SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2002年9月7日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「著作権」

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 最近、WinMXの流行やコピー・コントロールCDの登場などでなにかと話題の「著作権」ですが、意外とその歴史は古いものなんです。
 著作権というのは、基本的に勝手な複製を禁じる権利ですから、複製する技術がなければ何の役にも立たないのですが、グーテンベルグの活版印刷機が発明されるとすぐに、出版物の海賊版が大問題になりました。そこで1710年にイギリスで「クイーン・アン法」が制定され、1886年の「ベルヌ条約」で国際的に著作権が保護されるようになったのです。
 そして今、デジタルの時代を迎え、著作権の有り様は大きく変化しようとしています。今週はやけにドキュメンタリー番組っぽい口調で恐縮ですが、当店を訪れる常連のお客さまは、著作権に関してどのように考えておられるのでしょうか。そのご意見をうかがってみました。ご覧下さい。



image ■ 三野明洋さん(「eライセンス」代表)の

『デジタル時代の著作権』の話

 これまでの著作権管理というのは、すべてアナログを前提に考えられてきた。ところがデジタルの時代になって、様々な問題が浮かび上がってきた。
 まず、「デジタル」なものは完璧に同じクローンを作れてしまう。たとえば、アナログレコードからカセットテープに録音すれば、音質の劣化が起き、コピーを繰り返せば使い物にならなくなっていた。ところがCDに収められたパソコンソフトなどは、何度コピーしてもまったく劣化が起こらず、無限に複製が可能。だからデジタルなもののは、アナログなものと較べて規制が厳しい。
 そして「インタラクティブ」であることも問題になる。これは人によって使用頻度や時間が違う、ということ。ビデオテープなら、2時間のテープに30分の音楽が使われていれば、「1/4」と時間でわかりやすく計算できた。ところがDVDのインタラクティブなソフトでは、ユーザーによって使い方が違うので、音楽が実際にどの程度使われるのか、正確なところはわからない。
 そして、「インターネット」。一応、世界的な著作権に関する条約で、基本的にはその著作権が発生した国の法律が優先されることになっている。でも実際、日本の音楽の著作権をアフリカでどうやって管理をするのか、と考えると、非常に難しい。
 最近は秋葉原などで「CDのコピーが1度に3枚も作れるCD-R」なんてものが売っているけど、あれは明らかに著作権法違反。たしかに著作権では「私的使用」が認められていて、自分で使う分にはコピーをしても構わないことになっている。でも普通に考えたら、3枚もコピーを取る必要はないし。
 一説によると、全世界で売られている海賊版CDは、正規に発売されているCDの4倍にも上るといわれている。そこで最近登場したのが「コピー・コントロールCD(CCCD)」。ただ、これはユーザーが著作権法で認められている「私的使用のコピー」も出来なくしてしまうので、個人的には微妙に問題があるかもしれない、と思っている。
 でも、海賊版に困っているメーカーの気持ちもわからなくはない。そうなると、もう法律だけでは著作権を有効に運用していくことは難しい。あとは国民1人1人が「著作権を守ろう」という意識を持つこと。そうして、ユーザーとメーカーがお互いの権利を侵害しないようになれば良いのだけれど。

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image ■ 渡辺浩弐さん(ゲームクリエイター)の

『ディズニーの著作権』の話

 極端な話、「いくらコピーしたって減るもんじゃなし」って人もいて、なあなあな部分があるのが著作権。でも出るところに出ればちゃんと決まっているわけだし、個人的には今の日本ぐらいの感じがちょうど良いのかな、と思う。
 アメリカだと訴訟社会で、大変なことになっているみたい。ディズニーなんかはキャラクター権でしょっちゅう裁判しているし。その割に手塚治虫さんそっくりのキャラクターを使っているのは……?と思うところもなくはないけど。
 この間「NHK特集」でやっていたんだけど、アメリカには通称「ミッキーマウス保護法」といわれる法律もある。その法律は、ミッキーマウスの著作権が切れる直前になると、必ず改正されて著作権の期間が伸びている。最初は17年で著作権切れになっていたのが、56年、75年と徐々に伸び、2003年でミッキーマウスの著作権が切れるはずだったのが、今度の法改正で95年になってさらに20年も伸びた。ミッキーマウスの力がアメリカ議会を動かしているという、意外な事実。
 ウォルト・ディズニーも草葉の陰で「そろそろミッキーを自由にしてやってくれ」と思っているだろうと思うし、「70年以上ミッキーで商売してきて、まだミッキーを超えるキャラクターを作ってないのか」と怒っているだろう。
 新しいアイデアを作り出した人が、自分の望む形で自由に世の中に広めたい、と思うのは当然。でもそれが50年も70年も経てば、もう人類共有の財産なのでは。だいたい、ディズニー自身が著作権切れの童話をアニメにして、さんざん儲けたクセに。
 「オムライスを作ったのは俺だ」「カレーライスを作ったのは私だ」なんて、誰も彼もが著作権を主張して、それが永続的に認められるようになってしまったら、人類はオムライスもカレーライスも気軽に食べられなくなってしまう。いい加減、どこかで解放した方が人類の進歩の役に立つ。

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image ■ 板垣陽治さん(フジテレビ著作権部)の

『テレビ番組の著作権』の話

 フリーのアナウンサーとして活躍している関戸めぐみさんが、著作隣接権を持つ「実演家」に当たるかどうかを確認してみましょう。
 著作権法を紐解くと、実演とは「著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演じること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性格を有するものも含む)」とあります。これが「実演」の定義です。
 さて、関戸さんは「演じている」? 違います。「舞っている」? 違います。「口演」だけはやや微妙ですが、演奏、歌、朗詠、どれも当てはまりません。つまり関戸さんがテレビでアナウンサーとして原稿を読んでいるのは、著作権法で定めるところの「実演」には当たらず、著作隣接権者ではない、というのがフジテレビの見解です。
 一方、著作権を持っているのは、脚本家、構成作家、原作者、作詞家、作曲家、といった方々。そして著作隣接権を持つのが、タレントをはじめとする「実演家」のみなさん、それからレコード制作者などになります。
 また、法律では「著作者とは、著作物を創作する人をいう」とあり、「著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、芸術、美術または音楽の範囲に属するものをいう」とあります。この場合、ディレクターやプロデューサーは「著作者」には当たりません。
 そして、番組を販売するなどしてお金が入ってきたら、著作権者に分配する、という仕組みになっています。

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image ■ 三野泰さん(デザイン・エクスチェンジ)の

『ロイヤルティーフリーの素材集』の話

 ウチの『具-満タン(ぐまんたん)』には、ロイヤルティーフリーのイラストや写真が1000点収められている。目的別に分類されているので、名刺を作りたければ名刺用のもの、絵はがきを作りたい人は絵はがき用、という風に選べる。
 会社が持っている素材は、いま現在で約13万点。CD-ROMで購入してもらうこともできるし、Webサイトから検索してダウンロードすることもできる。
 ロイヤルティーフリーといっても、何をしても良いということではない。たとえば写真を商品として使う場合には、また別のライセンスを取得してもらう必要がある。ただし、その写真に新しい創造性を加えたものなら、その創造性に対して著作権が発生するのでライセンスの必要はなくなる。
 ライセンスの違反に関しては、写真にすかしを入れたりといった、新しい技術もどんどん開発されていて、会社の方で対応すべく動いているところ。

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image ■ 白井勝也さん(小学館)の

『マフィアの著作権?』の話

 漫画のイラストは写真を参考にすることも多いけど、写真家が撮ったものを使ってしまったら著作権違反になってしまう。そしてそれは、光線の具合とか木のかぶさり具合でわかってしまうので、自分で撮った写真をストックしている。
 さいとうたかおプロなどのストックは、本当に膨大な量に上る。自分たちで撮ってきたり、知り合いに頼んだり、ストックホルムのレストランの写真なんてそもそもどこにもないので、自分たちで用意するしかない。
 著作権とは微妙に違うけど、ある作家さんが描いた架空の「香港のマフィア」が、たまたま本物の香港マフィアと同じ名前で、そのマフィアからクレームが来たことがある。
 「香港のファーザーから電話です」って、最初は何のことかと思った。電話に出てみると、香港の某組織のチンさんだかタンさんだかと名乗り、「あの漫画はウチの組織の内通者がネタ元なんじゃないかと、ファーザーが心配している」と言う。電話口で「そんなことはない、偶然の一致だ」と説明しても納得してもらえず、京都のホテルまで会いに行く約束をさせられた。
 京都のホテルへ着き、ロビーで呼ばれて部屋に上がっていくと、いきなりコワモテ黒ずくめのお兄さんが2人がかりでボディ・チェック。それが終わって、部屋の奥へ進むと、もの凄い巨漢が温和な顔で椅子に座っていた。
 1時間かけて誠心誠意説明して、謝罪の文章を雑誌に載せることで、やっと納得してもらった。でも読者も「香港の実在の組織と同じ名前ですが、組織とは何の関係もありません、関係者各位にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」なんて載っていて、逆にビックリしただろうと思う。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'19" My Sin Patti Page Universal UCCM-9037
17'48" This Can't Be Love Rosemary Clooney Verve 314 589 485-2
29'38" Doctor, Lawyer, Indian Chief Betty Hutton CDP 7243 8 32592 2 9 BVCJ-2029
35'05" Better Luck Next Time June Christy Capitol CDP 7243 4 95448 2 6
46'03" Between The Devil & The Deep Blue Sea Annie Ross 東芝EMI TOCJ-5349


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