのインフラがちゃんと整備されていない状況で、たとえ配信向けにショート・フィルムがブームになっても、インフラが整備されて大作映画が配信されるようになったら見向きもされなくなる、というのが怖い。それでも今のチャンスは大事にした方がいいと思う。
 小説に長編と短編があるように、映画だってショート・フィルムが1つのジャンルとして確立する道は必ずあると思う。劇場公開の映画は家族や恋人と一緒に観に行くものとして「イベント・ムービー」とも言われるけど、それとは別に、1人でこっそり見たり、待ち時間にちょっと観たり、そういうニーズに応えられるのは絶対にショート・フィルムだと思う。僕の夢は、短編映画でスターになる監督や作家がどんどん出てきて、そういう人たちが1億円、10億円プレーヤーになっていく、それくらいショート・フィルムがジャンルとして確立すること。
 ショート・フィルムとの出会いは、アメリカへ売り込みに行った時だった。いろんなプロデューサーのところに「映画に出してくれ」ってお願いに行ったら、「最初からそんな大きな映画のオーディションを受けるんじゃなくて、ショート・フィルムに出たら?」と勧められた。
 ところがこっちは日本での刷り込みがあるから「短編かよ…」といい顔をしなかった。それでも向こうがしつこく勧めるので、仕方がなくコロンビアの試写室へ見学に行った。そうしたらそこには、有名なエージェントとかスタジオのトップの人がズラッと顔を揃えていた。そしてショート・フィルムを観ながら「この監督は…役者は…」とかボソボソ喋っている。その様子を見て、「日本でもこういう仕組みはできるんじゃないか?」と思った。
 そしてなにより、その試写室で観たショート・フィルムが面白かった。10本くらい観たんだけど、「とにかくこれは日本で紹介したい!」と思った。それで日本で『アメリカン・ショート・フィルム・フェスティバル』をやるようになって、もう6年目。最近は人生の時間の半分を、ショート・フィルムの紹介に費やしている。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'37" Say "Si Si" Bing Crosby & Rosemary Clooney RCA R25J-1003
19'14" Magazines June Christy Capital TOCJ-5436
28'23" As Long As I'm Singin' Bobby Darin RND CD-1301
40'15" Yes,I Know When I've Had It Shirley Horn Impulse GRD-138
47'55" Broadway Rita Reys Mercury 848 307-2


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