SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2002年8月31日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「おまけ」

image

 先週のお祭りの出店では、合い言葉を言って下さった方にちょっとした「おまけ」を差し上げていたんですが、無事、手に入れられたでしょうか?
 ウチのおまけは本当に大したことがないのですが、最近は「チョコエッグ」や「ボトルキャップ・フィギュア」みたいに、ずいぶん手の込んだおまけが流行っていますね。そういえば以前、女性誌の付録は雑誌本体よりも大きくて高い、なんてお話をなさっていたお客さまもいらっしゃいました。チョコエッグもそうですが、そうなるともう、どっちが商品なのかわからなくなってしまいますね。
 それでも、「おまけ」と言われるとなんだか得した気分になってしまうのが不思議です。今日はそんな魅力溢れる「おまけ」談義に華を咲かせているお客さまのお話をご紹介しましょう。



image ■ 渡辺啓一さん(ワッキーストア)の

『ボトルキャップ・フィギュア』の話

 ボトルキャップの「おまけフィギュア」は、1998年のペプシマンが最初。そこから徐々に増えていって、2001年は27種類ものボトルキャップ・フィギュアが登場した。もはやキャラクターなら何でもボトルキャップ、という時代。
 このボトルキャップ・フィギュアというのは、日本だけのオリジナル。最初のペプシマンというキャラクター自体が日本オリジナルなので、海外にはボトルキャップ・フィギュアというものは存在しない。日本が世界に誇れるコレクターズ・アイテムだと思う。
 これだけ細かいと、全部機械まかせというわけにもいかないので、手作業の工程も必要になってくる。そこでコレクター的には、色が間違っているプレミアものとか、刻印があったりなかったりのレアものなども存在している。ペプシの刻印のあるなしで、数百円と2〜3千円くらい値段の差が出るペプシマンもある。
 一番有名なのが、ペプシのモンスターシリーズ。棺桶にペプシマンが入っている奴は、中の色がピンクだと100円くらいなのに、中の色が赤、通称「赤コフィン」は、場合によっては1万円以上している。
 最近では、「スターウォーズ・エピソード2」シリーズで、クローン・トルーパーとジャンゴ・フェットに、頭の色の違うヤツがあって、やはりプレミアがついている。クローン・トルーパーは通常、頭の色がグレーなんだけど、ベージュの奴が存在していて、2〜3千円の値段が付いている。
 結局、どれくらいプレミアムが付くかは流通量によるので、クローン・トルーパーとジャンゴ・フェットも、これから値上がりしていく可能性は十分にある。

【Hot Link !!】





image ■ 宮脇修一さん(海洋堂)の

『チョコエッグ』の話

 僕たちはチョコエッグのフィギュアなどを「ちゃちなおまけ」だと思って作るわけじゃない。僕たちが「ガレージキット・スピリット」と呼んでいる、「今までに見たこともないものを作りたい」という気持ちを持って作っている。
 その気持ちが生まれたのは子供の頃だと思う。「なんで格好いいゴジラがないんだ?」とか「ちゃんとTVの通りの形をした仮面ライダーがなんでないの?」とか。ウルトラマンなんて、なんかプクプクした不細工なものしかなかったし。
 プラモデルの場合、図面に書けるものなら、非常に精巧なものが作れる。これは昔から良いものがたくさんあった。ところが絵画的な要素が強いもの、たとえば鉄腕アトムだとか鉄人28号だとかは、本来は三面図に起こすことはできない。それを立体の「フィギュア」にするのが、ウチの腕の見せ所。だから怪獣にしろアニメにしろ、僕たちがガレージキットを作るということは、基本的に「世の中に存在しないもの」を作り出す作業になる。
 動物や恐竜なども、「このサイズでこのクオリティ」という意味では、今まで世の中になかったものだと自負している。模型をはじめてから40年、さまざまな恐竜の模型を見てきたけど、僕たちが作っている150円のおまけの恐竜にかなうものは見たことがない。その領域に挑戦する気持ちこそが、僕たちのガレージキット・スピリット。
 僕たちの作る「おまけフィギュア」が、あんなに小さいのにもそれなりに理由がある。あれだけ小さければ、パソコンモニタの上とか、デスクの片隅とか、どこにでも並べることができる。この「自分のパーソナルな空間に置ける」というのが非常に重要。
 もう1つ、非常に重要なのが、日本人はフィギュアにはお金は払わない、ということ。チョコエッグを例にすれば、「日本の動物シリーズ」というフィギュアをおまけに付けて150円で売り出して、1ヶ月に600万個も売れた。でもこれを、チョコレートを無しにして、フィギュアだけ100円で売ったら、いきなり3万個ぐらいしか売れなる。ウソみたいな話だけど、経験上これは絶対に間違いない。
 チョコレートでもラムネでも、どうせ食べずに捨ててしまう人がほとんどなのに、あくまでフィギュアは「おまけ」でなくては受け入れられない。これは本当に不思議。

【Hot Link !!】





image ■ 泉麻人さん(コラムニスト)の

『懐かしいおまけ』の話

 幼稚園の頃に、森下仁丹の「野球ガム」という商品があった。お菓子屋よりもむしろ薬局の店頭に置いてあって、板ガムと同じサイズの野球選手の写真がおまけだった。それを集めたのが最初だったと思う。
 当時は長嶋・王の時代で、当然のことながらその2人はなかなか出てこない。だから巨人の坂崎とか、東映の西園寺とか、国鉄の根来とか、ちょっと脇役の選手のカードばかりがたまっていった。
 全選手の写真を揃えて、森下仁丹に送ると、バットやグローブが当たるんだけど、送ったらカードがなくなっちゃうじゃないか、と子供心に思っていた。もしかしたらカードも返してくれたのかもしれないけど。
 で、今もそのカードが30枚くらい手元に残っている。それを見ると、選手の顔が版ズレを起こしていたり、眉毛が明らかにペンで書いてあったり、かなり可笑しい。

 小学校に上がった頃には、「シール」とか「ワッペン」のブームがあった。キャラクターは鉄腕アトムや鉄人28号。鉄人のシールはプリント・シールといって、貼って上からこすると絵が定着するタイプで、こすりが弱いと鉄人の顔が切れちゃったり。
 本に書くために新聞の縮刷版を調べていたら、昭和32年のグリコキャラメルのおまけで「小鳥幸運券」が入っている、という広告を見つけた。オウムとかカナリアがもらえるらしくて、「特賞30本、オウム1羽もしくはシネマックス8mm撮影機」と書いてあった。1等はカナリア、4等はジュウシマツ1つがい、なんだけど、鳥がランク付けされているのが妙に可笑しかった。
 動物をおまけにできたなんて、時代がまだ寛容だったのだろう。森永のチョコレートでミドリガメがもらえたのは有名な話だけど。はじめはチョコフレークの中にミドリガメが入っているのかと思って、気持ち悪がったんだけど。
 その森永のキャンペーンはかなりヒットして、池で自生しているミドリガメの何%かは、チョコレートのおまけの子孫ではないかという伝説もある。

【Hot Link !!】





image ■ 早川隆浩さん(新星堂)の

『CDのおまけ』の話

 CDの特典には、メーカー特典とショップのオリジナル特典の2種類がある。メーカーの特典は、全国一律どこでも同じ。ちょっと縛りがきつくて、「CDを10枚以上仕入れたお店だけ」とか。一方、ショップのオリジナル特典は、仕入れの大きなチェーン店が、独自に作る特典。
 特典にも流行り廃りがあって、プリクラが流行った時期にはそれっぽい特典が多かったし、今なら携帯にまつわる特典が多い。一番の定番ならポスターで、いつでも誰でも、一番喜ばれる。
 古い話になるけど、テレカが流行った頃には、新星堂のオリジナル特典テレカは「ロットが少ないから値段が上がりやすい」と評判になった。森高千里さんのテレカなんて、すごい額になったと思う。当時、国民的美少女として人気アイドルだった後藤久美子さんも、CDのプラスチックケースの外、ビニールのパッケージの内におまけのテレカを付けていたら、CDごと万引きしていく奴とは別に、ビニールをカッターで切って抜いていく奴も続出した。こうなるともう、どっちが商品なんだかよくわからない。
 ベテランアーチストも意外といい特典が付くことがある。さだまさしさんとか高橋真梨子さんとか、すごくいい特典が付いていたりする。裏を明かせば、そういうアーチストはファンがある程度固定されていて、テレビCMに何億円もかける必要がない。そこで浮いた宣伝費を特典に回すことができる。さだまさしさんはプロモーションビデオが特典で付いていたり。
 シングル1曲のプロモーションビデオは、中国で生産すると1本150円くらい。安いようだけど、普通はCD1枚に100円もかければ豪華な方で、150円というのは破格の特典になる。でも、ベテランアーチストならそれくらいできる人もいる。

【Hot Link !!】





image ■ 田伏美雪さん(ディアゴスティーニ・ジャパン)の

『おまけ付き雑誌』の話

 『ディアゴスティーニ・ジャパン』は、パートワークを専門とした出版社。パートワークというのは、1冊1冊は薄い本でも、それを集めると百科事典が出来上がる、といったような形式の書籍のこと。
 そのパートワークの本に、最近は「おまけ」がよく付くようになった。そのおまけは、組み立てキットだったり、鉱石だったり、さまざま。
 鉱石は『トレジャー・ストーン』という隔週刊の雑誌に付いている。本の中で石英やヘマタイトといった「石」を取り上げるので、その石が実際に「おまけ」として付いてくる。創刊号は55万部も出て、お子さまに限らず、子供の頃に石集めをした大人の男性、宝石好きの女性など、いろんな層の人に支持されている。
 昨年秋に創刊したのは、『モト・コレクション』。オートバイのミニチュア・ダイキャストモデルが毎号付いてきて、かなり大きいので書店でも目立っている。もっとも、本屋さんの方にしてみたら迷惑な話なのかもしれないけど……。定価は1390円、ダイキャストモデルの値段とそれほど変わらない。これの創刊号は9万部も出た。
 お子さま向けのシリーズで、ディズニー映画の『ダイナソー』のキャラクターが恐竜世界を紹介する『ダイナソー』という週刊誌もあった。これのおまけは、組み立て式の恐竜の骨のモデル。1号から8号までを揃えるとティラノサウルスができる仕組みで、その後8週ずつで1頭の恐竜が完成するようになっていた。21巻で完結したシリーズだけど、今でもバックナンバーの注文は多い。

【Hot Link !!】





image ■ 牧山伸夫さん(広告代理店)の

『おまけの行方』の話

 「おまけ」は広告業界では「プレミアム」と呼ばれている。このプレミアムを直訳すれば「割り増し」となる。たとえば「プレミアム・チケット」は、チケットの価値が上がって、金額が「割り増し」されている、という意味。
 ということは、「おまけ」のプレミアムも何かが割り増しされているハズ。で、何が割り増しされているのか考えると、「楽しさ」とか「嬉しさ」が割り増しされているのではないかと思っている。
 一般的にプレミアム・キャンペーンは、抽選によってほんの少しの当選者と、大量の落選者を出すという構造で成り立っている。それを続けると、毎回外れる人がどんどん増えていって、沈黙の不満がたまり、商品に対する悪いイメージに結びつきやすい。そこで最近、「小さなものでも必ずもらえる」というタイプのプレミアムが非常に増えて、実際にそれが商品の売り上げに結びつくケースが増えた。
 個人的には「小さな幸せ消費」と呼んでいるんだけど、この不況の中、昔みたいに「いい車を買いたい」とか「別荘を買いたい」みたいな大きな幸せを追い掛けられなくて、「小さなお金でも幸せを見つけられる方法」を、消費者がみずから見つけているのではないだろうか。
 たとえばチョコエッグ。150円という投資は、さすがに今でも大きな投資じゃない。それをコレクションしたり、情報を交換したり、ホームページを作ったり、小さいことから自分で楽しさを広げていっている。それはプレミアムそのものに魅力があるというよりは、集めたりする経験に価値があるのではないだろうか。
 それから、最近のプレミアムの傾向として「IT化」という傾向がある。たとえば商品に付いているIDナンバーを携帯で応募すると、その場でアタリかハズレかわかる、とか。携帯というのは今の若い人にとって最大のメディアなので、これからのキャンペーンに携帯は欠かせないものになっていくのは間違いない。そしてIT化の先も、プレミアム自体が着メロだったり待ち受け画面だったり、「小さな幸せ」の方向に向いている。







放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
9'10" Dungaree Doll Eddie Fisher RCA 9592-2-R
18'45" I Can't Give You Anything But Love Doris Day Hindsight HCD200
28'09" Exactly Like You Bing Crosby RCA BVCJ-2029
34'09" I'm Sitting On Top Of The World Jerry Lewis MCA RE 2079
40'37" Always True To You In My Fashion Blossom Dearie Verve POCJ-2654
46'35" Sweet Happy Life Peggy Lee Capitol 7243 4 98883 2 6


 Back