■ 判治直人さん(DIME編集部)の
- 『最近のデジカメ』の話
最近のデジカメ業界は、「超小型化・超軽量化」という流れが1つある。携帯電話にデジカメが搭載されてしまったのなんて、その際たるもの。将来的には、携帯もPDAもデジカメも1つになってしまうかもしれない。あるメーカーの携帯に至っては、フジが開発したハニカム構造のCCDを搭載しているので、初期のデジカメよりもきれいな画像が撮れる。
その一方で高級機では、レンズ交換式の一眼レフ、なんて機種も出ている。そういう機種が、ちょっと前までは300万円くらいしていたのが、最近では30万円で手に入るようになった。この値段だと、ちょっと高級な銀塩の一眼レフカメラともう変わらない。このクラスのデジカメは600万画素とかで、普通に使ってサービスサイズでプリントする分には、銀塩カメラとほとんど区別が付かない。
交換用レンズは、デジカメと銀塩カメラの共用ができる。ただし画角が多少変わってしまう。デジカメで普通の広角レンズを使っても、焦点距離が長くなってしまって標準レンズみたいになってしまうので、注意が必要。だからデジカメは、本格的に使い込もうとすると風景写真やスナップ写真がちょっとツライ。
高級機にも一応、後ろに液晶モニタが付いているんだけど、プロは液晶モニタをあまり使わない。というのは、少しでも電池を長持ちさせたいから。だから写真を撮っている姿だけでは、デジカメを使っているのか銀塩を使っているのか、判断はできない。昔からの習性で、あの姿勢になってしまうだけかもしれないけど。
中級機の中には、ミノルタの「F100」のように、あえてカメラのシャッター音を再生させている機種もある。1970年代に「CLE」という名機があったんだけど、その「CLE」の音をわざわざ録音して、「F100」のシャッターを切るとその音が鳴るようにしたんだとか。それがマニアにはたまらない、というのだからおもしろい。
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■ 明石美穂さん(通信社カメラマン)の
- 『スポーツ報道の現場』の話
オリンピックのような大きな大会のたびに、「新しい機材を使ってください!」ってメーカーからお願いされて、プロの機材も入れ替わっていく。大きな大会ではメーカーがブースを設けて、機材を貸し出してくれたりもする。それでこの間のW杯などでは、ほぼ100%デジタルだった。
最近のデジカメは、シャッターを押してから実際に撮れるまでのタイムラグも、ほとんど気にならなくなった。場合によっては、一部を削ってシャッターを浅くしてもらう、なんてカスタマイズしてもらうことも可能。ただしそういうカメラを腰にぶら下げていると、どこかに当たっただけで勝手に作動して、カメラはカシャカシャ連写してしまうわ、フラッシュは光りまくるわで、大変なことになるから私は怖くてやっていない。実際問題、気にならなくなったというのは慣れの問題かもしれない。それくらい報道の世界でデジカメは普及している。
デジカメと銀塩を較べると、どちらも一長一短だと思う。たとえばデジカメは、うっかり必要な写真まで消してしまって、二度とそのデータが戻ってこない、という悲劇がよく起こる。メモリーカードには容量があるから、取材の最中にいらない写真はどんどん消してしまうんだけど、「いらない…いらない…いらない…いる!」と思っても、勢いで消してしまったり。もうそういう時は、「もう1回ホームランを打ってくれ!」と心の中で必死になって応援している。
フイルムだった頃は、後ろで待っているバイク便の人にフイルムを渡していた。翌日の朝刊の早版に間に合わせるには、9時くらいまでには全部入れなければいけないので、なるべく早く、と頼まれていた。でも8時くらいじゃせいぜい7回、場合によっては5回くらいで、試合の行方なんて全然わからないから、両チームの先発の写真だったりした。
それが今や、デジタルの時代になって、写真を撮ったその端からパソコンで送信できるようになった。便利と言えば便利なんだけど、送っている最中に「カーン!」と打たれたりして、「あ!」という事もある。昔よりも便利になったけど、自分でやらなければいけない作業が増えた、とも言える。やっぱり銀塩とデジカメは、一長一短。
■ 宮澤正明さん(カメラマン)の
- 『人物写真の場合』の話
人物を撮る時に感じるのが、デジカメはまだ背景のボケ方とか質感とかが硬くなり過ぎる、ということ。ピントが深いせいなんだけど、その点はちょっとまだ銀塩にかなわない。たとえば望遠レンズを使って女性の顔のアップを撮ると、銀塩なら背景の樹がボケて緑一色になったりするんだけど、デジカメだと木肌が見えてしまう、とか。
「あえてブレを出す」のもデジカメが苦手な分野。銀塩の写真だと、「人が動いた」という感じが出るんだけど、デジカメだと「機械的に動いた」という感じになってしまう。もしかしたら僕の感覚だけの問題かもしれないけど、鮮明に写りすぎるからこそ、あいまいさが明快に表現されてしまう、という感じがする。
デジカメの場合、ボタンを押してから実際に撮れるまでの微妙なタイムラグも、あまり好きじゃない。デートしているような風景を撮ったり、その娘と2人でいるような感覚の写真を撮ろう、みたいな時にもあまり向かない。
逆に物撮りとか、しっかりしたセッティングをして作っていく写真には大いに向いている。あとからちょっとした修正を加えるのも楽だし。ただ、印刷物にする場合は、データだけだと基本になる色がわからないので、「この色で」というプリントを付けて印刷所に渡さないといけない。そのあたりはデジタルの便利さと不便さがまだまだ混在している。
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■ 小泉里子さん(モデル)の
- 『撮られる側』の話
雑誌の撮影はほとんど普通の銀塩カメラなんだけど、たまにネット系の仕事をするとデジカメで撮ってもらうこともある。
撮られる方の立場としては、私の場合は普通のカメラの方が好き。普通のカメラはフイルム・チェンジのタイミングで一瞬休めるので、その間に次のポーズとかを考えられるんだけど、デジカメだとその間がないので、最後の方はあたふたしてしまう。
できあがってきた写真も、フイルムだとつながっているので、自分の動きを後から確認できたりする。カメラ位置と自分の角度を考えて、何をしたらいいのか、手はどこにあったら格好良いのか、なんて考えるのには、そっちの方が便利。
そういうことを考えるようになったのは、何度か失敗したおかげ。できあがった写真を見て「こんなポーズしたっけ?」「なんかバランス悪い…」なんてことがあってから、カメラマンにカメラをのぞかせてもらって、撮る人の立場でものを考えるようになった。
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■ 大西みつぐさん(カメラマン)の
- 『デジカメ撮影の極意』の話
僕が初めてデジカメに触ったのは、80年代最初のSONYの『マビカ』だった。厳密に言うと、あれはまだデジタルじゃなくて、アナログの電子スチールカメラだったけど、フロッピーディスクに記録する最初の電子式カメラだった。それからCANONの『Q-PIC(キューピック)』。「侵入する映像」という格好いいキャッチコピーで、「未来のカメラはこれになるのかな」と予感させるものがあった。
どちらも僕が買えるような値段ではなかったので、あちこちを駆けずり回って借りてきて、個展を開いたりもした。ただ、当時はまだ性能が追いついていなくて、ボケボケの写真しか撮れなかったんだけど、写真とは違う良い意味の軽さ、みたいなものは感じていた。
そして90年代半ばになって、本格的なデジカメの時代が到来した。この時にはもう「これはプロためだけの道具じゃなくて、一般の人も楽しめる道具になる」という雰囲気が漂っていた。だから、どちらかというと仕事抜きで「使ってみたい」と思った。
今のデジカメは、ちょっとしたヤツなら200万〜300万画素もあるので、普通の人が記念写真を撮る分には十分な性能を持っている。ボタンを押してからのタイムラグはあるけど、あれも1つの「味」と思えば、気にするほどではない。
デジカメの何とも決まらないショットというか、コンマ何秒ずれる感じこそ、スナップ写真の基本と考えてもいい。「決定的な瞬間」と言うけど、それは1つじゃない。遅れたからこそ、おもしろいカットになったりもする。誰かがパッと前を横切ってブレた写真になったり、きれいなお姉さんが写り込んでしまったり、そんな臨場感こそがスナップ写真。堅苦しいことを考えていたら、写真を撮る行為自体がつまらなくなってしまう。
気楽に消せるのもデジカメの長所。普通のフイルムだと、撮ったものは捨てられない。どんなに失敗した写真でも、なぜか泣く泣くとっておいてしまう。このウジウジした感じが写真の世界なんだけど、これがデジカメになると、なぜか捨てても心が痛まない。デジカメで撮った写真を消そうかどうしようかウジウジ考えてるヤツなんて、見たことがない。迷うくらいなら消す。これができるデジカメは偉大だと思う。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 9'31" |
You Ought Be In Pictures |
Doris Day |
Hindsight |
HCD200 |
| 20'12" |
Oh! Look At Me Now |
Carole Simpson |
Jasmine |
CD JAS 309 |
| 32'07" |
Photograph |
Astrud Gilberto |
Verve |
823 451-2 |
| 47'11" |
Pick Yourself Up |
Anita O'day |
Verve |
POCJ-1940 |
|