SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2002年11月23日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「スキー」

image

 もう11月も下旬ということで、いよいよ冬本番ですね。ウインタースポーツも開幕間近です。
 10年ほど前は、ウインタースポーツといえばスキーでしたが、その後はすっかりスノーボードの方が主流になってしまいました。ところが、さらに最近は昔ながらの「ゲレンデ・スキー」とは違った、新しいスキーがひそかな人気を集めているとか。スノーボードほどのブームになるかどうかはわかりませんが、聞きかじった感じではちょっと興味をそそられるお話でした。
 あちらのお客さまも、グラスを傾けながらスキーのお話に興じられているようですが、今年の冬は「新しいスキー」にチャレンジされてみてはいかがですか?


image ■ 荻原健司さん(元ノルディックスキー複合選手)の

『ノルディックスキー』の話

 クロスカントリーのスキーは、幅3.5〜4cmと非常に細い。軽さと板のしなり具合の兼ね合いから、その細さが生まれたんだと思うけど、知らない人が持ったら絶対にビックリすると思う。それくらい軽い。
 そして普通のスキーと違うのは、エッジが付いていないこと。斜面を登る時も、板をフラットに雪面へ押しつけて、上半身の力で上っていく。比較的、階段を上る感覚に近い。
 経験のない人がクロスカントリーのスキーを使うと、最初は後ろに転ぶと思う。アルペンのスキーでは、ブーツで足首が固定されているので、多少後ろに体重をかけても大丈夫だけど、クロスカントリーでそれをやると、そのまま普通に転んでしまう。
 五輪で走ったアルベールビルは、標高1350mで、太陽が差すとものすごくきれいなコースだった。競技中はそんなことを考える余裕はなかったけど、クールダウンでのんびり走っている時に、そんなことを感じた。もっとも「あ〜、この辺でもうちょっとうまく走れれば…」なんて反省もしていたけど。
 ヨーロッパに行くと、スキーリゾートでは必ず、のんびりと「歩くスキー」を楽しむ老夫婦を見かける。僕も歳をとったら、ああいう風になりたい。

【Hot Link !!】





image ■ 矢野淳さん(「Calafate」テレマークスキー・インストラクター)

『テレマークスキー』の話

 テレマークスキーはいろんなことができる。かかとが固定されていないので歩くことも登ることもできるし、もちろん滑ることもできるし、ジャンプもできる。
 普通、スキーは、リフトに乗って一番上まであがったら、そこが終点。そこからは下りるだけ。でもテレマークスキーをやっていると、そこからさらに先がある。リフトを降りたら、さらに上を目指す。するとそこには、人工的なものが一切無い世界が広がっている。リフトの音もしないし、音楽も流れていない。静かで、風の音と自分の滑る音しかしない。
 日本は南北に長くて、地域によって独特の自然がある。本州なら樹林帯が多くて、その間を縫うように滑る「ツリー・ラン」が楽しめる。標高2000mよりも上に行けば、森林限界を超えるので、雪と斜面しかない。そこを滑るのも楽しいし、北海道なら1000mぐらいで樹がなくなるので、広大な斜面を自由に滑れる。これを1度でも体験したら、もう止められない。
 最近、降ったばかりの新雪の上を滑る「パウダー・ラン」がブームで、テレマークスキーが注目されているのは、そのパウダー・ランに向いているから、といえるかもしれない。パウダー・ランの一番の楽しみは、立体的な感覚。ゲレンデの圧雪された雪の上にも「ターン」という2次元の楽しみがあるけど、パウダー・ランになると上下の動きが加わってくる。ゲレンデを「地球」とするなら、パウダーは「宇宙」。この浮遊感はたまらない。
 そして季節が変わって春になると、ゲレンデの雪はザラザラになり、「もうスキーシーズンも終わりかな」なんて普通は思うんだけど、テレマークスキーはそこから先も楽しい。この時期になると、真冬にはさすがに入り込めなかった奥の方まで行けるようになるので、一気に行動範囲が広がって、いろんな場所を楽しめるようになる。だからだいたい6月くらいまでは、テレマークスキーのシーズン。
 山小屋やテントに泊まってもいいんだけど、雪洞といって、雪に横穴を掘ってそこに泊まるのも楽しい。掘れば掘るだけ環境が良くなるので、棚を作ってみたり、ロウソクを立てたりして。
 ただ当然、良いことばかりじゃなくて、やっぱり危険と隣り合わせのスポーツだから、それなりにちゃんと勉強する必要がある。雪崩は大丈夫か、自分のいる位置はどこで、どっちに向かえばいいのか、そういうことを克服していく部分も含めて、「冒険」としておもしろいスポーツ。それがテレマークスキー。

【Hot Link !!】





image ■ 川上光徳さん(Victoria)の

『ウェアの新素材』の話

 ここ20年の開発された素材の中でも、「GORE-TEX(ゴアテックス)」の評価が高い。
 ゴアテックスにもイロイロあって、耐水圧(水に対する抵抗力)と透湿性(内部の湿気を外に出す能力)の数値によって区別される。耐水圧でいえば、一番安いヤツで5000mm、一番高いヤツで30000mm、ぐらいの違いがある。
 防寒性に関しては、「ウォームセンサー」や「ブレスサーモ」など、「汗を吸収して熱を発生させる」ようなインナー向けの新素材が開発されている。各社で名前は違えど、求めているところはだいたい同じで、それをインナーだけでなく、アウターウェアに使うこともある。
 「アウトラスト」という素材も脚光を浴びている。こちらは「断熱性が非常に高い」という素材で、極端な話、アウト・ラストの素材越しに熱いものや冷たいものを触っても、その熱さや冷たさが手に伝わってこない、というシロモノ。それでいて薄くて透湿性も確保していているのが画期的。フェニックスのインナーなどに採用されているけど、これからブレイクするかもしれない。
 とまあ、各社からいろいろな名前の素材が発表されるので、買う方も何が良いのか混乱しやすいと思う。ただ、大きな傾向として、最近はインナー向けに開発された「ブレスサーモ」や「アウトラスト」のような素材が、アウターの内側にも使われるようになってきている、とは言える。ウェアを選ぶ時に、そこの素材に注目するのもおもしろいかも。

【Hot Link !!】





image ■ 田中康夫さん(長野県知事)の

『長野県のスキー場』の話

 長野県は、今まで何もしなくても観光客が訪れていた。スキーに限らず、上高地や軽井沢、他の都道府県がどんなにお金を積んでも手に入れられないものが昔からあったから、ここしばらくは油断していた、という部分がある。
 スキー場に関しても、国内でちょっとしたスキー場に行くくらいなら、もうちょっと頑張ればカナダやイタリアのスキー場にも行けるような時代になっているのに、いまだに農閑期の片手間仕事気分で、どこか遠くから持ってきたお刺身なんか出してたりして、それじゃあお客さんが来なくなっても仕方がないだろうと思う。それで作ったのが『スキー王国再興戦略会議』。
 たとえば、木曽にある「御岳スキー場」は、ピークの時で60万人くらいのお客さんが来ていたのに、今は約20万人。スキー場を作るために鳥居や霊神碑をどけたりもしたのに、これはなんとかしなきゃいけない。そう思って御岳スキー場のある王滝村に行くと、なんとかしようという意欲は女性の方がすごい。伝統的な非常食の「どんぐり」を使ったパイやクッキー、コーヒーなどを、工夫しながら作っている。
 野沢温泉スキー場なら、三世代向けのスキー場というPRの仕方があるかもしれない。おじいちゃんとおばあちゃんには温泉に入ってもらって、子供たちにはスクールで教えてもらって…とか、工夫のしようはいくらでもある。
 僕自身は、小学校2年生の時に長野に引っ越して、それから当たり前のようにスキーを教わったので、逆に大学で東京に出てきて、みんながスキーに熱中しているのは不思議だった。とは言っても、今年はさすがにやらなきゃマズイか…足にヒビが入っているんだけど…どうしよう?いっそまたカモシカの着ぐるみを着てやるか…でもそれで事故ったらシャレにならないし…

【Hot Link !!】





image ■ 金谷隆行さんと
  谷口陽子さん(慶應大学スキーサークル)の

『スキーサークル』の話

 今のご時世、「熱い」人間じゃないと、スキーサークルなんてやってられない。
 4月の新入生の勧誘の時だって、50人に声をかけて、入ってくれるのなんて1人くらい。その1人のために死にものぐるいで声をかけ続ける。ほとんどが「スキー?いえ、興味ありません」みたいな感じ。
 スキーサークル自体が、他のテニスサークルなんかと較べて古風というか、体育会色が強いのも問題かも。上下関係だったり、飲みだったり…飲みはどこも変わらないかもしれないけど。
 慶應の中で、公認、非公認あわせて、20くらいのスキーサークルがある。大会もイロイロあって、僕らがメインで参加しているのは「全国学生大会」で、その大会には1000人以上の大学生が参加する。それ以外にも、慶應の中だけの大会もあったりする。
 今、時代は完全にスノーボードで、スキーサークルの数は減りつつある。サークルが潰れる、というのはなかなかない事なんだけど、それでも潰れるサークルがある、というのが現状。やっぱりお金がかかるというのが最大の問題かもしれない。でも、多少お金がかかっても、遠くまで一緒に出掛けて、開放感の中で仲間と一緒に語り合って、一緒に生活することで、一生の友達ができる、それがスキーサークルの魅力じゃないかと思うんですが…っていうのが勧誘の文句なんだけど。
 僕(金谷さん)が思うに、スキー場でナンパっていうのは邪道。やるなら東京でやってくれって感じ。だけど…やっぱりたまにはありかな。まあ、大学生の間は一生懸命スキーをやって、社会人になったら別荘か何かを作って、『私をスキーに連れてって』みたいな楽しむスキーをやる、というのが理想なのでは。

【Hot Link !!】







放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'32" I'm Sitting On The Top Of The World Doris Day Columbia 4775932
21'02" It Won't Cool Off Dean Martin Capitol CDP 7 931152
31'45" Button Up Your Overcoat The Hi-Lo's Concord CCD-4719
41'02" Winter Wonderland Rosemary Clooney Concord CDD-4719
47'32" Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! Frank Sinatra Columbia 4775932


 Back