■ 塚原光男さん(塚原体操センター)の
『塚原跳び』の話
本来、体操の技の名前というのは、動きをそのまま言うもの。「側転跳び4分の1ひねり後方抱え込み1回半宙返り」とか。それを英語、ドイツ語、フランス語に訳したものが、大会では公式に使われる。でも、そのままではいくら何でも長いので、世界体操連盟が「この技を最初にやったのは塚原ってヤツだから、『ツカハラ』って呼ぶことにしようか」と決めて、ルールブックに「側転跳び4分の1ひねり後方抱え込み1回半宙返り(ツカハラ)」と載せる。これが現場でも使われるようになって、「塚原跳び」という呼び方が定着した。
塚原跳びが画期的だったのは、進行方向に対して後ろを向いてしまうこと。みんなが前に遠くに飛ぼうとしか考えていない時代に、後ろへ飛ぶという逆転の発想をしたことが、世界を驚かせた。そんな発想が生まれたのは、「人のできないことをやりたい」と子供の頃からいつも考えていたからだろう。別に小難しいことを考えていたワケじゃなくて、「この高い塀の上を渡れるのはオレだけだろう」みたいな、イタズラ好きだっただけ。
それが高じて体操部に入っても、そういう「遊び」はやめなかった。跳馬の上で逆立ちをしたり、その体勢から後ろへ飛び降りたり、逆に飛び乗って逆立ちしたり、そんな遊びをしている内に、塚原跳びの原型が生まれた。
ただ、当然のことながらそれだけでは技は完成しない。この技が日の目を見たのは、実は僕がそのころ主流だった「山下跳び」が苦手だったせい。山下跳びは勢いをつけて高く遠くへ飛ぶ技なんだけど、僕は足がそんなに速くないので、跳馬がどうしても苦手だった。だったらいっそ、と思って、変な技で勝負に出たのが、後の塚原跳び。当然、他にそんなことをやるヤツもいないし、当時の跳馬の価値観からすれば、ひねったり後ろを向いたりしている分、距離も高さも出ていないワケで、そんなに点数ももらえなかった。
でも練習する内に、それなりに高さや距離が出るようになり、周囲も技として認めてくれるようになっていき、そして最後には世界選手権で優勝してしまった。正直、その時はまだ「本当に点数が出るのかな?」と不安だったんだけど、会場の「ツカハラ」コールが後押ししてくれたのだろう。
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■ 高橋美枝子さん(渋谷『民民羊肉館』)の
『餃子の元祖』の話
昭和23年5月、私と結婚する前の主人は、満州から引き上げてきたんだけど、仕事が全然なかったらしい。そこで、満州で食べていた中国のお総菜屋みたいなものをやってみたらどうだろうと考えて、餃子のお店を始めた。今でこそ誰でも食べている「餃子」だけど、当時はまだほとんど誰も知らない食べ物だったのでは。
もともと中国では、餃子と言えば水餃子の方がポピュラーで、今でも本格的な中華料理屋では水餃子の方が多い。だけど昔から焼き餃子もちゃんとあったみたいで、主人もそれを満州で食べてきたとか。やっぱり日本人の感覚としては、焼いてある方がビールには合うし、皮がカリッと焼けたところもいい。それでお店で焼き餃子を出したら、もの凄い人気になったらしい。
主人に1度、「なんでこんなにニンニクを使うの?」と聞いたことがある。そうしたら「餃子というものをみんな知らないから、印象づけるためにニンニクを使った」と言っていた。もともと餃子には多少はニンニクが入っていただろうと思うけど、やけにニンニクの量を増やしたのは主人だと思う。
民民(正しくは「王」偏に「民」)という名前は、中国の女性の名前。満州から引き上げてきてお店を始めた頃に、そういう名前の女性と付き合っていたから付けたんだとか。最初は仮に「民民亭」と名乗って、お客さんから名前を募集したら、「亭を取っちゃって、『民民』の方が洒落てるんじゃないか」と言われて、今の名前に落ち着いた。
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■ 池田敏さん(ライター)の
『テレビ番組の元祖』の話
日本のテレビ番組『どっきりカメラ』も、実はアメリカの『Candid Camera』という番組が元祖。そういう具合に、20〜30年くらい前の日本のテレビ番組は、アメリカの番組からアイデアを借りてきているものが非常に多い。
『クイズ・グランプリ』もそう。問題がジャンル別に並べてあって、上から10点、20点、30点……と決まっているスタイル、あれはアメリカの『ジェパリー』というクイズ番組そっくり。1964年から40年近く続いている番組なので、アメリカで『ジェパリー』を見た人が、おもしろいから日本でも……と思って『クイズ・グランプリ』を作ったのでは。
『クイズ100人に聞きました』も、アメリカで1970年代から続いている『ファミリー・フュード』という番組に似ている。特に似ているのは、司会の関口宏さんが、出場者に対して妙に馴れ馴れしいところ。なんとなく日本人のノリじゃないなぁ……と思っていたら、アメリカの本家がああいう感じだった。この間、アメリカに行ったらまだ続いていたので、機会があったら見られるかも。
『クイズ・ミリオネア』『ウィーケスト・リンク』は、イギリスの番組。アメリカでもやっているけど、アメリカもイギリスから企画を買って、番組を作っている。向こうの番組を見ると、みのもんたさんの司会と同じノリなのがかなり笑える。
クイズ以外にも、もとは海外という番組はある。たとえば、『サバイバー』の元祖はスウェーデン。スウェーデンで『ロビンソン作戦』というタイトルの番組があって、それをアメリカに持っていったら大ヒットした。それが今度は日本に持ち込まれて、ちょうどいま放送している。
逆に、日本オリジナルなのが『料理の鉄人』。あれを日本で放送が終わったあとに、アメリカの「フード・ネットワーク」という料理専門チャンネルへ輸出したら、大人気になってフード・ネットワークの看板番組になってしまった。そこで今度は『アイアンシェフ USA』という番組を作って放送しているらしい。
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■ 岡本夏生さん(タレント)の
『元祖レースクイーン』の話
最初に事務所から「岡本さん、今度はレースクイーンのオーディションに出て」って言われた時は、「レースクイーンってなに?」って感じだった。それくらい、当時はまだレースクイーンというものを誰も知らなかった。
で、たまたま1回だけレースクイーンのオーディションを受けて、たまたまそれに受かってしまって、たまたまそれが日清のカップヌードルのレーシングチームで、それで私の人生が大きく変わった。
仕事の内容は「レース場での傘持ち」と言われていた。レーサーが日射病にならないように傘をさすだけなんて、なんて楽な仕事なんだろう!と思っていたら、こっちが日射病になりそうなくらい暑い日もあれば、ガタガタ震えるくらい寒い日もあったり、「ちょっと割に合わないんじゃないの?」と思うくらいキツイ仕事だった。高いヒールを履いて8時間くらい立ちっぱなしだし。おかげでヒールに関してはかなり詳しくなったけど。
レースクイーンの朝は以上に早くて、起床は4時半くらい。夜の内に現地入りして、だだっ広い部屋で何十人ものレースクイーンがざこ寝している。ろくに眠れもしないんだけど、朝早くに起きたら起きたで、一斉にシャワーを浴びたりドライヤーを使ったりするので、ヒューズが飛んだだのマスカラ付け過ぎただの、もう大騒ぎ。それでも、最後にはみんなお化粧バッチリでサーキットに飛び出していく。
今度、深夜番組でレースクイーンの番組の司会をやることになったんだけど、最初のオーディションから15年も経つのに、まだレースクイーン関連の仕事で食べているとは、我ながら驚き。当時は日暮らしの家賃を稼ぐことしか考えていなかったけど、人間何事も、その時その時の仕事を一生懸命やるもんだと今は思う。
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■ 脇田均さん(シャープ)の
『シャープペンシル』の話
シャープペンシルの「シャープ」は、シャープ株式会社のシャープ。話は1915年までさかのぼる。
大正の始め、モノを書く道具としては主に鉛筆が使われていた。しかし、当然のことながら鉛筆は、書いている内に芯が丸くなってしまう。そこで開発されたのが「早川式繰り出し鉛筆」。最初は金張りのモノがあったり、かなり高価なモノだったらしい。その後、いつでも尖った芯で、という思いを込めて、「シャープペンシル」という名前に改名された。
1915年といえば、第一次世界大戦のまっただ中。だから当時は、アメリカの兵士がヨーロッパへ遠征した時に、故郷への手紙を書こうと思えばいつでも書けるということで、シャープペンシルが非常に重宝がられた。それでシャープペンシルは、最初は輸出品としてヒットした。
その後、シャープは関東大震災で工場を全て失ってしまい、再起のためにシャープペンシルの特許をすべて売ってしまう。しかしそのお金を元手に、鉱石ラジオの工場を造り、現在の電機メーカー「シャープ」に至る。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 10'33" |
Jump For Joy |
Peggy Lee |
Capitol |
7243 8 54543 2 5 |
| 18'19" |
The Middle Of Love |
Blossom Dearie |
Verve |
314 517 067-2 |
| 29'59" |
Look Out |
Joanie Sommers |
Studio West |
#106 CD |
| 40'02" |
The Lady Is Tramp |
Joni James |
DIW |
DIW-319 |
| 47'43" |
I'm Gnna Sit Right Down And Write Myself A Letter |
Frank Sinatra |
Reprise |
1008-2 |
|