■ 堀越千代さん(日経トレンディ編集部)の
「地方の流行」の話
最近、先に地方で人気が出て、東京の人は知らないけれど、実は地方でムチャクチャ売れている、というモノがいくつかある。
今年のイチオシは、名古屋発「フランネル・ソファー」。中古のソファーを買い上げて、布を新しく張り替えた上で美容院やカフェに売り込みに行った。かなりウケが良くて、オシャレというイメージも定着したので、全国に取扱店が広がりつつある。
岩手発の「煮魚名人」もかなりの人気。「電子レンジですぐに食べられる煮魚」というところは意外とありがちなんだけど、新開発のトレイに人気の秘密がある。その新開発のトレイとは、「電子レンジでも使える紙のトレイ」。余計なゴミも出ないし、そのままお皿代わりに使えるのが便利。若い人は煮魚なんて作れないし、手軽におばあちゃんの味を楽しめるのがウケている。
去年の年末の「2002年ヒット予測」で黒川温泉を取り上げたんだけど、黒川温泉に続きそうなのが山形の「小野川温泉」。米沢の近くなんだけど、温泉街があるのがポイント。街全体が歓迎ムードで、川沿いに設けられた「出前地点」からラーメン屋に電話すると、ラーメンの出前をしてくれたりする。もちろん丼はそのまま置いたままで構わない。「ラジウム卵」があちこちに置いてあって、料金箱にお金を入れれば食べられるようになっていたり。街全体のホスピタリティが素晴らしい。
小野川温泉に限らず、黒川温泉以降、街全体で楽しんでもらおうとする温泉街が増えて、旅行会社のパンフレットにも「温泉街マップ」が必ずつくようになった。これも最近の流行。
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■ 橋本保さん(ライター)と高田さん(編集者)の
「密かな電話の流行」の話
携帯で密かに売れているのが「らくらくホン II」。
この携帯は年輩層をターゲットに、大きな文字やボタンで使いやすい携帯なんだけど、30代後半から40代の、会社で「役」がつくような人たちに人気があるらしい。そういう人たちは、仕事の関係でどうしてもiモードを使わざるをえないんだけど、普通の端末では文字が小さかったり言葉の意味が分からなかったりで、どうにも使いにくい。
たとえば自分の携帯の番号を見るのは「自局番号表示」なんだけど、「なにそれ?」って気持ちはよく分かる。素直に「電話番号を見る」って書いてくれればいいのに。そういう所にすごく気をつかって作られた「らくらくホン II」は、初心者でも使いやすい。
喋って教えてくれるのも「らくらくホン II」の特徴の1つ。押した番号を読み上げてくれたり、操作方法を教えてくれたり。
あまりにも売れているので、今年の後半くらいからシリーズになって何種類も出てくる、という噂もある。オシャレな端末も出てくるかもしれないので、機械音痴の女の子にもオススメ。
電話で流行っているといえば、電話の104。普通に電話で問い合わせれば料金が掛かるけど、実はパソコンでやると、104がタダになる。そのサイトとは『104.com』。地域を選んで名前を入力すれば、たちどころに電話番号と住所が分かる。これは使える。
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■ 犬養裕美子さん(フードライター)の
「讃岐うどん」の話
今年、飲食業界の流行は「うどん」。居酒屋さんと一緒になるうどん屋さんが増えていて、お酒が飲めて、つまみも充実していて、最後にはうどんでしめる、というお店が多くなった。そしてその時に出されるうどんは、讃岐うどんに限定されている。
讃岐うどんが普通のうどんと違うのは、いりこダシを使うところ。このダシが美味しさの秘訣。うどん自体はそれほど変わらないけど、やっぱり多少弾力がある。だからツルツル食べられる。
讃岐うどんの地元・高松に行くと、全国からうどんを食べに来ている人がいっぱいいる。休日は、その人出で車が動けなくなるくらい。その人気の讃岐うどんを、東京でも出すお店が増えたのは嬉しいことだと思う。
去年、築地の交差点の2階に、「セルフ」のお店もできた。セルフというのは、お店の人からうどんの玉を受け取って、自分でうどんを湯がいて温めて、自分で作って食べるスタイル。本場では当たり前のやり方なんだけど、これが東京でも楽しめるようになった。
そして5月、本場の『はなまるうどん』が、ついに渋谷に店を出す。今まで、パスタやラーメン、そばだってブームになったのに、うどんだけは忘れ去られていた。元々美味しいモノなのに、これはおかしい。でもついに讃岐うどんで、うどんブームがやってくるかもしれない。
高くてマズイ創作和食に毒された人は、夜中に安くて美味しいうどんの白さを見て、心を洗われるに違いない。
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■ 野村万之丞さん(狂言師)の
「能と狂言」の話
新聞に「狂言強盗」とか「狂言自殺」という言葉が使われるけど、僕のやってる「狂言」と意味は同じ。僕は強盗や自殺はしないけど、「お芝居でそのように見せかける」という部分はそのまんま。
難しいことを言えば、「狂言」という言葉は仏教伝来の時に伝わった言葉で、「たわいもない事をいう」とか「意味もなく飾り立てる」という意味で使われて、「そういう事をしてはいけないよ」という戒めの言葉だった。それがいつしか「芝居」を意味する言葉になっていった。
だから狂言というのは、清と俗、白と黒、悲しみと笑い、善と悪、などの間にある、インターフェイスのような存在。清界にいってみたり俗界に行ってみたり、いわばグレーゾーンの道化。それは一種の編集者だから、知識の編集者でありながら、その知識をひけらかすような事はしない。難しい話題も簡単に、重い話題もあくまで軽く表現する。
たとえば、明治の人はヤケに重かった。「明日は休みだ! 一生懸命休みなさい!」みたいな。逆に、20世紀のメディアは「伝統」とか「継承」みたいな美辞麗句を使って、軽いものを重く言った。現代人は重いモノはダメだし、軽いモノじゃ満足できない。そこで今まで使われてきたのが20世紀のメディアの手法だったんだけど、21世紀は「重いものを軽く言う」狂言の手法が主流になるに違いない。まだダメだけど。
広辞苑で「狂言」を引くと、「能と能の間で演じられる台詞劇」と書いてある。じゃあ「能」はというと、「狂言と狂言の間で演じられる歌舞劇」と書いてある。これは能と狂言が双子の兄弟だから。似ている部分もあれば、違う部分もある。同じ能舞台という場所で上演したり、すり足をしたりというところは似ている。だけど、狂言は喜劇的な材料を扱い、能は悲劇的な材料を扱う。分かりやすく言えば、狂言は「生」、能は「死」がテーマになっている。
生きる、というのは「生まれる」ということ。子供が生まれる時には「あ〜」と泣き、死ぬ時は「うん」というらしい。だから神社に行くと狛犬があって、「あ」「うん」が対になっている。これは生と死、過去と未来の間を通って、今を生きるという意味。こういった具合に、身体とか音とか言語とか哲学を、わかりやすい芸で表すのが狂言。「人類」とか「共生」とか、そんな難しい言葉を聞いても脳みそが筋肉になってしまけど、「あ」と言えば生まれて「ん」と言えば死ぬ、といえば分かりやすい。
「明日があるさ」と思いたいなら狂言。「死んだらどうするんだろう」と考えたいなら能。だから能楽堂に行くと、「死んだらどうなる」なんて心配している客ばかりいる。能舞台の橋掛かりという廊下は西側についていて、西方浄土という極楽から幽霊がやってくることになっている。そして「死後の世界はこうなっているよ、弔ってね」と言って帰っていく。おじいちゃんやおばあちゃんが「死んだら線香を上げてくれよ」と言っているのと同じで、ようは「ご先祖さまを大切にしましょう」という教訓。ちなみにその橋掛かりが傾いて(かぶいて)、歌舞伎になった時に「花道」になった。それを狂言の場合は、「死ぬ事ばっかり考えてなくてもいいじゃん!」と考えている。そこで人間の108の煩悩を笑い、今生きている事を展開する。
今、若い女の子がブームに乗って見ている狂言は、インチキ狂言。たとえば酒を飲む時、狂言では必ず3杯と決まっている。これは日本の韻律が「序破急」と言って「3」が基本だから。酒を注ぐ時は「ドブドブドブ」と必ず3回言うし、「ズカズカズカ」も3回しか言わない。でも今の女の子はそれじゃ笑わないので「ズカズ……ズカズカズカズカズカズカ」って言ってしまうんだけど、これがインチキ。これを「客に媚びる」と言うんだけど、「客を意識はしても媚びてはいけない」のが鉄則。そんな風に格好つけているから売れないとも言える。
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■ 植野穰さん(日本フーズボール倶楽部代表)の
「フーズボール」の話
テーブルサッカーと呼ぶ人もいるフーズボールは、棒に固定された人形を操ってサッカーをやるゲーム。ゲーム台にコインを入れて「ガッチャン!」と押し込むと、玉が9個出てくるので、その玉を使ってゲームをする。参加人数は2対2か1対1。2対2の方が主流だけど、1対1でも楽しめる。ただし、4本のバーを次から次へと操作しなくてはならないので、阿波踊り状態になって走り回る事になるけど。
大会も開かれていて、たとえば年に1回「ジャパン・オープン」という大きな大会を我々の主催でやらせてもらっている。ただ、我々のクラブが発足したのは1999年なので、日本ではこれから普及していく新しいゲームと言えるかもしれない。
海外ではかなり昔からあるゲームで、私が初めてフーズボールをやったのは1976年だった。高校の頃アメリカに留学していた時に、たまたま向こうで大ブームになっていて、その時にはまって以来30年近くやり続けている。
クラブを作ろうと思ったのは、1999年に海外遠征をしたことがきっかけだった。そこで世界を知って、「井の中の蛙じゃいけない、ワールドの中でジャパンはどうあるべきかを考えなくちゃいけない」と思ったから……なんて偉そうなことを言ってるけど、ホントは「誰かがやってくれるだろう」と思っていたのに、誰もやってくれないから仕方がなく自分で始めた、というのが本音だったりして。
欧米のパブなんかには、大抵どこにもフーズボールの台が置いてある。これはフーズボールをやらせて、ノドが渇いたら何か飲んでね、というお店の戦略らしい。さらに週末にリーグ戦でも開けば、お客さんも集まるし。
アメリカには『ハイテク・リーグ』というリーグ戦も行われている。これはIBMとかシスコとかオラクルといったハイテク企業では、普段からコンピューターを使った仕事ばかりなので、アミューズメントルームにコンピューター・ゲームを置いても何の休憩にもならなくて、完全にアナログなフーズボールが重宝がられていたところから始まったんだとか。それが高じて、今や「ハイテク・リーグ」は全世界にかけて行われている。ちなみに、どれくらいフーズボールがアナログかというと、電源が一切いらないくらいアナログ。コインを入れてボールが出てくる機構さえ機械仕掛けになっている。
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放送曲目リスト
| Time |
Title |
Artist |
Label |
Number |
| 8'26" |
There Will Never Be Another You |
Four Freshmen |
Capitol |
72438-19175-2-7 |
| 16'49" |
Oh Johnny, Oh Johnny, Oh |
Peggy Lee |
Capitol |
7243 4 96729 2 5 |
| 26'02" |
That's Your Red Wagon |
Anita O'day |
Verve |
314 559 808-2 |
| 38'52" |
Cheek To Cheek |
Frank Sinatra |
Capitol |
TOCP-8131 |
| 46'56" |
Just One Of Those Things |
Sarah Vaughan |
Verve |
314-511-070-2 |
|