■ 古藤光圀さん(「カギの救急車」技術部長)の
- 『泥棒の手口と技術』の話
最近は外国人の窃盗グループが日本にたくさん入り込んでいて、専門用語で「あたり」と言うそうだけど、事前の下見をキチンとして、シールなりマジックなりでチェックの印まで残すなど、非常に組織的な犯行が行われている。
ちょっと前に流行った「ピッキング」というのは、特殊な針金で鍵を壊さずに開けてしまうこと。よくスパイ映画なんかに登場するヤツと同じ。次に流行ったのは「カム送り」。ドアと鍵(シリンダー)の隙間に針金を差し込んで、一瞬にして鍵を開けてしまう。鍵のタイプによって出来る場合と出来ない場合があるけど、日本でもっとも普及しているタイプの鍵は出来てしまう。
さらに新しい「サムターン回し」という手口もある。サムターンとはドアノブの内側のつまみのこと。ドアに小さな穴を開け、そこから針金を差し込んで、普通に鍵を開けてしまう。手回しドリルを使えば音はほとんどしないし、時間も1分程度しか掛からない。
泥棒も日夜、研究を重ねているようで、新しい技術が次から次へと出てくる。私たち専門家は以前から「もっと丈夫にした方が良い」と言ってきたけど、「ウチには盗られるモノは何もないし……」という人が多かった。それが2000年頃から始まった外国人窃盗グループの横行で、やっと真剣に考えてもらえだしている、と言うのが現状。
- 【Hot Link !!】
(クリックすると大きな画像をご覧になれます。)

古藤さんが使っていたカギ開け道具です。
|
■ 合田芳正さん(中央大学兼任講師)の
- 『古代の鍵』の話
日本で最初に鍵が登場するのは7世紀の中頃。当時はすでに中国と国交があったので、そこから伝わったものと思われる。ただし鍵そのものを伝えようとしたわけではなく、教典や薬、その他の大事なものを収めた箱に掛けられた鍵、これが日本に伝わった。
ただ正直、今も昔も、本気で鍵を開けようと思えば開いてしまうのは同じなので、鍵を掛けることによって「この中のものは重要なものだ」とアピールする意味合いも強かったらしい。
当時の鍵はエビの形に似ているので「海老錠(えびじょう)」と呼ばれる。それからもう1種類、「枢鍵(くるるかぎ)」という鍵もあった。この鍵は今でも旧家の土蔵などにも使われていて、雨戸の鍵なんかを想像してもらうとわかりやすい。扉の下に木製の桟(さん)を取り付けて、それが扉を閉めるとストンと穴に落ちて施錠される。開ける時はL字の金具で引っ掛けて、桟を持ち上げる、という仕組み。
古いお寺や旧家の土蔵を調べると、時代劇に出てくるようないわゆる錠前と、枢鍵が併用されているケースがある。そういうのを見ると、やはり昔から防犯というのは大変だったのだ、ということが偲ばれる。
- 【Hot Link !!】
(クリックすると大きな画像をご覧になれます。)

合田さんのお話に出てきた古代の鍵です。
|
■ サエさんとカズミさん(OL)の
- 『合い鍵』の話
5〜6年前のクリスマスイブに、「彼氏がいないチーム」数人で、クラブに遊びに行った。店内は携帯が圏外だったので、一度外に出て留守電をチェックしたら、メッセージが入っている。ドキドキしながら再生したら、女性の声だった。
「今日のこの日に電話に出てくれない、しかも圏外ってことは、そういう答えなんだね。わかった。荷物はまとめて出ていきます。鍵はいつものところに置いておきます。さようなら。」
間違い電話なんだけど、いくらなんでも無視できなくて、でも着信履歴も残ってないし、携帯を握りしめたままオロオロしちゃった。サバサバした友達は「そういう大事な場面で間違い電話するって時点で終了なんじゃない〜?」って言ってたけど。
話は変わって、合い鍵を分かりやすい場所に置いておくのは本当に危険らしい。友達はある日突然、警察から電話を受けて「お宅、泥棒に入られてますよ」と言われた。
そんなバカな、と思って事情を聞いたら、最近の泥棒は合い鍵を作るとか。それで仕事に出ているお昼の間に堂々と入られて、高級腕時計とかスーツとか、総額200万円くらいの品物を盗まれていた。高級なものだけに普段あまり使わないから、気がつかなかったらしい。
その友達が住んでいたマンションは、30軒中18軒が同じ泥棒にやられていた。マンションの構造上、「ここに合い鍵を置くだろう」という場所が一緒だから、狙われてしまった。合い鍵には要注意。
それから、彼氏から合い鍵を渡されたこともあるけど、これはかなり嬉しかった。でも実は、その人は家の鍵を掛けない人で、本人がいなくても友達が溜まり場にしているような人だったから、「なんの意味があるんだろう?」とは思ったけど……
- 【Hot Link !!】
■ 越野則之さん(美和ロック)の
- 『最新の鍵』の話
最近はキーレス化への動きも進んでいる。ホテルのようなカードキーや、非接触型のカードキー、暗証番号によるキーなども、昔ながらの鍵をなくす「キーレス」の1つ。
生体識別による鍵も研究が進んでいる。指紋、網膜、声紋などによる識別は、技術的にはすでに可能。声紋だとまるで「開け、ゴマ!」の世界だけど。風邪をひいていても大丈夫、というのはスゴイ。
他にも、手の静脈による識別、なんてものもある。そういった生体識別による鍵は、現在商品化に向けて動いているところ。ハイテク化の波はどんどん押し寄せている。
とは言っても、万が一、そのハイテク鍵が故障した場合を考えて、別の手段で入れるようにしておかなくてはならない。そういう時は、やっぱり昔ながらの「鍵」の出番。これは当分なくならない。
一昔前は、誰も鍵に関心を持っていなかった。家を買う時も、キッチンや壁は一生懸命見るんだけど、鍵なんて気にもしなかった。でも、いざ家を引き渡してもらう時に、権利書だの何だのいろんな書類を渡されるけど、結局最後に鍵を渡された時こそが「自分の家になった」と実感する瞬間。そんな大事なものなのに、今までがあまりに関心がなさ過ぎた、ということだと思う。
- 【Hot Link !!】
■ 大谷二三男さん(元・鍵師)の
- 『鍵師の仕事』の話
鍵師というのは、鍵を作ったり開けたりするのが仕事。そんな仕事をしていると、いろんな事にでくわす。
ある時は、洋服ダンスを開けて欲しいという依頼だった。南京錠とか普通の鍵とか、とにかく厳重に閉じられているタンスで、依頼主の奥さん自身も何が入っているのか知らなかった。なんでも旦那さんが旅行かなにかで居ないので、このチャンスに中身を確認しておきたい、ということだった。
そしてタンスを開けてみたら……なんと女性ものの服がたくさん出てきた。どうやらそのご主人、女装趣味があったらしい。奥さんもビックリしてたけど、私もビックリ。悪いコトしちゃったなぁ……としばらく夢見が悪かった。
別の仕事では、30代半ばの女性から「どうしても開けて欲しいものがある」という依頼があって、行ってみたら鍵を開けるものは「貞操帯」だった。この時は、まずこんなものが本当にあるのか、と驚いた。
もちろんそんなものを見るのは初めてだったので、まずどこに鍵が付いているのかわからなくて、ジロジロ眺めてしまった。幸か不幸か、鍵は横の腰のあたりについていたので、それを外した。仕事なので、事情とか余計なことは聞かなかったんだけど、あれは本当に気になった。
- 【Hot Link !!】
放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 9'38" |
Fascinating Rhythm |
Mark Murphy |
Decca |
GRD-670 |
| 20'29" |
Whatever Lola Wants |
Mel Torme |
Verve |
POCJ-9149 |
| 27'05" |
All Or Nothing At All |
Keely Smith |
Jasmine |
JASCD322 |
| 38'42" |
Big Bad Bill |
Peggy Lee |
Capitol |
7243 96729 2 5 |
| 47'21" |
You Hit The Spot |
Ella Fitzgerald |
Verve |
314 517 535-2 |
|